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NEC LAVIE Hybrid ZERO HZ550のM.2 SATA SSDを大容量1TBに換装、薄型/超軽量ノートを延命!

SSD換装大全、ノートPCの分解からデータ移行まで徹底解説 text by 浅倉吉行

 今回のノートPCのSSD換装事例は、M.2 SATA SSD搭載モデルでの例を紹介しよう。ノートPCは第5世代Coreプロセッサを搭載した薄型軽量のNEC LAVIE Hybrid ZERO HZ550/C(PC-HZ550CAB)を用意、元々搭載されているM.2 SATA SSD 128GBを1TBのモデルにアップグレードし、ノートPCの延命を図ってみた。

 NEC LAVIE Hybrid ZERO HZ550は、公称値の重量が779gと非常に軽量なモデル。持ち運ぶにも便利で、長く使いたいと思うユーザーも多いはず。SSD換装の手順と、SSD換装で快適性が向上するのか、その効果のほどを紹介しよう。

※ノートPCの分解行為やパーツの換装はメーカー保証外の行為となります。この記事を読んで行った行為によって、仮に損害が発生しても弊誌および、メーカー、販売ショップはその責を負いません。

NEC LAVIE Hybrid ZERO HZ550/CのSSDを1TBにアップグレード、薄型軽量モデルを延命

 今回使用するNEC LAVIE Hybrid ZERO HZ550/Cは、2015年に発売されたモデルで、本体重量779gと非常に軽いことが特徴となっているモデルだ。型番は「PC-HZ550CAB」とされるモデルを今回選んだ。

 中古品として入手しているので、新品の時から若干の変更があるかもしれないが、CPUに2コア4スレッドのCore i5-5200U(ベース2.2GHz/ブースト時2.70GHz)、メモリにLPDDR3-1600 4GB(オンボード/増設不可)、ストレージにM.2 SATA SSD 128GBを備えるモデルで、ディスプレイは13.3インチ/2,560×1,440ドット。

 HDMIやIEEE802.11ac無線LAN/Bluetooth、Webカメラなどの機能も搭載している。OSはWindows 10 Home 64bit。

 薄型なので持ち運びやすくモバイル用としてはかなり便利なモデル。ストレージの容量がなかなか厳しいが、アップグレードできれば、外でちょっとした作業を行うときなど、今でも活躍してくれるPCになるだろう。

搭載されていたのはM.2 SATA SSDのSamsung MZNLN128HCGR-000L1

 NEC LAVIE Hybrid ZERO HZ550/Cに搭載されていたSSDだが、今回の個体には128GBのSamsung MZNLN128HCGR-000L1が装着されていた。M.2型のSATA SSDで、容量は128GB。

PCに搭載されていたSamsung MZNLN128HCGR-000L1。
CrystalDiskInfoによるステータス。SATA接続のSSDであることがわかる。

換装に使うのはM.2 SATA SSDのSamsung SSD 860 EVO M.2

 今回換装に使用するSSDは、Samsung SSD 860 EVO M.2の1TBモデル「MZ-N6E1T0B/IT」。最大速度リード550MB/s・ライト520MB/sのSATA接続のM.2 SSDだ。なお、Samsung SSD 860 EVOはM.2 SATAモデル以外に2.5インチSATAモデルも用意されている。

Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB(MZ-N6E1TB/IT)。
CrystalDiskInfoによるステータス。

 M.2型のSamsung SSD 860 EVO M.2は250GB~2TBまでの4製品がラインナップされているので、SSD換装に使用する際は予算や使用する容量に合わせて選ぶと良いだろう。

古いSSDから新しいSSDに引っ越し、データの移行からPCの分解まで一式紹介

 ここからは実際にSSD換装を行う際の手順を紹介しよう。換装する際はSSD外付けケースとデータ移行ソフトを用意すると簡単だ。

 M.2 SATA SSD用の外付けケースは税込3千円前後で入手可能、データ移行ソフトは大手メーカーのSSDであれば付属していることが多い。両方事前に準備しておこう。

