特集、その他

定番から大作まで10タイトルで比較、Nintendo Switchには高速なmicroSDカードを!

My Nintendo Storeでも買える安心な「Samsung microSD EVO Plus」 text by 佐藤岳大

 Nintendo Switchで、ゲームインストール先として高速なmicroSDカードを利用することでゲームが快適に遊べることは、「エーペックスレジェンズ」「モンスターハンターライズ」などを使ったテストでお伝えしてきたが、今回は最新作から定番まで全10タイトルを用意して追加のテストを行った。

 また、今回は1タイトルのみとなるが、カートリッジ版も加え、本体内蔵eMMC、microSDカード×2種の計4環境で速度の比較も行ってみた。タイトルを問わずロード時間が長いと言われることが多いカートリッジ版だが、どれくらいの差があるのかも見てみよう。

任天堂の公式販売サイトでも買える「Samsung microSD EVO Plus」256GB・リード100MB/sの高速microSDXCカードを用意

今回用意したSamsung microSD EVO Plus 256GB

 高速なmicroSDカードの一例として使用するのは「Samsung microSD EVO Plus」だ。

 UHS-I規格に対応した高速microSDXCカードで、128GB以上のモデルはUHS-I Speed Class 3(U3)に対応しており、公称速度はシーケンシャルリード最大100MB/s、同ライト最大90MB/s(256GBモデル以上)となっている。

 My Nintendo Storeでも購入でき、同ストアでも「Nintendo Switchをより快適に遊んでいただける、読み込み速度(転送速度)が高速なmicroSDカード」と表記された“任天堂お墨付き”とも言える製品だ。

Samsung microSD EVO Plus 256GB、UHS-I Speed Class 3に対応している。
Crystal Disk Markの測定結果。

 用意したのは256GBモデルで、Crystal Disk Mark 8.0.1を使って速度を測定したところ、シーケンシャルリード/ライトともにほぼ公称値に近い速度が確認できた。ランダムリードもQ32で14MB/sを超える速度を記録している。

 容量は32GBから用意されているが、Nintendo Switch向けに用意するのであれば、大型タイトルを複数インストールしても余裕があり、速度も高速な256GBまたは512GBのモデルがおすすめだ。256GBの場合、製品保証がある国内正規品であれば、安値店で4,500円前後から購入できる。

Samsung microSD EVO Plus
容量32GB64GB128GB256GB512GB
規格microSDHCmicroSDXC
スピードクラス/UHSクラスClass10 / UHS-I Class1 (U1)Class10 / UHS-I Class3 (U3)
リード95MB/s100MB/s
ライト20MB/s20MB/s60MB/s90MB/s
保証(国内正規品のみ)10年限定保証(ドライブレコーダーや監視カメラでの使用は保証外)

シーケンシャルリードは同等/ランダムリードで劣る旧世代microSDカードを比較に用意スピードクラス4で32GB

ノーブランド品のスピードクラス4対応microSDカード。
Crystal Disk Markの測定結果。

 今回の検証では、比較対象としてノーブランド品のmicroSDHCカードを用意した。こちらはスピードクラス4に準拠したカードで、規格上の最低保証書き込み速度は4MB/sとなっている。

 Crystal Disk Markでの測定結果をSamsung microSD EVO Plusと比べてみると、書き込み速度では圧倒的な速度差があるものの、シーケンシャルリードはほぼ同水準、ランダムリードは約3~4分の1程度。Samsung microSD EVO Plusと比較してランダムアクセス性能の影響を見るのに丁度良い違いだ。

 任天堂では、Nintendo Switchをより快適に遊べるmicroSDカードとして、「UHS-I対応で読み込み速度が60~95MB/sのモデルを推奨」している。今回のカードは、シーケンシャルリード速度は推奨以上となるが、UHS-Iは非対応なので推奨外となる。

カートリッジ版よりおおむね内蔵eMMCやmicroSDカードが高速「モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~」で計測

「モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~」

 カートリッジ版ソフトのロード時間が長めと言われるNintendo Switchだが、実際どの程度の差があるのだろうか。

 「モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~」を使い、カートリッジ版、内蔵eMMC、Samsung microSD EVO Plus、ノーブランドmicroSDカードの4環境でロード時間の違いを見てみよう。

「モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~」のカートリッジ版を用意。
Switch本体の内蔵eMMCとmicroSD×2種をカートリッジ版と比較してみた。
戦闘後のロード時間を計測。
戦闘からフィールドに戻る際のロードはゲーム中で一番多く遭遇するロードともいえるので、短ければ短いほど快適にゲームを遊べる。

 まず計測したのは、モンスターとの戦闘が終わりフィールドに戻るまでのロード時間。下の図がSwitch内蔵eMMC、Samsung microSD EVO Plus、ノーブランドmicroSD、カートリッジ版を比較したもので、Samsung microSD EVO Plusが最速という結果となった。

 Samsung microSD EVO PlusとノーブランドmicroSDの違いは当然と言えるが、仕様上最速の内蔵eMMCよりもSamsung microSD EVO Plusが高速となったのは意外な結果だ。

 また、低速なカートリッジ版がノーブランドmicroSDよりも高速な結果となったが、更新データ(1.6GB)のインストール先が内蔵eMMCとなっている影響が現れたと思われる。

 Nintendo Switchのカートリッジ版のゲームは、アップデートがあった際の更新ファイルのインストール先が内蔵eMMCとなるため、ゲームデータのロードはカードリッジ+内蔵eMMCという状況になる。推測の域は出ないが、ゲームのアップデートファイルが多ければ多いほど本体側の内蔵eMMCからロードされるデータの比重が多くなり、カートリッジ版のロードの遅さが隠蔽される傾向となる可能性がある。

「モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~」戦闘後ロード時間比較。ロードが遅いといわれているカートリッジ版がノーブランドmicroSDよりも高速な結果だが、更新データ(1.6GB)のインストール先が内蔵eMMCである影響が現れた可能性がある。
マハナ村へ移動する際のロード時間を計測

 もう一か所は、最初の拠点となるマハナ村にフィールドから入った際のロード時間を比較してみた。

 こちらは先ほどの戦闘後のロード時間と異なり、内蔵eMMCが最速で、次いでSamsung microSD EVO Plus、カートリッジ版、ノーブランドmicroSDの順。こちらは最も高速とされる内蔵eMMCが最速となっており、ストレージの速度がそのままロード時間の短さとなる結果となった。

「モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~」マハナ村移動ロード時間比較

 一部例外的な挙動もあるが、基本的には内蔵eMMCが一番速く、microSDも高速な物であればあるほど快適と言える傾向がみられる。ゲームを快適に遊ぶのであれば、内蔵eMMCか、Samsung microSD EVO Plusのような高速なmicroSDカードを使用した方が快適だろう。

最新作から定番タイトルまで一気にロード時間を比較!ゲームを快適に遊ぶならなるべく高速なmicroSDカードを

内蔵eMMCとmicroSDカード2枚で比較

 ここからは内蔵eMMCとmicroSDカード2種を使ってロード時間を比較していく。

 今回テストしたゲームは前節の「モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~」に加え、「戦国無双5」、「Pokémon UNITE」、「ゼルダの伝説 スカイウォードソードHD」、「天穂のサクナヒメ」、「eBASEBALLプロ野球スピリッツ2021 グランドスラム」、「R-TYPE FINAL 2」、「スプラトゥーン2」のほか、前回検証時からメジャーアップデートが入った「フォートナイト」、「Apex Legends」の2本も再度測定した。

 計測は複数回行い、イレギュラーと思われる極端な数値を除いた平均値を掲載している。

「戦国無双5」
「Pokémon UNITE」
「ゼルダの伝説 スカイウォードソードHD」
「天穂のサクナヒメ」
「eBASEBALLプロ野球スピリッツ2021 グランドスラム」
「R-TYPE FINAL 2」
「スプラトゥーン2」
「フォートナイト」
「Apex Legends」

