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4K/最高画質/60fpsでゲームが遊べる時代に、MSIのGeForce RTX 3090 GAMING X TRIO 24Gは静音かつ高速

静音高性能クーラー搭載で350W級GPUの冷却も余裕 text by 坂本はじめ

 「MSI GeForce RTX 3090 GAMING X TRIO 24G」は、NVIDIAの新世代GPU「GeForce RTX 30シリーズ」の頂点に君臨するGeForce RTX 3090を搭載したビデオカードだ。

 今回は、GeForce RTX 30シリーズ最強のGPUをMSIの独自設計で味付けしたGeForce RTX 3090 GAMING X TRIO 24Gの出来栄えをチェックしつつ、4K/最高画質でのゲームプレイが新世代GPUでどれくらい現実的になったのか、快適にプレイできるものになったのかといったポイントを、「Microsoft Flight Simulator」や「Horizon Zero Dawn」など4タイトルのゲームで試してみた。

新世代の“最強GPU”を搭載するオリジナルデザインのMSI製ビデオカード

 MSI GeForce RTX 3090 GAMING X TRIO 24Gは、Ampere世代の最上位GPUであるGeForce RTX 3090を搭載するビデオカードだ。

 MSI独自設計のカスタム基板とGPUクーラーを採用し、その実力をもってNVIDIAリファレンスの数値からスペックアップが図られており、GPUのブーストクロックを1,695MHzから1,785MHzへ、GPUコアへの最大電力を350Wから370Wに引き上げている。

MSI GeForce RTX 3090 GAMING X TRIO 24G。
カード背面にはバックプレートを搭載。
GPU-Z実行画面。ブーストクロックは1,785MHzで、メモリには19.5Gbps動作のGDDR6Xメモリを24GB搭載している。
Power Limitは最大「370W」が設定されている。

 ブラケット部の画面出力端子には、4K120Hz出力が可能なHDMI 2.1Portを1系統のほか、DisplayPort 1.4aを3系統搭載。補助電源コネクタには従来通りのPCI-E 8ピンを3系統備えている。

 カードサイズは323×140×56mmで、占有スロット数は3。

画面出力端子はDisplayPort 1.4a(3基)とHDMI 2.1(1基)。
カードの厚みは56mmで、3スロットを占有する。
基板上部にはSLI用のNVLinkコネクタを搭載している。
電源コネクタは8ピン×3系統。PCI Expressスロットからの給電(75W)と合わせれば、最大で525Wもの電力を供給できる余裕のある構成だ。

3スロット占有の大型クーラーでしっかり冷却、ヒートパイプも改良型に

 GeForce RTX 3090の性能を引出すため、クーラーは3基のファンを備えるオリジナルデザインの「TRI FROZR 2」を搭載している。

 2つのブレードを外周部でリンクさせた独自の形状の「TORX FAN 4.0」はボールベアリングを使用しており、セミファンレス動作にも対応する。ヒートシンクに使用されているヒートパイプも冷却性能を高めるため四角く加工された「コアパイプ」を採用している。

3基のファンを備えるGPUクーラー「TRI FROZR 2」を搭載。ヒートパイプとGPUの接触を最大化するという「コアパイプ」を用いるヒートシンクを採用している。
2つのブレードを外周部でリンクさせた独自の形状が特徴的な「TORX FAN 4.0」を採用。ボールベアリングを使用しており、セミファンレス動作にも対応する。
一般的にヒートパイプは円形のものがほとんど。
MSIの「コアパイプ」はGPUに接する部分の形状を四角く加工し、冷却性能を高めている。

 大型クーラーを搭載するカードを保護するため、カード本体には基板の反りを防止する補強が施されているほか、カードを支えるためのサポートステイも付属している。

カード本体にも反りを防止するための補強が施されている。
製品パッケージには、ビデオカードの重量を支えるためのサポートステイが付属している。

デザインアクセントにLEDイルミネーションを搭載、発光パターン変更やON/OFFの切り替えが可能

 GeForce RTX 3090 GAMING X TRIO 24GのGPUクーラーとバックパネルには、イルミネーション用のRGB LEDが埋め込まれている。デザインのアクセント的に搭載されており、LEDを搭載しつつも派手になりすぎないものとなっている。

 これらはMSIのMystic Lightに対応しており、MSIの統合ユーティリティ「Dragon Center」を用いることでイルミネーションを制御できる。Dragon Centerからはビデオカードのステータスなども確認可能だ。

GPUクーラーの中央部のLED、デザインのアクセントに搭載されている印象だ。
カード上部のRGB LED。こちらがの方が発行部分は大きい。
MSIのRGBイルミネーション機能「Mystic Light」に対応しており、MSIのユーティリティソフト「Dragon Center」でLEDを制御できる。
「Dragon Center」にはLED制御以外にも、マザーボードやビデオカードのステータスを確認できるモニタリング機能などが用意されている。

