パワレポ連動企画

GeForce & Radeon GPUベンチ「KTU presents GPU Round-Robin Benchmark Round 9」

DOS/V POWER REPORT 2022年夏号の記事を丸ごと掲載!

新ハイエンド&リフレッシュモデルが一挙登場!

 今回はGeForceの新フラグシップを筆頭に合計5GPUを追加し、一部GPUをグラフから除外した。「3DMark」ではRX 6950 XTのスコアの高さに注目。Radeonの新モデルは対応する旧モデル(RX 6750 XTならRX 6700XT)より高クロック動作なためスコアは伸びたが、伸び幅は5~8%と比較的小幅だ。

 NVIDIA「PCAT」を使用したカード単体の消費電力(TBP)測定では、RTX 3090 TiのTBPの高さに驚かされる。ただ、大幅にクロックを盛ったRX 6950 XTも相応に消費電力が高くなっている点も見逃せない。

描画負荷の軽いeスポーツ系FPS

R6SとApexは入力遅延低減技術「Reflex」の対応タイトル。実戦では効果が期待できるが、このテストでは無効に設定している

 「レインボーシックス シージ」ではRTX3090 TiよりRTX 3080 12GBが上だが、これはフルHDのみ。4KではRTX 3090 Tiが圧倒している点に注意したい。

 また「Apex Legends」では300fpsで頭打ちになるため、上位G P U勢はほぼ差がない。だが解像度が上がるとメモリバス幅や帯域の広いGeForce勢がRadeonを圧倒。ただしメモリバス幅192~256bit幅のミドル帯のGPUでは、Radeonもかなり健闘している。逆に低価格Radeonはメモリバス幅の問題でGeForce系に負けるシーンが目立っている。

GPUの限界が試される重量級ゲーム

Forza Horizon 5のベンチはCPUとGPU個別にフレームレートが出るが、このテストではGPU側フレームレートのみを比較している

 「Forza Horizon 5」はRadeon系と非常に相性がよく、RX 6900 XTがRTX 3090 Tiを大幅に引き離した。RX 6950 XTが不振なのはリリース直後のドライバが関係していると考えられる。エントリー帯はメモリバスやインターフェース幅が狭いRX 6500 XTなどが入ってくるため、例外的にGeForceが優勢。

 一方「Halo Infinite」では、クロックの高いRX 6950 XTが全解像度設定でRTX 3090Tiを上回った。初期ドライバでは動作が今一つなのがRadeonの泣き所だが、次号ではまた違った傾向が見せられるかもしれない。

DXR(DirectX Raytracing)対応ゲームでの実力

 最後にDXR(DirectX Raytracing)を使った負荷の高いゲームを検証する。AMD肝いりの「ファークライ6」ではRX 6950 XTがRX 6900 XTを上回った。僅差の理由は、RayAcceleratorがボトルネックになっているためと思われる。

 「サイバーパンク2077」では一転、GeForce系が圧倒的優勢となった。RTX 3090 TiはフルHDで飛び抜けた性能を発揮したが、それでも解像度が上がるとプレイアブルとは言えなくなる。現行GPUではDLSSやFSR 1.0などのアップスケーラの併用は必須だ。

今回使用したビデオカード
GeForce RTX 3090 Ti搭載カードは、ZOTACの強OCモデル“AMP Extreme Holo”を使用した
GPU性能評価に使用したカード
【検証環境】
CPUIntel Core i9-12900KF(16コア24スレッド)
マザーボードASRock Z690 PG Velocita(Intel Z690)
メモリKingston FURY Beast KF552C40BBK2-32(PC5-41600 DDR5 SDRAM 16GB×2)
システムSSDCorsair CSSD-F1000GBMP600[M.2(PCI Express 4.0x4)、1TB]
データSSDSilicon Power SP002TBP34A80M28[M.2(PCI Express 3.0 x4)、2TB]
電源Super Flower LEADEX TITANIUM 1000W(1,000W、80PLUS Platinum)
OSWindows 11 Pro
Total Board Powerレインボーシックス シージ(フルHD、画質“最高”+レンダースケール100%設定で実行)でカスタムゲームを作成、同じシーンでのTBPをNVIDIA「PCAT」で計測した最大と平均
アイドル時OS起動10分後の安定値
レインボーシックス シージAPIはVulkan、画質“最高”+レンダースケール100%+Refl ex “OFF”に設定、ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測
Apex Legends画質最高設定+Refl ex “OFF”、起動オプション「+fps_max unlimited」を追加して起動し、射撃訓練場における一定の動作をした際のフレームレートを「CapFrameX」で計測
Forza Horizon 5画質“エクストリーム”に設定、ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測
Halo Infi nite画質“ウルトラ”+非同期コンピューティングをONに設定。マップ“Fragmentation”内の一定のルートを移動する際のフレームレートを「CapFrameX」で計測
ファークライ6画質“最高”+高解像度テクスチャ+レイトレーシングおよびVRSをすべて有効化、ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測
サイバーパンク2077画質“レイトレーシング:ウルトラ”をベースにDLSSを無効化、ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測

[TEXT:加藤勝明]

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 今回は、DOS/V POWER REPORT「2022年夏号」の記事をまるごと掲載しています。

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