パワレポ連動企画

乗り換え候補パーツカタログ ~ビデオカード編1~

【パワレポ連動:チョイ古 自作PC再生計画(13)】

DOS/V POWER REPORT 2016年5月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年7月号」の第1特集「あなたのPCが生まれ変わる!3年、5年、10年前のパーツもめんどう見ます!! チョイ古 自作PC再生計画」を掲載する。

 第13回目からは乗り換え候補のビデオカードを紹介する。GTX 1080/1070の登場で、現行の上位モデルは販売価格が下がりつつある。最新モデルに拘らないのであれば、今が乗り換えのチャンスと言えるだろう。

 本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年7月号は全国書店、ネット通販にて5月28日(土)に発売。第2特集はコストパフォーマンスに優れる大容量ディスクを用途別に解説する「容量単価×用途別が正解です 最新HDD購入案内」を掲載。そのほか、あなたのPCのメインメモリ、有効活用しませんか?「16GBオーバーのメインメモリはこう使え! Windows 10時代のRAMディスク活用術」、持ち運びに便利な大容量で高速なフラッシュメモリ「ベンチで性能が丸分かり! 一つは持ちたい最新USB 3.1/3.0メモリ」、スペースが許せば考えたい「ウルトラワイドもオーバー30型も PC体験を一変させる大型液晶ディスプレイ」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録は、自作PCの組み立てやメンテナンスに関わる「?」を解決!「39のギモンにベストアンサー! PC自作Q&A事典2016」だ。


-チョイ古 自作PC再生計画-
乗り換え候補パーツカタログ ~ビデオカード編1~


一点豪華主義でも効果は絶大!!
ビデオカード編

 ビデオカードのアップグレードは、とくにゲームにおいて絶大な効果を得られる。

 そして以前に比べるとかなり容易に行なうことができるので、ゲーマーならやらない手はない。

ASUSTeK Computer GTX950-2G

実売価格:21,000円前後
補助電源不要のGTX 950ビデオカード

GTX 950 / GDDR5 2GB / 補助電源不要 / OC / 長さ21.1cm

 補助電源不要で使えるビデオカードと言えば、これまでRadeonのR9 360やGTX 750 Tiまでが限界とされてきた。しかしそこに革命をもたらしたのがこの製品。GTX 950は本来補助電源が必要とされるGPUだが、本製品は補助電源がなくても問題なく動作する。そのため電源ユニットにビデオカード用の電源コネクタがない、6ピン変換ケーブルも付けたくない、という人には、現行GPUではもっともゲーム向きの製品だ。

 STRIXシリーズと違い低温時もファンが回転し続ける仕様だが、もともと発熱量の小さいGPUなのでファンノイズはほぼ気にならない。付属ソフトで設定を変更すればOC動作も可能だ。また、第2世代Maxwell世代のGPUであるため、HDMI 2.0出力を標準装備しているのも見逃せないポイント。HDMI2.0対応液晶ならHDMIケーブル1本でリフレッシュレート60Hzの4K出力が可能など、ゲーマーでなくても導入する価値はある。

Specification
●コアクロック(ブーストクロック):1.051GHz(1.228GHz)※OC Mode ●ビデオメモリ(バス幅):GDDR5 SDRAM 2GB(128bit)●メモリクロック:6.61GHz●インターフェース:DisplayPort×1、HDMI×1、DVI-I×1●対応スロット:PCI Express 3.0 x16●補助電源コネクタ:なし

GPUクーラーはきわめてシンプルな設計。ただし設置時は2スロット分消費するので隣接スロットの空きだけ確認しよう

Micro-Star International GTX 960 GAMING 4G

実売価格:27,000円前後
4年前のハイエンドより高性能かつ省電力

GTX 960 / GDDR5 4GB / 8ピン×1 / OC / 長さ26.7cm

 フルHD環境で今時のゲームを普通に楽しめるビデオカードのうち、一番コスパの高いものはどれか?と問われればまっ先に浮かぶのがミドルレンジの定番、GTX 960搭載製品。定番だけに製品数が多いが、カードを格納するスペースが27cm以上あり、かつビデオカード用の8ピン補助電源が使えるなら、MSI製のOCモデルがオススメだ。4GBのビデオメモリ、MSI自慢の「Twin Frozr V」クーラーの冷却力の高さがポイントだが、パフォーマンス的にもGTX 680を上回る。

 さらに消費電力は圧倒的に小さく、4K出力対応の点でもアドバンテージ。低負荷&低温時はファンが停止する仕様なので、ゲームをしないときは存在を忘れるほど静かである、というのも旧世代ビデオカードを使っていた人には驚きのはず。とくにGTX460 ~ 660辺りのミドルレンジGPUからの乗り換えには劇的な効果を期待できるだろう。

Specification
●コアクロック(ブーストクロック):1.241GHz(1.304GHz)※ OC モード時●ビデオメモリ(バス幅):GDDR5 SDRAM 4GB(128bit)●メモリクロック:7.01GHz●インターフェース:DisplayPort×3、HDMI×1、DVI-I×1●対応スロット:PCI Express 3.0 x16●補助電源コネクタ:8ピン×1

