COMPUTEX AKIBA出張所

鮮明な描写に圧倒、GIGABYTEが4K/HDR対応の有機EL搭載ノートを展示

さらにプレミアムノート「AERO」やゲーム向け「AORUS」の新モデルも(COMPUTEX AKIBA出張所 / GIGABYTE編)

会場近くのショウルームでお話を伺ったSteven Chen氏(Vice President, Mobility Business Center)。今回の目玉製品であるAERO 15 OLEDに手応えを掴んでいる様子で、これをきっかけに日本市場でももっとGIGABYTEのノートPCを知ってもらいたいと語っていた

 PC/IT関連の見本市「COMPUTEX TAIPEI 2019」が、5月28日~6月1日(現地時間)の日程で台湾で開催されている。

 詳細な取材記事は僚誌PC Watchが報じているが、「実際の展示を見て、メーカーに伝える」というのはなかなか難しい。そこで、例年同様、メーカー協力による意見箱付きのレポートをお届けする。

 記事末尾に製品やメーカーへの意見を入力できる入力欄を用意したので、ぜひ意見や要望を送信してほしい。いただいた意見はそれぞれのメーカーや国内代理店に送付、製品開発などの参考として活用していただく予定だ。

日本市場で存在感を増すGIGABYTEのノートPC

 マザーボード、ビデオカードのトップベンダーとして自作市場の黎明期から日本市場で活躍しているGIGABYTE。近年はゲーミングブランド「AORUS」を展開し、ゲーミングブランドとしても知名度を上げている。

 一方、日本市場ではノートPC事業も好調だ。Amazon.co.jpをプラットフォームに高パフォーマンス/高付加価値製品を提供しており、ゲーマーやクリエイターなど、パフォーマンス志向のユーザーを中心に徐々に販売実績を伸ばし、存在感を増してきている。

 今回のCOMPUTEX TAIPEI 2019でもGIGABYTEのノートPC事業の勢いは感じられた。プレミアムゲーミングノートPC「AERO」シリーズの新製品発表会を開催したほか、南港会場にブースを構えるとともに、会場近くのビルにも大規模なショウルームを用意していたが、そこでもノートPCの展示は各国のメディアから注目を集めていた。ここでは、その中でも日本市場での販売が予定されているノートPCの新製品、注目製品を紹介する。

ゲーマーもクリエイターも魅了する美しすぎるOLED 「AERO 15 OLED」

新製品の中でも目玉商品といえる「AERO 15 OLED」。4K/HDR対応のSamsung製AMOLEDディスプレイを搭載し、高精細かつ鮮明な表示で、高い色再現性も備える

 今回発表されたGIGABYTEのノート製品の中で最も注目されるのが、「AERO 15 OLED」だ。4K/HDR対応のOLED(Organic Light Emitting Diode=有機EL)ディスプレイを採用しているのが最大の特徴。

 液晶をバックライトのシャッターとして利用する液晶ディスプレイに対し、有機ELディスプレイは素子自体が発光するため、画質/パフォーマンスともに大きな優位がある。

 AERO 15 OLEDでは、Samsung製のAMOLED(Active Matrix OLED)を採用しているが、スペックを見ると、コントラスト比はなんと100,00:1。通常の液晶ディスプレイの約100倍前後。黒がより黒く、階調もしっかりと表現できる。映像業界の標準で、Appleも支持するDCI-P3の色域を100%カバーする広色域に対応し、X-Rite Pantone社のPANTONE認証システムで全品を工場で色調整を行ってから出荷する。色差を示す「デルタE 1以下」という極めて高い色再現性はプロのクリエイターのニーズも満たす。応答速度も1msと高速なためゲーミングにも向いており、HDR対応タイトルでは極上のビジュアル体験ができる。

コントラスト比はなんと100,000:1。液晶とは2ケタ違う表現力で、息をのむような鮮明な描写に圧倒される。応答速度も1msと高速なためゲームにも向く。ベゼル幅約3mmの狭額縁デザインも特徴
サイズは356×250×20mm、重量は2.1kg。ナローベゼルデザインのため、15.6型ディスプレイ搭載モデルとしてはコンパクトにまとまっている

