パワレポ連動企画
玄人志向がサイズとコラボした簡易水冷クーラー「KURO-AIOWC360L」【PC PARTS SCRAMBLE CPUクーラー編②】
DOS/V POWER REPORT 2023年春号の記事を丸ごと掲載!
2023年11月1日 10:05
玄人志向がサイズとコラボした簡易水冷クーラー
こんなユーザーにオススメ
・堅実な冷却性能が欲しい
・比較的安価でも信頼性は重視したい
・サクッと簡単に組み立てたい
玄人志向から簡易水冷CPUクーラー「AIOWCシリーズ」がリリースされた。OEM大手のAsetek製のラジエータとポンプのシステムを採用しているのが特徴で、ファンには日本が世界に誇るCPUクーラーブランドであるサイズの製品が採用されている。ラジエータは24cmと36cmの2サイズ展開で、LED搭載ファンと非搭載ファンの合計4モデルがラインナップ。今回テストしたのは、LEDファンを搭載する36cmクラスの「KURO-AIOWC360L」だ。
付属ファンはブレードが半透明になっており、RGB LEDによるイルミネーション設定に対応する。PWM制御に対応した4ピン接続となっており、最大回転数は1,800rpmで最大風量は79.76cfmといった仕様だ。最低回転数や静圧は公表されていないのが少し残念。なお、LEDなしモデルのほうはファンが2,400rpmと高回転仕様だが、最大風量は77.23cfmと低く、それに比例して騒音レベルも下がっている。これはLEDモデルのブレード数が11枚と2枚多いからかもしれない。LED非搭載モデルのファンは「WONDER SNAIL 120 PWM」というサイズ製のケースファンで最大静圧が3.59mmH2Oと高いもの。静圧重視で選びたいのならば実績のあるファンが搭載されているLEDなしモデルを選ぶのもありだ。
水冷ヘッド部分はAsetekのOEM品らしくコンパクトで、チューブ含めて周辺に干渉しにくそうな作り。ポンプは最大回転数が2,800prmのものを搭載。標準状態では、サングラス・ロゴがRGB LEDで発光するようになっておりやや主張が強めだが、付属品にはロゴなしのカバーがあり、これに交換することもできる。
比較対象に同じ36cmクラスの定番モデルであるDeepCool LS720を用いて検証した。CINEBENCH R23のMulti Coreテストを10分間連続実行した際のCPU温度は最大76℃。悪くない値ではあるが、LS720よりも4℃高い温度となった。Asetek製36cmラジエータ搭載モデルだともう少し冷えてもおかしくないのだが、ファンの性能が影響している可能性がある。最大静圧が非公開のため推測の域ではあるが、「WONDER SNAIL 120 PWM」を搭載するLEDなしモデルのほうが今回のRGB LEDモデルよりも冷える可能性があるだろう。水冷クーラーの場合はラジエータの細かなフィンの隙間から風を抜くために、ファンのスペックでは静圧がより重要になってくる。動作音に関しては、高負荷時に50.3dBとファンを3基搭載するわりには静かな部類なので、静音性重視のユーザーも満足できそうだ。
大手AsetekのOEM品ということもあり、リテンションキットがシンプルで組み立てやすく、性能や耐久性の面でも安心感があるのは魅力的。格安とまではいかないまでも、しっかり冷える36cmクラス水冷としては価格もなかなかよい水準。コスパと信頼性を重視したい場合にはよいクーラーだ。
CPU | Intel Core i7-12700K(12コア20スレッド) |
マザーボード | MSI MAG Z690 TOMAHAWK WIFI DDR4(Intel Z690) |
メモリ | Micron Crucial CT2K8G4DFS832A(PC4-25600 DDR4 SDRAM 8GB×2) |
ビデオカード | MSI GeForce RTX 3060 Ti GAMING X TRIO(NVIDIA GeForce RTX 3060 Ti) |
SSD | Western Digital WD Blue SN570 NVMe WDS500G3B0C[M.2(PCI Express 3.0 x4)、500GB] |
電源 | MSI MPG A850GF(850W、80PLUS Gold) |
OS | Windows 11 Pro |
グリス | 親和産業 OC Master SMZ-01R |
室温 | 25℃ |
暗騒音 | 30dB以下 |
アイドル時 | OS起動10分後の値 |
高負荷時 | CINEBENCH R23 Multi Coreを10分間連続実行した際の最大値 |
CPU温度 | HWiNFOのCPU Packageの値 |
動作音測定距離 | ファンから20cm |
[TEXT:清水貴裕]
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