パワレポ連動企画
秋の夜長はPS4のSSD化でゲームを堪能せよ! Part 1:内蔵ドライブSSD換装編
実は簡単! 自力でできるPS4のパワーアップ!! Text by 川添貴生
2018年11月1日 06:00
映像、世界観、ストーリー……進化が進む家庭用ゲーム
昨今の家庭用ゲーム機の進化はすさまじく、実写と見まがうような美麗なグラフィックス、広大な世界を探検できるオープンワールド、100人ものプレイヤーが生き残りを賭けて戦うバトルロイヤル、映画のような壮大なストーリーなど、高性能なハードウェアを活かしたタイトルが続々と登場している。
こうした進化にともない、家庭用ゲームはかつてない“大容量化”が進んでいる。今や、最新タイトルでは50GB、100GBになるタイトルもめずらしくなくなってきている。
このような進化を踏まえ、プレイステーション4(PS4)の内蔵ディスクは初期モデルでは500GBだったが、最新モデルでは大容量化。ハイエンドモデルとしてリリースされたプレイステーション4 Pro(PS4 Pro)は最初から1TBのHDDを内蔵している。
内蔵ディスク容量の重要性が増したことで、同時に気になるようになってきたのが内蔵ディスクのパフォーマンス(性能)だ。ゲームタイトルが大容量化すれば、必然的に読み書きするデータ量も増大する。その際、遅いHDDではデータの読み書きにかかる時間が長くなり、ゲームプレイにあらゆるシーンで“待ち時間”が生じてしまう、というわけだ。そのため、快適にゲームをプレイしたいと考えるユーザーにお勧めしたいのが、HDDよりも高速なディスクメディア「SSD」の活用である。SSDはHDDよりもはるかに高速であるため、ゲームの読み込み、セーブデータのロードなど、HDDが原因で長引いていた“待ち時間”がぐっと短縮される。
SSDのメリットを最大限に活かせる内蔵HDDの換装
SSDを使ってPS4/PS4 Proの高速化を図る際、もっとも効果が大きいのは内蔵HDDの換装だ。ゲームの起動時間やセーブデータのロード時間に加え、PS4/PS4 Pro自体の起動の高速化というメリットも得られるため、総合的な使い勝手が向上する。
PS4/PS4 Proの内蔵HDDの換装に使えるSSDは、厚さが9.5mm以下の2.5インチサイズのもので、160GB以上の容量が必要。フォームファクターが2.5インチのWD Blue 3D NAND SATA SSDはこの条件に合致しており、安心して使うことができる。
Western Digital
WD Blue 3D NAND SSD
現在数多くのSSDが販売されているが、製品選びのポイントは、スペックと価格、そしてディスクメディアとしての信頼性・実績だ。
今回テストに使用したWestern Digital「WD Blue 3D NAND SSD」はこれらを兼ね備えた製品の一つ。最新のメモリチップ技術、3D NANDの採用により、高いパフォーマンスと耐久性を購入しやすい価格で実現。さらに2TBの大容量モデルをラインナップするなど、ゲーマーにも最適な製品だ
なお、WD Blue 3D NAND SATA SSDには、250GB/500GB/1TB/2TBの4種類の容量がラインナップされている。どの容量を選ぶかは、ご自身の予算やゲームをどれだけインストールしたいかによって変わってくる。オススメは、お使いのPS4やPS4 Proが搭載しているHDDと同容量の500GBまたは1TB。将来性を考えるなら、思い切って2TBを選ぶという手もある。
作業自体は難しいところなし! ただし準備は確実にしておこう
「内蔵ディスクの換装」と聞くと、いかにも難しそうなイメージがあるかもしれないが、実は作業自体はそれほど難しくない。詳しい手順は後述するが、必要な工具もプラスの精密ドライバー1本のみで、専門的な知識や技術も不要だ。
ただし、ハードウェア以外の準備作業として、HDDに保存してあるセーブデータのバックアップと、システムソフトウェア(PS4/PS4 Proの制御ソフト)の再インストール準備の2点が重要で、必ず事前に済ませておく必要がある。あとで困ったことにならないよう。次に上げる二つのポイントは確実に作業しておこう。
換装前の大切な準備
