ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち
“グラディウス”をX68000に移植した「マイコンハウスSPS」と、“トリトーン”のヒットで一躍有名になった「ザインソフト」
~永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本~
2021年2月9日 07:05
連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本」(著:佐々木 潤)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。
今回取り上げるページは、メジャーソフトハウス編から「マイコンハウスSPS」と「ザインソフト」となる。
なお、書籍版では画像はモノクロだが、本記事では一部カラーの写真を掲載している。
メジャーソフトハウス編 -マイコンハウスSPS-
東北では一番有名かもしれない実力派ソフトハウス
1982年に、自宅兼社屋で創業した福島県のソフトハウス。84年中頃の時点で社員は3名で、全員がシャープ製品のファンだからソフトもシャープ対応のものしか作らない、と語っていた。
83年は「ひょうきんそふと」シリーズや、自社のある住所“太平寺”をソフト名に付けた『シャボン玉太平寺』などを、おもにX1シリーズ向けに制作・販売している。85年の『棋太平』から知名度がアップし、初代X68000にバンドルされたソフト『GRADIUS』の完成度で一気に有名に。なお、2016年時点ではWebサーバの運用・運営をメインで行っている。
当時、将棋ソフトにもかかわらず品切れを起こした本格的対局将棋『王将』も有名だが、こちらは制作はゼロソフト、コピーライトはSPS、販売はキャリーラボとなっている。
見た目は少し寂しいものの、将棋ソフトなので外見より満足に対局できる思考ルーチンのほうが大事。そういう観点から行けば当時、『王将』は合格点を軽く超えたタイトルだった。将棋を覚えたての人では、勝てないかもしれない。
メジャーソフトハウス編 -ザインソフト-
英字社名はどれなのか?も注目の的だったソフトハウス
『トリトーン』がヒットし、一躍有名になったザインソフトは、社名の英字がコロコロと変わることでも有名だった。
そんな同社の処女作にして、名前をあまり聞かないタイトルが、FM-7/77用の『MAX-01』。のちに、PC-8801シリーズとX1向けに『MAX-01G』というタイトルで移植されているので、そちらで遊んだ人は多いかもしれない。ゲームは主人公のMAX-01を操作し、ステージにあるエネルギーをすべて回収し出現した出口に入るとクリアというもの。スペースキーで爆弾も配置できる、『ロードランナー』ライクなタイトルだ。
また、ヒット作ゆえ大勢が所持していると思われる『トリトーン』には、2種類のパッケージがある。1つは、アニメ調キャラクターが描かれているバージョンで、もう1つが初期広告に掲載されていた『コナン・ザ・グレート』のコナン風イラストが描かれたもの。ただし、後者はあまり数が多くないようで、今ではお宝の部類に入るかもしれない。