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絶景でゲーミングPCを撮影したい!タワー型PCを担いで巡る山口の観光名所

PCを使ってアートな写真を制作、FRONTIER製PCの新たな可能性を開拓 text by 久保勇

 「夜景に合わせてゲーミングPCのイルミネーションを撮ってみたい」と、漠然と思っていた筆者。そもそもPCを外に持ち出して光らせることは難しく、ネタ度の高い変化球企画としてこれまで実現することはありませんでした。

 そんな折、BTO PCメーカーのFRONTIER(フロンティア)がこの企画にのってくれるとのことで、屋外にPCを持ち出し、見たことがない写真の撮影に挑戦してみました!

 協力の条件は、FRONTIERのBTO PC工場が山口県にあることもあり「山口県の観光名所と合わせて撮影する」という1点のみ。こんなチャンスは最初で最後の可能性も高いので、当然山口県まで強行スケジュールで行ってきました。できあがった写真はシュールだったりユニークなものが多いのですが、新たな可能性も少し開拓できたんじゃないかと思います。

 なお、今回の記事作成にあたり、管理団体/所有者の方から、一般の方の妨げにならないことを条件に撮影の許可を得ています。岩国市役所観光振興課、柳井市観光協会、元乃隅稲成神社、秋吉台観光交流センター、豊北町観光協会、下関市観光政策課のご担当してくださった方々、ご協力ありがとうございました。

山口県の観光名所でFRONTIERのBTO PCを撮影、ゲーミングPCの可能性を探ってきた

 元々こうした写真を撮ってみたいと思ったのは、PCパーツをアートとして魅せる同人誌の写真集「enth.」に影響を受けてのこと。PCを道具としてだけで無く、鑑賞物として見るという新たなジャンルを切り開いた本です。

 実際に外でPCを撮影してみると、置き場所に制限があったり、PCと名所を同時に見せるには構図にかなりの制約があったりと、先人達の苦労を知ることになりましたが、普段のゲーミングPCが見せる側面とは全く違う一面を切り取ることができたはず。

 それでは山口県の観光名所と合わせて撮影してきた写真をお楽しみください。

山口県FRONTIER工場

 スタートは山口県にあるFRONTIERのBTO PCの工場から。今回撮影に使用しているPCはここで製造してもらい、観光名所に持ち込みました!

 同社のGHシリーズをベースに、撮影時に映えるように一部をイルミネーション対応パーツにカスタマイズ。他のPCと同じく一通りチェックを済ませてから引き渡してもらっています。

 傷一つなく綺麗な状態なので、これから屋外に持ち出すのがなんだがもったいないなと。そんなことを考えながら撮影していました。新品のPCはガラス面がキラキラして美しい!

錦帯橋(錦川河川敷)

 山口県を代表する歴史的建造物というと、やはり「錦帯橋」。山口県の名所でここは外せません。

 曲線で構成された橋と直線で構成されたPCが対となり、美しさと風情が感じられる……はず。

 ちなみに、錦帯橋は観光客の方も多く、「何をしているんですか?」とか、「歴史的なものと現代のものを対比させた近代アートですか?」とか、撮影時にけっこう声をかけられました。傍から見れば怪しげにしか見えないと思いますが……、痛い視線を浴びることはこの時点で慣れました(笑)。

岩国城(横山)

 錦帯橋からほど近い横山の山頂にあるのが「岩国城」。周辺の景色が見渡せる位置にあるので、錦帯橋を見に来た時にはあわせて見学したいポイント。

 城とPCは組み合わせとしては悪くないモチーフのようで、いい感じに絵になります。城とPCで連載ができるかも!