 CPUはCore i9-9980HKまたはCore i7-9750Hを採用する。外部GPUとして、GeForce RTX 20シリーズまたはGeForce GTX 16シリーズが搭載される。最大64GB搭載できるメモリはすべてSamsung製、SSDもすべてIntel 760pを採用することを明記しており、構成部品すべてにおいて信頼性の高いブランドにこだわっている。

 特に、Intelについては、CPU、SSDに加えて、Thunderbolt 3コントローラもIntel製であり、無線LANモジュールにもIntelとRivet Networksの共同開発である「Killer WiFi-6 AX1650」を搭載することから「All Intel Inside」をうたっている。

キー単位で制御できるRGB LEDバックライト搭載キーボードを搭載する
端子類も先進的かつ充実している。左側面にはHDMI 2.0やディスプレイ出力(DisplayPort 1.4)にも対応するUSB 3.1 Type-Cがある
側面には、Thunderbolt 3ポートやUHS-II対応のSDメモリーカードスロットがある
画面下のベゼルに用意されるWebカメラは、シャッターで物理的に遮ることができる
タッチパッド左上隅にWindows Hello対応の指紋センサーを搭載。セキュリティを確保しつつ触れるだけでログインが可能
ハードウェアの知識がなくてもクリエイティブツールのGPUアクセラレーションを利用できる「NVIDIA Studio」にも対応している
冷却性能のデモ。常温状態でも冷蔵室に入れたのとほぼ同じスコアが出るということで、AERO 15 OLEDの冷却性能がいかに優れているかを示す
こちらは冷蔵室に入れた状態の3DMark/Fire Strikeのスコア
こちらは常温状態の3DMark/Fire Strikeのスコア
本体色はブラックのほかにシルバーモデルも用意される。日本では9月頃の発売を予定しているという
シルバーモデルの背面部
シルバーモデルの底部
AERO 17。AERO 15と同時発表された17.3インチ液晶ディスプレイ搭載モデル。液晶ディスプレイについては、LGのFHD/IPS/144Hz、AUOのFHD/240Hz、AUOの4K/HDRと3種類のパネルバリエーションが用意されている

IntelやMSも応援に駆けつけた製品発表会 クリエイターにも強く訴求するAERO

AERO 15 LEDをお披露目するGIGABYTEのChairman、Dandy Yeh氏
発表会の様子。同社VIPに加えて、開発パートナー企業からもエグゼクティブが参加し、豪華な内容だった(写真提供:GIGABYTE)

 COMPUTEX TAIPEI 2019の期間中、最新AEROシリーズの新製品発表会が大々的に開催された。Intel、Microsoft、X-Riteといった、AEROの開発パートナー企業からエグゼクティブが応援に駆けつけ、スピーチを行なった。

 最新AEROシリーズは、ゲーマーに加えてクリエイターにも訴求するモデルとして位置づけられている。Intelが公表した調査結果によれば、従来からゲーミングノートPCの購買層には、クリエイターも含まれており、ゲーミングとクリエイティブ、どちらも楽しむユーザーも多くいるという。たしかにゲームもクリエイティブもハイパフォーマンスを必要とするという点では共通しており、優先度は異なるものの、高性能なCPU、外部GPUへのニーズが高く、理解できる傾向だ。こうした層にとって、新生AEROは非常に魅力的に映るだろう。

 AEROには、MicrosoftのクラウドAIサービス「Azure AI」を活用したAI機能も導入されている。この機能を活用すると、ハードウェアの動作状況等を監視しつつ定期的にAzureサーバーに送信。蓄積された情報を解析して自動的にアプリケーションごとに最適な設定が適用され、最大の性能を引き出すことができるようになるという。

 この機能はゲームもクリエイティブも楽しめるAEROシリーズには実に有効であり、どちらも最適に楽しみたいというユーザーにとっては、ありがたい機能だろう。

Intelが公表した資料によれば、従来からゲーミングノートPCの購買層にはクリエイターも相当数含まれており、ゲーミングとクリエイティブ、両方を楽しむユーザーは31%もいるという(写真提供:GIGABYTE)
X-Riteからは、PANTONEのSales DirectorであるThomas J.Dlugos Jr氏が。色再現性、色差の重要性を語った(写真提供:GIGABYTE)
MicrosoftからAlvaro Celis氏(Vice President of World Device Sales,)が登壇(写真提供:GIGABYTE)
CPUやGPU、空冷ファンの動作状況を定期的にAzure AIサーバーに送信。サーバーがデータを解析し、アプリケーションごとに最適な各リソースの動作設定を導き出し、自動的に設定される
Azure AIのユーティリティ。ハードウェアに詳しく、自分で最適設定を行いたいユーザー向けに、AI機能をオフにする設定も用意されている
PANTONE認証のロゴ。AERO 15 OLEDのデルタEが1以下というのは相当な高水準。担当者によれば、一般に広色域と言われているディスプレイでも「2~4くらいで固体によってバラ付きがある」ということだ

