パワレポ連動企画
【マザーボード100選 2016(8)】ハイエンド部門 その1
~この部門の注目点とレコメンド発表~
(2015/12/4 11:30)
こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年1月号」の総力特集「価格帯別・最強マザーをここに決定 マザーボード100選 2016」を掲載する。
第8回目では、ハイエンド部門のリコメンド受賞製品を紹介する。結果についてはまさに本命が来たという印象だ。
本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年1月号は全国書店、ネット通販にて11月28日(土)に発売。人気と実用性を兼ね備えたお薦めマザーボードを決定する総力特集をはじめ、ASUSのプロ向け資料を限定公開!読み方も解説したダウンロード特典「ASUSTeKレビュアーズガイド マザーボード&ビデオカード編 英語版」、ネット配信の嵐が日本上陸!サービス内容や使いやすさも比較した「ネット配信端末が地上波を駆逐する? Fire TV vs. 第4世代Apple TV」、いつの間にやら豊富なラインナップ「こんなにあるって知ってました!? Amazonベーシック特選品」、スマホ使いなら持っていると便利、マジお勧め「容量・サイズ・機能で選べる 最新モバイルバッテリ28選」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。
今号の特別付録は「ドカンと大レビュー!マザーボード&ベアボーン超図鑑 2016」。……えっ、この厚みで付録なんですか!?
-マザーボード100選 2016-
価格帯別・最強マザーをここに決定
ハイエンド部門
ハイエンドクラスの製品は、用途や目的などを限定しなくとも安心して使える高品質、高機能な設計がベース。そこに独自の差別化要素が加わることが多い。
高耐久設計、拡張性や機能の強化、豪華さの演出などにも注目。
一味違う魅力を備えたZ170とX99の高品質モデルが揃う
今回は3万円以上4万円未満の価格帯をハイエンドセグメントとしている。LGA1151プラットフォームでは、Z170チップセットを搭載した最上級一歩手前のモデルが該当する。このクラスになるとコストダウンよりも、いかに品質や機能が優れているか、あるいはいかに豪華であるか、といった点が勝負になる。そのためOC耐性まで期待できる品質であることや、USB 3.1などのトレンド機能を一通り備えていることは当然で、さらに差別化要素がプラスされる。その内容も、特別な高耐久設計採用、高速M.2スロットのデュアル搭載、あるいはThunderbolt 3など超先進機能への対応など、さまざまなアプローチが採られている。
また、LGA2011-v3プラットフォーム対応のX99チップセット搭載マザーボードは、スタンダードな仕様のものを中心として、この価格帯から入手可能となる。スタンダードと言ってもプラットフォーム自体の位置付けがウルトラハイエンドだけに、高品質であることは大前提だ。基本機能の省略はごく一部を除いてなく、一通り揃っているが、発売時期に幅があるため、USB 3.1関連の装備には差がある。8コアや6コアのモデルが使える点や、CPU直結で40レーン(一部28レーン)のPCI Express 3.0が使えるなどLGA1151マザーにはない魅力がある。
この部門はココに注目!
ポイント.1 ワンランク上の高品質と耐久設計
マザーボードでもっともコストがかかるのが、電源ユニットから供給される電流をCPUが使う電圧に変換する電源回路(VRM)だ。価格帯が違うと、この部分の仕様は大きく変わる。フェーズ(変換を行なう一組の回路)数を増やすだけでなく、構成部品の特性にもこだわったものが多く、高性能CPUの高負荷長時間駆動でも安心して利用できる。とくにOC向けをうたう製品は、OCを前提に特性のよい部品を使用した高耐久設計を導入している。
電源部以外でも、放熱能力の高いヒートシンクやバックプレートを使ったり、各種接点部の金メッキの厚みを増したり、電力損失の少ない部品や剛性の高い基板を使用したりするなど、信頼性、耐久性を高めている。
電源まわりも基板も高品質
H170 GAMING M3の回路も8フェーズでミドルレンジとしてはかなり頑張った内容だが、Z170A GAMING M7は高度なOCも想定して13フェーズで基板も8層の高品質仕様だ
ポイント.2 キラリと光る差別化要素
差別化要素での注目は、高速インターフェースの搭載だ。なかでも、唯一のThunderbolt 3コントローラであるIntelのDSL6540はデバイス/ホスト両対応でチップセットとの接続もPCI Express 3.0 x4と高速なことからUSB 3.1コントローラとしても魅力的だ。
また、32Gbps転送に対応したM.2スロットを2基搭載するモデルもある。PCI Express 3.0 x4対応モデルを含めM.2 SSDの入手性がよくなってきているため、M.2 SSDのRAIDという夢のある構成が可能な点は、大きな魅力と言えるだろう。
【オレはこんな基準で評価した!】
・加藤勝明
OCやマルチGPUに強いという理由のほかに、純粋にランク上のマザーを使う楽しみを求めている人もそうとうな数いると考える。ここでは回路設計やオンボード装備はよくて当たり前。プラスαで自作erの心に響くものはないかという観点でチェックした。
・清水貴裕
OCモデルとゲーミングモデルを中心に、自分の常用マシンに使いたい製品に投票した。ケースに組み込んで長時間ゲームをプレイすると、基板上の実装部品の温度が高くなる傾向があるので、コンポーネントの品質やVRMの作りは入念にチェックした。
・鈴木雅暢
アッパーミドル以下の製品に対して価格を納得させるだけの差別化ができているかを重視。また、今後の日本のDIY市場においてはATXフォームファクターが主流であり続けてはいけないと感じている。microATX優先のスタンスをはっきりと投票にも反映した。
Z170モデルに票が集中、Web投票ではゲーミングモデルが人気
X99モデルのほうが製品数は多いが、得票では最新のZ170モデルが優勢だ。なかでも多くの票を集めたのはMAXIMUS VIII GENE。Z170では唯一の高耐久設計のmicroATXモデルという強みが大きかったのだろう。それに続いたのは同じR.O.G.シリーズのMAXIMUS VIII HEROだ。1クラス下のRANGERと票を分け合ったが、この辺りはオーバークロッカーとゲーマーという選者の視点の違いが反映されたと言えそうだ。この両者はWeb投票での人気も高かった。
