パワレポ連動企画

秋の夜長はPS4のSSD化でゲームを堪能せよ! Part 2:外付けSSD追加編

もっと簡単! 自力でできるPS4のパワーアップ!! Text by 川添貴生

外付けSSDを使う方法ならPS4のパワーアップはもっと簡単!

外付けケースと組み合わせてSSDを拡張ストレージ化

 PS4/PS4 Pro内蔵HDDのSSDへの換装は決してハードルが高い作業ではないが、もっと気楽にSSDを使ってアップグレードする方法もある。「拡張ストレージ」としてSSDを利用する方法だ。

 拡張ストレージとは、PS4/PS4 Proの本体の内蔵ドライブの容量を拡張するためにUSB接続で追加する“外付けドライブ”のことを指す。PS4/PS4 ProにUSBケーブルで外付けドライブを接続し、さらに拡張ストレージとして設定することで、ゲームを内蔵ドライブから移動したり、インストール先として利用したりできる。内蔵HDDの換装のように、PS4/PS4 Proのネジを外したりシステムソフトウェアの再インストールをしたりといった作業は必要ない。

 詳しい検証結果は後述するが、ゲームの起動やロードにかかる時間は、内蔵ドライブのSSD換装に近い高速化が実現できる。効果が得やすくて導入が簡単、という点ではこちらの方法がオススメだ。

拡張ストレージとして増設する外付けSSDはUSBで接続して利用する。本体との接続自体には工具なども不要、ケーブル1本のみなので非常に簡単だ。なお、PS4/PS4 Proでは拡張ストレージをUSBハブ経由で使うことができないので、外付けSSDは本体に直接接続しよう
USB 3.1 Gen1/USB 3.0のドライブケースに組み込んで利用するSSDとしては、今回テストに使用したWestern Digital「WD Blue 3D NAND SSD」がスペック的に最適。なるべく大容量のものを選びたいが、内蔵HDDを換装するわけではないので、500GB/1TBにこだわらなくてもOK

 家電量販店などでは「外付けSSD」という製品が売られているが、現在比較的手に入れやすい価格になっている内蔵SSDと、外付けSSD化する「外付けドライブケース」を組み合わせて、DIY的に外付けSSD作るのがオススメだ。

 市場にはさまざまな外付けドライブケースが販売されているが、PS4/PS4 Proで使用する場合は、「USB 3.1 Gen1」または「USB 3.0」対応の製品を選ぼう。古い規格である「USB 2.0」のみ対応の製品は非常に安価だが、ケース自体が低速なのでSSDの高い性能を活かしきれない。また、最新・最高峰のUSB規格である「USB 3.1 Gen2」に対応した製品では、PS4/PS4 Pro自身がUSB 3.1 Gen2には対応していないため、逆にケースのスペックを完全には発揮させることができず、高価な製品の真の実力を持て余すことになりもったいない。

 USB 3.1 Gen1/USB 3.0のドライブケースと組み合わせて使用するSSDは、WD Blue 3D NAND SATA SSDをはじめとする「Serial ATA 3.0接続」タイプが最適。あとは、予算に応じて必要な容量の製品を選ぼう。

【拡張ストレージを使用する場合のご注意】
 PS4/PS4 Proの仕様により、使用する外付けドライブケースはUSB 3.0以上対応のもの、SSDの容量は250GB以上のモデルをご用意ください。

拡張ストレージにアプリケーションを移動

 外付けケースとSSDの準備が整ったら、早速PS4/PS4 Proに接続して準備してみよう。一般的に、外付けケースにSSDをセットする作業自体は非常に簡単で、ドライバー1本必要としないものも多い。PS4/PS4 ProのUSB端子に外付けSSDを接続したら、あとは簡単な初期設定を経て、ゲームを拡張ストレージ側に移動していくだけと実にシンプルだ。下記の手順を参考に実際の作業を進めてみよう。

 なお拡張ストレージにはスクリーンショットやゲームプレイの録画データ、セーブデータなどを保存することはできない。内蔵ドライブと外付けSSDを併用することになる、という点を覚えておこう。

