借りてみたらこうだった!
Kaveriの新機能をサポートしたGIGABYTE 「G1.Sniper A88X」をテスト
TDP設定機能「Configurable TDP」やPCI Express 3.0をサポート
2014年1月29日 12:10
今回お借りしたのは、AMD A88Xチップセットを搭載したGIGABYTE製マザーボード「G1.Sniper A88X」。MantleやHSAなど、今後の展開が楽しみなAMDの最新APU「Kaveri」(第4世代AシリーズAPU)に対応する、Socket FM2+対応マザーボードです。
ゲーミングマザーボード「GIGABYTE G1-Killerシリーズ」のSocket FM2+モデル
G1.Sniper A88Xは、GIGABYTEがゲーミング用マザーボードとしてブランド展開している「G1-Killerシリーズ」のSocket FM2+マザーボードです。Kaveri対応UEFIも既に公開されており、最新版のUEFIにアップデートすることで、Kaveriでの動作が可能となっています。
「G1-Killerシリーズ」のこだわりとして、オーディオ出力周りの機能が充実している他、超耐久をテーマに「防湿」や「防静電」などを定めた「Ultra Durable 4 Plus」に準拠。また、ゲーミングマザーボードのたしなみとして、2枚のビデオカードを搭載しての2-way CrossFireにも対応しています。
なお、G1.Sniper A88XのフォームファクターはATXですが、基板サイズは305mm×225mmと、スタンダードなATXマザーボードの305mm×244mmに比べ、横幅が狭い基板を採用しています。
最新UEFIでKaveriの新機能に対応、「Configurable TDP」もサポート
G1.Sniper A88Xの最新UEFIでは、APUのピーク時動作を制御することで、TDP95WのAPUを45Wや65Wで動作させることが可能な「Configurable TDP」が実装されたほか、AMD独自のメモリプロファイル「AMP」によるメモリチューニングにも対応しています。
UEFI以外でも、Kaveriとの組み合わせによって、HDMIによる4k出力が可能となるなど、Kaveriで新たに実装された新機能への対応が進んでいます。
なお、GIGABYTEによれば、1月28日時点で公開されている最新のUEFIにアップデートすることにより、Kaveriに対応する同社製マザーボードのほぼ全てで、Configurable TDPなどの新機能が利用可能になるとのこと。現在販売されている製品は、UEFIのバージョンが古い場合があるので、購入時はUEFIのバージョンを要チェックです。
個人的に特に注目の新機能は、なんといってもPCI Express 3.0のサポート!
2011年12月、世界初となるPCI Express 3.0対応ビデオカード「Radeon HD 7970」をリリースしたAMDですが、当のAMDプラットフォームにPCI Express 3.0をサポートするものはありませんでした。あれから2年余り、ついにAMD製GPUをAMDプラットフォームでスペック通りに動かせるようになったかと思うと、なかなか感慨深いものがあります。
こだわりのオーディオ機能「AMP-UP AUDIO」
G1.Sniper A88Xのサウンド機能は、GIGABYTEが定めた「AMP-UP AUDIO」に準拠しており、オペアンプを着脱可能なICソケットに載せて実装した他、オペアンプのゲイン切り替えスイッチ「Gain Boost」、サウンド周りとその他の回路を基板上で分離するノイズガード設計など、オーディオ周りの機能にこだわって設計されています。
G1.Sniper A88Xで最も特徴的な機能ともいえるのがこのサウンド機能なので、手持ちのイヤホンとヘッドホンを引っ張り出して視聴してみました。なお、筆者にはオーディオの良し悪しを語れるほどの薀蓄も耳も無いのであしからず…。
テストに使用したのはモニター用ヘッドフォンのSennheiser HD280 Silver(インピーダンス64Ω)と高級イヤフォンのSennheiser IE80(インピーダンス16Ω)。インピーダンスの値は小さいほど音量を取りやすい特性があります。
出力レベルを切り替えられる「Gain Boost」に関しては、今回用意したインピーダンス64Ω程度のヘッドフォンでも、標準の2.5倍設定のままで十分すぎる程の音量が確保できるので、デフォルトのままでいい感じ。スイッチが内部に実装されていることで、使う機器によって切り替えるのは大変ですが、よほどハイインピーダンスな機器を繋ぐ予定が無い限り、2.5倍設定のままで良さそうです。
ノイズに関しては、HD280 Silver使用時は、回路自体を切り離したノイズガード設計が功を奏してか、PCの動作由来っぽいノイズは気になりませんでした。しかし、個体間の相性なのか、低インピーダンスなIE80を接続した際は、チリチリっという感じのノイズが気になる結果に。
だだし、このノイズについては、同社がAMP-UP AUDIO対応マザーボード向けに販売しているオペアンプ交換キット「GP-OP AMP」を使って別のオペアンプ交換してみたところ、パタリと聞こえなくなり、交換後はよりクリアな音で音楽を楽しめました。
試聴前は、オペアンプ交換による違いが分かるか不安でしたが、私の耳でもハッキリ聞き分けられるほど、ノイズや音に変化があったのは驚きです。オンボードのサウンド機能でありながら、オペアンプ交換によりサウンド機能をアップグレードできるAMP-UP AUDIOは、なかなかユニークで面白い機能であると思います。
限られたコストの中での努力が見えるG1-Killerシリーズ・マザーボード
実売価格がおおよそ1万3000円前後と、AMD A88Xチップセット搭載マザーボードの中ではやや高めですが、マザーボードの価格としては決して高くありません。この価格でありながら、オペアンプ交換でサウンド機能のアップグレードが楽しめる「AMP-UP AUDIO」を載せているあたりに、G1-Killerシリーズ製品としてのこだわりを感じます。
純粋にマザーボードの機能だけで言えば、以前紹介したGA-F2A88X-UP4に一歩譲る部分も多いのですが、AMD A88Xチップセット搭載マザーボードで、オペアンプ交換が楽しめるのはG1.Sniper A88Xだけ!という訳で、ただただ普通に自作するだけではつまらないという方は、KaveriとG1.Sniper A88Xを試してみてはいかがでしょう。
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