ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

アメリカからやって来た黒船ソフトハウス「シルバーボウルソフトウェア」と「マジックソフト」

~永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本~

永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本

 連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本」(著:佐々木 潤)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。

 今回取り上げるページは、マイナーソフトハウス編から「シルバーボウルソフトウェア」と「マジックソフト」となる。

 なお、書籍版では画像はモノクロだが、本記事では一部カラーの写真を掲載している。


- マイナーソフトハウス編 ―シルバーボウルソフトウェア― -


アメリカからやって来た黒船ソフトハウスの1社

 シルバーボウルソフトウェアは、アメリカはカリフォルニア州バークレーのソフトハウス。最初はMZ-2000用タイトル5本を発売し、のちに作品数を追加していったほか、X1やFM-7へも移植している。

 広告初登場が1983年前半ということで、時代を反映してかアクションやシミュレーションものが多かったのが特徴だ。どのソフトも2,800円とリーズナブルで、MZ-2000用と銘打たれたゲームでもカラーCRTを接続すれば、カラフルな画面でゲームが楽しめた。

 現在、広告などで確認されているのはMZ-2000/2200用、X1用、FM-7用で、この時期としては珍しくNEC向けが見あたらない。残念ながら2016年現在、手持ちの蔵書では発見できなかった。

左の広告で大きめに取り上げられている『クラウド・キングダム(雲の王国)』をゲーム画面を交えてご紹介。“オオム”の背中に乗った主人公を操作し、雲上の城から攻撃を仕掛けてくる敵兵士を倒しながら、先へと進んでいくアクション。スペースキーで上昇なので、操作感覚を掴むまでが難しいゲームだ。

どこかで見たことがある? 『ドーン パトロール』

『ドーン パトロール』は、一部アイデアを『ミサイルコマンド』から拝借したと思われるアクションゲーム。

 なかなか良く出来ていると思われるソフトから、『ドーン パトロール』も紹介しよう。目的は、上空を飛びながら爆弾を落としてくる飛行機や飛行船などを撃ち、地上の都市を守ること。都市が全滅するとゲームオーバーだが、自機に当たり判定がないために難易度は非常に低い。

 とはいえ、中盤からは飛行機がジグザグに飛んだり、落とした爆弾が斜め方向へと落下していったりするので、破壊するのが大変だ。FM-7でプレイしても、左右移動中にキーを離せば自機が止まるので、かなり快適に遊べるのも特徴の1つ。

 ちなみに、当時の問い合わせ先はシルバーボウルではなく、日本ソフトバンクの商品部だった。どのへんがアメリカンなのかも謎だが……。


- メジャーソフトハウス編 ―マジックソフト― -


最初はPC-6001/6001mkII/8001mkIIを中心にソフトをリリース

 シルバーボウルソフトと同じく、アメリカはカリフォルニア州バークレーのソフトハウス。開発はアメリカで、日本語への移植は都内に居を構えていたマジックソフトジャパン株式会社が行ったものと思われる。

 83年頃から雑誌に広告を出稿していたが、ソフトの対応機種が当初はPC-6001やPC-6001mkII、PC-8001mkIIだった。後に、FM-7やMSXでもタイトルを発売する。

 広告では“今、爆発的人気のアメリカンゲームが日本上陸”とあったようにアメリカンテイストをウリにしていたが、プレイ中にはあまり感じられなかった。

オリジナリティはあるが、ゲームの完成度しては微妙なものも?

当時の広告に掲載された『カラー・ミッドウェイ』のイメージイラスト

 『カラー・ミッドウェイ』は飛行機を操作し、敵の空母や戦艦、巡洋艦などに爆弾を落としていくアクションゲーム。破壊すると得点と燃料が追加されるのだが、機種によっては青いはずの海が真っ黒になってしまうため、派手さにかけるところも。操作方法も左右の旋回と攻撃ボタンだけなので、狙った方向へ移動させるのに一苦労するクセの強いゲームだ。

説明書きはカセットレーベルの裏面に

 なお、説明書は当時カセットテープパッケージやカセットレーベルに直接書かれていたり、カセットケースの中に折り畳んで収納されていた。マジックソフトの場合は、カセットレーベルに記す方式を採用しており、文字はピンクに近い紫色で表記されていた。

最後に紹介するのは『ピラミッド』というゲーム。内容としては正方形のフィールド内の自機を操作し、出現する敵の衛兵を倒していくというもの。衛兵は撃たれると円盤になり、それに触れるとピラミッドを上下できる。最上段まで行けばクリアだが、フィールドがピラミッドのため上に行くほど狭くなるアイデアは秀逸。敵が1種類なので、それほど奥深いわけではないのが惜しいところだ。
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