パワレポ連動企画

秋の夜長はPS4のSSD化でゲームを堪能せよ! Part 1:内蔵ドライブSSD換装編

実は簡単! 自力でできるPS4のパワーアップ!! Text by 川添貴生

自力でできるPS4パワーアップのポイントは「内蔵ドライブの換装」だ!!

映像、世界観、ストーリー……進化が進む家庭用ゲーム

PS4のゲームも高度化が進み、ゲームによりサイズはさまざまだが、最近では50GB、100GBに達するタイトルも増えてきている

 昨今の家庭用ゲーム機の進化はすさまじく、実写と見まがうような美麗なグラフィックス、広大な世界を探検できるオープンワールド、100人ものプレイヤーが生き残りを賭けて戦うバトルロイヤル、映画のような壮大なストーリーなど、高性能なハードウェアを活かしたタイトルが続々と登場している。

 こうした進化にともない、家庭用ゲームはかつてない“大容量化”が進んでいる。今や、最新タイトルでは50GB、100GBになるタイトルもめずらしくなくなってきている。

「プレイステーション4」(写真右)と、その上位モデルとして2016年にリリースされた「プレイステーション4 Pro」(左)。上位のPS4 Proであっても内蔵ドライブはHDDのままだ

 このような進化を踏まえ、プレイステーション4(PS4)の内蔵ディスクは初期モデルでは500GBだったが、最新モデルでは大容量化。ハイエンドモデルとしてリリースされたプレイステーション4 Pro(PS4 Pro)は最初から1TBのHDDを内蔵している。

 内蔵ディスク容量の重要性が増したことで、同時に気になるようになってきたのが内蔵ディスクのパフォーマンス(性能)だ。ゲームタイトルが大容量化すれば、必然的に読み書きするデータ量も増大する。その際、遅いHDDではデータの読み書きにかかる時間が長くなり、ゲームプレイにあらゆるシーンで“待ち時間”が生じてしまう、というわけだ。そのため、快適にゲームをプレイしたいと考えるユーザーにお勧めしたいのが、HDDよりも高速なディスクメディア「SSD」の活用である。SSDはHDDよりもはるかに高速であるため、ゲームの読み込み、セーブデータのロードなど、HDDが原因で長引いていた“待ち時間”がぐっと短縮される。

広大な世界や多人数プレイ、複雑なゲームシステムにアイテムなど、最新ゲームは大容量化が進む。人気の「モンスターハンター:ワールド」もゲーム起動やデータロードにそれなりの“待ち時間”が生じる。SSDはこの“待ち時間”の解消に効果抜群だ
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SSDのメリットを最大限に活かせる内蔵HDDの換装

 SSDを使ってPS4/PS4 Proの高速化を図る際、もっとも効果が大きいのは内蔵HDDの換装だ。ゲームの起動時間やセーブデータのロード時間に加え、PS4/PS4 Pro自体の起動の高速化というメリットも得られるため、総合的な使い勝手が向上する。

 PS4/PS4 Proの内蔵HDDの換装に使えるSSDは、厚さが9.5mm以下の2.5インチサイズのもので、160GB以上の容量が必要。フォームファクターが2.5インチのWD Blue 3D NAND SATA SSDはこの条件に合致しており、安心して使うことができる。

Western Digital
WD Blue 3D NAND SSD

 現在数多くのSSDが販売されているが、製品選びのポイントは、スペックと価格、そしてディスクメディアとしての信頼性・実績だ。

 今回テストに使用したWestern Digital「WD Blue 3D NAND SSD」はこれらを兼ね備えた製品の一つ。最新のメモリチップ技術、3D NANDの採用により、高いパフォーマンスと耐久性を購入しやすい価格で実現。さらに2TBの大容量モデルをラインナップするなど、ゲーマーにも最適な製品だ

