ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・マイコンたち
MSX2大ヒットの立役者、あのMSX2マシンが一気に身近な価格に! 「パナソニック FS-A1」
2020年8月20日 08:30
想い出に残る、懐かしのマイコン・パソコンを写真とともに振り返る本コーナー。今回は、MSX2マシン大ヒットの立役者の1機種となったパナソニックの「FS-A1」を取り上げました。
1983年に最初のMSX規格が登場しましたが、その2年後となる1985年に発表され、同年半ばから発売され始めたのがMSX2規格に則ったパソコンです。
1985年に登場したハードは比較的高価なモデルが多かったですが、1986年に市場デビューしたパナソニックのFS-A1は、標準小売価格29,800円という驚くべき安さでした。同機種と、34,800円で同年に発売されたソニーのMSX2機種HB-F1が、MSX2市場を拡大化させることとなります。そのFS-A1は、パナソニックブランドで発売された最初のパソコンでした。
メインメモリは64KBを内蔵し、VRAMも128KBを搭載。それでいてカートリッジスロットは2つ備え、問題無くMSX2のソフトを楽しめる構成になっています。電源は別途、同梱されているACアダプタが必要ですが、それを本体に内蔵していない分、重量は約1.6kgと軽量になっていました。
ただし、ACアダプタの形状が特殊なため、簡単に汎用品で代用できないのが痛いところかもしれません。ちなみにこのACアダプタは、なぜかソニーのMSX2・HB-F1などと同じ形状をしているため、使い回しができるのが現代では重宝します。
この時代、広告には各社共にイメージキャラクターは女優さんなどを起用していたのに対し、パナソニックはアシュギーネという架空のキャラクターを使っていたのも珍しい部分でしょう。アシュギーネは後に冠となるゲームが登場したこともあり、FS-A1ユーザーではなくても知っていた人も多いのではないでしょうか。
また、おにぎり型のジョイパッドやワープロ・プリンタのFS-PW1も同時発売されたほか、29,800円の通信モデムカートリッジを挿せばパソコン通信も楽しめました。
用意された本体カラーはブラックとレッドの2種類で、レッドのほうが出回っている数が少ないレアモデルです。レッドバージョンは、X1のローズレッドやPC-8201のワインレッドなどとは違い原色系の赤い色をしているため、非常に目立つカラーリングとなっていました。
FS-A1はその後、フロッピーディスクドライブを1基内蔵したFS-A1Fと、カーソルキーの上部にテンキーを追加したFS-A1mkIIというバリエーションを発売することになります。