ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

1983年に“アドヴェンチャーゲーム・コンテスト”を実施した「マジカル ズゥ」と、コンピューノベルの時代をうたった「プロシューマー」

~永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本~

永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本

 連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本」(著:佐々木 潤)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。

 今回取り上げるページは、メジャーソフトハウス編から「マジカル ズゥ」と、マイナーソフトハウス編から「プロシューマー」となる。

 なお、書籍版では画像はモノクロだが、本記事では一部カラーの写真を掲載している。


- メジャーソフトハウス編 ―マジカル ズゥ― -


『黄金の墓』のもとの名前は『ツタンカーメンの謎』だった

 ストラットフォード・コンピューターセンターの、教育ソフト以外のタイトルを発売するときのブランド名がマジカル ズゥだ。

 マイコンスクール・ショップとして1981年に埼玉県南浦和に設立され、教育ソフトを制作・広告掲載していた。82年には『ネッシー生捕り大作戦ゲーム』をはじめとしたゲームソフトをMZ-80Bなどに発売。

 その後、ブランド「マジカル ズゥ」立ち上げ時の83年3月には“アドヴェンチャーゲーム・コンテスト”と題して、4種類のイラストに対応したゲームを募集している。これらタイトルは1983年8月1日に発売され、ここから本格的にゲームソフトを発売していく。教育ソフトの開発も続けていたが、のちにゲーム事業から撤退し、1999年11月に解散した。

アドヴェンチャーゲーム・コンテストは、最優秀賞として副賞30万円などが設けられていた。後に『黄金の墓』として発売された作品は、当初は『ツタンカーメンの謎』というタイトルで作品募集がされている。なお、完成した『黄金の墓』だが、テープ版とディスク版では内容が異なっている。

 ちなみに、マジカル ズゥのブランド名にちなんで、パッケージやカセットテープ、フロッピーディスクのラベルはゼブラ模様を採用していた。気づくまでは、「なんだか白黒の縞々模様だな……」としか思わなかったが、これがシマウマの柄だとわかると、ブランド名のZoo(動物園)にかけていることがわかりスッキリ。


- マイナーソフトハウス編 ―プロシューマー-


1/4 ページ広告をこまめに掲載していた高田馬場のソフトハウス

PC-8001シリーズ向けに発売していた『四次元の家(歪んだ家)』。低解像度機種はグラフィックアドベンチャーゲームに敬遠されがちななか、発売してもらえただけでユーザーにとっては有難いことだった。そのぶん、画面は思い切りシンプルだが……。

 プロシューマーは、新宿区高田馬場にあったソフトハウス。

 有名どころでは『南青山アドベンチャー』のパロディ作品で、PC-8001にGSX-8800を搭載すればBEEP音ではない美しい(?)効果音が奏でられる『高田馬場アドベンチャー』があるが、ほかにもPC-9801シリーズやPC-8801シリーズ対応のソフト『オデッセイア』や、PC-8001とPC-8001mkIIの機種判断を自動で行ったり、FDD版には立体メガネが付属したグラフィックアドベンチャーゲーム『四次元の家(歪んだ家)』もリリースしていた。

 『オデッセイア』は漢字使用のアドベンチャーということで、PC-8801用漢字ROMと合わせて特価38,000円(送料込み・当時の価格)でも発売されている。同時期には、『アドベンチャーゲーム開発システム』を35,000円で販売していた。

 『四次元の家(歪んだ家)』はFM-7シリーズやPC-6001mkIIに移植されたほか、PC-9801シリーズ、PC-8801シリーズには“ゲーム構想を新しくした”バージョンが発売されている。『諜報部員』後は、タイトルを出していないようだ。

 その『諜報部員』は広告ページに、ハードボイルド崩れ(?)なキャラクターと、当時想像されていた未来都市のイラストが一緒に描かれていた。内容は、なんでも屋だという主人公が、数少ないお得意様から飛び込んできた仕事の内容を聞くために動き出すアドベンチャーゲーム。

 当時としては一般的なコマンド入力式だが、この時期のタイトルとしてはありがちで、機種ごとにグラフィックも異なっている。PC-8001とmkII版では、画面はモノクロラインで描かれているが、PC-9801のディスク版は豪華なカラーグラフィックで遊ぶことができた。広告には写真が掲載されていないものの、PC-8801版もディスクでの提供なのでPC-9801版と同じカラーグラフィックだろう。なお、制作したのはLEXINTON SOFTWAREとなっている。

一部の画像は、書籍版とは異なるものを掲載している場合がございます。