パワレポ連動企画
秋の夜長はPS4のSSD化でゲームを堪能せよ! Part 2:外付けSSD追加編
もっと簡単! 自力でできるPS4のパワーアップ!! Text by 川添貴生
2018年11月5日 00:00
外付けケースと組み合わせてSSDを拡張ストレージ化
PS4/PS4 Pro内蔵HDDのSSDへの換装は決してハードルが高い作業ではないが、もっと気楽にSSDを使ってアップグレードする方法もある。「拡張ストレージ」としてSSDを利用する方法だ。
拡張ストレージとは、PS4/PS4 Proの本体の内蔵ドライブの容量を拡張するためにUSB接続で追加する“外付けドライブ”のことを指す。PS4/PS4 ProにUSBケーブルで外付けドライブを接続し、さらに拡張ストレージとして設定することで、ゲームを内蔵ドライブから移動したり、インストール先として利用したりできる。内蔵HDDの換装のように、PS4/PS4 Proのネジを外したりシステムソフトウェアの再インストールをしたりといった作業は必要ない。
詳しい検証結果は後述するが、ゲームの起動やロードにかかる時間は、内蔵ドライブのSSD換装に近い高速化が実現できる。効果が得やすくて導入が簡単、という点ではこちらの方法がオススメだ。
家電量販店などでは「外付けSSD」という製品が売られているが、現在比較的手に入れやすい価格になっている内蔵SSDと、外付けSSD化する「外付けドライブケース」を組み合わせて、DIY的に外付けSSD作るのがオススメだ。
市場にはさまざまな外付けドライブケースが販売されているが、PS4/PS4 Proで使用する場合は、「USB 3.1 Gen1」または「USB 3.0」対応の製品を選ぼう。古い規格である「USB 2.0」のみ対応の製品は非常に安価だが、ケース自体が低速なのでSSDの高い性能を活かしきれない。また、最新・最高峰のUSB規格である「USB 3.1 Gen2」に対応した製品では、PS4/PS4 Pro自身がUSB 3.1 Gen2には対応していないため、逆にケースのスペックを完全には発揮させることができず、高価な製品の真の実力を持て余すことになりもったいない。
USB 3.1 Gen1/USB 3.0のドライブケースと組み合わせて使用するSSDは、WD Blue 3D NAND SATA SSDをはじめとする「Serial ATA 3.0接続」タイプが最適。あとは、予算に応じて必要な容量の製品を選ぼう。
【拡張ストレージを使用する場合のご注意】
PS4/PS4 Proの仕様により、使用する外付けドライブケースはUSB 3.0以上対応のもの、SSDの容量は250GB以上のモデルをご用意ください。
拡張ストレージにアプリケーションを移動
外付けケースとSSDの準備が整ったら、早速PS4/PS4 Proに接続して準備してみよう。一般的に、外付けケースにSSDをセットする作業自体は非常に簡単で、ドライバー1本必要としないものも多い。PS4/PS4 ProのUSB端子に外付けSSDを接続したら、あとは簡単な初期設定を経て、ゲームを拡張ストレージ側に移動していくだけと実にシンプルだ。下記の手順を参考に実際の作業を進めてみよう。
なお拡張ストレージにはスクリーンショットやゲームプレイの録画データ、セーブデータなどを保存することはできない。内蔵ドライブと外付けSSDを併用することになる、という点を覚えておこう。
外付けSSDでゲームを高速化する手順
コンパクトに仕上げるならM.2 SSDを活用するのもアリ
SSDのフォームファクター(ドライブの形状とサイズの規定)は、いわゆる2.5インチ型が主流だが、近年「M.2」と呼ばれる、2.5インチタイプより薄型・コンパクトなカード形状の製品が普及してきている。M.2はノートPCの小型化などを目的として開発された規格で一般的には内蔵ドライブとして利用されるが、2.5インチタイプと同様に、外付けドライブ化するケースも登場している。
WD Blue 3D NAND SSDにもM.2モデルが用意されており、フォームファクターの違いによるスペックの差はない。実際にテストしたところ、ゲーム起動やデータロードに2.5インチタイプとの有意な差は見られなかった。M.2用の外付けケースはちょっと高いのだが、2.5インチSSDを使う場合よりコンパクトな外付けSSDに仕上がる。スタイリッシュにキメたいならこだわってみるのもいいかも!?
モンスターハンター:ワールドのデータロード時間が20秒以上短縮!
では、外付けSSDを利用することで具体的にどの程度の効果が得られるのかを見てみよう。ここでは、PS4 Proを用いて、標準構成(内蔵ドライブは1TB HDD)と、USB 3.0対応外付けケースにWestern DigitalのSSD「WD Blue 3D NAND SSD」を組み込んだ外付けドライブを追加してここにゲームをセットアップした場合とで比較してみた。
全体に、内蔵ドライブから起動/ロードする場合よりも高速化が実現しており、内蔵ドライブのSSD化と同様、大幅に時間が短縮するケースも見られた。Marvel's Spider-Manとモンスターハンター:ワールドのロード時間についてはとくに効果が高く、およそ1/2~1/3となっている。
なお、内蔵ドライブをSSD換装した場合と比べると高速化の効果は数秒およばない。また、拡張ストレージにはシステムソフトウェアを置くことはできないため、PS4 Proの起動時間の短縮効果はない。このあたりは作業の手間とのトレードオフで、内蔵ドライブ換装でのみ得られるメリットだ。最大の効果が得られるのはSSD換装、お手軽パワーアップは外付けSSDの追加、と覚えておこう。
【検証環境】
・Marvel's Spider-Man:起動時間はホーム画面から起動し、タイトル画面が表示されゲームを開始できるようになるまでの時間を3回計測した平均、ロード時間はセーブデータを選択後、[MAIN MENU]で[CONTINUE]を選択してからゲームが開始されるまでの時間を3回計測した平均
・グランツーリスモSPORT:起動時間はホーム画面から起動し、ボタン操作を受け付けるようになる「POLYPHONY DIGITAL」のロゴが表示されるまでの時間を3回計測した平均、ロード時間は「ミッションチャレンジ」のSTAGE1-1を選択し、[エントリー]を押してから[スタート]できるまでの時間を3回計測した平均
・モンスターハンター:ワールド:起動時間はホーム画面から起動し、タイトル画面が表示されるまでの時間を3回計測した平均、ロード時間はセーブデータを選択してからゲームが開始されるまでの時間を3回計測した平均
・フォートナイトの起動時間:ホーム画面から起動し、タイトル画面が表示されるまでの時間を3回計測した平均
[制作協力:Western Digital]