COMPUTEX AKIBA出張所

2システム搭載できる個性派オープン型ケースや奥行き10cmの650W SFX電源をFSPが展示

80PLUS GOLD電源Hydro Gシリーズの後継製品も(COMPUTEX AKIBA出張所 / FSP編)

 PC/IT関連の見本市「COMPUTEX TAIPEI 2019」が、5月28日~6月1日(現地時間)の日程で台湾で開催されている。

 詳細な取材記事は僚誌PC Watchが報じているが、「実際の展示を見て、メーカーに伝える」というのはなかなか難しい。そこで、例年同様、メーカー協力による意見箱付きのレポートをお届けする。

 記事末尾に製品やメーカーへの意見を入力できる入力欄を用意したので、ぜひ意見や要望を送信してほしい。いただいた意見はそれぞれのメーカーや国内代理店に送付、製品開発などの参考として活用していただく予定だ。

斬新な設計のMOD PC用ケースや電源ユニットの新製品が登場

 FSPは、1993年に設立された電源機器メーカーであり、PC向け電源ユニットでは常にトップ5に入るシェアを誇る。同社の電源ユニットは、信頼性の高さに定評があり、ショップブランドPCでの採用が年々増えている。

 FSPのブースでは、斬新な設計のMOD PC用ケースやPC向け電源ユニットの新製品をはじめ、産業用電源ユニットも多数展示されていた。なお、ブースレポートと別に、FSP本社でのインタビューと検証設備の見学をする機会をいただいたので、そちらの記事も近日中に公開予定だ。

 ここでは、COMPUTEXのFSPブースに展示されていた製品の中から、特に注目すべき製品を取り上げる。

ATXマザーとITXマザーを同時に搭載可能なオープンタイプのPCケース「CMT710」

ユニークなデザインのオープン型PCケース「CMT710」。左右対称のデザインになっている
CMT710の作例として展示されていたのは、台湾のJerry氏が作成したMOD PCである

 今回、FSPが展示していた製品の中でも、特に注目を集めていたのが、ユニークなデザインのオープン型PCケース「CMT710」である。CMT710は、陽極酸化アルミニウム製のフレームを曲げて作られた左右対称なケースであり、サイズは634×455×530mmとかなり大きい。上部は、翼のようなデザインになっており、躍動感にあふれている。左右にはガラスのパネルがあり、内部が透けて見える。左右それぞれに水冷ユニットを組み込めることが特徴で、展示されていた作例でも、ラジエーターが左右に1基ずつ搭載されており、2系統の水冷システムが組み込まれていた。

 なお、CMT710は、MOD PCやゲーミングPC用として設計されたケースであり、展示されていた作例も台湾のJerry氏が製作したMOD PCである。このMOD PCでは、マザーボードは正面からみて左側に配置されており、右側にはSSDやHDDが実装されているが、スタッフの方の説明によると、左側にATXマザーボード、右側にITXマザーボードを搭載することが可能で、1つのケースに2つの独立したシステムを組み込むこともできるとのことだ。

 いろんな意味で超弩級のケースだが、今のところ日本での販売予定はないとのことだ。

右側には、SSDが4台とHDDが2台搭載されていた
背面からみたところ。電源ユニットとして、FSPのHydro PTM+ 850Wが搭載されている
水冷システムの配管がよく見えるので、見栄えのよいMOD PCを製作できる

独自のMIA ICを搭載し、SFX電源ながら650Wの大容量を実現

SFX電源ユニットの新製品「DAGGER PRO 650」。独自のMIA ICを搭載し、SFX電源ながら650Wの大容量を実現
DAGGER PRO 650は、出力ケーブルがフルモジュラータイプとなっているので、小さなケースでも十分なエアフローを確保できる

 FSPによれば、PC市場の中でも近年伸びているのが、ゲーミングPCとクリエイターPCだという。特に小型かつ高性能なPCへのクリエイターの需要は大きく、電源ユニットも小型かつ大容量、高効率のものが求められる。そこでFSPが開発したのが、SFX電源でも小型となる奥行き10cmクラスで650Wという大容量を実現した「DAGGER PRO 650W」(SDA2-650)だ。

 DAGGER PRO 650Wは、FSPが独自に開発したMIA ICを搭載することで、部品点数を大幅に減らし、基板の小型化と高い変換効率を実現している。変換効率については、80PLUS GOLD認証のお墨付きだ。ファンの直径は92mmで、低負荷時にはファンが停止するセミファンレス仕様となっている。また、出力ケーブルがフルモジュラータイプになっているので、不要なケーブルでエアフローが妨げられてしまうことを防げる。

