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GeForce RTX 20搭載でも薄型、新型ゲーミングノートPCをMSIが発表
ハイエンドGPUでも薄型軽量の時代に MSI CESレポートその1 text by 長浜和也
2019年1月21日 06:05
MSIは、1月7日(北米太平洋時間)に発表したゲーミングノートPCならびにクリエイター向けノートPCを訴求する説明会を米国ラスベガスで開催した。
ゲーミングノートPCには1月6日にNVIDIAが発表したGeForce RTXのノートPC向けGPUを搭載したほか、新開発のクーラーユニットや従来モデルと比べて薄型を実現したボディなど、MSIが実現したゲーミングノートPCのブレイクスルーを解説している。
なお、日本国内向けモデルに関する情報はMSIの公式ホームページで紹介されており、発売日や価格などに関しては近日中に発表予定とのことだ。
説明会の冒頭では、プロゲームチーム「METHOD」に所属するJdotB氏とDrarrieが登場し、新製品のゲーミングノートPC「GS75 Stealth」を使ってステージでプレイをしてもらい、その使用感を語ってもらった。
実機を手にしたJdotB氏とDrarrie氏はともにその薄さと軽さに好感を示した他、実際にプレイしたJdotB氏は画面描画などの処理速度やキーボードの使用感について「ノートPCとしてはとても使いやすい」と感想を述べていた。
MSIはGS75 Stealthの特徴として「Aesthetic」「Thin & Light」「Performance」「Thin Bezel」「144Hz」のキーワードを挙げた。
例えばGS75 Stealthの重さは2.25キロでボディの厚さは18.95ミリと、同じ17型ディスプレイを搭載するゲーミングノートPC従来機種との比較で60%もの薄型化と軽量化を実現している。また、ディスプレイ周辺のベゼル幅も5.2ミリと狭額縁を実現した。
MSIはゲーミングノートPCラインアップとして「GT」「GS」「GE」「GL」の4シリーズを擁している。今回新製品として登場したゲーミングノートPCは、その全てのシリーズでGPUにNVIDIAのモバイル向け最新世代「N18」でレイトレーシングレンダリングや機械学習に対応したGeForce RTX 20シリーズを実装する。
中でも高性能モデルではCPUに第8世代のCoreシリーズのモバイルハイパフォーマンスモデルを採用しただけでなく、GeForce RTX 20シリーズの最上位モデルになる「GeForce RTX 2080」を採用した。
このようなマルチコア高クロックチップを搭載するノートPCでは、高い冷却性能を発揮するクーラーユニットが必要になるが、大風量を確保できるファンと放熱効率の高い(=体積が大きい)ヒートシンクを備えるためにどうしても厚くなり、それに伴ってボディも厚くなる傾向にあった。
しかし、MSIでは新たにクーラーユニットを開発することで、薄くても高い冷却性能を可能にした。その新しいクーラーユニット「Cooler Boost TRINITY+」では、0.2ミリと薄い羽を採用したクーラーファンを3基用意することで、これまでのゲーミングノートPC用クーラーユニットと比べて冷却風量を45%増やしたほか、7本のヒートパイプを組み込むことで薄いヒートシンクながら高い放熱効率を実現している。
ゲーミングノートPCでは汎用ノートPC以上に「音」の品質も重要になる。MSIでは以前からデンマークのハイエンドスピーカーメーカーのDYNAUDIOと連携してゲーミングノートPCのサウンドクオリティに注力している。新製品でもDYNAUDIOの監修のもと用意したPassive Radiator方式のスピーカーを採用した。
タッチパッドではサイズを従来モデルから35%増と面積を増やした他に、10点同時タッチに対応することでより複雑なタップ操作に対応できることもアピールした。
加えて、MSIではゲーミングノートPCでも「薄型軽量」を訴求するなど、携行性能も重視しているが、それは長いバッテリー駆動時間だけでなく、ほぼ間違いなく一緒に持ち歩くことになるだろうACアダプタのサイズでも従来モデル付属品と比べて薄く小型になったことにも表れている。
クリエイター向けモデルも薄型に、16時間駆動バッテリーに小型ACアダプタを採用
クリエーター向けノートPC新製品のアピールでは、第一線で活躍しているカメラマン、音楽プロデューサー、DJ、デザイナー、ブロガー、インスタグラマーなどクリエイターユーザーの声を紹介するとともにディスカバリーチャンネルチャンネルとのコラボレーションもアピールした。
クリエーター向けノートPCでも、軽量薄型、狭額縁ベゼル、そして、処理能力の高さを訴求している。
今回登場した新製品群の1つ「PS63 Modern」では、デジタルコンテンツの生成処理速度がデュアルコアCPUを搭載した従来モデルから40%増となったこと(MSIの公開資料によると、その他にもビデオエンコード処理で25%、高度な画像処理で25%、4K動画処理で10%の改善が確認できたとしている)。
このほか、ベゼル幅が最小5.6ミリでディスプレイユニットのボディに対して画面の割合が86%に達すること、そして、ボディの厚さが15.9ミリで重さが1.6キロと15.6型ディスプレイ搭載モデルとしては軽量薄型であることなどを訴求している。
携帯性能では16時間のバッテリー駆動時間とともに、ACアダプタのスリム化も訴求。こちらは従来モデル付属品と比べて28%の小型化を実現した。
また、スマートフォンに対する充電能力では、QualcommのQuick Charge 3.0に対応することで、PS63から給電するスマートフォンの充電速度は従来の4倍になるとしている。
[制作協力:MSI]