PCパーツ名勝負数え歌
SSD基本パフォーマンス一斉比較――キオクシア新製品を追加!全18種類をベンチマークで比較
【第18戦・SSD特別編】トップ戦線に参戦するハイエンド&BiCS QLC採用のエントリー text by 芹澤 正芳
2026年2月5日 10:00
入手したSSDのベンチをどんどん蓄積して横並び比較していこうという企画の第3回をお届けする。なお、今回より「PCパーツ名勝負数え歌」に連載枠を移し、「SSDバトルロイヤル編」と銘打って展開していく。
さて今回は、キオクシアから登場したPCI Express 5.0対応の新製品が入手できた。新たにテストした2製品はハイエンド向けとエントリー向けで、その実力とキャラクターの違いが気になるところだ。これまでと同じく容量はすべて2TBで統一している。さっそく性能をチェックしていこう。
EXCERIA PRO G2、EXCERIA G3の基本仕様をチェック
今回追加されたのは、キオクシアの「EXCERIA PRO G2」と「EXCERIA G3」だ。
EXCERIA PRO G2はハイエンドモデルで2TBモデルのシーケンシャルリードは14,900MB/s、ライトは13,400MB/sと現役最速クラス。フラッシュメモリはBiCS FLASH TLC、コントローラーにはSilicon Motionの「SM2508」を採用している。SM2508は高性能かつ低発熱がウリだ。データ転送速度だけではなく、温度にも注目したい。
EXCERIA G3は、エントリークラスのPCI Express 5.0という位置付けだ。シーケンシャルリード10,000MB/s、シーケンシャルライト9,600MB/sというスペック。Crucial P510やNextorage Gシリーズ HE、MSI SPATIUM M560と同じくコントローラーにDRAMレス対応のPhison「PS5031-E31T」を採用している。フラッシュメモリはBiCS FLASH QLCだ。DRAMレスかつQLCでどこまで性能が出るのか見どころと言える。
| 製品名 | PCIe接続 | NAND | DRAM | シーケンシャル リード/ライト(MB/s) |
| Micron Crucial T710 | PCIe 5.0 x4 | TLC | 搭載 | 14,500/13,800 |
| Micron Crucial P510 | PCIe 5.0 x4 | TLC | なし | 10,000/8,700 |
| Nextorage Gシリーズ HE | PCIe 5.0 x4 | TLC | なし | 10,300/8,600 |
| MSI SPATIUM M560 | PCIe 5.0 x4 | 非公開 | なし | 10,300/8,700 |
| Samsung 9100 PRO | PCIe 5.0 x4 | TLC | 搭載 | 14,700/13,400 |
| Samsung 990 EVO Plus | PCIe 5.0 x2 | TLC | なし | 7,250/6,300 |
| Team T-FORCE GC PRO | PCIe 5.0 x4 | TLC | 搭載 | 12,500/11,000 |
| キオクシア EXCERIA PRO G2 | PCIe 5.0 x4 | TLC | 搭載 | 14,900/13,400 |
| キオクシア EXCERIA G3 | PCIe 5.0 x4 | QLC | なし | 10,000/9,600 |
| Fanxiang S660 SSD | PCIe 4.0 x4 | TLC | なし | 4,800/4,500 |
| Micron Crucial T500 | PCIe 4.0 x4 | TLC | 搭載 | 7,400/7,000 |
| Micron Crucial P3 Plus | PCIe 4.0 x4 | 非公開 | なし | 5,000/4,200 |
| Nextorage Gシリーズ LE | PCIe 4.0 x4 | TLC | なし | 7,400/6,400 |
| Nextorage MEM-PAB | PCIe 4.0 x4 | TLC | 搭載 | 7,400/6,400 |
| Samsung 990 PRO | PCIe 4.0 x4 | TLC | 搭載 | 7,450/6,900 |
| SanDisk WD_BLACK SN850X | PCIe 4.0 x4 | TLC | 搭載 | 7,300/6,300 |
