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これが最強のPS4 Proだ! 8TB SSDで内蔵/外付け両方ともドライブを最終強化

Samsung SSD 870 QVOの8TBでPS4のストレージを最終形態に text by 坂本はじめ

PS4 Proを8TB SSDで最強にしてみた。
SSDはSamsung SSD 870 QVOの8TBモデルを今回は用意。

 今回は、最大8TBの大容量を実現するSamsungの2.5インチSSD「870 QVO」を使い、PS4 Proの内蔵HDDを換装。2.5インチHDDの限界を大きく超える大容量SSDで、最強のPS4 Proへとアップグレードを試みた。

 後継機のPS5が発表されていることもあり、今回の強化が実質PS4の最終アップグレードのタイミングとも言える状況であり、外付けストレージも8TB SSDへの最終強化を実行。内蔵・外付けともに妥協の無い強化を行っている。

 8TB SSDはまだ高価なので手軽に導入できるものでは無いが、PS4環境を末永く残したいユーザーや、PS4をこよなく愛するユーザーは是非チェックしてもらいたい。

最大容量8TBを実現した2.5インチSSD「Samsung SSD 870 QVO」

 今回使用するSamsung SSD 870 QVOは、インターフェイスに6Gbps SATAを採用した7mm厚の2.5インチ型SSD。Samsung独自の「MKXコントローラ」と、3D NANDフラッシュメモリ「Samsung 4bit MLC(QLC) V-NAND」を採用しており、容量ラインナップは1TB、2TB、4TB、8TBの4種類。

 6GBから最大で78GB(1TBモデルは42GB)のSLCキャッシュを活用する「Intelligent TurboWrite」技術の採用などにより、リード最大560MB/s、ライト最大530MB/sという、6Gbps SATA対応SSDの中でも最高水準のパフォーマンスを備えるとともに、耐久性指標のTBWも最大2,880TB(8TBモデル)を実現している。

870 QVOの最大容量となる8TBモデル「MZ-77Q8T0B/IT」
CrystalDiskMarkの実行結果。スペック通りのパフォーマンスを発揮している。

 PS4 Proの内蔵HDDと換装するのは、当然ながら最大容量の8TBモデル「MZ-77Q8T0B/IT」だ。

 ちなみに、PS4 Proに内蔵可能なストレージは、記憶容量が160GB以上で、9.5mm厚の2.5インチHDDまたはSSD。この条件に合致するHDDの最大容量は2TBであり、870 QVOの最大容量モデルへの換装が成功すれば、HDDの約4倍もの記憶容量をPS4 Proにもたらすことができる。

PS4 Proの本体ストレージを8TB SSDに換装、外部ストレージも8TB SSDに

1TBのHDDを搭載するPS4 Pro(CUH-7000BB01)。

 今回用意したPS4 Proは、1TBのHDDを内蔵する「CUH-7000BB01」。システムソフトウェアのバージョンは7.51を適用している。

 PS4 ProのHDDを換装する場合、交換後のストレージにシステムソフトウェアをインストールする必要がある。これを行うためには、ソニーの公式サイトで配布されている「アップデートファイル(再インストール用)」と、それを入れておくUSBメモリが必要になる。また、必要に応じてPS4側でもセーブデータなどのバックアップを作成しておこう。

公式サイトで配布されている「アップデートファイル(再インストール用)」
アップデートファイルをインストールするには、空き容量1.1GB以上のUSBメモリが必要。

 PS4 Proの内蔵HDDには、本体背面のストレージスロットからアクセスできる。PS4 Proの電源を切ってから、カバーと固定ねじを外してディスクトレイを引き抜けば、標準搭載のHDDとSSDの換装が行える。

 SSDへの換装後、PS4を起動するとセーフモードが立ち上がるので、PS4の再インストール用アップデートファイルが入ったUSBメモリを接続してインストールを実行すれば作業は完了だ。

PS4 Proのストレージスロットは本体背面に設けられている。
固定ねじを外してディスクトレイを引き出すことで内蔵HDDを取り出せる。
ディスクトレイにSSDを取り付け、本体に戻せば換装作業は完了。
セーフモードが立ち上がるので、画面の指示に従ってシステムソフトウェアのインストールを実行する。

8TB SSDは内蔵ストレージとして正常動作、約113GBの大作「RDR2」でも60本以上インストール可能

 換装作業の結果、870 QVOの8TBモデルをPS4 Proに組み込み、システムソフトウェアのインストールまでを無事に完了することができた。ひとまず安心と言ったところだが、重要なのは8TBという記憶容量をPS4の内蔵ストレージとして利用できるのかという点だ。

 PS4 Proのメインメニューから「設定」→「ストレージ」とアクセスし、本体ストレージの容量を確認した結果が以下のスクリーンショットだ。本体ストレージの記憶容量として7.21TBが認識されていることが確認できる。

標準搭載のHDDを870 QVOの8TBモデルに換装した結果、本体ストレージの容量は7.21TBと認識された。

 この8TB SSDに換装したPS4 Proに17本のゲームをインストールしてみたが、それによって埋まった記憶容量は全体の1割少々となる786GBだった。7.21TBという記憶容量には、もっともインストール容量の大きかったRed Dead Redemption 2 (112.7GB)でも60本以上もインストールできる計算になる。

