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ビットコインって怪しいの?仮想通貨をマイニングしているユーザーに最近の事情を聞いてみた

数年前とはいろいろ違う?PCマイニングの今、8月1日危機の話も text by 藤本健

眠っているハイエンドビデオカードのパワーを有効活用PCでマイニングを始めたわけ

マイナー太郎氏、PCを使ったGPUマイニングでは注目を集めている人物
テクニカルライターの藤本氏

[藤本]いろいろと伺いたいことがいっぱいあるのですが、まずはマイニングとは何かを簡単に教えてもらえますか?

[マイナー太郎]私のブログ「今から始めるマイニング」でも書いていますが、これは承認作業です。AさんがBさんに送金するといった場合、Aさんの口座に残高があるのか、Bさんの口座はホントに存在しているのか、ここで不正が行われていないのかを承認していくんです。

その作業は単純な計算であって、金の採掘に似た感覚だからマイニングと呼んでいるのですが、パソコン自体はひたすら計算しているだけなので、何をしているかを理解する必要はとくにないんです。

[藤本]マイナー太郎さんがマイニングを始めたキッカケを教えていただけますか?

[マイナー太郎]もともとCGをやっていて、映像関係の仕事をしたことがあったんです。これを実現するには、たくさんのGPUを使う必要があり、100万円近い金額をかけ、結構な数のビデオカードを購入したのですが、仕事自体は3か月で終わってしまいました。そのため、買い集めたGPUは寝ている状態だったため、これをレンタルするなど、何か有効活用して現金を得る手段はないかな……と思っていたんです。

PCで本格的にマイニングを行っているユーザーは、通称「リグ」と呼ばれる複数枚のビデオカードをラックにつるした状態のPCを使用していることが多い。
ライザーカード部分。ライザーカードの選び方などにもノウハウがあるそうだ。

[藤本]100万円かけちゃうのもすごいですが、現金化の手段を考えるというのもすごいですね。

[マイナー太郎]普通に「ビデオカードをいっぱい挿す」といったキーワードで検索すれば、すぐにマイニングというものが出てきますからね。それよりだいぶ以前にマイニングって何だろう……、と興味を持って試したことがあったんです。そのときはシアコインを試してみたのですが、ほとんど稼ぐことはできず、こんなもんだめだ……と思っていました。

ところが昨年、秋葉原で、AMDが「Radeonはゲームに使えるし、ゲームをしないときはマイニングしておけば、3か月で新しいゲームを1本増やすことができる」ってデモをしていたんですよ。それを見て、今でもやれるのか!と思い、すぐにビデオカードをいっぱい追加購入し、昨年の3月か4月からスタートしたんです。

[藤本]よくそんなにポンポンとつぎ込めますね。いくらくらいかけているんですか?

[マイナー太郎]投資という感覚ではなく、単にハードウェアが好きなんですよ。クレジットカードの限度額いっぱいまで買いましたね。枚数的にはピーク時で50枚程度はありましたから、160万円くらいでしょうか。ただ、一人暮らしの家なので、電気容量の関係で50枚全部を使うことができず、現在30台ほどを動かしてて、ほかに10台ほどが眠っています。

[藤本]その金額は回収できたんですか?

[マイナー太郎]いままでマイニングで得た利益は70万円くらいです。その意味では赤字にも見えますが、ビデオカードは単にマイニングに使っているだけでなく、たまにはCGに使ったり、ゲームに使ったり……。普通に中古でも高く売ることができるため、全て現金化した場合は十分黒字だと思いますよ(笑)。