ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち
X68000の機能を活かしたアーケードクオリティのアクションゲーム「GENOCIDE」
2017年10月10日 00:05
想い出のレトロパソコンやゲームを写真とともに振り返る本コーナー。今回はズームのデビュー作となるX68000用タイトル「GENOCIDE」を取り上げます。
1987年に、パソコン界へ衝撃的なデビューを果たしたシャープのX68000ですが、そのハードが持つポテンシャルを引き出して作られたタイトルが、ソフトハウス・ズームのデビュー作となった「GENOCIDE」です。
名の知れないソフトハウスの、しかも1作目ということで、当時としてなかなか手を出しづらかったという記憶があります。しかし実際に遊んでみると、ゲームセンターに置かれていてもおかしくないクオリティのアクションゲームで、とにかく夢中になりました。これだけの大きさのキャラクターが“滑らかに”動いているゲームは少なかったため、新鮮な驚きもありました。
プレイヤーは自機であるトレーサーを操作し、出現する敵をサーベルで斬りまくりながら先へと進んでいきます。移動以外のボタンは2つ用意され、1つはサーベルによる攻撃で、もう一つがジャンプです。上に入力しながらジャンプボタンを押すとトレーサーは側転しながらジャンプし、その間は当たり判定が無くなります。
パワーアップの要素は無く、途中に出現する特定の敵を倒すとエネルギーを回復してくれるアイテムが拾える程度なので、いかにダメージを受けずに先へ進めるかがカギとなります。中盤からは、飛び道具としても応用可能なベティが登場しますが、そこまでは孤独な戦いが続きます。
全編を通してアーケードゲームライクな攻略法が要求されるため、ゲームセンターのゲームに遊び慣れていないと難しく感じるかもしれません。敵の出現パターンを完全に把握する必要があるほか、ステージの最後に出現するボス戦でもプレイヤーのテクニックが問われます。ステージごとにセーブするという機能はなく、ゲームオーバー時にそのステージの最初からやり直せるコンティニューがあるだけなので、よりアーケードゲームの雰囲気を味合わせてくれます。
また、FM6声+ADPCMを使用した迫力満点のBGMは聞き応え十分で、それまでのパソコンゲームよりワンランク上の体験をもたらしてくれました。
ズームはこの後、続編となる「GENOCIDE2」やF1レースシミュレーションゲーム「OVERTAKE」など、技術的に優れた作品を以降も発売していき、ソフトハウスとして確固たる地位を築いていきます。