 超大作であってもかなりのゲームをインストールできるので、大多数のPS4ユーザーは容量不足に陥ることの方が難しいだろう。残りの空き容量を気にせず使用できるかなり贅沢なものだ。

手元に用意できたPS4タイトル17本をインストールしてみた。
ゲームのインストールに利用されたのは約786GBで、空き容量は6.42TBも残っている。
8TB SSDを使用すれば、112.7GBもの容量を消費するRed Dead Redemption 2でも使用容量は全体の約1.6%に過ぎない。
標準搭載の1TB HDDに17タイトルをインストールした場合。総容量の9割以上を消費してしまっており、超大作ゲームの場合は追加で1本インストールできるかどうかといった空き容量だ。

8TB SSDは「拡張ストレージ」としても利用可能、外付けで使用可能な最大容量に到達

外付けケースを介して接続すれば、拡張ストレージとして利用できる。今回はAOTECH製の外付けケースを利用した。

 2.5インチHDDである870 QVOは、USB 3.0以上に対応した外付けケースに収めることで、PS4の「拡張ストレージ」としても利用できる。

 PS4でゲームのインストール先として利用できる拡張ストレージの要件は、記憶容量250GB~8TBまでのストレージデバイスで、なおかつUSB 3.0でPS4に直接接続されていることであり、今回用意した870 QVOは拡張ストレージの要件を満たす最大容量のSSDなのである。

 実際に外付けケースに収めた8TB SSDを拡張ストレージとしてフォーマットした結果、利用可能な記憶容量は7.35TBと認識された。本体ストレージと拡張ストレージの両方に8TB SSDを用いれば、本体ストレージ7.21TB + 外部ストレージ7.35TBで、最大14TB以上もの容量をゲームのインストールに利用できる。

拡張ストレージとしてフォーマットした8TB SSD。利用可能な記憶容量は7.35TB。
本体ストレージ側の7.21TBと合わせれば合計14TB以上のゲームインストール容量を確保できる。
今回使用した870 QVOの8TBモデルは8.01TBとして認識されており、最大容量は厳密に8TBまでというわけではなく、8TBクラスのSSDであれば使用可能なようだ。
要件を満たさないディスクの場合、このように拡張ストレージとしては使用できない旨が表示される。

QLC NANDのSATA SSDでもゲームはしっかり速くなる?8TB SSDでロード時間短縮効果をチェック

 PS4 Proに使い切れないほどの大容量をもたらす8TB SSDは、ゲームのロード時間をどの程度削減できるのか、標準搭載のHDDとの比較を通してチェックしてみよう。

 Samsung SSD 870 QVOは容量あたりの価格が安価なQLC NANDを採用しているが、一般的なTLC NAND搭載品などと同じくゲームで使用してSSDらしい性能が発揮されるか確認してみた。

 ロード時間の比較に用いたのは、「モンスターハンターワールド:アイスボーン」と「FINAL FANTASY XV」の2タイトルだ。テスト実行時のHDDとSSDには17タイトルのゲームをインストールしており、空き容量を780GB以上消費した状態となっている。

モンスターハンターワールド:アイスボーン

テストに使用した「モンスターハンターワールド:アイスボーン」。
新拠点である「セリエナ」から「渡りの凍て地」へ探索に出発する際のロード時間を計測。

 モンスターハンターワールド:アイスボーンでは、新拠点である「セリエナ」から「渡りの凍て地」へ探索に出発する際に発生するロード時間を測定した。

 測定の結果、HDDでは75.5秒かかっていたロード時間が、8TB SSDでは半分以下の28.0秒にまで短縮された。SSDのロード速度はHDDの約2.7倍に達しており、8TB SSDは大容量なだけでなく、ロード時間短縮効果も抜群であることが証明された。

FINAL FANTASY XV

テストに使用した「FINAL FANTASY XV」。
セーブデータを選択してからゲームが再開されるまでのロード時間を計測。

 FINAL FANTASY XVでは、セーブデータを選択してからゲームが再開されるまでのロード時間を測定した。

 こちらでもSSDが圧倒的な速度差を示しており、HDDの82.1秒に対し、SSDは29.7秒でロードを完了。ロード速度は約2.8倍であり、大差をつけたモンスターハンターワールド:アイスボーン以上の差を標準HDDにつけている。

PS4の容量と性能を極限まで高めるアップグレードパーツSamsung SSD 870 QVOの8TBモデルで最強のPS4環境が構築が可能

 Samsung SSD 870 QVOの8TBモデルは、PS4 Proの記憶容量とロード速度を極限まで高めることができる。“PS4を最強にする”といった観点では満足感のある製品だ。

 なお、 870 QVO 8TBの価格は税込で約9.9万円。SSD単体でPS4 Proの価格を上回ることもあり、気軽に手が出せるとは言いにくいものだが、重要なのは「やろうと思えばここまで出来る」という点だ。

 最強のPS4 Proを目指して8TB SSDでアップグレードするもよし、より現実的に4TBや2TBのSSDでアップグレードするもよしである。「PS4の到達点」は示したので、導入は各々の価値観に照らして判断して欲しい。

[制作協力:Samsung]