無双シリーズ最新作「戦国無双5」で検証転送速度に応じて大きな差、マルチプラットフォームタイトルには効果大

 コーエーテクモゲームスのアクションゲーム「戦国無双シリーズ」の最新作「戦国無双5」では、シナリオモードでステージのロード時間を計測した。

「戦国無双5」
試合が始まるまでのロード時間を計測。

 結果は下図の通りで、ストレージの転送速度の差が顕著に現れた結果となった。それぞれ3~5秒ほどの差があり、明確に違いが感じ取れる。

 本作に限らず、マルチプラットフォームで発売されたタイトルは、各ゲーム機本体に合わせた最適化が難しいためか速度の差が現れやすい傾向だ。

 Nintendo Switchしかゲーム機を持っていない、あるいはメインのゲーム機がNintendo Switchであるといったゲーマーなら、高速なmicroSDカードを用意しておくと良いだろう。

「戦国無双5」ロード時間比較

話題のMOBAタイトル「Pokémon UNITE」で検証速度差に応じた結果ながら差は小さめ

 ポケットモンスターを題材とした基本無料のMOBAタイトル「Pokémon UNITE」でも検証を行った。

 こちらはスタンダードバトルのCPU戦に参加し、ポケモン選択後のロード画面で自身のプログレスバーが100%になるまでの時間を計測した。

「Pokémon UNITE」
ロード画面でプログレスバーが進む時間を計測。

 結果は下図の通りで、平均すると転送速度に応じた順に高速という結果となった。

 ただし、それぞれの時間差は小さく、計測ごとのロード時間のブレからサーバーとの通信速度によっても変わってくるようだ。

 とはいえ、本タイトルは他のプレイヤーのロードが完了しないとマッチが始まらない仕様のため、高速なストレージで少しでも時間を短縮しておけば他のプレイヤーを待たせずに済むはずだ。

「Pokémon UNITE」ロード時間比較

Wii時代のタイトルのリマスター「ゼルダの伝説 スカイウォードソードHD」で検証転送速度に応じた結果だが違いはわずか

 Wii時代の名作タイトルを高解像度にリマスターした「ゼルダの伝説 スカイウォードソードHD」。

 こちらではタイトル画面からセーブデータ選択後、リンクが降り立つまでのロード時間を計測した。

「ゼルダの伝説 スカイウォードソードHD」
セーブデータのロード時間を計測。

 結果は下図の通りで、わずかな差だが転送速度に応じて高速という結果となった。

 元々Wii時代のタイトルということでハードウェアの性能的にも余裕があり、なおかつNintendo Switchに合わせしっかりと最適化も行われているようで、ストレージによる影響も最小に抑えられているようだ。

「ゼルダの伝説 スカイウォードソードHD」セーブデータロード時間比較

稲作シミュレーション&アクションゲーム「天穂のサクナヒメ」で検証転送速度に応じた結果に

 稲作シミュレーションとアクションゲームを組み合わせた異色のタイトル「天穂のサクナヒメ」。

 こちらでは我が家に出入りする際のロード時間を計測した。

「天穂のサクナヒメ」
我が家に出入りする際のロード時間を計測。

 結果は下図の通りで、転送速度に応じた順に高速という結果となった。内蔵eMMCが特に高速と他のゲームよりもわかりやすい差が見られる。Samsung microSD EVO PlusもノーブランドmicroSDと比べてロード時間は速くなっている。