 なお、WD Blue 3D NAND SATA SSDには、250GB/500GB/1TB/2TBの4種類の容量がラインナップされている。どの容量を選ぶかは、ご自身の予算やゲームをどれだけインストールしたいかによって変わってくる。オススメは、お使いのPS4やPS4 Proが搭載しているHDDと同容量の500GBまたは1TB。将来性を考えるなら、思い切って2TBを選ぶという手もある。

作業自体は難しいところなし! ただし準備は確実にしておこう

 「内蔵ディスクの換装」と聞くと、いかにも難しそうなイメージがあるかもしれないが、実は作業自体はそれほど難しくない。詳しい手順は後述するが、必要な工具もプラスの精密ドライバー1本のみで、専門的な知識や技術も不要だ。

 ただし、ハードウェア以外の準備作業として、HDDに保存してあるセーブデータのバックアップと、システムソフトウェア(PS4/PS4 Proの制御ソフト)の再インストール準備の2点が重要で、必ず事前に済ませておく必要がある。あとで困ったことにならないよう。次に上げる二つのポイントは確実に作業しておこう。

換装前の大切な準備

(1)ゲームのセーブデータをバックアップ

 ゲームのセーブデータは内蔵ドライブ上に記録されているので、換装前に一旦別の場所にバックアップし、あとからSSDに戻してやる必要がある。月額制サービス「PlayStation Plus」会員なら、オンラインストレージへアップロードする方法がもっともスマート。PlayStation Plusを使っていないなら、USBメモリを接続してコピーしよう。USBメモリには、キャプチャした画像や動画をコピーすることもできるので便利だ。

(2)システムソフトウェアのダウンロード

 内蔵ディスクを換装した場合、新しいディスク(SSD)に「システムソフトウェア」を再インストールする必要がある。パソコンで「PlayStation 4 システムソフトウェアアップデート」(https://www.jp.playstation.com/ps4/system-update/)にアクセスし、「アップデートファイル(再インストール用)」をダウンロード、USBメモリなどにコピーしておこう。なおアップデートファイルの置き場所とファイル名には指定があり、USBメモリに「PS4」フォルダというフォルダを作り、その中にさらに「UPDATE」フォルダを作って、ダウンロードしたファイルを「PS4UPDATE.PUP」というファイル名で保存する必要がある。

HDD⇒SSDの換装全手順

1. まず、セーブデータのバックアップを行なう。[設定]メニューの[アプリケーションセーブデータ管理]を開き、[本体ストレージのセーブデータ]を選択する
2. バックアップ先を指定する。USBメモリを使う場合は[USBストレージ機器にコピーする]を選ぶ。PlayStation Plusに加入しているなら、[オンラインストレージにアップロードする]が便利
3. バックアップするゲームタイトルとセーブデータを選択する。基本的にはすべてのデータをUSBメモリにコピーする、もしくはオンラインストレージにアップロードしておこう
4. パソコンで「PlayStation 4 システムソフトウェア アップデート」にアクセスし、「アップデートファイル(再インストール用)」入手。USBメモリ上に指定されたフォルダを作成して保存しておく
5. 事前準備が完了したら、内蔵HDDをSSDに換装しよう。なお、ここではPS 4 Proにおける手順を解説していく。まず本体背面の右下にあるHDDベイカバーを取り外そう
6. ケースを固定している1本のネジを外し、続いてHDDベイを引き出す。ネジ穴が小さいタイプなので、あらかじめ精密ドライバーを用意しておこう
7. HDDは4本のネジでケースに固定されている。制振用のゴムを外してしまわないように気を付けつつ、4本のネジを外してHDDベイからHDDを取り出す
8. ベイにSSDを装着する。4本のネジでケースにSSDを固定すればよい。この際、注意したいのはSSDの向きと表裏。写真を参考に固定しよう
9. ケースを本体内に収め、ネジを取り付けて本体に固定。最後にHDDベイカバーを再び取り付ける。これでハードウェアの換装は完了だ
10. 手順4で準備しておいたUSBメモリも接続し、本体の電源を投入。セーフモードで起動するので、画面の指示に従って初期化とシステムソフトウェアの再インストールを行なう
11. システムソフトウェアのインストールが完了すると、初期状態でPS4/PS4 Proが起動する。必要な設定を行なえば完了だ
12. 最後にバックアップしたセーブデータを元に戻し、PlayStation Storeの[ライブラリー]にある[購入したコンテンツ]からゲームを再ダウンロードして完了
なお、現行PS4のHDDベイはこの位置。HDDベイはネジ1本で固定されているので、これを外して引き出す。あとの作業はPS4 Proと同様

