サハロフ佐藤の相場月報 2014年4月号

3TBが引き続き9,980円、増税の影響は限定的か

　容量別に見ると、売れ筋の3TBは最安値が税込9,980円のままであり、2～3TBは平均の上げ幅も小さい。4～5TBに至っては下落さえしている。増税によるHDD価格への影響はあるものの、限定的といえるだろう。

　確かに税率改定直後の4月5日調査時は、最安値、平均とも全体的に数百円上昇し、秋葉原を歩いていても「値上がりしたな」と実感したものだ。ところが翌週の12日には、東芝とSeagateの3TBで税込10,000円割れが復活するなど、値下がりの動きが出始めた。

　とはいえ、下の価格表を見ても分かるように、個別の値動きはまちまちだ。例えばSeagate Barracudaは2TBが平均288円(3.7%)下落したものの、3TBは428円(3.8%)上昇。WesternDigital WD GreenもWD40EZRX(4TB)が税込16,000円を割る一方、WD30EZRX(3TB)は特価でも税込10,480円(1GBあたり3.49円)止まりだった。

増税後も特価の3TB HDDは税込1万円割れ

1990年代に発売された5インチIDE-HDDの「Bigfoot CY」

　こうした中、目先を変えた特価品を提案するショップもある。19日には、NAS向け・WD40EFRX(4TB)の最安値が税込17,053円と、前回比1,927円(10.2%)も急落。2.5インチでも東芝 MQ01ABD100(1TB,9.5mm)が税込4,980円となったほか、12日にはHGST 0S03634(1.5TB,9.5mm)が税込9,980円と様々だ。大容量など要らぬ！という「漢」なら、東芝製3.5インチ250GB・税込2,980円はいかがだろうか。

　新製品としては、Seagate ST4000VX000(4TB)がある。Video Surveillance HDDという監視システム向けHDDで、実売価格は税込19,710～21,480円。発売済みのWesternDigital WD40PURX(4TB)より2,000円ほど高く、在庫を持つショップは少ない。

　それより面白いのは、ショップのスタッフが自宅で発見したという5インチIDE HDD、Quantum Bigfoot CY(3,600rpm、キャッシュ128KB)だ。光学ドライブほどもある前世紀のHDDを、貴重な画像でとくと御覧いただきたい。

　参考までに、1997年5月10日時点の価格は6.4GBが49,800円(1GBあたり7,781円)、4.3GBが35,800円。12月にはBigfoot TX(4,000rpm、Ultra ATA)へ代替わりし、翌1月にIDEとして当時最大の12GBが59,800円で登場している。3.5インチ5,400rpm・2.1～8.4GBと比べて割安ではあったのだが、図体がデカい上に性能面で見劣りし、ショップの扱いは小さかった。

　1997年はPentium IIの初代(Klamath)が発売された年で、3月20日に266MHzが188,000円でフライング発売された。HDDはSCSIがまだ根強い人気を持ち、メモリも32MB SIMMが16,000円台という時代である。秋葉原はPC関連ショップの全盛期。約60店舗を8時間前後で回っていたのだから、筆者も若かった…。