COMPUTEX AKIBA出張所

QNAPがRyzen搭載NASや「10GBase-T+M.2 SSD」の高速ソリューションを展示、QTSの最新版や「見守りロボット」も……

CEO独占コメント付き(COMPUTEX AKIBA出張所 / QNAP編)

 毎年恒例のCOMPUTEX TAIPEIが3日(土)まで開催された。

 様々なメーカーが出展する同イベントだが、「実際の展示を見て、メーカーに伝える」というのはなかなか難しい。そこで弊誌では、例年同様、メーカー協力による意見箱付きのレポートをお届けする。

 今回紹介するメーカーは高機能NASの有力メーカーであるQNAP。あまりに展示内容が多かったため、製品ごとの記入欄は作れなかったが、代わりに同社CEOのMeiji Chang氏から今年注力していくポイントについてロングコメントを頂いた。アンケートについては、自由記入欄を用意したので、意見などはこちらに記入してほしい。

 いただいた意見については、メーカーや国内代理店に送付、製品開発などの参考として活用していただく予定だ。

会場には多くの新製品が展示されていた
QNAP一押しの「TS-453B」。Celeronを搭載する「コンシューマ―向け」のモデルながらPCIeスロットで機能を拡張できる。10GBase-T + M.2 SSDコンボカードも用意されている
同社のNAS OS最新版「QTS 4.3」もアピール。XSpiltやABBYYやNAKIVOといった各分野の一流パートナー企業との協業も注目ポイントだ


様々な先端ハードウェアにフォーカス10GBase-T+M.2 SSDの高速ソリューションや、Blu-rayバックアップ、Ryzen、IoTなど……

 それではQNAPブースを紹介しよう。ブースではNASの新製品が多数展示されていたが、特にその中からコンシューマー向け製品を中心に紹介したい。

「10GBase-T + M.2 SSD」のコンボカードに対応したコンシューマ向けNAS「TS-453B」

「TS-453B」は拡張カード差し替えで機能をカスタムできる
10GBase-Tポートを追加したり、M.2 SSDを搭載したりと好みに機能を合わせることができる

 まず、CEOのMeiji Chang氏が「特に注目して欲しい新製品」として語っていたのが、4ベイのコンシューマー向けNAS「TS-453B」だ。

 TS-453Bは、PCI Expressスロットを備えており、オプションの拡張カードによって機能を拡張できる。拡張カードとしては、M.2スロット(SATA版QM2-2S、NVMe版QM2-2Pがそれぞれ用意されている)を2基追加できるものや、10GBase-T LANとM.2スロット2基を同時に追加できるものが用意されている。「TS-431X2」もTS-453Bと同じく4ベイのコンシューマー向けNASだが、こちらは標準でSFPタイプの10GbEに対応していることが特徴だ。

4ベイのコンシューマー向けNAS「TS-453B」。PCI Expressスロットを備えており、オプションの拡張カードによって機能を拡張できることが特徴
上が10GBase-T LANとM.2スロットを2基追加できる拡張カード。下がM.2スロットを2基追加できる拡張カード
4ベイのコンシューマー向けNAS「TS-431X2」(左)と「TS-431P2」(右)。TS-431X2は、10GbE(SFP+)に対応している

Ryzen搭載やBlu-ray搭載の企業向けNASも

 また、NASを物理光学ディスクにバックアップするためのBlu-rayドライブを備えた8ベイの企業向けNAS「TXS-882BRT3」や、AMDの新CPU「Ryzen」を搭載した8ベイの企業向けNAS「TS-1277」も展示されていた。QNAPは以前から最新技術をキャッチアップすることや他社にはないような機能を盛り込むことに積極的だったが、これらの製品にも同社の取り組みが現れている。

左が2.5インチベイを8基備えた企業向けNAS「TVS-882ST3」。右が4ベイのコンシューマー向けNAS。どちらもTunderbolt 3に対応していることが特徴
8ベイの企業向けNAS「TVS-882BRT3」。光学ドライブベイを備えており、ブルーレイドライブなどを搭載可能。Thunderbolt 3にも対応
8ベイの企業向けNAS「TS-1277」は、なんとCPUにAMDのRyzenを搭載している。USB3.1 Gen2に対応しており、10Gbpsでのデータ転送が可能。10GbE LANには拡張カードで対応する。

さらに「見守りロボット」まで

 このほか、NASとは違うカテゴリーの新製品として、見守りロボット「AfoBot」のデモも行なわれていた。こちらは、スマートフォンなどとの間でテレビ電話が可能なほか、カメラの向きを外出先から変更できるので、外出時にペットや部屋の様子を確認することもできる。音声認識機能も備えているが、現時点では日本語の認識はサポートされていない。2018年の第1四半期には日本語対応が完了する予定で、日本への投入も検討しているとのことだ。

16ベイの企業向けNAS「TS-1685」。こちらはCPUにXeonを搭載した高性能モデルだ
見守りロボット「AfoBot」。スマートフォンなどとテレビ電話が可能で、音声認識にも対応
スマートフォンからAfoBotのカメラの向きを自由にコントロールできる