換装するSSDをUSB外付けケースに搭載、データコピーの準備をしよう

 PCのデータを丸ごと引っ越し先のSSDにコピーするため、換装用SSDを外付けケースに搭載しよう。

 今回使用しているSSD外付けケースはAOTECHのAOK-M2SATA-U31G2A。SATA接続のM.2 SSDにのみに対応したモデルだ。

●1 SSD外付けケース「AOK-M2SATA-U31G2A」と換装するSSDを準備。
●2 SSD外付けケースのネジを外し中の基板を取り出す。
●3 SSDを基板のM.2スロットに装着する。
●4 基板にSSDをネジで固定する。「AOK-M2SATA-U31G2A」は裏側からネジで固定する仕組みになっている。
●5 基板にSSDを装着したらケースの中に収納し、ネジでふたを閉める。
●6 PCに接続すれば準備完了。

注意点

 M.2 SSD用の外付ケースはNVMeのみに対応したモデル、SATAのみに対応したモデル、NVMe/SATA両対応のモデルの3パターンがある。種類を間違うと動作しないので、選ぶ際は気をつけよう。

データの移行はSSD付属ソフトが便利、Samsung Data Migration 4.0なら簡単

 今回データ移行ソフトには「Samsung Data Migration 4.0」を使用した。Samsung製SSDで利用できる専用のユーティリティで、操作もかなり簡単だ。

 Samsungのサポートページからダウンロード可能で、項目を選択していくだけで作業は簡単に終わる。

●1 Samsung公式サイトのSSDツールとソフトウェアのページから「Samsung Data Migration 4.0」をダウンロードする。
●2 Samsung Data Migration 4.0をセットアップし、起動させる。
●3 画面下側にあるターゲットドライブの項目を指定する。移行先のSSD(今回はSamsung SSD 860 EVO M.2 1TB)を選択しよう。
●4 移行先のドライブのデータが全て消去される旨のダイアログが表示されるのでOKを選択。なお、安全にデータ移行時を行うため、他のアプリケーションを起動したり、ながら作業をするのはやめよう。
●5 進行状況はプログレスバーで表示される。ちなみに、移行前のSSDの使用容量は51GBほどだったが、データのコピーには10分前後かかった。
●6 データのコピーが完了すると自動的にPCはシャットダウンされる。

NEC LAVIE Hybrid ZERO HZ550/Cの分解は意外と簡単、ドライバーのみで分解OK

 ここからはNEC LAVIE Hybrid ZERO HZ550/Cの分解になるが、工具は精密ドライバーのみあれば問題なかった。

 なお、SSD換装時はPCを必ずシャットダウンした状態で行う必要があるので注意しよう。今回のモデルはバッテリーの取り外しなどが行えないので、誤って休止や通電状態でSSDの換装を行わないように注意しよう。

●1 NEC LAVIE Hybrid ZERO HZ550/Cの背面パネル側、隠れたネジ穴は無い。
●2 ドライバでネジを緩めよう。ネジは無くさないように注意。

 NEC LAVIE Hybrid ZERO HZ550/Cの背面パネルは11ヶ所ネジ止めされており、このネジを外すことでSSDにアクセスすることができる。ネジの長さは全て共通で、分解は比較的簡単な部類だ。

●3 ネジを全て外すとパネルが一部浮くので、ここからゆっくり背面パネルを外そう。
●4 パネルを外したところ。分解の難易度自体は高くない。

 ネジを全て外すと背面パネルが一部浮くので、ここからゆっくり外そう。もしパネルが浮かない場合は、爪楊枝など本体を傷つけない材質のもので背面パネルを隙間から少し持ち上げれば、パネルは簡単に外れるはずだ。

 パネルさえ外せばストレージへのアクセスも簡単で、ネジを外して新しいSSDに載せ替えるだけになる。SSD固定用のネジが若干特殊な形状なので、固定の際に少しコツがいるが、困難と言ったレベルでは無いので問題ないだろう。

