プロダクトレビュー・ショーケース

曲面ガラスで更に美しく、CORSAIRのピラーレスケース「FRAME 4500X」で見た目最強のホワイトPCを組む

Ryzen 7 9800X3DとGeForce RTX 5070 Tiで性能もバッチリ text by 久保勇

 曲面ガラスを採用したCORSARの新型ケース「FRAME 4500X」シリーズが登場。CORSAIRからは複数のピラーレスケースが発売されていますが、FRAME 4500XはよりビジュアルにこだわったPCの構築が可能かつ、高エアフローでゲーミングPCにも向いた特性を持ったモデルになっています。

 今回のレビューでは、FRAME 4500Xのホワイトモデルを使用し、白にこだわったPCパーツを集めて白いゲーミングPCを構築してみました。。年末年始にかけてPCを組む人も増えると思いますが、見た目にこだわったPCを構築したい人はぜひ内容をチェックしてもらえればと思います。

シンプルさと複雑さが共存する美しいCORSAIRのケース曲面ガラスでインテリア面の良さもアップ

 FRAME 4500Xには、通常のARGBファンを搭載する「FRAME 4500X RS-R ARGB」(28,480円前後)、最小のケーブルで高度な制御も可能なiCUE LINK対応ファンを搭載する「FRAME 4500X LX-R RGB iCUE LINK」(39,280円前後)の2タイプがラインアップされており、それぞれブラックとホワイトが用意されています。

 今回レビューで使用しているのはFRAME 4500X RS-R ARGBのホワイトモデル。ガラス面のフロントとサイドのデザインはシンプルに洗練されたデザインになっている反面、天板側のデザインは複雑な形状になっており、単調にならないようにアクセントがつけられています。吸気側になる底面と裏面にはダストフィルターを搭載。

 内部構造はオーソドックスなタイプ。背面コネクタマザーボードにも対応しており、極力ケーブルが見えないPCを作るのにも向いています。

 天板側とマザーボード横のスペースは最大360mmまでの水冷ラジエーターが搭載可能。別途ライザーカードを用意すればビデオカードの縦置きにも対応できる構造になっています。また、ビデオカードの曲がりを防ぐためのステイも標準で搭載。

 内部はほとんどの部品が白いもので構成されており、ケースやファンのケーブル部分もしっかり白い物が使われ、付属のネジも白になじむシルバー系のものが付属しています。

 面白い特徴としては、FRAME 4500Xはかなりの部分が分解可能となっており、マザーボードトレイはもちろん、電源シュラウドやファンマウント用のフレームなども取り外し可能。すべて分解するような機会はないと思いますが、より配線にこだわりたい場合や、パーツごとにカスタムを施す場合などには活用する機会がありそうです。

 マザーボード裏面の複合プレートは、SSD/HDDまたはiCUE LINKコントローラ/ファン/LEDハブなどを搭載するスペースになっており、好みのアイテムを装着可能。3.5インチHDDを搭載するとスペースが埋まってしまうので、HDDを使いつつiCUE LINKも利用したい場合はiCUE LINKコントローラの搭載位置を工夫する必要があります。シャドウベイは実質ここのみなので、3.5インチ/2.5インチドライブを搭載したい人は留意した方が良いかもしれません。

 USBやサウンドなどのフロント接続ポートは底面側に備えられており、卓上に置いて使用することが想定された配置になっています。

 接続ケーブルはコネクタも含め白で統一。白いPCを組む際、ケース側のケーブルやケーブルのコネクタが白以外の場合、意外と目立ってしまい、あとから白くするのは難しい部分でもあるので、ケースを選ぶ際には気にしたいポイント。

 ケース側のケーブルが底面側の見える位置に出てきているので、見えない位置に通すか、隠し蓋などで見えなくすることができたら……とここだけ少し気になりました。

 マザーボードとファンの間の穴を目立たなくさせるためのシートも付属しており、細かい部分ではありますが、使用することで見せたくない部分を隠すことが可能。搭載マザーボードなどのサイズに合わせ若干位置調整などをする必要はありますが、使用することで仕上がりが綺麗になります。

