ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち

スクウェアとサンライズがタッグを組んだ「クルーズチェイサー ブラスティー」

クルーズチェイサー ブラスティーのパッケージ。この頃のスクウェアのパッケージは、大きなものがほとんどでした。例えるなら、EPレコード(いわゆるドーナツ盤)よりは大きく、LPレコードよりは小さいといった感じです。

 想い出のレトロパソコンやゲームを写真とともに振り返る本コーナー。今回はスクウェアの大ヒット作品「クルーズチェイサー ブラスティー」を取り上げます。

パッケージ内には、ソノシートや設定資料など、オマケのアイテムも同梱されていました。今では貴重な資料だと思います。

 RPGがジャンルの主流となり、各ソフトハウスがさまざまな形を模索している中、「WILL」「アルファ」などでアドベンチャーゲームにアニメーションを取り入れていたスクウェア(当時は、株式会社電友社 東京営業所 コンピュータ部門 スクウェア)が新作として発売したのが「クルーズチェイサー ブラスティー」でした。

 「機動戦士ガンダム」シリーズなどでお馴染みの日本サンライズ(当時)がアニメーション部分を担当し、画面の1/4にも及ぶサイズでロボットの変形シーンがアニメーションする様は、当時は非常に驚かされたものです。雑誌誌面でも変形シーンを細かく撮影し、それを連続写真として掲載するなど、かなり気合いの入った紹介記事を作っていました。

これが戦闘シーンです。左側に自機であるブラスティーが、右には敵ロボットのバリアントが表示されます。戦闘方法は一般的なコマンド入力式ですが、3ターン分を一度に指示するのが特徴です。

 終盤になって明かされる意外なストーリーも好評だったと聞きます。舞台は閉鎖された宇宙空間という設定なので、言ってしまえば通常の3DRPGではありますが、あの頃はSFという要素が入るだけでワクワクしたものでした。

 とはいえ、宇宙空間にはあまり壁が無いために目印が無く簡単に迷子になったり、何度も同じアニメーションを見ていると飽きてくるといった残念な部分もありましたが……。諸条件が重なってしまうと、いつまで経っても戦闘が終わらないというバグに近いものも潜んでいたなど、最初に発売されたPC-8801mkIISR版はバタバタした印象がありました。

宇宙空間で左右を向くとPC-8801mkIISR版では星が流れるため、1歩動いたと勘違いしてしまう人が多かったとのことです。これは、後に発売された機種版では改善されました。
基地で投資をすると各種新パーツが開発され、完成すると自機であるブラスティーに装着できるようになります。こうしてパワーアップを図りながら、ゲームを進めていきます。

 ちなみにJ&P渋谷店では、発売日である1986年4月26日だけで100本も売れたそうです。また、通信販売でも翌週月曜日に100本以上を購入者の手元へ送ったとのことで、スクウェア始まって以来の大ヒット作となったと当時の書籍に書かれていました。

1987年1月の時点では「FM-7/77AV版完成間近!」との広告が掲載されていましたが、残念ながら発売されることはありませんでした。