 ちなみに、岩国城周辺は、城を引き撮影できるようなスペースがあまりありません。この位置以外、城とPCが一緒に収まる構図がとれる場所がなかなか見つからず……。広角レンズがなければ撮影できず詰むところだったので、下見無しの一発勝負の怖さを存分に味わいました。

白壁の町並み(古市・金屋伝統的建造物群保存地区)

 昔ながらの家並みが残る柳井市の古市・金屋伝統的建造物群保存地区「白壁の町並み」。

 建物は江戸時代の商家のものとのことで、入母屋造の屋根と漆喰の白い壁が特徴的。街並みを楽しむなら昼の方がお薦めですが、夜は夜で独特な雰囲気となります。

 で、やはり光るPCは夜に映えます。夜景と合わせて撮影する野望をついに達成して大満足(笑)。PCのイルミネーションが正しく活用(?)されるので、いろんな場所に持ち込んで撮影してみたくなります。ちなみに、この時は業務用の携帯電源(PCの倍くらい重い)を持ち込んで電力を確保しました。

元乃隅神社

 「元乃隅神社」は岸壁に面した個人所有の神社で、123基の鳥居と美しい海の対比が絶景として有名なスポット。

 近くには海水が高く吹き上がる「龍宮の潮吹」もあり、景色は最高。CNNの「日本の美しい風景31選」にも選ばれたこともあります。

 神仏とPCを合わせると不思議な雰囲気の写真になるのではと、よこしまな思いもありつつ挑みましたが、撮影時には一瞬日が射し、光に包まれたようなありがたい一枚に。

 ちなみに、錦帯橋と同じくらいに観光客の方が多く、2時間ほどの滞在時間中、人が少なくなったのは一瞬だけでした。

秋芳洞(百枚皿)

 日本屈指の大鍾乳洞「秋芳洞」。山口県美祢市にあるカルスト台地「秋吉台」の地下にあり、総延長は10kmを超えます。

 内部は「青天井」、「百枚皿」、「傘づくし」、「黄金柱」、「巌窟王」と名がつけられた見どころも多い鍾乳洞。今回は「最大の見どころともいえる「百枚皿」の前で撮影に挑みました。

 おそらく鍾乳洞で光るゲーミングPCの写真はこれが世界初のはず。非常に貴重な一枚です!この感じだと地底湖などに持ち込んでも面白い写真が撮れそうな予感がします。

 ちなみに、通路にPCを置くと鍾乳洞が全く見えず、鍾乳洞を中心にするとPCが入らず、写真が撮れない……と現場で詰んでしまったのですが、組体操のように同行スタッフにPCの台になってもらうことでなんとかしてきました。撮影時間が閉洞間際だったこともあり、案内の方についてもらったのですが、撮影の様子がなかなかすさまじかったので、「この人たち一体何しているんだろう……」と困惑したのではないかなと……。可能性を模索しているんです(泣)。

秋吉台(秋吉台カルスト展望台)

 山口県美祢市に広がる日本最大級のカルスト台地「秋吉台」。国定公園にも指定されており、多数の石灰岩と草花が独特な景色を形成しています。

 広がる景色はRPGのフィールドといった印象で、ある意味日本っぽさがあまりありません。ヨーロッパといわれたらそうかもといった感じで面白いところです。

 取材時は晩秋といった雰囲気が強かったので、PCをぽつんと置いた感じの写真にしてみました。撮影に関しては自由度が高く、モチーフにできるものも多い場所なので、撮る人によってかなり異なる写真ができあがりそうです。

秋吉台(星空)

 「秋吉台」は昼に景色を楽しむのも良いのですが、星を観察するのに適した場所としても知られています。せっかくなので夜まで待って撮影してきました。

 星空を見上げた際にほかに光るものが視界に入ってこないので、晴れた日などはかなりの数の星が見えます。もう少し星の撮影を練習してから挑めばよかったという面はありましたが、PCと合わせてうまく撮るとCG映像のような写真が撮れたりもするので、なかなか面白かったりしました。

 ちなみに、周りに何かを遮るようなものが無いので、夜はかなり冷え込み、風などが吹くと極寒。周りに街灯などの明かりがないため、足元などが全く見えない点にも注意が必要です。

角島大橋(島戸海水浴場)

 CMなどにも使われることが多く、絶景として知られる「角島大橋」。離島まで長く伸びた橋と透明度の高い海が素晴らしい景観を作り出しています。人気があるのも納得。

 橋を真正面から見た構図が有名ですが、今回はさすがにPCを道路の真ん中に置くわけにもいかないので、近くの島戸海水浴場から撮影。写真はPCを漂流物に見立てて撮影してみました。

