ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち

PC-8801mkIISRの人気を不動のものにした「テグザー」

テグザー(THEXDER)のPC-8801mkIISR版パッケージ。パッケージに格好良く描かれた近未来ロボットが、当時のユーザーの心に響きました。

 想い出のレトロパソコンやゲームを写真とともに振り返る本コーナー。今回紹介するのは1985年にゲームアーツから発売された「テグザー(THEXDER)」。その後の“88人気”を決定づけたと言っても過言では無い名作タイトルです。

 1985年と言えば、NECからPC-8801mkIISRが発売された年でした。それまでの「PC-8801」シリーズにはなかった機能を数多く備えていましたが、何よりも印象的だったのがFM音源によって奏でられるBGMでした。これを最大限に利用し、さらに高いアクションゲーム性を備えてデビューしたのが「テグザー(THEXDER)」です。

ゲームアーツ初期の広告(左)と、「テグザー(THEXDER)」発売後しばらくしての広告(右)です。当初のスタッフが15人だったというのが分かるほか、後の広告では「キュービー・パニック」の掲載を取りやめたことで「テグザー(THEXDER)」の渋い広告が際立っています。

 プレイヤーは自機「THEXDER」を駆り、誘導レーザーを武器に各ステージを突破していきます。放たれたレーザー光線が美しく色が変わる様、スムーズに変形する自機、滑らかなスクロール、美しいBGMと、見ているだけで当該機種を所有していなくても欲しくなる、今で言うキラータイトルでした。

美しいレーザーと、耳に残る特徴あるBGM。当時としては画期的な作品で、パソコンのアクションやシューティングゲームもアーケードに負けず劣らず、と思ったものです。

 実際、筆者は当時PC-8801mkIISRを持っていなかったにもかかわらず買ってしまい、毎週末デパートで遊んでいた記憶があります。後に数多くの機種へと移植されましたが、2016年にはPC-8001mkIIへのコンバートプログラムがリリースされたり、2017年にはガレージキットが発売されるなど、その勢いは発売から30年以上を経た今でも衰えることはないようです。

 余談として、海外でもシエラ社から発売されていますが、これは当時のシエラ社社長が来日した際、デパートで「テグザー(THEXDER)」をプレイしたところ面白くて延々と遊んでしまい、他のお客さんの迷惑になるからと本体とソフトをセットで買って帰ったことがきっかけになっているそうです。

当時、隠れキャラクターを仕込むのが流行っていましたが、「テグザー(THEXDER)」も例外ではありません。これはステージ1の最後ですが、上に見えるのが隠れキャラクターです。