ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

あの「爆弾男」が3Dになった!? 「三次元ボンバーマン」

カセットテープよりも一回り大きなパッケージに入っています。むき出しのカセットテープケースに収められているよりも、少しだけ高級感を得られるような気がします(笑)

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、ハドソンソフトの有名タイトル「ボンバーマン」の元となったゲーム「爆弾男」を3Dにした意欲作、「三次元ボンバーマン」を取り上げました。

 現在、ゲームセンターで好評稼働中の「ボンバーガール」ですが、その元となったのが1983年に発売された「爆弾男」(過去の紹介記事はコチラ)です。ルールはほぼ同じですが、爆弾を最初から5個配置できたり爆風が固定で2ブロック先まで、敵であるふうせんおばけが一定時間ごとに性格が変わるほか爆弾をすり抜けて追いかけてくるなど、今とは詳細が異なっていました。この当時はあまり話題になりませんでしたが、その翌年に「爆弾男」を3Dで! という試みで作られた意欲作が、今回取り上げた「三次元ボンバーマン」となります。

タイトル画面は、「爆弾男」とほぼ同じ要素となっています。敵のふうせんおばけが、表情(性格)ごとに点数が異なるのも「爆弾男」と共通です。
「ロード方法およびプログラム御使用上の諸注意」と書かれたマニュアルを見ると、MZ-2000版やPASOPIA7版などのロード方法が記されていました。それらハードでも発売されていたようですが、残念ながら現物に会えたことはありません

 マニュアルには「君はあの平面ボンバーマンを知っているだろうか。迷路の中を、壁を、爆弾で壊しながら、風船オバケをやっつける、あれだ。しかし、全体を見通せる画面じゃ、ちょっとスリルがない。いつどこから風船オバケが現れるかわからない立体迷路に挑戦してみないか。」とあるように、まさに「爆弾男」の3D版となっています。プレイヤーは主人公であるBON BON君を操作し、爆弾の爆風で敵を倒し、全滅させれば1面クリアとなります。

 その他のルールは「爆弾男」と同じで、同時における爆弾の数は5つ、爆風は2ブロック先まで、壁は半分だけ壊すこともできる、というものでした。

 画面右上にマップが表示されていますが壁などの障害物は描かれず、主人公と配置した爆弾、敵キャラだけが見えるため、慣れないうちは敵がどこから出現するのかわからず、移動するだけでもちょっとした緊張感を感じられました。また、敵が1ブロック分の大きさで描画されるため、通路からいきなり現れたときには驚いたものです。

 ゲームスピードは「爆弾男」よりも若干遅めで進行するため、感覚を体が覚えるとあっさりクリアできるようになります。マニュアルにあるようなスリルを感じられるのは初心者のうちだけなので、そこが少々惜しいところではありますが。

マップの上には主人公が向いている方向が示されているので、それとマップを見ながら移動していくことになります。しかし、画面右ばかり見ていると、突然風船オバケが出現することも。

 当時の非力な8ビットパソコンで3Dアクションゲームを実現しただけでも“頑張っている”感があった「三次元ボンバーマン」ですが、「爆弾男」以上に爽快感が薄かったため、あまり話題にならなかったような気がします。また、ハドソンは数多くのプロダクトを残しているため、その中に埋もれてしまったことも有名にならなかった一因かもしれません。

 ちなみに、爆弾がいくらでも配置できるのは「(前略)ズボンのポケットの中をさぐると小型の時限爆弾。なんとこれがポケットの中からどんどん出来てくる(後略)」との設定によるものです。

爆風は、俗に言うアナログテレビの砂嵐的な模様で表示されます。2ブロックまでしか届かないので2ブロック半離れていれば安全ですが、慣れるまでは距離感がつかみづらいです。隣の画面に映っているハシゴは出口で、たどり着ければ風船オバケを全滅させなくても次の面へと進めます。

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