PCパーツ名勝負数え歌

SSD基本パフォーマンス一斉比較――キオクシア新製品を追加!全18種類をベンチマークで比較

【第18戦・SSD特別編】トップ戦線に参戦するハイエンド&BiCS QLC採用のエントリー text by 芹澤 正芳

 入手したSSDのベンチをどんどん蓄積して横並び比較していこうという企画の第3回をお届けする。なお、今回より「PCパーツ名勝負数え歌」に連載枠を移し、「SSDバトルロイヤル編」と銘打って展開していく。

 さて今回は、キオクシアから登場したPCI Express 5.0対応の新製品が入手できた。新たにテストした2製品はハイエンド向けとエントリー向けで、その実力とキャラクターの違いが気になるところだ。これまでと同じく容量はすべて2TBで統一している。さっそく性能をチェックしていこう。

EXCERIA PRO G2、EXCERIA G3の基本仕様をチェック

 今回追加されたのは、キオクシアの「EXCERIA PRO G2」と「EXCERIA G3」だ。

キオクシア「EXCERIA PRO G2」

 EXCERIA PRO G2はハイエンドモデルで2TBモデルのシーケンシャルリードは14,900MB/s、ライトは13,400MB/sと現役最速クラス。フラッシュメモリはBiCS FLASH TLC、コントローラーにはSilicon Motionの「SM2508」を採用している。SM2508は高性能かつ低発熱がウリだ。データ転送速度だけではなく、温度にも注目したい。

キオクシア「EXCERIA G3」

 EXCERIA G3は、エントリークラスのPCI Express 5.0という位置付けだ。シーケンシャルリード10,000MB/s、シーケンシャルライト9,600MB/sというスペック。Crucial P510やNextorage Gシリーズ HE、MSI SPATIUM M560と同じくコントローラーにDRAMレス対応のPhison「PS5031-E31T」を採用している。フラッシュメモリはBiCS FLASH QLCだ。DRAMレスかつQLCでどこまで性能が出るのか見どころと言える。

【テストを実施したSSD(容量はすべて2TB、太字は新規追加分)】
製品名PCIe接続NANDDRAMシーケンシャル
リード/ライト(MB/s)
Micron Crucial T710PCIe 5.0 x4TLC搭載14,500/13,800
Micron Crucial P510PCIe 5.0 x4TLCなし10,000/8,700
Nextorage Gシリーズ HEPCIe 5.0 x4TLCなし10,300/8,600
MSI SPATIUM M560PCIe 5.0 x4非公開なし10,300/8,700
Samsung 9100 PROPCIe 5.0 x4TLC搭載14,700/13,400
Samsung 990 EVO PlusPCIe 5.0 x2TLCなし7,250/6,300
Team T-FORCE GC PROPCIe 5.0 x4TLC搭載12,500/11,000
キオクシア EXCERIA PRO G2PCIe 5.0 x4TLC搭載14,900/13,400
キオクシア EXCERIA G3PCIe 5.0 x4QLCなし10,000/9,600
Fanxiang S660 SSDPCIe 4.0 x4TLCなし4,800/4,500
Micron Crucial T500PCIe 4.0 x4TLC搭載7,400/7,000
Micron Crucial P3 PlusPCIe 4.0 x4非公開なし5,000/4,200
Nextorage Gシリーズ LEPCIe 4.0 x4TLCなし7,400/6,400
Nextorage MEM-PABPCIe 4.0 x4TLC搭載7,400/6,400
Samsung 990 PROPCIe 4.0 x4TLC搭載7,450/6,900
SanDisk WD_BLACK SN850XPCIe 4.0 x4TLC搭載7,300/6,300
Team T-CREATE CLASSIC C47PCIe 4.0 x4TLCなし7,400/7,000
Micron Crucial MX500SATA 3.0TLC搭載560/510

 検証環境は以下の通りだ。システムSSDはチップセット経由のM.2スロット(PCIe 4.0 x4)に搭載。検証するSSDについてはCPU直結でPCIe 5.0 x4対応のM.2スロットに装着、ヒートシンクはマザーボード付属のものを利用。バラック状態でテストを行っており、PCケースに組み込んだ状態よりエアフローは弱めの環境ではある。

 なお、Fanxiang S660 SSDおよびNextorage MEM-PABはヒートシンク搭載モデルなので例外としてマザーボードのヒートシンクは使用していない。

【検証環境】
CPUAMD Ryzen 7 9800X3D
(8コア16スレッド)
マザーボードROG CROSSHAIR X870E HERO
(AMD X870E)
メモリG.SKILL TRIDENT Z5 neo RGB
F5-6000J2836G16GX2-TZ5NRW
(PC5-48000 DDR5 SDRAM 16GB×2)
ビデオカードMSI GeForce RTX 5060 8G
VENTUS 2X OC
システムSSDMicron Crucial T700
CT2000T700SSD3JP
(PCI Express 5.0 x4、2TB)
CPUクーラーCorsair NAUTILUS 360 RS
(簡易水冷、36cmクラス)
電源Super Flower LEADEX III GOLD
1000W ATX 3.1(1,000W、80PLUS Gold)
OSWindows 11 Pro(24H2)

データ転送速度を測る「CrystalDiskMark」

 まずはストレージのデータ転送速度を測るベンチマークの超定番「CrystalDiskMark 9.0.1」を実行しよう。連続してデータを読み書きするシーケンシャルリード、ライト(Q8T1)とOSやアプリのレスポンスに直結しやすいランダムリード、ライト(Q1T1)を掲載する。