惜しかったのは、ASRockのFatal1ty X99M KillerとX99M Extreme4。どちらもmicroATXで共通点も多いが、ゲーミングとスタンダードで票が分かれてしまった。
ハイエンド部門 レコメンド受賞製品
■ASUSTeK Computer
MAXIMUS VIII GENE
-歴代同様に孤高のハイエンドmicroATX
ASUSTeKのプレミアムブランド「R.O.G.」シリーズのmicroATXモデルとしておなじみのGENEモデル。歴代のGENEは、microATXマザーボードとして随一の高耐久設計を誇り、ハイエンド志向のmicroATX派ユーザーから常に高い評価を得てきたが、本製品もそのDNAを受け継いでいる。10フェーズの電源部はATXのハイエンド製品と同格の内容で、裏面に基板剛性を確保しつつ放熱性能も向上させるヒートシンク固定用バックプレートを装着するなど、配慮が行き届いている。サウンド機能は先代から大幅に強化されたSupremeFX 2015となり、ESS製DACやポップノイズ防止リレーなどの追加により、よりクリアで迫力のあるサウンドが楽しめるようになっている。
SLIに対応する2本のPCI Express 3.0x16スロットのほか、Type-CとType-A両方のUSB 3.1ポート、32Gbps対応高速M.2スロットを装備するなど基本機能もソツがない。ハイエンド志向のmicroATXユーザーを満足させる内容で、Z170世代では他社からハイエンドクラスのmicroATXマザーボードが登場していないだけにその存在感はより際立っている。
Specification
●対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium●メモリスロット:PC4-29800 DDR4 SDRAM×4(最大64GB)●ディスプレイ:DisplayPort×1、HDMI×1●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×2(x16/-、x8/x8で動作)、PCI-E 3.0 x4×1●主なインターフェース:M.2(PCI-E 3.0x4接続またはSATA 3.0接続)×1、SATA Express×2、SATA 3.0×2、USB 3.1(Type-A)×1、USB 3.1(Type-C)×1、USB 3.0×8、USB 2.0×4● LAN:1000BASE-T×1●実売価格:33,000円前後
PCI-E= PCI Express、SATA= Serial ATA、USBのポート数はピンヘッダ含む、USBポートのコネクタ形状を明記していないものはType-A、SATA Express 1ポートはSATA 3.0 2ポートとしても使用可能
【投票者コメント】
・加藤勝明
【本気のmicroATX自作を支える希少な1枚】
microATX市場が縮小傾向の中でLGA1151のハイエンドクラスとしてワンアンドオンリーの存在。搭載機能やパーツの質もよいが、3本目の拡張スロットをPCHから引き出したx4接続にすることで、チップセットの機能を余さず使っている感がよい。ただM.2がビデオカードを挿すスロットの直下なのが残念。
・清水貴裕
【OC耐性抜群の高性能microATXマザー】
microATXマザーらしからぬOC耐性を誇る1枚。VRMのコンポーネントは上位モデルのHEROよりも下だが、回路設計が優れているからかOC耐性は同等。DDR4メモリの起動不良を解消するボタンが基板下部に搭載されているので、限界域まで攻めてもシステムが起動しなくなるようなトラブルは皆無。
■ASUSTeK Computer
MAXIMUS VIII HERO
-クラス随一の高耐久設計が魅力
同じR.O.G.シリーズでもGENEやRANGERよりもハイグレードな部品で構成したデジタル電源回路「Extreme Engine Digi+」を搭載し、電源部裏のバックプレートなど細かい部分も含め、クラス随一の高耐久設計を誇る。
カスタマイズ可能な発光ギミックを備えたチップセットヒートシンクやサイバーなデザインの大型ダクトを搭載し、ワンランク上のプレミアム感を演出している。
Specification
●対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium ●メモリスロット:PC4-29800 DDR4 SDRAM×4(最大64GB)●ディスプレイ:DisplayPort×1、HDMI×1●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×2(x16/-、x8/x8で動作)、PCI-E 3.0 x4(x16形状)×1、PCI-E 3.0 x1×3●主なインターフェース:M.2(PCI-E 3.0 x4接続またはSATA 3.0接続)×1、SATA Express×2、SATA 3.0×4、USB 3.1(Type-A)×1、USB 3.1(Type-C)×1、USB 3.0×6、USB 2.0×8● LAN:1000BASE-T×1●実売価格:35,000円前後
PCI-E= PCI Express、SATA= Serial ATA、USBのポート数はピンヘッダ含む、USBポートのコネクタ形状を明記していないものはType-A、SATA Express 1ポートはSATA 3.0 2ポートとしても使用可能
【投票者コメント】
・加藤勝明
10フェーズ電源や極冷モードなどOCを強く意識した仕様がよい。独自コントローラチップを使ったキーボード拡張機能によるCMOSクリアなど、使っておもしろい良作。
・清水貴裕
ゲームや常用OCに適したR.O.G.マザーの中では比較的マイルド。コンデンサやチョークコイルはEXTREMEと同じものが使われているので耐久性は十分で、OC耐性も高い。
【問い合わせ先】
ASUSTeK Computer:info@tekwind.co.jp(テックウインド)/http://www.asus.com/jp/
[Text by 鈴木雅暢]
【DOS/V POWER REPORT 2016年1月号は2015年11月28日(土)発売】
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