パワレポ連動企画

各社自慢の小型マザー対決その1 ~ASRock/ASUSTek編~

【PCパーツ無差別級対決(8)】

DOS/V POWER REPORT 2016年6月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年6月号」の総力特集「価格も新旧も関係なしの大激突! PCパーツ無差別級対決」を掲載する。

 第8回目からはサイズは小さくても機能満載のMini-ITXマザーボードについて、主要4社の製品を比較していく。まずはASRockとASUSから解説だ。

 本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年6月号は全国書店、ネット通販にて4月28日(木)に発売。総力特集のほか、ARMプロセッサを搭載した電子基板をノートPCへ!「自分で作るRaspberry Piノート pi-top入門講座」、PCに足りない機能をガチャンと追加「空いているスロットを有効活用 春の内蔵拡張カードコレクション」」、使いやすさは健康にも影響する「PCまわりの使いにくさ、もう放置しない! 今すぐ欲しい環境改善グッズ」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録小冊子は新旧のインターフェース規格を解説した「インターフェース図鑑+インターフェース拡張パーツカタログ」。懐かしいものから現在主流の規格、マザーボードには搭載されているのにデバイスが登場しないものまで一挙掲載だ。


-PCパーツ無差別級対決-
各社自慢の小型マザー対決 Part1 ASRock Fatal1ty Z170 Gaming-ITX/ac / ASUSTeK Z170I PRO GAMING~マザーボード編 その3~


第2部
マザーボード編

 マザーボード編では、グレードの違うZ170とH170マザー対決、主要4メーカーの小型マザーボード対決、ゲーミングマザーボード対決を決行。もっともあなたのメガネにかなうものはどれだろうか。

Part2 各社自慢の小型マザー対決

この対決の見どころ 品質、機能、レイアウト、独自ユーティリティの違い

■ASRock代表 Fatal1ty Z170 Gaming-ITX/ac

■ASUSTeK代表 Z170I PRO GAMING

■GIGA-BYTE代表 GA-H170N-WIFI(rev. 1.0)

■MSI代表 Z170I GAMING PRO AC

 Mini-ITXマザーボードは基板面積が小さいためATXに比べるとなにかと制約がある。そのため独自の工夫を凝らした製品が多い。

 ここでは、その違いを明確にするべく、ASRock、ASUSTeK、GIGA-BYTE、MSIの主要4メーカーの代表製品の対決を決行した。

各社自慢の小型マザー対決 その1
理想的な装備を持つハイエンドMini-ITX

ASRock
Fatal1ty Z170 Gaming-ITX/ac

実売価格:23,000円前後

Specification
●フォームファクター:Mini-ITX●CPUソケット:LGA1151●対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron●チップセット:Intel Z170●メモリスロット:PC4-32000 DDR4 SDRAM ×2(最大32GB)●ディスプレイ:DisplayPort×1、HDMI×1●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×1、PCI-E Mini Card(ハーフ)×1(無線LAN/Bluetoothカード搭載済み)●主なインターフェース:M.2(Socket 3、PCI-E 3.0 x4またはSATA 3.0接続)×1、SATA Express×1、SATA 3.0×4、USB 3.1(Type-A)×1、USB 3.1(Type-C)×1、USB 3.0×7、USB 2.0×2● LAN:1000BASE-T×1、無線LAN(IEEE802.11a/ac/b/g/n)●そのほか:Bluetooth v4.0
※PCI-E= PCI Express、SATA=Serial ATA、USBポートの数はピンヘッダ含む、USBコネクタ形状を明記していないものはType-Aまたはピンヘッダ、SATA Express×1はSerial ATA×2としても使用可能

高速M.2、USB 3.1 Type-Cなど先進のトレンド機能を網羅

高速M.2スロットを裏面に装備
Z170/H170世代のトレンド装備である32Gbps対応M.2スロットを基板裏面に装備。Type 2260/2280のSSDを搭載することができる

 Z170チップセット搭載マザーボードに求められる必須要素としては、OC機能を活かせる高耐久電源部、32Gbps対応の高速M.2スロット、Type-A、Type-C両方のUSB 3.1ポートといった内容が挙げられるだろう。実際、ATXのミドルレンジ以上のモデルはこの条件を満たすが、それをMini-ITXのサイズで実現しているのがこのFatal1ty Z170 Gaming-ITX/acの特徴だ。とくにUSB 3.1対応Type-Cコネクタの装備というポイントを押さえているのは、拡張スロットが少なく機能を増設しにくいMini-ITXだけに価値がある。

 ほかのゲーミング系と比べるとサウンド機能は若干控えめだが、IEEE802.11ac(867Mbps)対応無線LANの搭載、配線を考慮したレイアウトなども含め、これといった欠点がない。ハイエンドMini-ITXとしてほぼ理想的な装備を持つ1枚と言える。(鈴木雅暢)

省スペースと高耐久を両立
二つのダイを重ねたデュアルスタックのMOSFETや普及品の約1.5倍の供給能力を持つ60Aチョークコイル、固体モールドタイプの表面実装コンデンサなど高級部品を使い、コンパクトながら高負荷用途にも耐える内容となっている
USB 3.1対応のType-Cコネクタを装備
USB 3.1対応のメリットは大きい
Type-AコネクタとType-Cコネクタ両方のUSB 3.1ポートを備える点はMini-ITXマザーボードとしては貴重だ。USB 3.1コントローラにはASMediaのASM1142を使っており、Type-C用のスイッチチップをあわせて実装している

