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ガラス越しにパーツを楽しめるピラーレス仕様!NZXT「H9 Flow」【竹内亮介のオレにPCケースを使わせろ!】

DOS/V POWER REPORT 2023年春号の記事を丸ごと掲載!

NZXT H9 Flow

ガラス越しにパーツを楽しめるピラーレス仕様
NZXT H9 Flow 実売価格:25,000円前後

 今回取り上げるNZXTの「H9 Flow」は、フレームを支える一部の支柱(ピラー)を持たない「ピラーレス」と呼ばれるタイプのPCケースだ。視線を遮る支柱がないため、強化ガラスを通して、まるで水槽のように組み込んだパーツのデザインやLEDのイルミネーションをじっくり楽しめる。

ベイ:3.5/2.5インチシャドー×2、2.5インチシャドー×4●標準搭載ファン:12cm角×3( 側面)、12cm角×1( 背面) ●搭載可能ビデオカードの長さ:435mm●搭載可能CPUクーラーの高さ:165mm●搭載可能ラジエータの長さ:36cmクラスまで(天板、右側面、底面)●本体サイズ(W×D×H):290×466×495mm●重量:12.1kg●そのほかのカラー:ブラック

 前面パネルと左側板は一体化した曲げガラスではなく、2枚をピタリと合わせるタイプである。細い合わせ目は見えるが、隙間はほとんどない状態なので、左側面に組み込んだビデオカードやケースファン、CPUクーラーなどの様子がよく見える。ガラス自体も透明度の高いものが使われており、「眺める楽しみ」を前提として設計されていることがよく分かる作りだ。

 マザーボードベースを境にして内部の領域を左右に分け、それぞれにパーツを組み込むデュアルチャンバー構造を採用することにも注目したい。光る製品が多いマザーボードやビデオカードなどのメインパーツやケースファン、ラジエータなどは左、地味な電源ユニットや各種ストレージは基本的に右に組み込む。大きめのパーツを左右に分けて組み込むため、パーツ同士の干渉は発生しにくい。

 メッシュ構造の天板やファンマウンタを簡単に着脱できる機構を採用しているため、ラジエータの取り付けやマザーボードへのケーブル接続は容易だった。また右側面に装備するファンやファンマウンタも簡単に着脱でき、大型ラジエータでもラクに組み込める。デュアルチャンバー構造のおかげでマザーボードベース裏面のスペースは広く、面ファスナーやフックを多数備えており、ケーブルも整理しやすい。今回は空冷と水冷で2パターンの構成を組み込んでみたが、どちらでも簡単だった。

 冷却性能も高く、これまでテストしてきたミドルタワーケースの中ではトップクラスの成績だった。側面に装備する3基の12cm角ファンで、しっかりと外気を取り込んでいるからだろう。アイドル時や軽作業時のファンの回転数は400 ~ 500rpmであり、パーツを選べば非常に静かなPCが作れる。

天板の右前面にフロントポートを搭載する。Type-C用のピンヘッダケーブルを装備
右側板はメッシュ構造になっており、側面に装備するケースファンの吸気口として機能する

 NZXTらしいデザイン性と組み込みやすさに加え、高い冷却性能を備える本機は、構成やユーザースキルを問わず利用できる優れたPCケースだ。

天板も強化ガラスでARGBファンを装備
姉妹製品の「H9 Elite」は同じくピラーレスだが、天板まで強化ガラスを採用し、ケースファンもアドレサブルRGB LED搭載モデルになっている。イルミネーションをさらに楽しみたいなら、こちらを選択するのもよいだろう。実売価格は37,000円前後

デュアルチャンバー構造を採用 側面ファンはマウンタごと着脱可能

天板は防塵フィルタとファンマウンタで構成されており、どちらも簡単に着脱できる構造
側面ファンとファンマウンタはフレームごと着脱が可能なので、ラジエータなどの組み込みも容易だ
電源ユニットやストレージは右側面に組み込む。ケーブル整理用のスペースは非常に広く、ケーブル整理用の面ファスナーも多数装備している