白い最新PCパーツを集めて映えるゲーミングPCを構築Ryzen 7 9800X3DにGeForce RTX 5070 Tiで大作ゲームも遊べるPCに

 今回は搭載PCパーツがよく見えるFRAME 4500Xの良さを最大限に活かすために、白にこだわったPCパーツを集めてゲーミングPCを構築してみました。

 なるべくCORSAIRの白いパーツを中心に、白いマザーボードの中でも特に綺麗なGIGABYTEの最新モデル「X870E AORUS PRO X3D ICE」を使い、Ryzen 7 9800X3DにGeForce RTX 5070 Tiを搭載し最新世代らしい性能も確保。Ryzenはメモリ4枚搭載時にメモリの定格動作クロックが下がってしまいますが、今回は見た目最優先でCORSAIR DOMINATOR PLATINUMを4枚搭載しています。

 FRAME 4500Xには排気ファンが搭載されていないので、CORSAIRのLX120を排気ファンとして背面側に追加しています。また、ケース底面にもファンが追加できるので、吸気ファンとしてリバースファンのCORSAIR LX120-Rを追加しています。

【マザーボード】GIGABYTE X870E AORUS PRO X3D ICE
【ビデオカード】GIGABYTE GeForce RTX 5070 Ti AERO OC 16GB
【CPU】 AMD Ryzen 7 9800X3D
【メモリ】CORSAIR DOMINATOR PLATINUM(DDR5-6000 16GB×4枚 ※DDR5-3600定格動作)
【クーラー】CORSAIR iCUE LINK H150i LCD(360mm)
【電源】CORSAIR RM850e White 2025(ATX 3.1 850W)
【SSD】CORSAIR MP700 PRO(2TB PCIe 5.0×4)
【追加ファン】CORSAIR LX120/LX120-R

 以下が今回のパーツを使って構築したPC。白いパーツで揃えるだけでもちょっと特別感のある雰囲気に仕上がります。曲面ガラスのピラーレスケースは継ぎ目がないのでインテリアっぽくもあり、卓上に置きたいと思えるデザインのPCケースを探している人にはオススメ。

 また、光らせていない状態も独特な雰囲気になるので、イルミネーションオフで使用するのもアリ。光らせない場合はより黒い部分が少ないパーツを使用することで白さが際立つPCが構築できそうな予感がします。手を入れたりパーツ選定にこだわったりした分が見た目に反映されるケースなので、妥協のないPCを構築しがいがあるのもFRAME 4500Xの魅力です。

Cinebench 2024とCyberpunk 2077で動作確認、しっかり冷えるピラーレスケース

 ピラーレスケースは、吸排気のための通気口がガラス以外の部分に多く用意されているモデルが多い傾向です。FRAME 4500Xもガラス面以外はメッシュ構造となっている部分が広く設けられています。

 エアフローも作りやすい構造なので、冷却面での心配はなさそうですが、念のためCinebench 2024とCyberpunk 2077を使いパフォーマンスがしっかり発揮されるのか、動作温度は問題ないのかを確認してみました。

Cinebench 2024
動作中の温度などのステータス

 Cinebench 2024のスコアはCPU(Multi Core)が1,252ポイント、CPU(Single Core)が124ポイント。Cinebench 2024動作中のCPU温度は80℃前後で安定しており(室温24℃前後)、サーマルスロットリングが動作することも無し。ケースとしてはエアフローに優れしっかり冷却できています。半面、音は外に漏れやすいので、なるべく耳障りな音が鳴らないようにファン回転数はオートから少し調整した方が良いかもしれません。

 スコアが若干低めなのは、メモリを4枚搭載してDDR5-3600で動作しているため。より高クロックのメモリを使用するとスコアは改善されます。

Cyberpunk 2077ベンチマーク
動作中の温度などのステータス

 Cyberpunk 2077ベンチマークは、WQHD解像度で画質設定レイトレーシング:ウルトラ、DLSS Super ResolutionとDLSS Frame Generation 4X有効の状態でテスト。平均FPSは307.14で、最低FPSが283.37、最高FPSが335.67。重量級のゲームが高画質/高フレームレートで遊べ、高い水準で安定した数値となっているので、かなり快適な環境と言えます。

 こちらもサーマルスロットリングなどが発生していないか、ベンチマークを複数回実行してしばらく負荷をかけ続けましたが、特に高温になることはなく、CPU温度はCinebench 2024の時よりもだいぶ低い55℃前後となりました。超静音PCなどを狙うのには不向きなところがありますが、冷却性能が高く見た目も良いゲーミングPCを組むならピラーレスケースはかなり有力な選択肢になります。

●標準のFRAME 4500X RS-R ARGBとiCUE LINK対応のFRAME 4500X LX-R RGB iCUE LINKどちらが良い?

