COMPUTEX AKIBA出張所

「水冷のATX電源」は負荷50%までファンレス、しかもRGB LEDで発光!FSPの1,200Wモデル

サーバー用電源や3面ガラスケースも(COMPUTEX AKIBA出張所 / FSP編)

 PC/IT関連の見本市「COMPUTEX TAIPEI 2017」が、5月30日~6月3日(現地時間)に台湾で開催された。

 様々なメーカーが出展する同イベント、詳細な取材記事は僚誌PC Watchが報じているが、「実際の展示を見て、メーカーに伝える」というのはなかなか難しい。そこで、例年同様、メーカー協力による意見箱付きのレポートをお届けする。

 項目ごとに、あなたの「欲しさ加減」や意見を入力できる入力欄を用意したので、好きな項目に入力し、最下段の「送信」のボタンを押して送信してほしい。

 いただいた意見はそれぞれのメーカーや国内代理店に送付、製品開発などの参考として活用していただく予定だ。

水冷電源を始めPC用電源の新モデルを複数展示、ガラス製PCケースやMOD PCも

 FSPは、PC向け電源ユニットの大手ベンダーだ。

 同社の電源ユニットは、ショップブランドPCなどでも採用されており、その信頼性には定評がある。FSPのブースでは、世界初の水冷/空冷両対応80 PLUS Platinum認証電源ユニットやリダンダント電源ユニット、CPUクーラー、ゲーミングPC向けケースなど、さまざまな製品を展示していた。

 興味深い製品が多かったので、順に紹介していこう。



水冷/空冷両対応の電源「Hydro PTM+」、80 PLUS Platinumでは世界初

世界初の水冷/空冷両対応80 PLUS Platinum認証電源ユニット「Hydro PTM+」
Hydro PTM+を採用したMOD PC

 Hydro PTM+は、6種類ある80 PLUS認証規格のうち、最上位から2つめの80 PLUS Platinum認証を取得した電源ユニットである。Hydro PTM+の最大の特徴は、水冷に対応していることだ。水冷対応電源自体もかなり珍しいが、80 PLUS Platinum認証を取得した水冷電源は、本製品が世界初とのことだ。

 さらに、水冷/空冷のどちらでも利用可能な設計となっており、空冷時は負荷30%以下ならファンの回転が止まり、水冷時は負荷50%以下ならファンの回転が止まる。ファンの直径は13.5cmと大きく、回転時も静音性は高い。また、ファンにはRGB LEDが内蔵されており、美しく点灯する。

 電源ケーブルはすべてモジュラータイプとなっており、必要に応じてケーブルを接続できる。

 展示されていた製品の容量は1,200Wであったが、今後は製品ラインナップを増やすとのこと。日本では、2017年11月末~12月頭に販売される予定で、価格は未定だ。

側面手前にあるのが、水冷ユニットのパイプ接続部分
こちらは水冷ユニットが搭載されていない側
デモ機では水冷の冷却液が電源ユニットの中を流れているのが確認できた
Hydro PTM+ 1,200Wモデルの出力仕様
電源ケーブルはモジュラータイプとなっており、必要に応じてケーブルを接続できる
LEDイルミネーションはコントローラから設定する仕組みになっていた

【Hydro PTM+をどう思いますか?】
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1系統が死んでもそのまま動作可能なサーバー用リダンダント電源「Twins」

700Wのリダンダント電源「Twins」。2系統の電源ユニットが内蔵されている
Twinsに入っている電源ユニット。1つで700Wの供給能力があるが、通常は2台で700W(1台あたり350W)を供給する

 「Twins」は、主にサーバー用途などに使われるリダンダント電源で、80 PLUS Gold認証を取得している。リダンダント電源とは、2系統の電源ユニットを内蔵することで、万一片方の電源ユニットに不具合が生じても、もう片方の電源ユニットによりそのまま使い続けられるという電源で、二重化電源とも呼ばれる。

 Twinsはこれまで500Wモデルのみが製造されていたのだが、今回700Wモデルが追加された。700Wモデルの場合、2つの電源ユニットが正常動作している場合は、それぞれの電源ユニットから350Wずつ、合計700Wの電力が供給されるが、万一片方の電源ユニットが故障した場合、残りの電源ユニットで700Wの電力を供給するので、PCがシャットダウンしてしまうことを防げる。さらに、壊れた電源ユニットは、電源を落とさずに交換(ホットスワップ)が可能だ。

