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意外にも冷える?最新格安水冷の性能やいかに!SAMA Technology「SC240」【CPUクーラーマニアックス】

DOS/V POWER REPORT 2023年春号の記事を丸ごと掲載!

意外にも冷える?最新格安水冷の性能やいかに

SAMA Technology SC240
実売価格:7,000円前後 ※価格は3月上旬時点のもの
型番ラジエータファン実売価格
SC36036cm12cm角×39,000円前後
SC24024cm12cm角×27,000円前後

CONCEPT:質感は価格なりでもLEDの演出はハデ

 格安簡易水冷クーラーとして話題になった中国のSAMA Technologyブランド。今回テストするのは24cmクラスの「SC240」だ。実売価格は7,000円前後で価格比較サイトをチェックすると原稿執筆時点で同クラス最安製品となっていた。同シリーズには9,000円前後の36cmモデル「SC360」もラインナップされている。性能しだいでは検討したいと考えている人も少なくないはずだ。

ヘッドとラジエータ

 製品のスペックとしては、27mm厚の24cmラジエータに2基の12cm角ファンを搭載するといったオーソドックスなものだ。全体的に樹脂素材部分の質感が安っぽいが、ケースに組み込んでしまえば筆者としてはガマンできるレベルと感じた。この辺りは価格なりである。

銅製のベース部分は研磨跡のないザラザラとした質感でめずらしい。温度への影響はほぼない
シンプルな円形デザインなのは好感が持てるが、樹脂の質感は残念ながらチープだ

 本製品のウリの一つであるライティング機能だが、RGB LEDが水冷ヘッドとファンに搭載されている。しかし、カラーや発光パターンのカスタマイズは非対応。レインボーパターンで常時発光する。ファンはブレード全体が発光するので価格を考えると光具合はハデで、ここを求める方には悪くない印象だ。

Intel用のバックプレート。Mini-ITXマザーボードなど、CPUソケット裏周辺にチップ抵抗などの部品がある場合、干渉する可能性がある
ファンのケーブルを接続する専用ハブが付属。36cmクラスのSC360と共通らしく最大3基の4ピンPWMファンを接続できる

 冷却性能においては数年前の他社の格安モデルからすると大幅に進歩しており、ハイエンド空冷に肉薄するレベルだった。しかし、ポンプの動作音がかなりうるさいので、騒音に敏感なユーザーには気になるだろう。価格なりという評価になるのは事実だが、そこは割り切って、そこそこ冷えてハデに光って安いCPUクーラーが欲しいという人には魅力的な製品かもしれない。

FAN:あらかじめファン装着済みの状態で販売

 本製品には12cm角ファンが2基付属しており、あらかじめ装着された状態で梱包されている。ケーブルを隠したい場合、ラジエータの取り付け位置によっては組み直す必要があるが、そのまま組み込めるほうなら手間が減るので評価したいポイントだ。

 ファンのスペックとしては、回転域が800~2,000rpm、最大風量が64.05cfm、最大静圧が1.85mmH2Oとなっている。

ブレード部分が半透明になっており、RGB LEDによるライティングを堪能できる。ブレードのセンターも光るのでハデに見える
ファンの四隅には黒い制振ゴムが搭載されている

SET UP:ネジの締め過ぎに注意

 低価格ながら最新プラットフォームのLGA1700やAM5に対応しているのはありがたい。

IntelとAMD共用のバックプレートに加えて、スタッドは4種類付属。AM5用のみ取り付け方法のQRコードが貼り付けられた状態で別の袋に入っていた。グリスも付属

 バックプレートが樹脂製なのは簡易水冷クーラーなので問題はないのだが、ナットが奥まで締め込めてしまうため、あまり締め過ぎるとマザーボードが反ってしまうので注意したい。リテンションプレートも薄く反りやすいので手回しで絞めて、最後に軽くドライバーで増し締めして仕上げよう。スタッドにあらかじめ装着されている場合が多い絶縁ワッシャーだが、本製品の場合別で付属しているので装着忘れのないようしたい。

バックプレートへのスタッドの取り付け時には付属の絶縁ワッシャーを忘れずに。スタッドもIntel用とAMD用がそれぞれ2種類あるので要注意
メモリに干渉する場合は、ロゴの向きがずれるが写真のように取り付けてチューブを下に逃がすという手がある
ハブにファンの電源ケーブルを接続したら、マザーボード上の端子に1本で接続。ポンプ用電源は別途マザーボード上のポンプ用端子に接続する

BENCHMARK TEST

お値段以上?冷却性能は悪くない

 比較製品として同価格帯の12cmファンを2基搭載するDeepCoolのツインタワー型空冷クーラー「AK620」を用意。CINEBECH R23を10分間連続実行した際のCPU温度は83℃を記録し、ハイエンド空冷と同等だった。これとは別の計測データだが、同じ環境でASSASSINⅢが82℃だったことからも、優秀な結果と言える。冷却性能の高いクーラーが欲しいが、ケースに大型空冷が入るスペースがない場合などにも活躍できそうだ。

 ただ、動作音はアイドル時に46.0dB、高負荷時に59.8dBとかなり大きい。ポンプの動作音が大きいためだ。個体差という可能性もあるが、周波数の高い音なのでケースに組み込んでも外に漏れて気になるだろう。

見た目に全振りのゲーマー向けクーラ

・冷却性能はハイエンド空冷に迫る合格点
・ポンプ動作音が目立ち静音性は厳しい
・質感は価格なりだが発光はハデ

 数年前に悪い意味で話題になった超格安簡易水冷のイメージを冷却性能面では完全に払拭しており驚き。ただ、質感は価格なり、ポンプのうるささはワーストクラスのため使う人を選ぶ製品ではあると言える。今後の改善に期待したい。動作音がガマンできて、そこそこ冷えてハデに光る低価格クーラーが欲しい人の心には刺さるだろう。

【検証環境】
CPUIntel Core i7-12700K(12コア20スレッド)
マザーボードMSI MAG Z690 TOMAHAWK WIFI DDR4(Intel Z690)
メモリMicron Crucial CT2K8G4DFS832A(PC4-25600 DDR4 SDRAM 8GB×2)
ビデオカードMSI GeForce RTX 3060 Ti GAMING X TRIO(NVIDIA GeForce RTX 3060 Ti)
SSDWestern Digital WD Blue SN570 NVMe WDS500G3B0C[M.2(PCI Express 3.0 x4)、500GB]
電源MSI MPG A850GF(850W、80PLUS Gold)
OSWindows 11 Pro
グリス親和産業 OC Master SMZ-01R
室温25℃
暗騒音30dB以下
アイドル時OS起動10分後の値
高負荷時CINEBENCH R23 Multi Coreを10分間連続実行した際の最大値
CPU温度HWiNFOのCPU Packageの値
そのほかの温度HWiNFOの値
動作音測定距離ファンから20cm

[TEXT:清水貴裕]

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 今回は、DOS/V POWER REPORT「2023年春号」の記事をまるごと掲載しています。

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