 冒頭でも紹介しましたが、FRAME 4500Xは通常のARGBファンを搭載するFRAME 4500X RS-R ARGBと、FRAME 4500X LX-R RGB iCUE LINKの2タイプが用意されています。今回のレビューではFRAME 4500X RS-R ARGBを使用していますが、どちらを選ぶと良いのか少し考えてみました。

■コストを抑えたい/iCUE対応機器を大量に持っている人はFRAME 4500X RS-R ARGB

 FRAME 4500X RS-R ARGBの販売価格は28,480円前後で、FRAME 4500X LX-R RGB iCUE LINKの販売価格は39,280円前後。1万円前後の差があるので、コストを抑えたい人はFRAME 4500X RS-R ARGBを選ぶとだいぶ予算が抑えられます。

 CORSAIRからはコストパフォーマンス重視の環境に向けた水冷クーラーの「NAUTILUS」シリーズがラインナップされており、こうしたモデルを組み合わせると予算を抑えつつデザインを統一させたPCの構築が可能。

NAUTILUSシリーズの1モデル「NAUTILUS RS LCD」。iCUE LINKに対応しない代わりに導入コストが抑えられる

 iCUE LINK対応のファンを大量に持っているといった場合もFRAME 4500X RS-R ARGBを選んで手持ちのiCUE LINK対応ファンを流用するのも手です。iCUE LINK対応のケースをすでに利用しているユーザーであれば、乗り換えの際はファンとiCUE LINK システムハブを移植すればOKです。

筆者手持ちのファン。筆者のようにCORSAIRのATXケース「iCUE 5000X RGB」などを使用しているユーザーであればiCUE LINK対応ファンは結構な数を持っていたりするのでは……これを移植するとコストが抑えられます

■配線を美しくまとめたい、iCUE対応クーラーを持っている人はFRAME 4500X LX-R RGB iCUE LINK

 多少コストはかかっても配線を綺麗にしたいという人は、FRAME 4500X LX-R RGB iCUE LINKがおすすめ。配線のしやすさやまとめやすさ、美しさといった点はこちらが圧倒的に上。初めてCORSAIRのPCケースを購入する人にも組みやすさからこちらをオススメしたいです。

 また、iCUE LINK対応の水冷クーラーをすでに持っている人にもこちらが適しており、接続も簡単で綺麗に仕上がります。

通常ファンとiCUE LINK対応ファンの比較。表から見る分にはあまり変わりはありませんが、裏面から見るとiCUE LINKはケーブルも少なく済み、より綺麗に配線をまとめられるほか、制御もCORSAIRのユーティリティ上から簡単に行えるようになります

ピラーレスケースでより美しいPCを構築したい人にオススメなFRAME 4500X見た目と性能が両立できるこだわりがいのある一台

 FRAME 4500Xは卓上に置いても映えるゲーミングPCを構築したい人にオススメのケース。継ぎ目のないガラスを使ったピラーレスケースで見た目も美しいので、とことん見た目にこだわりたい人にも向いています。

 通風孔が多くエアフローも良好なので、高性能なCPU/GPUを組み合わせるのにも好適。見た目と性能の両立がしやすい点も特徴と言えます。構造的に音が外に漏れやすいので、静音性を高めたい場合はファン回転数を調整したり、発熱が低いパーツで構成したりするなどの工夫が必要になる点はトレードオフになっていますが、このケースに魅力を感じるユーザーからすれば求めている方向が異なるので問題になることもないはず。

 こだわるほどより良い見た目に仕上がり、しっかりとした冷却性能も確保されているので、これからゲーミングPCを組む人には候補として検討してもらいたい一台です。