| Team T-CREATE CLASSIC C47 | PCIe 4.0 x4 | TLC | なし | 7,400/7,000 |
| Micron Crucial MX500 | SATA 3.0 | TLC | 搭載 | 560/510 |
検証環境は以下の通りだ。システムSSDはチップセット経由のM.2スロット(PCIe 4.0 x4)に搭載。検証するSSDについてはCPU直結でPCIe 5.0 x4対応のM.2スロットに装着、ヒートシンクはマザーボード付属のものを利用。バラック状態でテストを行っており、PCケースに組み込んだ状態よりエアフローは弱めの環境ではある。
なお、Fanxiang S660 SSDおよびNextorage MEM-PABはヒートシンク搭載モデルなので例外としてマザーボードのヒートシンクは使用していない。
| CPU | AMD Ryzen 7 9800X3D (8コア16スレッド) |
| マザーボード | ROG CROSSHAIR X870E HERO (AMD X870E) |
| メモリ | G.SKILL TRIDENT Z5 neo RGB F5-6000J2836G16GX2-TZ5NRW (PC5-48000 DDR5 SDRAM 16GB×2) |
| ビデオカード | MSI GeForce RTX 5060 8G VENTUS 2X OC |
| システムSSD | Micron Crucial T700 CT2000T700SSD3JP (PCI Express 5.0 x4、2TB) |
| CPUクーラー | Corsair NAUTILUS 360 RS (簡易水冷、36cmクラス) |
| 電源 | Super Flower LEADEX III GOLD 1000W ATX 3.1(1,000W、80PLUS Gold) |
| OS | Windows 11 Pro(24H2) |
データ転送速度を測る「CrystalDiskMark」
まずはストレージのデータ転送速度を測るベンチマークの超定番「CrystalDiskMark 9.0.1」を実行しよう。連続してデータを読み書きするシーケンシャルリード、ライト(Q8T1)とOSやアプリのレスポンスに直結しやすいランダムリード、ライト(Q1T1)を掲載する。
シーケンシャル性能は新顔のEXCERIA PRO G2がCrucial T710やSamsung 9100 PROというハイエンドモデルを超え、トップに立った。さすが最新モデルと言える結果だ。EXCERIA G3は、Crucial P510、Gシリーズ HE、SPATIUM M560と同じくPhison PS5031-E31Tを採用していることもあり、これらの製品に近い性能を出している。
アプリをシミュレートする「PCMark 10-Full System Drive Benchmark」
ここからは、Office系、クリエイティブ系、ゲーム系などさまざまなアプリの動作をシミュレートするPCMark 10のFull System Drive Benchmarkを試そう。アプリに対するレスポンスのよさを確認できるテストだ。
ここでもEXCERIA PRO G2がトップに立った。Crucial T710、Samsung 9100 PROが3強と言える。EXCERIA G3、Crucial P510、Gシリーズ HE、SPATIUM M560はこのテストでもほぼ横並びだ。
ゲームに関するさまざまな処理を行う「3DMark-Storage Benchmark」
次はゲームの起動やロード、データのコピー、録画しながらのプレイなどゲーム関連のさまざまな処理をシミュレートする3DMarkのStorage Benchmarkを実行しよう。総合スコアに加えて、個別の結果からゲームのロード時間を抜粋したものも掲載する。
総合スコアでは、EXCERIA PRO G2が圧倒的トップを獲得。ゲームにも強いことが分かった。ただ、ゲームロードにスポットを当てるとSamsung 9100 PROがトップ。実力は拮抗している。EXCERIA G3はPhison PS5031-E31T搭載モデルの中で一歩リード。ゲームロードも優秀で、ゲーミングへの適性は高い。
連続書き込み時の温度をチェック
ここではTxBENCHを使い5分間連続で書き込みを実行した際の温度を「HWiNFO Pro」で測定した。書き込み実行前の温度をアイドル時とし、5分間書き込んだときの平均と最大の温度を掲載する。
