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TUFのゲーミングPSUは先進的で意欲的!ASUS「TUF Gaming 750W Gold」【Power Supply Unit 診断室】
DOS/V POWER REPORT 2023年春号の記事を丸ごと掲載!
2023年11月8日 11:05
「TUF」のゲーミングPSUは先進的で意欲的
ASUSTeKのメインストリームゲーマー向け「TUF Gaming」シリーズから新たな電源が登場した。従来のTUF電源は80PLUS Bronze認証、ケーブル直付け、出力も550/650W出力だったので、消費電力が増大傾向にある最近のPCでは出力不足感が否めなかった。新モデル「TUF Gaming Goldシリーズ」では80PLUS Gold認証を得るとともに、出力も大出力側に振っている。合わせて奥行き15cmのコンパクトさ、フルプラグイン方式も盛り込まれ、使い勝手のよい1グレード上の製品に仕上がっている。
さらにGeForce RTX 40シリーズで採用された12VHPWRにもネイティブ対応している。12VHPWR対応ビデオカード自体には変換アダプタが付属するので従来までの電源でも問題はないとは言え、スッキリ1本で直結できるのはメリットだ。加えて12VHPWR対応電源はまだ大出力・高機能モデルが中心で、比較的小出力・低価格のモデルを投入したのは価値がある。しかもASUSTeKの最新技術力を見せ付けるかのように小型トランス、ジャンパレス、細かなデジタル化、そしてチョークを使わないコンデンサだけによる2次側平滑といった新機軸を盛り込む先進的かつ意欲的な製品だ。
※実売価格は3月上旬時点のもの
製品名 | 出力 | 奥行き | 80PLUS認証 | 実売価格 |
---|---|---|---|---|
TUF Gaming 1000W Gold | 1,000W | 15cm | Gold | 30,000円前後 |
TUF Gaming 850W Gold | 850W | 15cm | Gold | 26,000円前後 |
TUF Gaming 750W Gold | 750W | 15cm | Gold | 20,000円前後 |
使い勝手もアップグレード フルプラグインに大口径静音ファン
TUF Gaming Goldシリーズには750/850/1,000Wモデルがラインナップされているが、どれも奥行き15cmというコンパクトさが特徴だ。また、使い勝手のよいフルプラグイン方式でケーブル長も十分な長さである。これなら大きなゲーミングPCケースでも大丈夫。電源の置き場所も、トップ、ボトムを問わず利用できるだろう。スリーブケーブルも採用しており、ケースの角などでケーブルが引っかかりにくい。ケーブルをまとめるコーム(櫛型のケーブル押さえ)は付属しないので、表に出る部分のケーブルをきれいにまとめたい場合は別途用意したい。
+12V出力は最大62A。DC−DCコンバータを介して+ 3.3/5V(ぞれぞれ25A)を生成する方式だ。12VHPWRは最大600Wとその規格どおりの説明がされているが、実際の供給電力はもちろん電源の性能に依存する。本製品はPCI Express 6+ 2ピンが3系統ということから考えて最大450W程度が実際のところだろう。もちろん最大出力の話なのである程度余裕を持たせておいたほうがよい。
搭載ファンは13.5cmと大口径。低負荷だと回転を停止する仕様なので、ケースファン側でエアフローを確保する運用がよいだろう。
CPU | AMD Ryzen 9 5900X(12コア24スレッド) |
マザーボード | MSI MPG X570 GAMING PRO CARBON WIF(I AMD X570) |
メモリ | Kingston HyperX Savage DDR4 HX430C15SBK2/16(PC4-24000 DDR4 SDRAM 8GB×2) |
ビデオカード | ZOTAC GAMING GeForce RTX2080(NVIDIA GeForce RTX 2080) |
SSD | Solid State Storage Technology Plextor M8Se(G)シリーズ PX-512M8SeG[M.2(PCI Express3.0 x4)、240GB] |
OS | Windows 11 Pro |
室温 | 18℃ |
暗騒音 | 35.2dB |
アイドル時 | ベンチマーク終了10分後の値 |
高負荷時 | 3DMarkを実行中の最大値 |
動作音測定距離 | ファンから約15cm |
電力計 | Electronic Educational Devices Watts Up? PRO |
今後の12VHPWR世代ミドルレンジGPUにぴったり
これまでTUF電源がターゲットとしていたのはライトゲーマーで、出力も550/650Wといったものだったが、時代は確実に変わってきている。本製品はシリーズ最小出力だが750Wと十分で、ミドルレンジGPUにも拡大する勢いの12VHPWRに対応してきた。メインストリームゲーマーに向け、最新ビデオカードの安定性・安全性を強化し、合わせてTUFの高耐久を提供する製品だ。
静音性については文句なしでほぼ無音。ただ低負荷時はファンの回転を止めてしまう仕様で、この仕様をON/OFFするスイッチはない。せっかく高圧、静音、低回転のファンなので常時回転のオプションが欲しかったところだ。
また今後のほかの電源基板設計に影響を与えそうなジャンパレス、超小型トランス、デジタル化など、ASUSTeK渾身の先進的で意欲的なところも見せてもらった。わずかにノイジーなところもあったが、電源の本質である「安定した電力供給」という点では満足できる。750Wなのに1次側に660μFの大容量コンデンサを配し、急激な電力需要増加にも対応。電圧降下も最大で0.4V。降下してもしっかりとした下げ止まり感があり、高性能ビデオカード搭載ゲーミングマシンにはピッタリの電源と言えるだろう。
電圧計測方法 | 三和電気計器 PC-20を3台使用し、各コネクタの電圧を計測 |
リプル計測方法 | Pico Technology PicoScope2204を使用しアイドル時に計測、そのほかは上記と同じ |
診断票:電源に変革をもたらす先進設計を見た!
超小型トランス、ジャンパレス、デジタル化に加え今後主流となるだろう12VHPWRに対応したガチのゲーミングPSUだ。ノイズ面は改良の余地が残るものの抜群の電力安定供給力はさすが「TUF」だ。
[TEXT:藤山哲人、検証協力:長畑利博(アイティースリー)]
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