 こちらも、電源ケーブルはすべてモジュラータイプとなっており、必要に応じてケーブルを接続できる。また、日本でも近日中に出荷が予定されているとのことだ。

Twins 700Wの出力仕様
このように、電源ユニットを引き出して交換できる
マザーボードのUSBヘッダピンにケーブルを接続することで電源の状態を監視できる

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80 PLUS Platinum認証電源の新モデル「Hydro PTM」

80 PLUS Platinum認証電源ユニット「Hydro PTM」

 「Hydro PTM」は、80 PLUS Platinum認証を取得した高効率電源ユニット。

 容量は750W/650W/550Wの3モデルが用意されている。電源ケーブルはモジュラータイプとなっており、必要に応じてケーブルを接続できる。日本での発売は2017年11月末~12月末の予定だ。

750W/650W/550Wの3モデルが用意されている
電源ケーブルはモジュラータイプとなっており、必要に応じてケーブルを接続できる
Hydro PTM 750Wの出力仕様

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80 PLUS Gold認証のSFX電源ユニット「Dagger」

小型のSFX電源ユニット「Dagger」

 「Dagger」は、ATX電源よりも一回りコンパクトなSFX規格対応の電源ユニットであり、80 PLUS Gold認証を取得している。

 電源ケーブルはモジュラータイプで、必要に応じてケーブルを接続でき、ケーブルも取り回しがしやすいフラットケーブルを採用。容量は600Wと500Wの2モデルが用意されている。日本でも近日発売される予定だ。

600Wと500Wの2モデルが用意されている
電源ケーブルはモジュラータイプとなっており、必要に応じてケーブルを接続できる
Dagger 600Wの出力仕様

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3面ガラスのゲーミングPCケースやヒートパイプ6本搭載のCPUクーラーも

ゲーミングPCケース「CMT310」、前面と左右側面がガラス製で中が見える。
前面ファンにはRGB LEDが搭載されており、上部のスイッチを押すことで発光色を変えることができる

 FSPのブースには電源以外にケースやCPUクーラーも展示されていた。

 「CMT310」は前面と左右側面が透明なガラスでできたゲーミングPCケース。前面にはRGB LEDを搭載した120mmファンが並んでおり、スイッチを押すことで発光色を変えることができる。こちらは日本での発売は未定とのことだ。

 「Windale 6」はヒートパイプを6本搭載したCPUクーラーの新製品。ヒートパイプが直接CPUに接触する構造になっており、IntelとAMDの両方のプラットフォームに対応。姉妹製品としてヒートパイプを4本搭載した「Windale 4」もある。2モデルともに日本への投入は検討中とのこと。

CPUクーラー「Windale 6」。ヒートパイプを6本搭載
ヒートパイプが直接CPUに接触して熱を運ぶタイプだ
こちらは姉妹製品の「Windale 4」。ヒートパイプを4本搭載

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MOD PCやUPS、ソーラーシステム、組み込み用電源なども展示

 そのほか、各国の有名MODDERが、同社の電源ユニットを使用して製作したMOD PCやMOD電源ユニット、UPS、ソーラーシステム、大型バッテリー、太陽光発電システム、組み込み用電源なども展示されていた。

中国のXing Kai氏がHydro PTM+を使用して製作したMOD PC
日本のToru Sekiguchi氏がHydro PTM+を使用して製作したMOD PC
ベトナムのSon Gay氏がDaggerを使用して製作したMOD PC
タイのJengki WMP氏がHydro Gを使用して製作したMOD電源ユニット
左がUPS「Champ LV 1K」。右がそのUPS用のバッテリー
ソーラーバッテリーシステム「PC Power Bank」
スーツケース型大型バッテリー「EMERGY 1000」。日本での発売も予定している
太陽光発電システム。ソーラーパネルとパワーコンディショナー、充電池から構成される
LED照明用の電源ユニット
IoT用途向けのスイッチング電源など
こちらもIoT用途向け。ACアダプタータイプとモジュールタイプがある
通常の電源ユニット2つをリダンダント電源(二重化電源)にするためのキット

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[制作協力:FSP]