ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・マイコンたち

FM音源を搭載するなどPC-9801Uの難点を大幅に克服した「PC-9801UV2」

これまでのPC-98シリーズとは違い、PC-9801U2と同じ3.5インチFDDを横に2基並べるデザインを採用しています。電源スイッチは、左側面にあります。この個体は正面パネルが非常に日焼けしていて、正面下のカバーを開けたときのカラーリングの差が激しいです。

 想い出に残る、懐かしのマイコン・パソコンを写真とともに振り返る本コーナー。今回は、PC-9801VM2の3.5インチ版ともいえるであろうモデル、PC-9801UV2を取り上げました。発売は1986年。

 1985年に発売されたPC-9801VM2は、後に20万台以上を出荷するベストセラーマシンになりますが、その搭載ドライブを3.5インチにしたモデルと言えるのが、このPC-9801UV2です。型番も、3.5インチモデルとして先に発売されていたPC-9801Uを踏襲し、PC-9801VM2から“V”をもらってきた形になっています。価格はPC-9801VM2の2ドライブ搭載モデルが415,000円でしたが、PC-9801UV2は310,000円と、かなり攻めた値段でした。

広告では「高性能でコンパクトなパソコンです」と謳い、その省スペース性と性能の高さをアピールしていました

 PC-9801シリーズ初の3.5インチ搭載モデルとなったPC-9801Uは、初代PC-9801に3.5インチ2DDドライブを内蔵したようなモデルで、メインメモリは前年に登場したPC-9801Mの半分となる128KB( )。さらに、グラフィックVRAMはPC-9801と同じ1画面分しか持たないなどの弱点を抱えていました。代わりに、同時に発売されたプラズマディスプレイと組み合わせて使えば、机上の省スペース化を図れるというメリットがありました。

(7/28 17:05更新) ※記事初出時、PC-9801Uのメインメモリの単位に誤りがございました。お詫びして訂正いたします。

 PC-9801UV2は、その難点を大幅に克服。メインメモリは384KBへと増加しただけでなく、PC-9801VM2には備わっていなかったFM音源を搭載し、オプションだった16色ボードも内蔵しています。FDDは2DDと2HDに両対応し、CPUもμPD70116-10(クロック8MHz/10MHz切換可)を採用。JIS第1水準にくわえて第2水準漢字ROMも標準装備しました。トータルコストパフォーマンスを考えると、PC-9801VM2よりも良かったと言えるでしょう。

 PC-9801シリーズとしては初となる4096色中16色に対応したことで、メモリさえ増設すれば後に発売されることになるPC-9801VM21共々、数多くリリースされた「PC-9801VM/UV以降対応」のソフトを稼働させることができた、長く活躍した1台になりました。

正面から見ると、PC-9801U2の時は背面に設置されていたキーボード接続コネクタが、前面右側へと移動しているのが見て取れます。左には、リセットボタンとクロック切り替えスイッチがあります。PC-9801UV21とは、ロゴのある部分が奥へ凹んでいるかどうかで区別できます。

 ただし、1986年時点では3.5インチFDの価格は5インチFDと比べるとまだまだ高く、ここが若干の泣き所ではありました。この時期のFDD価格を調べてみたところ、秋葉原のショップ広告ではマクセルの5インチ2Dが1枚320円に対して、3.5インチ2Dが740円、3.5インチ2DDは820円となっています。5インチと3.5インチでは、最終的に3.5インチが普及するわけですが、この価格差を考えると悩ましい限りだったのかもしれません。

背面は上段左から、拡張スロット、オーディオ出力端子、サービスコンセント、電源コネクタ。下段左からマウス端子、RS-232C端子、アナログRGB端子、デジタルRGB端子、モノクロ端子、1MBフロッピーディスクインタフェース、プリンタポートと並んでいます。

 こうして、PC-9801VM21の機能を一部先取りしたスペックで登場したPC-9801UV2ですが、約1年後にはメインメモリを640KBにしたPC-9801UV21が、88年春には更なる省スペース化を実現させたPC-9801UV11へと進化を遂げていくのでした。そのあたりの機種については、追々紹介していきたいと思います。