ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・マイコンたち
ビクターのイオ(io)ブランドで1985年にデビューした「HC-30」
2020年4月28日 07:05
想い出に残る、懐かしのマイコン・パソコンを写真とともに振り返る本コーナー。今回取り上げたのは、ビクターのイオブランドとして発売されたMSX「HC-30」です。発売は1985年。
MSX1時代は数多くのメーカーがMSX機種を発売していたため、どこも独自性を打ち出すべく工夫を重ねていました。
そんな中でビクターは、ブランド名をイオ(io)とし、イメージキャラクターに小泉今日子さんを立ててMSX市場へと参入します。
なぜ小泉今日子さんだったかといえば、CBSソニー(当時)に所属していた松田聖子さんがHitBitのイメージキャラクターだったように、小泉今日子さんもビクター音楽産業株式会社(当時)所属していたからでした。
そのイオブランドの1台として85年にデビューしたHC-30は、メモリ32Kbytesを備えていましたが、カートリッジスロットは1つのみ。その代わりというわけではないでしょうが、RGB出力端子を内蔵するというユニークな特徴を持っていました。
また、本体カラーとしては黒だけでなく、目に鮮やかな赤もラインアップとして準備されていました。
当時の標準小売価格は36,800円で、同年に発売されたカシオのMSXマシン「PV-16」が29,800円だったものの、メモリ16kbytesでRGB端子は備えていなかったことを考えれば、悪くないお値段だったのかもしれません。
ちなみに、電源は内蔵ではなくACアダプタで、本体に挿すピンの直径が他機種と比べて若干小さいということを、これから入手しようとしている人は頭の隅にとどめておくのが良いかもしれません。
メモリ32Kbytesを搭載していたのでカセットテープのゲームも一通り動いたほか、キーボードは入力しやすく、BASICでのプログラミングやゲームプレイにも問題無く使えました。見た目のインパクトだけかと思われがちなカーソルキーは思った以上に使いやすく、シューティングゲームでも問題無く操作できます。
もちろん、ジョイスティック端子も2つ付いているので、ジョイパッドなどを繋いで遊ぶこともOK。カートリッジスロットが1つという所を除けば、不満のないMSXだったと言えるのではないでしょうか。
MSX1に限っては、ヤマハのOEM機種を販売していたビクターですが、MSX2では独自ハードを作り発売していくことになります。