 この日は常時薄曇りと天候が良くなかったので、いつか好天のタイミングで海とPCを撮ってみたいものです。

壇ノ浦古戦場跡(みもすそ川公園)

 撮影で最後に訪れたのが「壇ノ浦」。治承・寿永の乱(源平合戦)でおなじみの場所で、関門橋も見える観光スポットになっています。

 近くの「みもすそ川公園」には長州砲のレプリカや、源義経・平知盛像があったりと、立ち寄って楽しめるようになっています。今回はこの長州砲と関門橋をPCに合わせてみました。

 この辺りが山口県の最西部にあたり、見えている対岸は九州。キリが良い場所でもあるので、今回の撮影はここまでとなります。

撮影に使ったPCでRAW現像・写真編集もやってみたゲーミングPCで写真の加工はかなり快適

今回の遠征に使用したFRONTIERの「FRGHZ390SG/LEN」。

 今回の撮影モデルとして使用したBTO PCは、FRONTIERの「FRGHZ390SG/LEN」。

 8コアCPUのCore i7-9700Kを搭載し、メモリは合計32GB(16GB×2)、ビデオカードはGeForce GTX 1070で、SSDはNVMe接続の256GBと、ゲームはもちろん写真の加工なども快適に行えるスペック。HDDがありませんが、撮影時に持ち運ぶことを考慮して構成から外しました。

 ビデオカードやSSDなど、一部旧モデルを使用しているため、全く同じ構成のモデルは購入できませんが、ほぼ同等の性能のモデルであれば、14万円前後でFRONTIERの通販サイトから購入可能です。

ケース側面。
ケース内部、極力ケーブルが表に出ないように配線され、エアフローが確保されている。
背面のインターフェイス。
ケース内部の裏側、ケーブルは綺麗にまとめられている。
FRGHZ390SG/LEN
CPUCore i7-9700K
メモリG.Skill Trident Z Neo 16GB×2(F4-3600C18D-32GTZN)
マザーボードASUS ROG STRIX Z390-F GAMING
ビデオカードASUS STRIX-GTX1070-O8G-GAMING
SSDSamsung SSD 950 PRO 256GB
電源850W(80PLUS Gold)
OSWindows 10 Pro

撮影してきた画像を撮影したPCでRAW現像、写真編集もかなり快適なスペック

Adobe Camera Rawを使って現像。十分なスペックをもったPCなので常にサクサクとした操作感。
現像後はAdobe Photoshopで編集・加工。一部フィルターなどに処理が重いものもありますが、基本的にはかなり快適に操作が可能です。

 このPCを使用してRAW現像と写真編集を行いましたが、操作は快適そのもの。RAW現像はAdobe Camera Raw、写真の加工にはAdobe Photoshopを使用しています。

 CPUの性能は必要十分以上、メモリも32GBとゆとりがあり、GeForce GTX 1070はGPU支援も効くので、重いと感じるようなシーンは特定のフィルタ処理などをしている時くらいで、写真用途であればかなり快適な1台と言えます。

 外に持ち出し撮影モデルとなったPCを使い、RAW現像から写真編集まで行うのはなんとも感慨深いものです。

自由な楽しみ方もできるゲーミングPC、新天地を開拓

 今回かなり変わったレビューをお届けしましたが、楽しんでもらえていれば幸いです。意外と外でPCを撮影するのは面白かったりします。周りの人の邪魔にならないように行う必要があり、場所によっては事前に許可を得る必要もありますが、普通に景色を撮るのとはまた違った面白さがあります(アートな写真を撮る勉強をもっと積んでおくべきったとも痛感もしましたが)。

 PCが好きな人は写真を楽しんでいる人も多いので、同じロケーションでもほかの人が撮影したらどんな写真になるのか、想像を超えるようなまったく見たことが無いような写真ができあがるのではないかと、想像したりもしました。

 今後もPCをユニークに使う企画ができれば記事化するので、期待してもらえればと思います。

[制作協力:FRONTIER]