着脱可能な天板を利用すればラジエータの組み込みはラク

 天板、右側面、底面とさまざまな場所に36cmクラスのラジエータを固定できるが、一番のオススメは天板だろう。天板やファンマウンタが簡単に着脱できるので、ラクに取り付けられる。側面は標準ファンとの換装が必要だし、底面はラジエータの設置場所としてはあまりオススメできない。今回は36cmクラスのラジエータを備えるFractal Designの「Celsius+ S36 Dynamic」を組み込んだところ、前面や背面近くのスペースには十分な余裕があり、組み込み作業もスムーズだった。ラジエータやファンが、マザーボード上部の各コネクタを隠すこともなかった。

着脱可能な天板のファンマウンタは、簡易水冷型CPUクーラーの取り付けでも役に立つ

遊び心をくすぐられる構造、ピラーレスでもフレームは頑強

 視線を遮る支柱がないピラーレスのPCケースなので、組み込んだパーツのデザインを、ショーウィンドウのようにじっくり眺めて楽しめるのは面白い。前述のとおり強化ガラスの透明度は高めであり、LEDパーツを組み込むとそのイルミネーションの光が周囲を明るく照らす。またガラスの透明度が高く内部もよく見えるため、お気に入りのフィギュアやプラモデル、関連するジオラマを置くなどのカスタマイズをしても楽しいだろう。

前面左の支柱がないピラーレスのPCケースなので、メインパーツを組み込んだ左側のエリアは、ほぼすべて視界に入る

 ただ支柱が1本少ないため、組み込み前には「フレームが歪みやすいのではないか」という不安があった。しかしデュアルチャンバー構造によって、右側にスチールのしっかりしたフレームがあり、これが全体を支えているのだろう。組み込み作業をしたり、パーツを組み込んだ状態でPCケースを移動したりしても、フレームが歪むことはなかった。

前面と左側板の合わせ目部分。ていねいに表面加工された接触面がピタッと密着する
底面の防塵フィルタは側面から引き出せる。ケースファンを吸気方向で追加した場合にホコリがたまりやすい場所なので、清掃がラク

ミドルタワーケースとしてはトップクラスの冷却性能

 「魅せる作例」にマッチしたH9 Flowだが、実は冷却性能も高い。空冷構成の場合、CPU温度は高負荷時で70℃、GPU温度も69℃までしか上がらない。テストした季節が冬であることを考えても、トップクラスの成績と言ってよいだろう。側面に装備した3基の12cm角ファンによって右側板方向からしっかりと外気を取り込み、ビデオカードやCPUを冷却していることがうかがえる。

 さらに天板に36cmクラスの簡易水冷型CPUクーラーを排気方向で取り付けて同じテストを行なったところ、CPU温度はさらに下がって高負荷時は60℃、GPU温度もやや下がった。CPUクーラーの性能が違うのでCPU温度の低下は当然だが、3基の12cm角ファンが追加されて天板方向へ風が抜けるエアフローが強化されたことが、GPU温度にもよい影響を与えたようだ。

こんなPCを作りたい!

 ピラーレスを活かすなら、やはりイルミネーション重視の作例がマッチしているだろう。さまざまな小物を一緒に飾るのも楽しい。

【検証環境】
CPUAMD Ryzen 9 5900X(3.7GHz)
マザーボードASUSTeK ROG STRIX B550-F GAMING(AMD B550)
メモリCFD 販売 W4U3200CM-8G(PC4-25600 DDR4 SDRAM 8GB × 2)
ビデオカードGIGA-BYTE GeForce RTX 3070 EAGLE OC 8G(NVIDIA GeForce RTX 3070)
SSDWestern Digital WD Black SN750 NVMe WDS500G3X0C[M.2(PCI Express 3.0 x4)、500GB]
電源ユニットCorsair RM750x(750W、80PLUS Gold)
CPUクーラーサイズ MUGEN5 Rev.B(サイドフロー、12cm 角)/ Fractal Design Celsius+ S36 Dynamic(簡易水冷型、12cm 角×3)
室温22.5℃
アイドル時OS起動10分後の値
動画再生時解像度1,920×1,080ドットの動画ファイルを1時間再生したときの最大値
3DMark時3DMarkのStressTest(Time Spy)を実行したときの最大値
高負荷時OCCT 11.0.21のPOWER SUPPLYテストを10分間実行したときの最大値
Fan Xpert 4の設定Auto
各部の温度使用したソフトはHWMonitor 1.49で、CPUはTemperaturesのPackage、GPUはTemperaturesのGPUの値

[TEXT:竹内亮介]

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