ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち
“いちきゅっぱ!!”なソフトを多数発売した「セントラルソフト」と、ヨット業界に名が知られた「ライブハウスアロー」
~永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本~
2019年4月2日 06:05
連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本」(著:佐々木 潤)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。
今回取り上げるページは、マイナーソフトハウス編から「セントラルソフト」と「ライブハウスアロー」となる。
なお、書籍版では画像はモノクロだが、本記事では一部カラーの写真を掲載している。
マイナーソフトハウス編 -セントラルソフト-
とにかく安い! バラエティに富んだソフトを数多く発売
株式会社セントラルテープエージェンシー(のちの株式会社CTAで、2007年には株式会社BMBの完全子会社になっている)のソフト部門として設立されたのが、セントラル教育だ。
ソフトはセントラルソフトというブランドで発売されており、御三家のほかPASOPIA7、JR-200、MSXなどでも展開していた。当時としては斬新な『パソコン カラオケ』というソフトも世に送り出している。
安価でソフトを提供していた点が特徴で、特に「暴走CPUシリーズ」と銘打ったタイトルは、定価1,980円とお買い得。それ以外でも、ほかのソフトハウスから発売されていれば5,000円以上したのではないかと思われる、囲碁の定石を解説した『定石自由自在』が、わずか2,800円と安価で販売されていた。ちなみに、PC-6001mkII版では音声合成が使用されている。
84年の秋頃にはフルグラフィックス・スーパーアドヴェンチャー・ゲームと題した『U-vict』をリリースした。セントラルソフト最後のタイトルになったと思われる『U-vict』は、当時としてはオーソドックスなアドベンチャーゲームだ。
舞台となるのは、異常事態が発生した無人観測ステーション「U-vict」。プレイヤーの使命は、プロジェクト・7Rのメンバーとして原因の解明・自体の復旧にあたること。構想10カ月、プログラミング6カ月、グラフィックデザイナー、シナリオライター、プログラマなど、総勢12名にも及ぶスタッフが関わり作り上げたという大作は、テープなら5回に分けてロードする、128kbyteにも及ぶ長大なストーリーが展開した。
マイナーソフトハウス編 -ライブハウスアロー-
セイリングクルーザーをお題にした珍しいゲームをリリース
大阪は、門真市幸福町に所在していたソフトハウス。セイリングクルーザーをお題としたゲームをリリースしたことで、マイコン界隈よりもヨット業界に名前が知られていたようだ。
最初のタイトルである『太平洋横断11000km』は、1962年に西宮-サンフランシスコ間を単独横断航海に成功した海洋冒険家・堀江謙一氏の軌跡をなぞったリアルタイムシミュレーションゲーム。当時の広告では肝心の、堀江氏の名前表記を間違えているのがなんともだが、実際のヨットの動き896通りをシミュレーションしており、堀江氏が39日間で成功した航海を追いかけていく。
クルーザーに乗り海図を見ながら方位を決め、風の変化に応じてセールを操作し太平洋横断にチャレンジするのだが、途中で鯨の群れに出会い衝突したり、しけに遭うなどのトラブルも発生する。“マイコンの機能をフルに活用!”、“今までのゲームとは一味ちがう”などのキャッチも、いかにも当時らしい。肝心のゲームはオールBASICだったため、あまり機敏な動きではなかったが……。
大ブームを巻き起こしたかもしれない!?『バグ・チャル』とは?
ライブハウスアローは、おもにFMシリーズ、PC-8800シリーズ、PC-8001mkII、MZ-80B、MZ-2000で作品をリリースしているが、この『バグ・チャル』は、同社唯一のPC-6001mkIIでも発売されたソフトだ。
盤面には4匹の虎と20匹の羊が配置されており、虎は1匹ずつ羊を飛び越して移動することで相手を取り、5匹食べてしまえば勝利。羊は数を利用して、虎を動けなくすれば勝ちとなる。人間対人間であれば盛り上がるのだが、取り立ててレベル選択もないためパターンを掴むと毎回勝ててしまうのが残念なところ。もし、そのあたりがもっと充実していたら、もしかすると広告のキャッチコピーのように大ブームになっていたかもしれない!?