カード裏面がバックプレートで覆われているのは、通電時の微振動や重力の影響でカードが歪んだりハンダが割れたりするのを防ぐため

Micro-Star International GTX 980Ti GAMING 6G

実売価格:70,000円前後
最速の座は譲ったがコスパはむしろ上昇

GTX 980 Ti / GDDR5 6GB / 8ピン×2 / OC / 長さ27.7cm

 PascalベースのGTX 1080が登場するまでシングルGPUで最速だったのがGTX 980 Ti。後継機が出た結果値下がりしたが、それがかえってコストパフォーマンスを向上させている。旧ビデオカードがよほど極まった構成(GTX 780 TiのSLIなど)でない限り、どんなビデオカードから乗り換えても確かな性能向上が感じられるはずだ。

 ただカードサイズが大きいため、格納スペースも28cm以上は必要。さらにOCモデルであるためビデオカード用の8ピン電源が2系統必須になるため、旧世代の電源ユニットだと少々使いにくい面もある。高性能な分発熱量も大きいため、前面または側面ケースファンの風をしっかり当てるなどの配慮も欠かさないようにしよう。

 本製品が必要なのは重量級ゲームのほかにHTC「Vive」などのVRゴーグルにおける快適さを追い求める人。120Hz以上の高リフレッシュレート液晶で快適にプレイしたい人向けの1枚だ。

Specification
●コアクロック(ブーストクロック):1.178GHz(1.279GHz)※OCモード時●ビデオメモリ(バス幅):GDDR5 SDRAM 6GB(384bit)●メモリクロック:7.1GHz ※ OCモード時●インターフェース:DisplayPort×3、HDMI×1、DVI-I×1●対応スロット:PCI Express 3.0x16●補助電源コネクタ:8ピン×2

クーラーが大型な分高さも14cmと高い。大型サイドフロークーラーの取り付けに制約のあるPCケースでの利用を考えている場合は確認が必要だ

玄人志向 GF-GTX960-E2GB/OC2/SHORT

実売価格:21,000円前後
GTX 960では最安クラス PCゲーム入門にも最適

GTX 960 / GDDR5 2GB / 6ピン×1 / OC / 長さ18.7cm

 ビデオカードに搭載されるビデオメモリ容量が多いほどメモリ不足によるボトルネックを回避できるが、その分コストも高くなる。フルHDでほどほどの重さのゲーム(「Street Fighter V」や「Call of Duty」シリーズなど)なら2GBでも十分だ。ビデオメモリ2GB版のGTX 960のうち、アップグレード用にとくにオススメなのがショート基板を採用したこの製品だ。カード長18.7cmのコンパクトサイズながら、GPU負荷が低いときおよびGPU温度が低いときにはファンが停止する準ファンレス仕様を採用するなど、今時のビデオカードの定番仕様はしっかり備えている。さらに補助電源は6ピン1系統なので、ケーブルの取り回しがよく、電源への負荷も小さい。

 なお、本製品を含め最近のビデオカードはDVI出力が1系統しかない製品が多い。DVI出力の液晶でマルチディスプレイ環境を構築していた場合には注意しよう。

Specification
●コアクロック(ブーストクロック):1.19GHz(1.253GHz)●ビデオメモリ(バス幅):GDDR5 SDRAM 2GB(128bit)●メモリクロック:7.01GHz●インターフェース:DisplayPort×3、HDMI×1、DVI-I×1●対応スロット:PCI Express 3.0 x16●補助電源コネクタ:6ピン×1

GPUクーラーは小さいわりに銅製ヒートパイプを使った本格的構成。高い冷却力が期待できる。小さくても夏場のゲームも怖くない

【問い合わせ先】

ASUSTeK Computer:info@tekwind.co.jp(テックウインド)/http://www.asus.com/jp/
Micro-Star International:webjp@msi.com(エムエスアイコンピュータージャパン)/http://jp.msi.com/
玄人志向:―/http://www.kuroutoshikou.com/


[Text by 加藤勝明]


DOS/V POWER REPORT 2016年7月号は5月28日(土)発売】

★第1特集「あなたのPCが生まれ変わる! 3年、5年、10年前のパーツもめんどう見ます!! 『チョイ古自作PC再生計画』」
★第2特集「容量単価×用途別が正解です 『最新HDD購入案内』」
★特別企画「16GBオーバーのメインメモリはこう使え! 『Windows 10時代のRAMディスク活用術』」「ベンチで性能が丸分かり! 『一つは持ちたい最新USB 3.1/3.0メモリ』」「ウルトラワイドもオーバー30型も 『PC体験を一変させる大型液晶ディスプレイ』」
★連載「最新自作計画 ~最新ケースで作るパワフル小型マシン~」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録「39のギモンにベストアンサー! 『PC自作Q&A辞典2016』」(雑誌のみ別途付録、電子版では本誌巻末に収録)
★ 雑誌を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 毎月700円(税込)で最新号が読める 直販電子版 月額プランも受付中
http://book.impress.co.jp/teiki/dvpr/2016-05-23-0956.php