オリジナルクーラー「TRI FROZR 2」は370Wの発熱を余裕で冷却!?消費電力と冷却性能をベンチマークテストでチェック

 GeForce RTX 30シリーズ最強のGPUであるGeForce RTX 3090は、その圧倒的な性能と引き換えに消費電力と発熱が大きいことでも知られている。MSIがこのモンスターGPUをどこまで手懐けているのか、ベンチマーク中のGPU温度と消費電力のモニタリングデータでチェックしてみよう。

 利用したベンチマークテストは「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」で、画面解像度を4K(3,840×2,160ドット)、描画品質を「高品質」に設定してテストを実行。そのさい、モニタリングソフトの「HWiNFO v6.30」とワットチェッカー「ラトックシステム RS-BTWATTCH2」を用いて、システムの消費電力やGPU温度といったデータを取得した。

 GeForce RTX 3090 GAMING X TRIO 24Gのテストに用いたのは、Ryzen 9 3950Xを搭載したAMD B550環境。テスト時の室温は約27℃で、その他の機材などについては以下の通り。

テストに利用した「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」。4K解像度かつ高品質設定でのスコアは「8,747(快適)」だった。

 以下のグラフがモニタリングデータになるが、GPU温度はピーク時に最大74℃、GPUクロックは平均で1,900MHz弱で推移していた。GeForce RTX 3090 GAMING X TRIO 24Gではブースト動作の温度リミットが83℃に設定されているので、10℃近い余裕があることになる。

 ファンスピードは約1,400rpmまで上昇しているが、この時のファン制御値は47%であり、GPUクーラーには相当な余力が残されていることがうかがえる。また、ファンスピードが低いため動作ノイズも控えめだった。TRI FROZR 2が、冷却性能と静粛性を高いレベルで備えたGPUクーラーであることが示された結果と言えよう。

 消費電力の測定結果では、テスト中のGeForce RTX 3090 GAMING X TRIO 24G(GPU Power)が常に、パワーリミット値である370W近い電力を消費し続けていることが確認できる。つまり、先に紹介したGPU温度などのデータは、ビデオカードがフルパワーで処理を実行しているさいのデータという訳だ。

 ワットチェッカーで測定したシステム全体の消費電力は550W前後で推移しており、ピーク時に617Wに達している。この数値は電源ユニットの変換ロスも含んだ数値であるため、電源ユニットの出力値は1割ほど低い数値となる。CPUであるRyzen 9 3950Xの消費電力(CPU PPT)が100W弱というフルパワー動作でないことを加味しても、MSIが推奨電源ユニット容量としている750Wがあれば、十分なマージンを確保することができるだろう。

GeForce RTX 3090なら、4K解像度でゲームを思いっきり楽しめる?実際のゲームでパフォーマンスをチェック

 MSI GeForce RTX 3090 GAMING X TRIO 24Gが、GeForce RTX 3090をしっかり冷やして使えるビデオカードであることが確認できたところで、実際のゲームを4K解像度でどの程度快適にプレイできるのかチェックしていこう。

 今回テストするゲームは、「フォートナイト」、「モンスターハンターワールド : アイスボーン」、「Horizon Zero Dawn」、「Microsoft Flight Simulator」の4タイトル。4Kでのゲームプレイを前提にビデオカードを選びたいユーザーは参考にしてもらいたい。

フォートナイト

 最初にチェックするのは、バトルロイヤルTPSのフォートナイトだ。グラフィックスAPI「DirectX 12」で最高画質設定を適用した際のフレームレートのほか、GeForce RTX 30シリーズの登場に合わせて新たに実装されたリアルタイムレイトレーシングとDLSSを利用した際のパフォーマンスについてもチェックしてみよう。

 まず、クオリティプリセットを「最高」に設定した際のフレームレートを以下のグラフにまとめた。

 4K解像度でのフレームレートは91.9fpsで、快適にプレイできるラインの60fpsを大きく超えるフレームレートを記録している。一方、フルHD解像度では195.8fpsを記録しており、画質を妥協することなく144Hzクラスのゲーミングモニターの表示能力を存分に引き出すことが可能だ。

4Kでプレイした際の様子。最高画質で遊んだ場合は90fps前後がパフォーマンスの目安で、4Kで快適に遊べる。
こちらはフルHD環境。フルHDであれば200fps前後でており、「勝ちに行く」設定にしなくても高フレームレートが狙える。

 以下は9月17日から新たにサポートされた、リアルタイムレイトレーシング設定のすべてを最高に設定した場合と、それに加えてDLSSを「パフォーマンス」に設定した場合のフレームレートをまとめたものが以下のグラフだ。

 レイトレーシングを最高品質で有効化したさいのフレームレートは、4K解像度で15.1fps、フルHD解像度で50.3fps。どちらも60fpsを下回り、4K解像度では最低限である30fpsも下回っている。

 これでフォートナイトをプレイするのは厳しいが、DLSSをパフォーマンス設定で有効化するとフレームレートは大きく改善し、4K解像度で47.0fps、フルHD解像度では99.8fpsという、プレイアブルなフレームレートが実現できた。バトルロイヤル以外のモードをプレイするときには、リアルタイムレイトレーシングによる描画を楽しんでみるのも良いだろう。