外付けSSDでゲームを高速化する手順

1. SSDを外付けストレージとして利用するために、HDDケースに組み込む。これをUSB経由でPS4/PS4 Proに接続すればよい
2. 外付けSSDを拡張ストレージとして使うには、[設定]-[周辺機器]にある[USBストレージ機器]でフォーマットを行なう
3. [拡張ストレージとしてフォーマット]する。セーブデータやスクリーンショットなどは拡張ストレージに保存できない
4. 拡張ストレージとしてフォーマットが完了すると、[設定]-[ストレージ]の画面に現われる
5. 本体ストレージに保存されているアプリケーションの一覧を開き、コントローラの[OPTION]ボタンを押すと、拡張ストレージへ移動できる
6. 拡張ストレージへ移動するアプリケーションを選択し、最後に[移動]ボタンを押す
7. アプリケーションの移動が始まった。しばらく待つと拡張ストレージへの移動が完了し、本体ストレージからは削除される
8. 新規ゲームのインストール先も外付けSSDに変更する。[設定]-[ストレージ]の画面で[OPTION]ボタンを押してサブメニューを表示、[拡張ストレージ]を選択する

コンパクトに仕上げるならM.2 SSDを活用するのもアリ

M.2形状のWD Blue 3D NAND SSD(写真右)と、M.2 SSDを外付けドライブ化するケース(中央)。2.5インチ用ケースに比べ大きさは半分以下で、ワイシャツの胸ポケットにスッキリ収まるほど小さく、そして軽い

 SSDのフォームファクター(ドライブの形状とサイズの規定)は、いわゆる2.5インチ型が主流だが、近年「M.2」と呼ばれる、2.5インチタイプより薄型・コンパクトなカード形状の製品が普及してきている。M.2はノートPCの小型化などを目的として開発された規格で一般的には内蔵ドライブとして利用されるが、2.5インチタイプと同様に、外付けドライブ化するケースも登場している。

 WD Blue 3D NAND SSDにもM.2モデルが用意されており、フォームファクターの違いによるスペックの差はない。実際にテストしたところ、ゲーム起動やデータロードに2.5インチタイプとの有意な差は見られなかった。M.2用の外付けケースはちょっと高いのだが、2.5インチSSDを使う場合よりコンパクトな外付けSSDに仕上がる。スタイリッシュにキメたいならこだわってみるのもいいかも!?

モンスターハンター:ワールドのデータロード時間が20秒以上短縮!

 では、外付けSSDを利用することで具体的にどの程度の効果が得られるのかを見てみよう。ここでは、PS4 Proを用いて、標準構成(内蔵ドライブは1TB HDD)と、USB 3.0対応外付けケースにWestern DigitalのSSD「WD Blue 3D NAND SSD」を組み込んだ外付けドライブを追加してここにゲームをセットアップした場合とで比較してみた。

 全体に、内蔵ドライブから起動/ロードする場合よりも高速化が実現しており、内蔵ドライブのSSD化と同様、大幅に時間が短縮するケースも見られた。Marvel's Spider-Manとモンスターハンター:ワールドのロード時間についてはとくに効果が高く、およそ1/2~1/3となっている。

【効果大!!】セーブデータのロードは半分近くの時間に短縮。効果が非常に大きい
ゲームの起動は高速化。内蔵ドライブよりも4秒ほど速くなる
【効果大!!】データロード時間はおよそ1/3に。起動時間も10秒近く高速になる
起動時間は短くなっているものの、伸びは今一つ。ゲーム自体がコンパクトなためだろう

 なお、内蔵ドライブをSSD換装した場合と比べると高速化の効果は数秒およばない。また、拡張ストレージにはシステムソフトウェアを置くことはできないため、PS4 Proの起動時間の短縮効果はない。このあたりは作業の手間とのトレードオフで、内蔵ドライブ換装でのみ得られるメリットだ。最大の効果が得られるのはSSD換装、お手軽パワーアップは外付けSSDの追加、と覚えておこう。

【検証環境】

・Marvel's Spider-Man:起動時間はホーム画面から起動し、タイトル画面が表示されゲームを開始できるようになるまでの時間を3回計測した平均、ロード時間はセーブデータを選択後、[MAIN MENU]で[CONTINUE]を選択してからゲームが開始されるまでの時間を3回計測した平均
・グランツーリスモSPORT:起動時間はホーム画面から起動し、ボタン操作を受け付けるようになる「POLYPHONY DIGITAL」のロゴが表示されるまでの時間を3回計測した平均、ロード時間は「ミッションチャレンジ」のSTAGE1-1を選択し、[エントリー]を押してから[スタート]できるまでの時間を3回計測した平均
・モンスターハンター:ワールド:起動時間はホーム画面から起動し、タイトル画面が表示されるまでの時間を3回計測した平均、ロード時間はセーブデータを選択してからゲームが開始されるまでの時間を3回計測した平均
・フォートナイトの起動時間:ホーム画面から起動し、タイトル画面が表示されるまでの時間を3回計測した平均

【【動画で解説!】PS4/PS4 Proに外付けSSDを増設して爆速に! 拡張ストレージの追加手順】

[制作協力:Western Digital]