品質にこだわった高コスパ15インチゲーミング 「AORUS 5」

AORUS 5は、AORUSブランドのミドルレンジ15.6インチモデル。ゲーミングの実用性重視の高コスパモデルだ
AORUS 5の天面。シンプルなデザインだ

 AORUS 5は、GIGABYTEがハードウェアのジャンルをまたいで展開するAORUSブランドのミドルレンジモデル。LG製のIPS液晶ディスプレイを採用し、表示解像度は1920×1080ドット、リフレッシュレート144Hzに対応する。

 CPUは第9世代Core i7、GPUはGeForce GTX 16シリーズを搭載する。部品品質へのこだわりはこちらも健在で、メモリはSamsung製、SSDはIntel 760pを採用する。同社ビデオカードの技術の応用した「WINDFORCE Thermal Design」を採用し、効率的な冷却を行う。

 RGB LED演出は1キー単位ではなくゾーン単位での制御。派手さよりも純粋なゲーミングのパフォーマンス、プレイフィールを重視した仕様となっている。

 日本では6月中の発売が予定されている。GPUはGeForce GTX 1650になるだろうということだ。SSD容量などは未定ながら、18万円くらいでの提供を予定しているという。

AORUS 5の底部。冷却システムには、同社ビデオカードの技術の応用した「WINDFORCE Thermal Design」を採用している
キーボードのバックライトにフルカラーRGB LEDを搭載する。制御は1キー単位ではなくゾーン単位
AORUS 5の仕様。ゲーミングの実用性、信頼性を重視した骨太の内容といえる

高コスパ高品質に17.3インチの選択肢 「AORUS 7」

AORUS 7は、AORUSブランドのミドルレンジ17.3インチモデル。AORUS 5同様、ゲーミングの実用性重視を重視した内容だ
AORUS 7の天面。やや丸味を帯びているAORUS 5に対し、直線的でシャープなフォルムとなっている

 こちらは17.3インチの大画面液晶ディスプレイを搭載したAORUSブランドのミドルレンジモデル。LG製のIPS液晶ディスプレイを採用し、表示解像度は1920×1080ドット、リフレッシュレート144Hzに対応する。

 基本スペックについては、15インチモデルのAORUS 5に準じた内容だが、ボディが大きいぶん、格上のGPUを搭載可能で、ストレージの拡張性でも優る。

 こちらもメモリは100% Samsung製を利用。SSDも100%がIntel 760pの利用を宣言している。通常のメーカー製完成品PCではここまで公開されないだけでなく実際にロットによって違うメーカーのコンポーネントを使うことも珍しくない。

 とくにミドルレンジクラス以下では、こういう部分がコストダウンの対象になることもあるだけに、こうして一流ブランドの100%利用を公開している点は信頼性、安心感の点で大きい。

 こちらも日本での発売が予定されており、日本で発売される際にはキーボードは日本語キーボードになるという。GPUはGeForce GTX 1660とGTX1650の2モデルを用意することになるだろうということだ。

キーボードにはRGB LEDバックライトを搭載する。制御系統は1系統のみで、全体が同じ色で光る。なお、日本発売時には日本語配列になる予定だという
ディスプレイ出力が可能なUSB Type-Cポートを装備している。ディスプレイ出力としては、HDMI、Mini DisplayPortも備えている
AORUS 7の仕様内容。AORUS 5と類似しているが違いも意外に多い。GPUについては、日本発売モデルではGeForce GTX 1660と1650の2モデルを用意することになるだろうということだ

製品やメーカーに関して意見や要望などがあればご記入ください

2019年06月30日まで

[制作協力:GIGABYTE]