4K + レイトレーシングオンの状態のフレームレート。レイトレーシングによる反射の処理が非常に重いため、快適に遊ぶのは難しい。
DLSSを有効にすると4K + レイトレーシングオンの状態でも遊べるフレームレートが出る。

モンスターハンターワールド : アイスボーン

 モンスターハンターワールド : アイスボーンでは、描画設定「最高」をベースに「High Resolution Texture Pack」を適用した最高画質設定でフレームレートの測定を行った。グラフィックスAPIにはDirectX 12を利用し、DLSSは使用していない。

 各画面解像度でのフレームレートは、4K解像度で平均69.8fps、フルHD解像度で平均134.8fpsを記録。High Resolution Texture Packを適用しつつ4K解像度という超高負荷設定であっても、DLSSを使用するまでもなく60fpsを上回ってみせるあたり、さすがは現行最強のGPUと言ったところだ。

MSI GeForce RTX 3090 GAMING X TRIO 24Gであれば、モンスターハンターワールド : アイスボーンも最高画質/4K/60pで遊べる環境が構築できる。
フルHDに解像度を下げた場合は最高画質/120fpsオーバーの高リフレッシュレート環境で遊べる。

Horizon Zero Dawn

 Horizon Zero Dawnでは、グラフィックスプリセットを「最高画質」に設定してベンチマークを実行した。

 ベンチマーク結果のフレームレートは、4K解像度で平均80fps、フルHD解像度で平均141fpsを記録した。Horizon Zero Dawnはグラフィック重視のゲームだが、MSI GeForce RTX 3090 GAMING X TRIO 24Gは4K解像度でも軽々と60fpsを上回っており、ハイクオリティかつ滑らかな描画でゲームを楽しむことができる。

Horizon Zero Dawnは4K環境でベンチマークを実行しパフォーマンスをテストしてみた。
4K解像度でも軽々と60fpsを上回手っており、MSI GeForce RTX 3090 GAMING X TRIO 24Gなら最高画質/4K/60pで快適に遊ぶことができる。

Microsoft Flight Simulator

 現在屈指の「重たいゲーム」として知られるMicrosoft Flight Simulatorで、描画設定を最高の「ULTRA」に設定してフレームレートの測定を行ってみた。なお、フレームレートの測定は、Daher TBM 930で羽田空港から関西国際空港へ向けてAIに飛行させ、離陸から3分間の平均値を取得している。

 測定の結果、4K解像度で平均39.8fps、フルHD解像度では平均40.2fpsを記録した。GPU負荷が異なるはずの4KとフルHDで誤差レベルの差しかついていないのは、CPUのボトルネックによってフレームレートが頭打ちになっているためだ。これ以上のフレームレートを目指すには、さらに高性能なCPUを用いるか、ゲーム側がより効率的にCPUを活用できるようになるアップデートに期待するしかない。

 もっとも、Microsoft Flight Simulatorは30fpsでプレイアブルなタイトルであり、今回の測定結果は、いずれも快適にプレイできるフレームレートを達成していると言える。

4Kプレイ時の様子。CPU側がボトルネックになっているため、フルHDと4Kでフレームレートに大きな差はつかなかった。
今回のテストでは羽田空港から関西国際空港へ飛行した際のデータを計測してみた。

 なお、Microsoft Flight Simulatorでは、4K解像度でもGeForce RTX 3090のGPU使用率は100%に達しないが、VRAM使用量は10GBを超えている。

 ゲームはビデオカードが搭載しているVRAM容量を使用量がオーバーする状態になると、パフォーマンスが著しく低下する。現状、GeForce RTX 30シリーズで10GBを超えるVRAMを搭載しているのはGeForce RTX 3090のみ。

 VRAM消費量の激しいMicrosoft Flight Simulatorを4K解像度でプレイするうえで、GeForce RTX 3090が備える24GBの大容量VRAMは大きな強みであると言える。

4K解像度で飛行中のGPU使用率とVRAM使用量。GPU使用率は100%に達さないが、10GBを超えるVRAMを使用していることがわかる。

冷えて静音、なおかつ超高性能なMSIのGeForce RTX 3090搭載カード画質を追求するエンスージアストへ

 GeForce RTX 30シリーズの頂点に君臨するGeForce RTX 3090は、そのGPU性能と膨大なVRAM容量によって、多くのゲームを4K解像度で楽しめるパフォーマンスを備えていた。画質を追求するエンスージアストゲーマーにとって、この最強GPUは実に魅力的な存在だ。

 それを搭載するMSI GeForce RTX 3090 GAMING X TRIO 24Gは、370Wの電力消費を許容するオーバークロック動作でGeForce RTX 3090からより高い性能を引き出しながらも、オリジナルGPUクーラー「TRI FROZR 2」の優れた冷却性能によって、発熱と騒音をしっかり抑え込んでいた。3スロットに収まるサイズのGeForce RTX 3090搭載カードで完成度の高いモデル探しているなら、ぜひ検討してみるべき一枚であると言えよう。

[制作協力:MSI]