●5 NEC LAVIE Hybrid ZERO HZ550/Cの内部、SSDへのアクセスも容易。
●6 特にシールドなどもされていないので取り外しも簡単。
●7 固定のネジがSSDを挟み込みタイプの物なので、ここだけ取り付け時に注意が必要だ。
●8 作業自体は単純なので、新SSDへの換装も短時間で行える。
●9 背面パネルのネジを締めれば換装作業は完了。
●10 無事PCが起動すれば成功だ。新しいSSDに環境が最適化されるので、換装後には一度OSを再起動させよう、

 冒頭にも記載しているが、基本的にノートPCの分解行為はメーカー保証外の行為となるため、これにより故障した場合は保証が受けられない。今から新品のノートPCを購入する場合は元々ストレージ容量の多いモデルを選択するのが無難だ。

 保証が切れている使い込んだノートPCなどであれば、SSDの換装は投資に見合った効果が得られやすいので、PCを買い換える前に試してみる価値はある。

SSD換装で空き容量は約10倍以上/書き込み速度も向上、延命に成功!

 実際にSSD換装を行い得られたメリットも紹介しておこう。今回は容量と速度の2点を紹介する。

1TB SSDで空き容量は10倍以上に、様々なデータが持ち運べる軽量ノートに

 まずは容量の面だが、128GB SSDでWindows 10を利用した場合、普段使いでも意外と空き容量のなさに困ることがある。今回のNEC LAVIE Hybrid ZERO HZ550/Cの場合、空き容量が66.7GBしかなく、かなり節約しなければあっという間に空き容量が無くなる状況だった。

 これが1TB SSDに換装することで空き容量は884GBにもなり、文章や資料はもちろん、写真や動画などを適当にいれてもなかなか使い切ることの無い容量になった。NEC LAVIE Hybrid ZERO HZ550/Cはせっかく軽いモデルなので、できれば外部ストレージなどは一緒に持ち歩きたくないところ。本体の魅力を活かす意味でも大容量SSDへの換装はアリだ。

換装前の128GB SSD「Samsung MZNLN128HCGR-000L1」。
空き容量は66/7GB。ファイルは常に整理するくらいでないとあっという間に空き容量は無くなる。
換装後の1TB SSD「Samsung SSD 860 EVO M.2(MZ-N6E1TB/IT)」
空き容量は884GBほどあり、大容量ファイルなどを持ち歩いても空き容量は十分なはずだ。さまざまなデータを持ち運べるので、NEC LAVIE Hybrid ZERO HZ550/Cの魅力をより引き出せると言えるだろう。

M.2 SATAからM.2 SATAへの換装でも書き込み速度は3倍近く向上

 速度の方だが、M.2 SATA SSDからM.2 SATA SSDへの換装なので、普通にOSやブラウザを使っている時に体感差などは無い。ベンチマークでもリードの速度は換装の前後で極端な差は無い。

 ただし、ライトの速度はシーケンシャルで約159MB/sだったのが約528MB/sに向上するなど、全体的に底上げされたので、USB 3.2 Gen1の外部ストレージなどからデータをコピーする際などは速さを体感できるだろう。

換装前の128GB SSD「Samsung MZNLN128HCGR-000L1」。
低容量モデルなので、書き込み速度は大容量品などと比べると落ちる。
換装後の1TB SSD「Samsung SSD 860 EVO M.2(MZ-N6E1TB/IT)」
リードライトともに500MB/s超えで、SATA接続SSDとしては文句の無い速度だ。

 ノートPCのSSD換装はメーカー保証外の行為となることが多くリスクはあるものの、換装によって得られるメリットは大きい。

 今回とりあげたNEC LAVIE Hybrid ZERO HZ550/Cなどは軽量でモバイルに特化したモデルということもあり、CPUの性能よりも利便性が求められるノートPCだ。ストレージの容量にある程度ゆとりがあれば、持ち出してちょっとした作業や調べ物をしたりといった用途には今でも十分に活躍してくれるモデルだろう。

 SSDを換装するだけで延命できるノートPCは意外に多い。予算があれば買換えるのが快適ではあるが、コストを抑えたい場合はSSD換装も是非検討してみてもらいたい。

[制作協力:Samsung]