モンスターハンター:ワールドのデータロード時間が20秒以上短縮!

 では、SSDを利用することで具体的にどの程度の効果が得られるのだろうか。ここでは、PS4 Proを用いて、標準構成(内蔵ドライブは1TB HDD)と、内蔵HDDをWestern DigitalのSSD「WD Blue 3D NAND SSD」に換装した場合とで比較してみた。

 まず、システムの起動時間の差を見てみよう。PS4/PS4 Proは制御プログラムであるシステムソフトウェアが内蔵ドライブ上に置かれるので、HDDからSSDに換装する効果がここにも表れる。標準状態ではPS4 Proの電源を入れてからユーザー選択画面が表示されるまでに32秒を要したが、SSDでは25秒に短縮された。

【効果あり!】システムソフトウェアが内蔵ディスク上にあるため、SSD換装の恩恵を受けられる

 実際のゲームでのSSDがもたらす効果は全体的に大きい(タイトルによってはあまり効果が出ないこともある)。たとえば、アメコミキャラを題材にしたオープンワールドゲーム「Marvel's Spider-Man」の場合、SSDに換装することでゲームの起動時間は4秒短縮、セーブしたゲームのロードは実に半分になっている。「グランツーリスモSPORT」と「モンスターハンター:ワールド」、そして「フォートナイト」でテストを行ったが、いずれもSSD利用の効果が見られた。とくにモンスターハンター:ワールドのロード時間が20秒以上も短縮されたのは驚きだ。

【効果大!!】セーブデータのロードでとくに効果が大きい。難関を繰り返しリトライするときに嬉しい
【効果あり!】ゲーム起動に効果が見られ、最大で20%強の高速化が実現
【効果大!!】SSDで待ち時間が大幅に短縮される好例。データロード時間は最大でおよそ1/3になる
ゲーム自体が小さいためか、SSDの効果はあらわれているものの伸び幅は限定的

【検証環境】

・プレイステーション 4 Proの起動時間:DUALSHOCK 4のPSボタンを押してPS4 Proを起動し「PlayStationへようこそ」画面が表示されるまでの時間を3回計測した平均
・Marvel's Spider-Man:起動時間はホーム画面から起動し、タイトル画面が表示されゲームを開始できるようになるまでの時間を3回計測した平均、ロード時間はセーブデータを選択後、[MAIN MENU]で[CONTINUE]を選択してからゲームが開始されるまでの時間を3回計測した平均
・グランツーリスモSPORT:起動時間はホーム画面から起動し、ボタン操作を受け付けるようになる「POLYPHONY DIGITAL」のロゴが表示されるまでの時間を3回計測した平均、ロード時間は「ミッションチャレンジ」のSTAGE1-1を選択し、[エントリー]を押してから[スタート]できるまでの時間を3回計測した平均
・モンスターハンター:ワールド:起動時間はホーム画面から起動し、タイトル画面が表示されるまでの時間を3回計測した平均、ロード時間はセーブデータを選択してからゲームが開始されるまでの時間を3回計測した平均
・フォートナイトの起動時間:ホーム画面から起動し、タイトル画面が表示されるまでの時間を3回計測した平均

※次回は外付けSSDを使ったお手軽パワーアップについて解説します。

【【動画で解説!】PS4/PS4 ProのHDDをSSDに換装して爆速に! 内蔵ドライブ換装の手順】

[制作協力:Western Digital]