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PS4 Proを2TB SSHDに換装、「大容量&高速」の一挙両得を検証してみた

サマーレッスンももっと快適に? text by 日沼諭史

今回、PS4 ProのHDDを2TBのSSHD「Seagate FireCuda」に換装する!

 PlayStation 4(PS4)の上位版として登場したPS4 Pro。主にグラフィック性能の大幅な向上が話題だが、実は内蔵ストレージのインターフェースもアップデートされている。

 従来のPS4は3Gbps対応のSATA2(Revision 2.x/SATA 3Gbps)だったが、PS4 Proは6Gbps対応のSATA3(Revision 3.x/SATA 6Gbps)になっているという。

 自作PCユーザーにはもうおなじみの「SATA3」は、PCでは数年前から一般的に使われており、現在でも主流の規格の1つ。

 高いCPU/GPU性能を誇りながら、ストレージ面についてはやや弱いと言われていたPS4だが、これでようやくPCに近いパフォーマンスをストレージでも実現できるようになったと言える。

SSHDへの換装で「大容量」と「速度」の一挙両得へ

SSHDへ換装した際の効果の一例。シーンによっては大きくロード時間が短縮される例も。詳細は記事下部を参照のこと。
左がFireCuda、右が標準搭載されていたSATA2対応HDD。標準状態では実力を発揮しきっているとは言えない。

 となると、これを最大限活かしたくなるのが人情というもの。

 幸い、PS4やPS4 Proのストレージは交換が容易な構造で、PS4のHDDを大容量HDDに換装する、といったことも過去に話題になっている。

 そこで今回は、大容量化と高速化の一挙両得を狙い、内蔵HDDを容量2TBのSSHDに換装してみたい。なお、単純な「高速性」からSSDを考える人も多いと思うが、容量2TBのSSDといえば、実売価格で税込6万円以上(11月現在)。SSHDであれば、2TBでも税込14,000円前後(今回利用するSeagateのSSHD「FireCuda」の場合)であり、「一挙両得」を狙うには絶好の価格と言える。

 ちなみに、「SSHD」は、キャッシュとして使う小容量のフラッシュメモリと通常のHDDを一体化した「SSD+HDD」的な製品。フラッシュメモリを不揮発性キャッシュとして使うことで高速な読み書きを実現、そしてHDD並みの大容量を低コストで実現できるのが特徴だ。

 今回は、8GBのフラッシュメモリを搭載したSATA3 SSHD「Seagate FireCuda ST2000LX001」(容量2TB,データ転送速度最大140MB/s)をPS4 Proに搭載、どれだけの性能向上が見込めるのか検証してみたい。

 なお、余談になるが、今回の換装のためにPS4 ProからHDDを取り出すと、出てきたHDDはSATA2対応の東芝「MQ01ABD100」。せっかくSATA3をサポートしていながら、その性能をフルに発揮できない状態だったことになる。全ての個体がそうなのかは不明だが、SATA3対応のSSHDに換装することで、きっとパフォーマンスアップが望めるに違いない!

PS4 Proのストレージ換装法、SSHDに換装するまでを写真で紹介

ストレージ換装時には静電気対策用手袋も用意しておきたい

 さて、パフォーマンス評価の前に、換装方法から紹介したい。

 PS4とPS4 Proは、内蔵ストレージの交換が容易な構造になっており、自分で作業したとしても製品の保証が切れることはない。

 ただし、内蔵ストレージを交換する前にいくつか準備すべきことがある。セーブデータやキャプチャーデータのバックアップ、新しいストレージにインストールするシステムソフトウェアのダウンロードなどだ。SSHDへの換装手順も含め、以下に写真付きで説明しているので参考にしてほしい。

【用意するもの】
・PS4 Pro本体
・Seagate FireCuda ST2000LX001
・PC(システムソフトウェアダウンロード用。Windows/macOSどちらでもOK)
・USBメモリ(必要サイズは最低1GB。セーブデータ、キャプチャーデータの量によってはより大容量が必要)
・ワイヤレスコントローラーとUSBケーブル(PS4 Pro初期化時にコントローラーのケーブル接続が必要)
・小型プラスドライバー
・静電気対策用手袋(念のため)

【事前準備:セーブデータのバックアップ手順】

1. USBメモリをPS4 Proに接続する
2. メニューから「設定」→「アプリケーションセーブデータ管理」を選択
3. 「本体ストレージのセーブデータ」→「USBストレージ機器にコピーする」を選択
4. バックアップしたいセーブデータを選んだら「コピー」する

【事前準備:キャプチャーデータのバックアップ手順】

1. USBメモリをPS4 Proに接続する
2. メニューから「設定」→「本体ストレージ管理」→「キャプチャーギャラリー」を選択
3. フォルダを選択し、一覧にカーソルを移動してからコントローラーの[OPTIONS]キーを押す
4. 「USBストレージ機器にコピーする」を選択し、バックアップしたいデータを選んだら「コピー」する

【事前準備:システムデータ入手の手順】

1. PCにUSBメモリを接続し、「システムソフトウェア アップデート」ページにアクセス
2. ページ中頃にある「アップデート(システムソフトウェアを再インストール)」タブをクリックし、「アップデートファイル(再インストール用)ダウンロード」をクリック
3. USBメモリに「PS4」フォルダを作り、さらにその中に「UPDATE」フォルダを作って、そこにダウンロードしたファイルをコピーする

【SSHD換装の手順】

1. PS4 Pro本体を裏返し、カバーの右端から手前に引っ張って取り外す。
2. 1本あるネジをプラスドライバーで外し、ストレージトレイを引き出す。
3. HDDをトレイに固定しているネジ4本を外す
4. SSHDに差し替えて再びネジ4本でトレイに取り付け、向きに注意してPS4 Pro本体に差し込む。
5. カバーを元通りに取り付けて換装完了。