(1)ゲームのセーブデータをバックアップ
ゲームのセーブデータは内蔵ドライブ上に記録されているので、換装前に一旦別の場所にバックアップし、あとからSSDに戻してやる必要がある。月額制サービス「PlayStation Plus」会員なら、オンラインストレージへアップロードする方法がもっともスマート。PlayStation Plusを使っていないなら、USBメモリを接続してコピーしよう。USBメモリには、キャプチャした画像や動画をコピーすることもできるので便利だ。
(2)システムソフトウェアのダウンロード
内蔵ディスクを換装した場合、新しいディスク(SSD)に「システムソフトウェア」を再インストールする必要がある。パソコンで「PlayStation 4 システムソフトウェアアップデート」(https://www.jp.playstation.com/ps4/system-update/)にアクセスし、「アップデートファイル(再インストール用)」をダウンロード、USBメモリなどにコピーしておこう。なおアップデートファイルの置き場所とファイル名には指定があり、USBメモリに「PS4」フォルダというフォルダを作り、その中にさらに「UPDATE」フォルダを作って、ダウンロードしたファイルを「PS4UPDATE.PUP」というファイル名で保存する必要がある。
モンスターハンター:ワールドのデータロード時間が20秒以上短縮!
では、SSDを利用することで具体的にどの程度の効果が得られるのだろうか。ここでは、PS4 Proを用いて、標準構成(内蔵ドライブは1TB HDD)と、内蔵HDDをWestern DigitalのSSD「WD Blue 3D NAND SSD」に換装した場合とで比較してみた。
まず、システムの起動時間の差を見てみよう。PS4/PS4 Proは制御プログラムであるシステムソフトウェアが内蔵ドライブ上に置かれるので、HDDからSSDに換装する効果がここにも表れる。標準状態ではPS4 Proの電源を入れてからユーザー選択画面が表示されるまでに32秒を要したが、SSDでは25秒に短縮された。
実際のゲームでのSSDがもたらす効果は全体的に大きい(タイトルによってはあまり効果が出ないこともある)。たとえば、アメコミキャラを題材にしたオープンワールドゲーム「Marvel's Spider-Man」の場合、SSDに換装することでゲームの起動時間は4秒短縮、セーブしたゲームのロードは実に半分になっている。「グランツーリスモSPORT」と「モンスターハンター:ワールド」、そして「フォートナイト」でテストを行ったが、いずれもSSD利用の効果が見られた。とくにモンスターハンター:ワールドのロード時間が20秒以上も短縮されたのは驚きだ。
【検証環境】
・プレイステーション 4 Proの起動時間:DUALSHOCK 4のPSボタンを押してPS4 Proを起動し「PlayStationへようこそ」画面が表示されるまでの時間を3回計測した平均
・Marvel's Spider-Man:起動時間はホーム画面から起動し、タイトル画面が表示されゲームを開始できるようになるまでの時間を3回計測した平均、ロード時間はセーブデータを選択後、[MAIN MENU]で[CONTINUE]を選択してからゲームが開始されるまでの時間を3回計測した平均
・グランツーリスモSPORT:起動時間はホーム画面から起動し、ボタン操作を受け付けるようになる「POLYPHONY DIGITAL」のロゴが表示されるまでの時間を3回計測した平均、ロード時間は「ミッションチャレンジ」のSTAGE1-1を選択し、[エントリー]を押してから[スタート]できるまでの時間を3回計測した平均
・モンスターハンター:ワールド:起動時間はホーム画面から起動し、タイトル画面が表示されるまでの時間を3回計測した平均、ロード時間はセーブデータを選択してからゲームが開始されるまでの時間を3回計測した平均
・フォートナイトの起動時間:ホーム画面から起動し、タイトル画面が表示されるまでの時間を3回計測した平均
※次回は外付けSSDを使ったお手軽パワーアップについて解説します。
[制作協力:Western Digital]