【編集部の判定】

 拡張カードを1枚しか搭載できないMini-ITXマシンでは、オンボードのインターフェースの種類と数はATXの何倍も重要。

 今後普及が予想されるUSB Type-C機器を直接接続できるものは一握りしかなく、その点を重視するなら。

【検証環境】

CPU:Intel Core i7-6700K(4GHz)
メモリ:Micron Crucial CT4K4G4DFS8213(PC4-17000 DDR4 SDRAM 4GB×4 ※2枚のみ使用)
グラフィックス機能:Intel Core i7-6700K内蔵(Intel HD Graphics530)
SSD:Micron Crucial m4 CT128M4SSD2(Serial ATA 3.0、MLC、128GB)
外付けSSD:SanDisk Extreme 900 Portable SSD(USB 3.1、480GB)
OS:Windows 10 Pro 64bit版

各社自慢の小型マザー対決 その2
パフォーマンス志向の骨太ゲーミング

ASUSTeK Computer
Z170I PRO GAMING

実売価格:23,000円前後

Specification
●フォームファクター:Mini-ITX●CPUソケット:LGA1151●対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron●チップセット:Intel Z170●メモリスロット:PC4-27200 DDR4 SDRAM×2(最大32GB)●ディスプレイ:DisplayPort×1、HDMI×1●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×1●主なインターフェース:M.2(Socket 3、PCIE 3.0 x4またはSATA 3.0接続)×1、SATA Express×1、SATA 3.0×2、USB 3.1(Type-A)×2、USB 3.0×6、USB 2.0×4● LAN:1000BASE-T×1、無線LAN(IEEE802.11a/ac/b/g/n)●そのほか:Bluetooth v4.1
※PCI-E= PCI Express、SATA=Serial ATA、USBポートの数はピンヘッダ含む、USBコネクタ形状を明記していないものはType-Aまたはピンヘッダ、SATA Express×1はSerial ATA×2としても使用可能

ヘビーデューティな基本設計 先進のトレンド機能も魅力

高密度なバックパネル
バックパネルも密度が高く、見るからにハイエンド感がある。IEEE802.11ac(867Mbps)対応の高速無線LAN機能も標準装備するほか、Mini-ITXでは実装例の少ないUSB 3.1ポートも2基備える

 Z170I PRO GAMINGの魅力は、Mini-ITXでありながらゲーミングモデルの原点を感じさせるヘビーデューティな仕様にある。10フェーズのVRMに加えて、OC関連機能を制御する「TPU」チップや外部クロックジェネレータ(PRO CLOCK)を実装する基板は見た目からして骨太感があり、一般的なMini-ITXマザーボードとは一線を画す。Core i7-6700Kを高負荷で長時間利用するような用途でも安心だ。

 ゲームの臨場感を高めるサウンド機能もMini-ITXとしてはこだわった内容だ。Type-Cコネクタがない点は惜しいところだが、Mini-ITXでは実装例の少ないUSB 3.1にも対応し、32Gbps対応M .2、IEEE802.11ac対応無線LANを含め、トレンド機能も押さえている。ゲーマーを含めたパフォーマンス志向の強いユーザー全般にアピールできる1枚と言える。(鈴木雅暢)

OC運用にも耐え得るVRMを搭載
同社にはさらに高耐久設計を採用するMAXIMUS VIII IMPACTもあるが、10フェーズのVRMはMini-ITXとしては特筆できる内容。ライザーカードを使わず、実用面での使い勝手を損なっていない点も好印象だ
機能を活かすユーティリティ
OC耐性も期待できる
同社おなじみの統合ユーティリティの「AI Suite III」が付属。とくにOCツールの「TPU」の機能の充実度や使い勝手のよさは大きなアドバンテージと言える
Core i7-6700KでOCを試してみたところ、4.8GHz(100×48倍)動作に成功した。UEFIセットアップの項目も充実しており、常用含め設定をいろいろ模索することができる

【編集部の判定】

 OCにも対応したVRMを搭載するなど、負荷の高い環境での利用も安心な高耐久設計がウリ。

 また、使いやすく高性能な付属ソフトウェアやUEFIセットアップなど、使い始めのストレスの低さもASUSTeKマザーのメリットだ。

【検証環境】

CPU:Intel Core i7-6700K(4GHz)
メモリ:Micron Crucial CT4K4G4DFS8213(PC4-17000 DDR4 SDRAM 4GB×4 ※2枚のみ使用)
グラフィックス機能:Intel Core i7-6700K内蔵(Intel HD Graphics530)
SSD:Micron Crucial m4 CT128M4SSD2(Serial ATA 3.0、MLC、128GB)
CPUクーラー:サイズ 虎徹
OS:Windows 10 Pro 64bit版

【問い合わせ先】

ASRock:03-3768-1321(マスタードシード)/http://www.asrock.com/
ASUSTeK Computer:info@tekwind.co.jp(テックウインド)/http://www.asus.com/jp/


[Text by 鈴木雅暢]


DOS/V POWER REPORT 2016年6月号は4月28日(木)発売】

★総力特集「価格も新旧も関係なしの大激突! PCパーツ無差別級対決」
★特別企画「自分で作るRaspberry Piノート pi-top入門講座」「空いているスロットを有効活用 春の内蔵拡張カードコレクション」「PCまわりの使いにくさ、もう放置しない! 今すぐ欲しい環境改善グッズ」
★連載「最新自作計画 ~最新AMD CPUで作るお手頃メインPC~」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録「インターフェース図鑑+インターフェース拡張パーツカタログ」(雑誌のみ別途付録、電子版では本誌巻末に収録)

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(AKIBA PC Hotline!編集部)