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ビットコインって怪しいの?仮想通貨をマイニングしているユーザーに最近の事情を聞いてみた

数年前とはいろいろ違う?PCマイニングの今、8月1日危機の話も text by 藤本健

金銭のやりとり以外にも利用され始めたマイニングのネットワーク電気代をおさえるなら大口契約?

[藤本]そう、そこでぜひ聞きたかったのが、マイニングが何に使われているのか、ということです。冒頭で、マイニングとは承認作業とおっしゃっていました。その承認作業というのは、仮想通貨送金の承認作業という理解でいいのでしょうか?というのは、イーサリアムのプラットフォームをマイクロソフトが活用してエンタープライズシステムを構築するとか、アクロニスがバックアップシステムに活用する……といったことが続々と発表されていますが、これも関係するのでしょうか?

[マイナー太郎]実際に、イーサリアムのマイニングをしていたとしても、それが具体的に誰のためのどんな作業をしているのかまでは分かりません。ただ、可能性はあると思います。まあ、イーサリアムのブロックチェインシステムといっても、一般のマイナーの人たちが行うオープンなシステムを使うケースと、プライベートチェインといって、企業内部で使う場合があるので、どちらで使っているかによるわけですが、オープンなシステムのほうが、安く利用できる可能性が高いので、送金以外で利用されているというケースも結構あるとは思っています。

マイニングを行う上で必須となる消費電力計。マイニングできる予測額よりも電気代がかかることが無いようにするのはもちろん、ビデオカードのセッティングなども消費電力計を見ながら行う。
ビデオカードの性能チューニングにはMSIのAfterburnerが使用されることが多い
ピーク性能を求めるよりは効率を最大化するためのチューニングを行うことが多く、長時間稼働させるならクロックの波形が乱れない設定にすることが重要とのこと。

[藤本]仮想通貨というと、どうしても投資とか投機とか、やや胡散臭いイメージもありますが、そのマイニングをすることが、投資・投機の世界だけではなく、サービス、ビジネスの世界でも同じシステムが使われているわけなんですね。さて、ここでもう一つ伺いたいのが、マイニングと電気代の関係です。最近コンピュータ自体、低消費電力化であまり電気を使わなくなったようなイメージがあるのですが、マイニングにおいては、どうなんでしょうか?

[マイナー太郎]やはりマイニングでかかる経費というのは、ハード購入費用を別にすると、電気代が大きいというか、電気代がすべてといってもいい状況だと思います。そして電気代が日本は高いため、マイニングに向かないとも言われています。

でも、電力自由化によって、電気が選べるようになった結果、電気代をかなり安く抑えることが可能になりました。たとえば、マンションがまとめての契約をする場合、ビルの大型契約を行うことで、一般的な家庭用電力の半額程度まで下げられます。これなら中国とも戦えるレベルになりますよ。

[藤本]でも、そもそもマイニングをしていて、儲かっているか、損しているのか、よくわからない、なんて声をきくこともあります。

[マイナー太郎]電気代であれば、収支の確認は簡単ですよ。PCにワットチェッカーを付ければいいだけですから。NiceHashを見れば、1日でどのくらい稼ぐのかドル単位で見ることができ、ワットチェッカーで1日でどのくらいの電気代がかかるのかを見ることができますから、それを比較すればどのくらいの黒字か、赤字かをすぐに確認できますよ。