ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち
電波新聞社の人も大阪まで訪ねた「エンジョイソフト」と、大勢に愛された「ハドソンソフト」
~永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本~
2018年11月13日 06:05
連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本」(著:佐々木 潤)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。
今回取り上げるページは、マイナーソフトハウス編から「エンジョイソフト」と、メジャーソフトハウス編からは「ハドソンソフト」となる。
なお、書籍版では画像はモノクロだが、本記事では一部カラーの写真を掲載している。
- マイナーソフトハウス編 -エンジョイソフト- -
電波新聞社の人も訪ねてきた、大阪のソフトハウス
大阪市港区にある竹の内電気商会が、ソフトを発売するときに付けていたブランドがエンジョイソフト。ソフトのほか、アクセサリの販売や情報交換の場としての“エンジョイ・パソコン・クラブ”なども手がけていた。
83年中頃から広告を出稿し始め、“エンジョイ”をキーワードにソフト4本を掲載する。それらは近所に住んでいた学生が持ち込んだプログラムだったそうで、店主がパッケージとして販売していた。
オールマシン語でデモも付いており、オールベーシックのソフトも数多く流通していた当時としては、それなりに技術力も高いほうだったと思われる。ただし、『うる星やつら エンジョイあたる編』は、アニメなどでの『うる星やつら』の盛り上がりを受けて、販売を取り止めたとのこと。その後は、それまでPC-8801中心で進めてきたソフトラインアップをPC-8001mkIIやFM-7、MZ-80Bシリーズへと拡大した。
広告出稿は84年中頃までだが、その後も電波新聞社の人がよく訪ねてきていたということなので、のちのちまでパソコンゲーム業界とのお付き合いはあったのだろう。そんな店主は残念ながら2013年にこの世を去っており、現在は同住所にて奥様が、パソコンゲームとはまったく関係ないお店を経営している。
ユニークなタイトルもあったソフト群から2作品を紹介!
あまり現存数が多くないエンジョイ・ソフトのタイトルだが、注目すべきはやはり『うる星やつら エンジョイあたる編』だろう。プレイヤーは、主人公である“あたる”を操作し、画面内にあるカギを回収してギャルの家へとたどり着くのが目的。道中、お馴染みのキャラクターたちが邪魔をするので、それを上手に避けなければならない。2プレイモードも用意されており、2プレイヤーは“面堂”を操作する。このゲームのみ他のタイトルより値段が少々お高いのは、何かあったのだろうか。
広告を出してはいないが、84年6月には新作『GOLD ADVENTURE』が発売されている。対応機種はPC-8001で、4階建てのビルに侵入して1千万円相当の金を盗み出すアドベンチャーゲーム。非常に描画速度が速く、サクサクとプレイできるのがポイントだ。
- メジャーソフトハウス編 -ハドソンソフト- -
マイコン少年たちが1度は遊んだことがあるタイトルを発売してきた老舗ソフトハウス
NHKの番組『新・電子立国 第4回 ビデオゲーム ~巨富の攻防~』で取り上げられたこともある、老舗ソフトハウス。ビジネスソフトやOS、ハードにも関わっていたことを考えると、その技術力の高さがわかる。
それを反映してか、初期の広告にはゲームや言語ソフトが入り交じって掲載されていた。アドベンチャーゲームが有名だが、『爆弾男』『ナッツ&ミルク』などのアクションも発売している。ちなみに、『爆弾男』は後の『ボンバーマン』に見えるが中身は別物。
最終的には現・コナミデジタルエンタテインメントに吸収され、2013年一杯でブランドも消滅となっている。大勢に愛された老舗ソフトハウスだっただけに、ブランド消滅は残念この上ない。
のちに大ヒットする『ボンバーマン』の原型になった作品は?
『ボンバーマン』の原型となった作品『爆弾男』は、ハドソンソフトとしては隠れた作品の部類。1983年発売で、X1版、FM-7版、PC-8001mkII版が同じタイミングでリリースされているようだ。
爆弾を使い敵の風船オバケをすべて倒すか、出口を見つけて入ればステージクリア。最初から爆弾を複数配置できたり、レンガを半分だけ破壊することも可能など、大ヒットとなった『ボンバーマン』とは相違点が多い。