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AMDが極冷イベント、Trinityが世界新記録達成
最高7.9GHz、Trinityは殻割り向き?
(2012/12/8 23:25)
オーバークロック世界記録保持者によるAMDのオーバークロックイベント「AMD OVERCLOCK CHALLENGE 2012」が8日(土)に開催された。
会場では、液体窒素冷却のA10-5800Kで7,938MHzという世界新記録を達成。FX-8350のベンチマーク結果でも「おそらく世界記録を塗り替えるはず」という記録が飛び出した。イベント中では、一般向けの常用オーバークロックなども解説、メーカー各社のアピールも行われた。
会場はアキバナビスペースで、開催時間は13時~18時。
世界記録保持者を招いてのOCイベントA10-5800K+液体窒素で7,938.14MHz
このイベントは、プロのオーバークロッカーで現在のオーバークロックギネスレコード「8.429GHz」(FX-8150)を保持、AMDのテクニカルマーケティングも担当するSami Makinen氏とやはりオーバークロッカーのRoger Tolppola氏をフィンランドから招いて行ったもの。
イベントは、Sami氏がFX-8350を、Roger氏がA10-5800Kを液体窒素でオーバークロックする傍ら、マザーボードメーカーやAMDが「普通のオーバークロック」をアピールするという両面構成。
まず、イベントの華となるOC記録については、開始早々の13時30分ごろ、Roger氏のA10-5800Kが同CPUの世界記録を塗り替える7,875.55MHzを、そのすぐ後に7,938.14MHzを達成。その後、3DMarkのスコアも世界2位の記録をだしたそう。
FX-8350でもCinebench R11.5でスコア12.87(7,505MHz/8コア)を達成、「おそらく世界新、これから調査する」(AMD)と説明したほか、動作クロックも最大8,392MHz(8コア)に到達、「"8350"を超えることができた」(同)という。
Trinityの殻割にも挑戦コアを直接冷却可
注目されたのが7.9GHz記録達成後のA10-5800K。なんと、ヒートシンクを取り外し、コアを露出する"殻割"を行って「さらに高クロックを目指す」宣言が。
AMDによると、Trinityのコア - ヒートスプレッダ間はグリスで熱伝導する構造。ヒートスプレッダを外し、コアを直接冷却することでより高クロックが狙えるという。
こうした構造はIvy Bridgeと似ているが、AMD Aシリーズでは「CPUソケットの構造上、コアを露出したままCPUをCPUソケットに装着することができる」(AMD)のが、Ivy Bridgeとの違い。CPUクーラーによっては、コアを直接冷やすように取り付けることも(もちろん保証外だが)できるという。
Ivy BridgeはヒートスプレッダがないとCPUをソケットに固定できないため、グリスを何に変えてもヒートスプレッダが必須。この点はAシリーズのほうがオーバークロック向けの構造といえる。
ということで注目が集まったA10-5800Kの殻割だが、結果はあっけなく失敗に。
原因は「適当な殻割り用工具が手元になく、カッターナイフで代用したため」(AMD)。誰がやっても保証外、失敗の可能性もある殻割だが、図らずもAMD自身が失敗してしまう実例になっていた。
なお、FXシリーズについては「グリスではなく全てソルダリング」(AMD)のため、殻割は特に行われなかった。