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これが最強のPS4 Proだ! 8TB SSDで内蔵/外付け両方ともドライブを最終強化
Samsung SSD 870 QVOの8TBでPS4のストレージを最終形態に text by 坂本はじめ
2020年9月4日 00:01
今回は、最大8TBの大容量を実現するSamsungの2.5インチSSD「870 QVO」を使い、PS4 Proの内蔵HDDを換装。2.5インチHDDの限界を大きく超える大容量SSDで、最強のPS4 Proへとアップグレードを試みた。
後継機のPS5が発表されていることもあり、今回の強化が実質PS4の最終アップグレードのタイミングとも言える状況であり、外付けストレージも8TB SSDへの最終強化を実行。内蔵・外付けともに妥協の無い強化を行っている。
8TB SSDはまだ高価なので手軽に導入できるものでは無いが、PS4環境を末永く残したいユーザーや、PS4をこよなく愛するユーザーは是非チェックしてもらいたい。
最大容量8TBを実現した2.5インチSSD「Samsung SSD 870 QVO」
今回使用するSamsung SSD 870 QVOは、インターフェイスに6Gbps SATAを採用した7mm厚の2.5インチ型SSD。Samsung独自の「MKXコントローラ」と、3D NANDフラッシュメモリ「Samsung 4bit MLC(QLC) V-NAND」を採用しており、容量ラインナップは1TB、2TB、4TB、8TBの4種類。
6GBから最大で78GB(1TBモデルは42GB)のSLCキャッシュを活用する「Intelligent TurboWrite」技術の採用などにより、リード最大560MB/s、ライト最大530MB/sという、6Gbps SATA対応SSDの中でも最高水準のパフォーマンスを備えるとともに、耐久性指標のTBWも最大2,880TB(8TBモデル)を実現している。
PS4 Proの内蔵HDDと換装するのは、当然ながら最大容量の8TBモデル「MZ-77Q8T0B/IT」だ。
ちなみに、PS4 Proに内蔵可能なストレージは、記憶容量が160GB以上で、9.5mm厚の2.5インチHDDまたはSSD。この条件に合致するHDDの最大容量は2TBであり、870 QVOの最大容量モデルへの換装が成功すれば、HDDの約4倍もの記憶容量をPS4 Proにもたらすことができる。
PS4 Proの本体ストレージを8TB SSDに換装、外部ストレージも8TB SSDに
今回用意したPS4 Proは、1TBのHDDを内蔵する「CUH-7000BB01」。システムソフトウェアのバージョンは7.51を適用している。
PS4 ProのHDDを換装する場合、交換後のストレージにシステムソフトウェアをインストールする必要がある。これを行うためには、ソニーの公式サイトで配布されている「アップデートファイル(再インストール用)」と、それを入れておくUSBメモリが必要になる。また、必要に応じてPS4側でもセーブデータなどのバックアップを作成しておこう。
PS4 Proの内蔵HDDには、本体背面のストレージスロットからアクセスできる。PS4 Proの電源を切ってから、カバーと固定ねじを外してディスクトレイを引き抜けば、標準搭載のHDDとSSDの換装が行える。
SSDへの換装後、PS4を起動するとセーフモードが立ち上がるので、PS4の再インストール用アップデートファイルが入ったUSBメモリを接続してインストールを実行すれば作業は完了だ。
8TB SSDは内蔵ストレージとして正常動作、約113GBの大作「RDR2」でも60本以上インストール可能
換装作業の結果、870 QVOの8TBモデルをPS4 Proに組み込み、システムソフトウェアのインストールまでを無事に完了することができた。ひとまず安心と言ったところだが、重要なのは8TBという記憶容量をPS4の内蔵ストレージとして利用できるのかという点だ。
PS4 Proのメインメニューから「設定」→「ストレージ」とアクセスし、本体ストレージの容量を確認した結果が以下のスクリーンショットだ。本体ストレージの記憶容量として7.21TBが認識されていることが確認できる。
この8TB SSDに換装したPS4 Proに17本のゲームをインストールしてみたが、それによって埋まった記憶容量は全体の1割少々となる786GBだった。7.21TBという記憶容量には、もっともインストール容量の大きかったRed Dead Redemption 2 (112.7GB)でも60本以上もインストールできる計算になる。
超大作であってもかなりのゲームをインストールできるので、大多数のPS4ユーザーは容量不足に陥ることの方が難しいだろう。残りの空き容量を気にせず使用できるかなり贅沢なものだ。
8TB SSDは「拡張ストレージ」としても利用可能、外付けで使用可能な最大容量に到達
2.5インチHDDである870 QVOは、USB 3.0以上に対応した外付けケースに収めることで、PS4の「拡張ストレージ」としても利用できる。
PS4でゲームのインストール先として利用できる拡張ストレージの要件は、記憶容量250GB~8TBまでのストレージデバイスで、なおかつUSB 3.0でPS4に直接接続されていることであり、今回用意した870 QVOは拡張ストレージの要件を満たす最大容量のSSDなのである。
実際に外付けケースに収めた8TB SSDを拡張ストレージとしてフォーマットした結果、利用可能な記憶容量は7.35TBと認識された。本体ストレージと拡張ストレージの両方に8TB SSDを用いれば、本体ストレージ7.21TB + 外部ストレージ7.35TBで、最大14TB以上もの容量をゲームのインストールに利用できる。
QLC NANDのSATA SSDでもゲームはしっかり速くなる?8TB SSDでロード時間短縮効果をチェック
PS4 Proに使い切れないほどの大容量をもたらす8TB SSDは、ゲームのロード時間をどの程度削減できるのか、標準搭載のHDDとの比較を通してチェックしてみよう。
Samsung SSD 870 QVOは容量あたりの価格が安価なQLC NANDを採用しているが、一般的なTLC NAND搭載品などと同じくゲームで使用してSSDらしい性能が発揮されるか確認してみた。
ロード時間の比較に用いたのは、「モンスターハンターワールド:アイスボーン」と「FINAL FANTASY XV」の2タイトルだ。テスト実行時のHDDとSSDには17タイトルのゲームをインストールしており、空き容量を780GB以上消費した状態となっている。
モンスターハンターワールド:アイスボーン
モンスターハンターワールド:アイスボーンでは、新拠点である「セリエナ」から「渡りの凍て地」へ探索に出発する際に発生するロード時間を測定した。
測定の結果、HDDでは75.5秒かかっていたロード時間が、8TB SSDでは半分以下の28.0秒にまで短縮された。SSDのロード速度はHDDの約2.7倍に達しており、8TB SSDは大容量なだけでなく、ロード時間短縮効果も抜群であることが証明された。
PS4の容量と性能を極限まで高めるアップグレードパーツSamsung SSD 870 QVOの8TBモデルで最強のPS4環境が構築が可能
Samsung SSD 870 QVOの8TBモデルは、PS4 Proの記憶容量とロード速度を極限まで高めることができる。“PS4を最強にする”といった観点では満足感のある製品だ。
なお、 870 QVO 8TBの価格は税込で約9.9万円。SSD単体でPS4 Proの価格を上回ることもあり、気軽に手が出せるとは言いにくいものだが、重要なのは「やろうと思えばここまで出来る」という点だ。
最強のPS4 Proを目指して8TB SSDでアップグレードするもよし、より現実的に4TBや2TBのSSDでアップグレードするもよしである。「PS4の到達点」は示したので、導入は各々の価値観に照らして判断して欲しい。
[制作協力:Samsung]