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価格破壊のミニLED機、圧倒的な表示品質に驚く!INNOCN「27M2V」【PC PARTS SCRAMBLE ディスプレイ編】

DOS/V POWER REPORT 2023年春号の記事を丸ごと掲載!

価格破壊のミニLED機 圧倒的な表示品質に驚く

INNOCN 27M2V 実売価格:125,000円前後
応答速度:1ms(GTG)●輝度:800cd/m2●インターフェース:DisplayPort 1.4×1、HDMI 2.1×2、USB Type-C×1●本体サイズ(W×D×H):613.9×228.8×518.7mm●重量:6.9kg(スタンド含む)

こんなユーザーにオススメ

・HDR対応コンテンツを鮮やかな色合いで視聴したい
・ハイリフレッシュレートでPCゲームを楽しみたい
・複数台のPCを接続してスムーズに使い分けたい

 「27M2V」は、クリエイター向けの高性能な液晶ディスプレイや高機能な液晶テレビで採用されているミニLEDを採用したパネルを搭載し、「DisplayHDR 1000」という驚異的なダイナミックレンジに対応する液晶ディスプレイだ。ミニLEDとは、バックライトとして利用するLEDを高密度に並べ、暗い場所はLEDを消灯したり暗くしたりする、明るい場所は光量を高めるといった精密な制御を行ない、コントラスト比を高める機能のことだ。

ミニLEDが表現する圧倒的なコントラスト比、本物の「黒」に感動
ミニLEDの特性もあり、暗い部分は真っ黒に、そして明るい部分は非常に鮮やかに表示される。筆者が今まで利用してきた7 ~ 8万円クラスの4Kディスプレイと比べると、ワンランク上の表示性能だった
IPSパネルを採用しており、上下左右どこから眺めても、色味の変化はほとんどない
ミニLEDは初期状態では無効になっている。OSDの[ゲーム設定]から、[ローカルディミング]を[オン]にする

 制御する領域が細かく分割されているほど、表現力の向上効果は大きくなるが、27M2Vでは1,152の領域に分割されている。LED搭載数が1,000を超えるモデルは、実売価格が30万円以上のものばかりであり、本製品の買い得感はきわめて高い。

ディスプレイケーブルとして、DisplayPortケーブル、HDMIケーブル、USB Type-Cケーブルが1本ずつ付属する
薄型ではあるが比較的大きめなACアダプタが付属する。出力は240Wだった

 とはいえ安いだけできちんと制御できていないのでは話にならない。そこでミニLEDとHDR(High Dynamic Range)設定を有効にした状態で動画や静止画を表示したところ、実に鮮やかな色調で鮮明な映像を楽しめた。ひときわ印象的なのは夜景だ。暗闇とビルのイルミネーションのコントラストが非常に美しい。あたかも27M2Vのパネル内に空間が広がっているような、不思議な立体感すら感じる。PlayStation5で再生したUltra HD Blu-rayの映画の中の夜にイナズマが走る状況の美しさや、PCゲームで太陽を仰ぎ見る場面で感じたリアルなまぶしさなどは、今まで経験したことがないもの。今まで触れてきた普及価格帯の製品とは、比較にならない美しさだった。

ポート類は下から挿すタイプ。DisplayPortやHDMIなどのディスプレイ入力端子のほか、USB Type-CコネクタやKVM用のUSB 3.0コネクタ、USBハブなどを装備する
底面の右側に5個のボタンを装備する。写真の一番右は電源ボタンで、残りの4個のボタンでOSDを操作する
DisplayPortで接続すると、160Hzまでのリフレッシュレートを選択できる

 こうした美しい映像もさることながら、DisplayPort接続なら最大で160Hz、HDMI接続でも144Hzのハイリフレッシュレートに対応、USB PD対応給電、USBハブなど便利な機能を多数備える。INNOCNは日本での知名度こそ低いが、中国市場ではかなりの評価を得ているメーカーだ。そうした実力の一端を示す1台といってよいだろう。

液晶パネルの高さを、実測値で約12cmの範囲で調節する機能がある
液晶パネルを90°回転させて、縦表示で利用する機能もサポートする

[TEXT:竹内亮介]

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