NAS OSの最新版「QTS 4.3」をアピール個人向けには映像関連を、企業向けには管理ツールなどを強化

 アプリケーションやソリューションなどのソフトウェア面での強化ポイントも紹介されていたので、その一部も紹介しよう。

 QNAPのNASは、QTS/QESと呼ばれる独自のQNAP NAS専用OSで動作しており、対応アプリケーションが多数公開されていることも魅力だ。必要なアプリケーションを導入することで、ユーザーのニーズにあわせて機能を強化できる。

 ブースでは、ホームユーザー向けの機能から大企業向けのソリューションまで、さまざまなソリューションが紹介されていた。

 特に、XSpiltやABBYYやNAKIVOといった各分野で一流のパートナー企業と協業することで、QNAP製NASの価値をさらに高めるソリューションに注目が集まっていた。

QTS 4.3ではホームユーザー向け機能が強化され、360°映像への対応やQphotoで撮影した写真や動画をNASに転送することが可能になった
最近日本でも関心が高まりつつあるサーベイランスソリューションに関するデモ。「QVR Pro」というアプリで、監視カメラを管理できる
「DJ2 LIVE」というアプリを使ったライブストリーミングのデモ。リコーのシータからの360度映像をストリーミング配信するデモを実施。映像ソースは様々なものを選べ、配信先にあわせて調整が可能
ファイルマネージメントに関するデモ。OCR技術を持つABBYYと協業し、OCR機能もサポートしたことによりNAS内のファイル検索/管理が非常に容易となった
トータルバックアップソリューションのデモ。バックアップ大手のNAKIVOと協業し、連携したバックアップが可能に
Thunderbolt 3と10GBase-T LANを利用した4K動画編集のデモ。4K動画編集には非常に広帯域を必要とするため、2016年のCOMPUTEXから積極的にPRしている
「QIoT Suite Lite」を利用したIoTデバイス制御のデモ
QIoT Suite Liteでは、グラフィカルにセンサーやアクチュエーターなどの制御ができる。
多数のNASを一括管理するための「QRM+」。このアプリを使用することで、ネットワーク内に接続されてるデバイスのステータスや使用率などを一括で確認することが可能。多くの端末を借りする環境では大幅な効率化が図れるとされている。

日本に向けてのメッセージ「データがあるところならどんなところでもお役に立てます」(QNAP CEO Meiji Chang氏)

QNAP CEO Meiji Chang氏

 QNAPとしては今年3つのポイントに注力しています。

 第1はQNAPのNAS上で動くアプリケーションです。これは以前からも継続していることですが、今年は親会社の産業組み込みメーカーであるiEiをはじめ、昨年に比べてさらに多くのパートナーとの協業を強化し、様々なソリューションに対してより使いやすく活用できるようになっています。

 ひとつわかりやすい例をあげると4K配信や360度(VR)に対応したブロードキャストでしょうか。様々なメディアのストリーミングを一元管理で配信できるので非常に利便性が高いです。そのほかにも産業系では親会社であるiEiをはじめ、様々なパートナーとの協業をいたしておりますので、エンターテイメント用途だけでなく、NASの集中管理やバックアップ産業系の機能も非常に強力なものに仕上がっています。従来のQNAPの機能でも同様のものを備えておりますが、協業することでより強固なものとなっていますので興味がある方はぜひ確認してください。

 第2はハードウェアです。特に注目してほしい新製品が『TS-453B』です。拡張性が高いことが特徴です。拡張カードに対応しており、公式のオプションとしてM.2 SSD対応カードや、10GBase-T LANとM.2 SSDに対応したコンボカードを用意しています。これによって、通常のNASの機能で満足できない方でもニーズにあわせて高速な通信環境を体験いただくことができます。

 またQNAPでは製品保証やサポートにも力を入れています。総社員数は1,000名以上の会社ですが、ソフトウェアだけでも400人もの社員がエンジニアとして活動しています。これもQNAPがソフトウェア、ハードウェアともに競合他社をリードする大きな強みとなっています。よりよいハードウェア、ソフトウェアを提供でき、顧客のニーズにあわせた製品展開が可能です。加えて製品の98%、ほぼすべてが台湾で製造されています。技術者の数と合わせて自慢にしている点です。

 第3は第1、第2の上に成り立つことではありますが、さまざまなソリューションに向けた製品がございます。ホーム、SOHO、SMB、エンタープライズ、政府機関など本当に用途にあったものを提供できます。また、企業連携を進めており、IoT分野においてもNASを使って簡単に環境構築ができるキットをご用意しております。これはハードとソフトを両方作っているQNAPだからこそ、NASで一元管理ができるわけです。工場やコンビニエンスストアといったところで活用いただいていますし、見ていただきたい点でもございます。

 ぜひさまざなソリューションや製品をブースで展示しておりますのでご覧下さい。

 最後にQNAPはデータがあるところなら、すべてに存在し、お役に立つことができます。家庭、工場、お店、企業などあらゆるところで活躍しています。ぜひ今後も期待してください。


展示品に関してのご意見:

メーカーへのご意見:


(すべての入力欄を一括して送信します)

[制作協力:QNAP]