CrystalDiskMark 9.0.1の結果

 シーケンシャル性能は新顔のEXCERIA PRO G2がCrucial T710やSamsung 9100 PROというハイエンドモデルを超え、トップに立った。さすが最新モデルと言える結果だ。EXCERIA G3は、Crucial P510、Gシリーズ HE、SPATIUM M560と同じくPhison PS5031-E31Tを採用していることもあり、これらの製品に近い性能を出している。

アプリをシミュレートする「PCMark 10-Full System Drive Benchmark」

 ここからは、Office系、クリエイティブ系、ゲーム系などさまざまなアプリの動作をシミュレートするPCMark 10のFull System Drive Benchmarkを試そう。アプリに対するレスポンスのよさを確認できるテストだ。

PCMark 10-Full System Drive Benchmarkの結果

 ここでもEXCERIA PRO G2がトップに立った。Crucial T710、Samsung 9100 PROが3強と言える。EXCERIA G3、Crucial P510、Gシリーズ HE、SPATIUM M560はこのテストでもほぼ横並びだ。

ゲームに関するさまざまな処理を行う「3DMark-Storage Benchmark」

 次はゲームの起動やロード、データのコピー、録画しながらのプレイなどゲーム関連のさまざまな処理をシミュレートする3DMarkのStorage Benchmarkを実行しよう。総合スコアに加えて、個別の結果からゲームのロード時間を抜粋したものも掲載する。

3DMark-Storage Benchmarkの結果
3DMark-Storage Benchmarkのゲームロードの結果

 総合スコアでは、EXCERIA PRO G2が圧倒的トップを獲得。ゲームにも強いことが分かった。ただ、ゲームロードにスポットを当てるとSamsung 9100 PROがトップ。実力は拮抗している。EXCERIA G3はPhison PS5031-E31T搭載モデルの中で一歩リード。ゲームロードも優秀で、ゲーミングへの適性は高い。

連続書き込み時の温度をチェック

 ここではTxBENCHを使い5分間連続で書き込みを実行した際の温度を「HWiNFO Pro」で測定した。書き込み実行前の温度をアイドル時とし、5分間書き込んだときの平均と最大の温度を掲載する。

5分間の連続書き込み時の温度

 前回はSamsung 9100 PROの温度の低さに驚かされたが、EXCERIA PRO G2はそれをさらに下回った。SLCキャッシュ切れ後の速度もある程度高く維持できており、SM2508コントローラーはかなり優秀と言える。

 EXCERIA G3はPhison PS5031-E31Tコントローラー採用モデルの中で温度は低い部類。これはSLCキャッシュが切れた後の速度がQLCということもあってかなり遅く、そのため温度は上がりにくいものと考えられる。

 ちなみに5分間の連続書き込みと合わせてSLCキャッシュ容量と切れた後の平均速度も計測した。あくまでHWiNFO Proで追った値なので参考として見てほしい。

【SLCキャッシュ容量とキャッシュ切れ後の平均書き込み速度】
製品名PCIe接続SLCキャッシュ
容量
速度低下後
平均速度
Micron Crucial T710PCIe 5.0 x4約380GB4,043.0MB/s
Micron Crucial P510PCIe 5.0 x4約70GB2,039.6MB/s
Nextorage Gシリーズ HEPCIe 5.0 x4約421GB2,133MB/s
MSI SPATIUM M560PCIe 5.0 x4約422GB2,144.5MB/s
Samsung 9100 PROPCIe 5.0 x4約492GB1,445.5MB/s
Samsung 990 EVO PlusPCIe 5.0 x2約118GB1,264.7MB/s
Team T-FORCE GC PROPCIe 5.0 x4約632GB1,928.7MB/s
キオクシア EXCERIA PRO G2PCIe 5.0 x4約382GB2013.9MB/s
キオクシア EXCERIA G3PCIe 5.0 x4約382GB369.5MB/s
Fanxiang S660 SSDPCIe 4.0 x4約233GB2,536.4MB/s
Micron Crucial T500PCIe 4.0 x4約711GB667.1MB/s
Micron Crucial P3 PlusPCIe 4.0 x4約531GB162.6MB/s
Nextorage Gシリーズ LEPCIe 4.0 x4約55GB1,440.0MB/s
Nextorage MEM-PABPCIe 4.0 x4約53GB1,447.4MB/s
Samsung 990 PROPCIe 4.0 x4約233GB1,186.4MB/s
SanDisk WD_BLACK SN850XPCIe 4.0 x4約570GB1,593.4MB/s
Team T-CREATE CLASSIC C47PCIe 4.0 x4約366GB2,532.9MB/s
Micron Crucial MX500SATA 3.0468.4MB/s

 EXCERIA PRO G2はSLCキャッシュの容量、切れてからの速度ともバランスがよい。Crucial T710は温度こそ高いものの、SLCキャッシュ容量とキャッシュ切れ後の速度は優秀だ。EXCERIA G3はQLCなので素の速度は遅く、キャッシュが切れると平均369.5MB/sまで下がってしまう。それでもHDDや旧世代のQLC SSDよりも高速ではあるのだが。

市場全体の価格上昇は痛いがキオクシアの新顔の性能と価格設定には納得

 ここまでが18製品のベンチマーク結果だ。今回追加したキオクシアの新製品は高い実力を見せた。メモリと同じくSSDも大幅な値上がり傾向ではあるが、2026年1月末時点での市場全体を見渡すと、EXCERIA PRO G2は現役最速クラスなのでやや高め(2TBで6万2,000円前後)になってしまうが、その実力を考えれば納得はできる。一方EXCERIA G3はエントリー製品らしい価格設定で、5.0 x4対応の中では比較的低価格(2TBで4万4,000円前後)だ。

 2026年もどんどんSSDを追加していく予定なので期待していただきたい。