前回はSamsung 9100 PROの温度の低さに驚かされたが、EXCERIA PRO G2はそれをさらに下回った。SLCキャッシュ切れ後の速度もある程度高く維持できており、SM2508コントローラーはかなり優秀と言える。
EXCERIA G3はPhison PS5031-E31Tコントローラー採用モデルの中で温度は低い部類。これはSLCキャッシュが切れた後の速度がQLCということもあってかなり遅く、そのため温度は上がりにくいものと考えられる。
ちなみに5分間の連続書き込みと合わせてSLCキャッシュ容量と切れた後の平均速度も計測した。あくまでHWiNFO Proで追った値なので参考として見てほしい。
| 製品名 | PCIe接続 | SLCキャッシュ 容量 | 速度低下後 平均速度 |
| Micron Crucial T710 | PCIe 5.0 x4 | 約380GB | 4,043.0MB/s |
| Micron Crucial P510 | PCIe 5.0 x4 | 約70GB | 2,039.6MB/s |
| Nextorage Gシリーズ HE | PCIe 5.0 x4 | 約421GB | 2,133MB/s |
| MSI SPATIUM M560 | PCIe 5.0 x4 | 約422GB | 2,144.5MB/s |
| Samsung 9100 PRO | PCIe 5.0 x4 | 約492GB | 1,445.5MB/s |
| Samsung 990 EVO Plus | PCIe 5.0 x2 | 約118GB | 1,264.7MB/s |
| Team T-FORCE GC PRO | PCIe 5.0 x4 | 約632GB | 1,928.7MB/s |
| キオクシア EXCERIA PRO G2 | PCIe 5.0 x4 | 約382GB | 2013.9MB/s |
| キオクシア EXCERIA G3 | PCIe 5.0 x4 | 約382GB | 369.5MB/s |
| Fanxiang S660 SSD | PCIe 4.0 x4 | 約233GB | 2,536.4MB/s |
| Micron Crucial T500 | PCIe 4.0 x4 | 約711GB | 667.1MB/s |
| Micron Crucial P3 Plus | PCIe 4.0 x4 | 約531GB | 162.6MB/s |
| Nextorage Gシリーズ LE | PCIe 4.0 x4 | 約55GB | 1,440.0MB/s |
| Nextorage MEM-PAB | PCIe 4.0 x4 | 約53GB | 1,447.4MB/s |
| Samsung 990 PRO | PCIe 4.0 x4 | 約233GB | 1,186.4MB/s |
| SanDisk WD_BLACK SN850X | PCIe 4.0 x4 | 約570GB | 1,593.4MB/s |
| Team T-CREATE CLASSIC C47 | PCIe 4.0 x4 | 約366GB | 2,532.9MB/s |
| Micron Crucial MX500 | SATA 3.0 | - | 468.4MB/s |
EXCERIA PRO G2はSLCキャッシュの容量、切れてからの速度ともバランスがよい。Crucial T710は温度こそ高いものの、SLCキャッシュ容量とキャッシュ切れ後の速度は優秀だ。EXCERIA G3はQLCなので素の速度は遅く、キャッシュが切れると平均369.5MB/sまで下がってしまう。それでもHDDや旧世代のQLC SSDよりも高速ではあるのだが。
市場全体の価格上昇は痛いがキオクシアの新顔の性能と価格設定には納得
ここまでが18製品のベンチマーク結果だ。今回追加したキオクシアの新製品は高い実力を見せた。メモリと同じくSSDも大幅な値上がり傾向ではあるが、2026年1月末時点での市場全体を見渡すと、EXCERIA PRO G2は現役最速クラスなのでやや高め(2TBで6万2,000円前後)になってしまうが、その実力を考えれば納得はできる。一方EXCERIA G3はエントリー製品らしい価格設定で、5.0 x4対応の中では比較的低価格(2TBで4万4,000円前後)だ。
2026年もどんどんSSDを追加していく予定なので期待していただきたい。