 DAGGER PRO 650Wは、コンパクトかつ大容量であり、MOD PCの電源ユニットとして使うにも向いている。電源が小さければ、それだけ電源配置の自由度が増すため、よりデザインに注力したMOD PCを製作できるからだ。FSPのブースには、MOD PCが何台か展示されていたが、その多くがDAGGER PRO 650Wを採用していた。DAGGER PRO 650Wの日本での発売時期は、今年の夏以降になるとのことだ。

DAGGER PRO 650とスマートフォンのサイズ比較。かなり小さいことがわかるだろう
DAGGER PRO 650の仕様。80PLUS GOLD認証を取得している
フィリピンのMickee Lacerna氏が製作した、トランスフォーマーをモチーフにしたコンパクトなMOD PCでは、電源ユニットとしてDAGGER PRO 650が使われている

電源ユニットの新製品「Hydro GS PRO」と「Hydro GSM PRO」

上が通常仕様の「Hydro GS PRO」、下がセミモジュラー仕様の「Hydro GSM PRO」
左がセミモジュラー仕様のHydro GSM PRO、右が通常仕様のHydro GS PRO

 電源ユニットの新製品として、「Hydro GS PRO」と「Hydro GSM PRO」の各シリーズにも注目したい。

 Hydro GS PRO/Hydro GSM PROは、80PLUS GOLDの認証を取得した、高効率な電源ユニットであり、容量は550W/650W/750Wの3モデルが用意されている。Hydro GS PROは、出力ケーブルとして取り回しのしやすいフラットケーブルを採用しているのに対し、Hydro GSM PROは、出力ケーブルがセミモジュラー仕様になっている。

 両モデルともファンの直径は135mmで、負荷が30%以下でファンの回転が止まるセミファンレス仕様となっている。日本製電解コンデンサを使うなど、パーツにもこだわった製品である。日本での発売は今年の年末くらいになるとのこと。

Hydro GSM PRO 750Wの仕様。80PLUS GOLD認証を取得している
Hydro GS PRO 750W。ファンの直径は135mm
Hydro GS PRO 750Wの出力ケーブルは取り外せないが、フラットケーブル採用で取り回しがしやくなっている

TUF GAMING ALLIANCE認定の電源ユニット「Hydro GE」も登場

TUF GAMING ALLIANCE認定の電源ユニット「Hydro GE 550W」
Hydro GE 550Wは、フルモジュラー仕様になっており、必要に応じて出力ケーブルを利用できる。このドット模様は、TUF GAMING ALLIANCEの証でもある

 最後に紹介したいのが、「Hydro G」の後継となる「Hydro GE」である。

 Hydro GE 550WとHydro GE 650Wは、ASUSが提唱するゲーミングPCパーツの認定制度である、TUF GAMING ALLIANCEの認定を取得していることが特徴だ。Hydro GEは、80PLUS GOLD認証を取得しているほか、フルモジュラー仕様になっているので、無駄なケーブルが生じず、見た目もすっきりして、エアフローの改善にも貢献する。ファンの直径は135mmであり、日本製電解コンデンサを採用している。ゲーミングPCを組みたいという人にお勧めだ。

 日本だけの特別モデルとして、750Wと850Wの大容量モデルも追加される予定だが、こちらはワールドワイドで販売される製品ではないため、TUF GAMING ALLIANCEの認定は取得していない。日本での発売は8月の予定とのことだ。

Hydro GE 550WのACコネクタ側
Hydro GE 550Wの出力コネクタ側

サーバー用のリダンダント電源や5G基地局用電源なども展示

 また、サーバー用に使われるリダンダント電源や5G基地局用電源など、産業用の電源のほか、同社の電源ユニットを利用したMOD PCも多数展示されていた。

リダルダンド電源「Twins 900W」。電源が二重化されており、片方が壊れても、サーバーへの電力供給が止まるわけではない
5G基地局用の電源ユニット
Hydro G PROは多湿への耐性が高く、湿度95%でも問題なく動作する
ベトナムのAmber Spider氏が製作したMOD PC。独自の世界観に基づいた作品であり、電源にはDAGGER PRO 650Wが採用されていた
中国のコンピュータースタジオ80ITの寺院風MOD PC、こちらも非常にユニークな作品
側面パネルが液晶ディスプレイになっているMOD PC
日本のModder関口氏の作品も展示
MOD PCのエリア

製品やメーカーに関して意見や要望などがあればご記入ください

2019年06月30日まで

[制作協力:FSP]