【換装後のPS4 Pro起動手順】

1. PS4 Proにケーブル類を接続し、システムソフトウェアをコピーしたUSBメモリを接続。コントローラーもUSB接続する。
2. PS4 Pro本体の電源ボタンを7秒以上押し続ける。音が鳴ったら指を離す。PS4 Proがセーフモードで起動したら、「PS4を初期化する(システムソフトウェアを再インストールする)」を選択。
3. 画面の指示通りに初期設定を進め、各ゲームをインストールする
4. 「アプリケーションセーブデータ管理」で、USBメモリに保存していたセーブデータを本体ストレージにコピーする

FF15からサマーレッスンまで、速度を計測するのは今時の6タイトル

検証に用いた機材。PlayStation VR対応ゲームも試す

 以上の手順でSSHDに換装して、いよいよ速度の検証を行いたい。

 今回は、主に各ゲームの起動時間、ローディング時間など、ゲームプレイ中のデータ読み込みの速度を計測する内容とした。標準HDDの状態でも同様の計測を行い、SSHD換装後のタイムと比べてどれくらい変化があるかを確認してみよう。

 検証に用いたゲームタイトルと、速度を計測するシーンは以下の通り。

 それぞれインストール後に初期設定し、検証内容と同様の操作を行った後、いったんPS4 Proの電源を切って、起動し直してからタイム測定を実施した。これを複数回繰り返して、一定の時間に収束したと判断できたところの値を記している。これは、SSHDが搭載する自己学習機能により、繰り返し読み込まれるデータが、自動的にNANDフラッシュキャッシュに常駐されるため。

 なお、起動にゲームディスクが必要なものについては、ディスクが無回転の状態から起動して測定している。目視によるストップウォッチを使った手動計測のため、0.1~0.2秒程度の誤差が含まれることがある点はご了承いただきたい。

Battlefield 1(ゲームディスク)

起動~「○を押して開始」が表示されるまで
「○を押して開始」~ホーム画面まで
キャンペーン「高き場所の友」の「TEST FLIGHT」選択~ローディング表示が消えるまで

タイタンフォール 2」(ゲームディスク)

起動~タイトル画面まで
ミッション「BT-7274」スタート~「×で続行」が表示されるまで

World of Tanks

起動~タイトル画面まで
タイトル画面~メニュー画面まで
「ゲーム開始」~Wargaming.netロゴ表示まで
「ゲーム開始」~ゲームモード選択画面まで

ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド(ゲームディスク)

起動~ログイン画面まで
「プレイ」ボタン押下~タイトル画面まで
マップロード キャラ選択~グリダニア新市街の表示まで
マップ移動 グリダニア新市街→黒衣森への移動

ファイナルファンタジーXV JUDGEMENT DISC(体験版)

起動~タイトル画面まで
NEW GAMEから最初のムービー開始まで
LOAD GAMEからキャラ操作可能になるまで

サマーレッスン

起動~PlayStation VRの電源オン指示まで
カメラ映像確認~タイトル画面まで
「はじめから」スタート~喫茶店の表示まで

多くのシーンで確実に高速化、頻繁にロードが発生するゲームに効果的FF15は劇的に短縮するケースも

 以下がPS4 ProをSSHDに換装した後の読み込み速度だ。

Battlefield 1

タイタンフォール 2

World of Tanks

ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド

ファイナルファンタジーXV JUDGEMENT DISC(体験版)

サマーレッスン

 「タイタンフォール 2」「ファイナルファンタジーXIV」「ファイナルファンタジーXV」「サマーレッスン」の4つのタイトルでSSHDの優位性を証明する結果となった。なかでも大きな速度向上が見られたのは、「ファイナルファンタジーXV」のNEW GAME時のムービー開始までにかかる時間で、なんと33%も短縮している。

 その他は各テスト項目でせいぜい数秒程度だが、特にステージ開始時やマップのロードなど頻繁に発生しがちな待ち時間は、ゲームを長くプレイしていくと気になるもの。「この数秒」が積み重なっていくことを考えると、決して無視できないものとなるだろう。

 一方、SSHD化の効果が薄いシチュエーションもあった。「Battlefield 1」は起動こそスピードアップしたものの、それ以外では有意な差は見られず、「World of Tanks」についてもローディングで一部高速化したものの、逆に僅かながら遅くなった部分もある。こうした結果が、なぜ起きるのかは不明だが、「こうしたこともある」というのは一応頭に入れておきたい。

【PS4 Pro SSHD換装 読み込み速度テスト結果一覧表】

高コスパなSSHDへの換装でPS4 Proの性能をさらに引き出せる!容量もアップ!

 今回はゲームの起動やローディングという読み込みが中心の処理に限定して検証を行ったが、当然ながらPS4/PS4 Proでストレージにアクセスする使い方は他にも多々あるわけで、ゲームのインストールやWebブラウジング、マルチメディアデータの再生・管理、ツール系アプリの動作などでも、SSHDならではの高い読み書き性能を発揮する可能性は高い。

 これらは同時並行でデータ転送以外の処理も走るため、純粋にストレージ性能の違いだけを抽出するのは難しいものの、SSHDへの換装による全体的なパフォーマンスアップを実感しやすいシチュエーションかもしれない。

 いずれにせよ、SSHD化で速くはなっても遅くなる部分はほとんどなく、PS4 Proをさらに高性能なハードウェアへとアップグレードできることは間違いない。

 せっかくPS4 Proを購入するなら、+14,000円で容量アップと性能アップを図る、というのはなかなかいい選択肢と言えるのではなかろうか。

[制作協力:Seagate]