「天穂のサクナヒメ」クエストロード時間比較

リアル野球シミュレーションの「eBASEBALL プロ野球スピリッツ2021 グランドスラム」で検証転送速度に応じた結果

 リアル野球シミュレーションの最新作「eBASEBALLプロ野球スピリッツ2021 グランドスラム」。

 こちらではCOM戦で試合の設定後、試合が始まるまでのロード時間を計測した。

「eBASEBALLプロ野球スピリッツ2021 グランドスラム」
試合が始まるまでのロード時間を計測。

 結果は下図の通りで、転送速度に応じた順に高速という結果となった。

 時間差はそれほど大きくないが、転送速度の差が現れた結果と言えるだろう。

「eBASEBALLプロ野球スピリッツ2021 グランドスラム」試合ロード比較

名作STGシリーズ最新作「R-TYPE FINAL 2」で検証転送速度に応じた結果、ゲームテンポの改善に効果

 横スクロールシューティングゲームの「R-TYPE FINAL 2」。

 こちらではミッションに出撃後、自機がやられてからリトライが始まるまでのロード時間を計測した。

「R-TYPE FINAL 2」
リトライが始まるまでのロード時間を計測。

 結果は下図の通りで、転送速度に応じた順に高速という結果となった。それぞれ1秒ほどの差がついている。

 難易度が上がってくるとリトライは頻繁に起きるため、ゲームのテンポを妨げないためにもSamsung microSD EVO Plus程度の速度が欲しいところだ。

「R-TYPE FINAL 2」リトライロード時間比較

根強い人気を誇る対戦シューティング「スプラトゥーン2」転送速度に応じて高速に

 今なお人気の対戦シューティングゲーム「スプラトゥーン2」。こちらはホーム画面からゲームが起動するまでの時間を計測した。

「スプラトゥーン2」
ゲームが起動するまでを計測

 結果は下図の通りで、転送速度の差に応じて1秒強の差が現れる結果となった。大きな差ではないが速いに越したことはないため、高速なmicroSDを用意する意味はあるだろう。

「スプラトゥーン2」ロード時間比較

バトルロイヤルゲーム「フォートナイト」で検証Samsung microSD EVO Plusが内蔵eMMCよりも高速?

 基本無料の人気バトルロイヤルゲーム「フォートナイト」。以前に検証を行っているが、前回時から大型アップデートが入ったので改めて速度を比較した。

 こちらはソロでマッチに参加して、ロード画面に移ってから待機島に移動するまでの時間を計測した。

「フォートナイト」
待機島に移動するまでのロード時間を計測した。

 結果は下図の通りで、Samsung microSD EVO Plusが内蔵eMMCよりも短い時間でロードを完了するという結果となった。

 他のプレイヤーとマッチングするというフォートナイトの仕様上、ストレージの速度以外の要素で時間が前後する可能性はもちろんあるが、前回の検証に続いて内蔵eMMCよりSamsung microSD EVO Plusが高速な結果となったので、フォートナイトとSamsung microSD EVO Plusが相性が良い可能性があり、興味深い結果だ。

「フォートナイト」ロード時間比較

バトルロイヤルゲーム「エーペックスレジェンズ」で検証転送速度以外の要素が大きく影響?

 最後は基本無料の人気バトルロイヤルゲーム「エーペックスレジェンズ」。こちらも前回から大型アップデートがあったので再計測となる。

 ソロでカジュアルマッチに参加し、キャラクター選択画面が表示されるまでの時間を計測した。

「エーペックスレジェンズ」
キャラクター選択画面に移動するまでのロード時間を計測した。

 結果は下図の通りで、ノーブランドmicroSD、内蔵eMMC、Samsung microSD EVO Plusの順に短時間という結果となった。

 今回はたまたまノーブランドmicroSDが高速な結果となったが、以前の検証でも述べたように、エーペックスレジェンズの場合はマッチごとのロード時間のブレが大きく、ストレージの速度以上に自身や他プレイヤーの回線速度などの影響がより顕著に現れる傾向がある。複数回テストしてなるべくイレギュラーな状況のデータにならないようにはしているが、ストレージ以外の要因の影響が大きかった可能性がある点はご了承いただきたい。

 また、もしかするとノーブランドmicroSDの仕様とエーペックスレジェンズのデータアクセスの相性が良い可能性もあるが、前回の計測結果とは異なる傾向なので、おそらく可能性としては低いとものと思われる。

「エーペックスレジェンズ」ロード時間比較。

Swich用に購入するならなるべく大容量/高速なmicroSDカードをランダムリードも速いSamsung microSD EVO Plus

 全般的な速度としては、前回・前々回の検証に続いて内蔵eMMCが最も速いという結果となったが、microSDカード同士の比較で見ると、ランダムリードの高速なカードがより短時間という傾向となった。なるべくランダムリードの性能が高いmicroSDカードを選ぶと快適にゲームを遊べるだろう。

 Samsung microSD EVO Plusは任天堂が公式ストアで取り扱われているだけあって、パッケージから判別できないランダムリード性能も高く、快適にゲームをプレイしたい人が安心して選べる製品の一つと言える。

 容量の面で見ると、小さめのタイトル程度を数本遊ぶだけならば容量は32GBでも十分だが、エーペックスレジェンズは容量を25GB程度消費しており、こうした大作ゲームを複数遊ぶ場合はmicroSDカードを併用することになる。この先も長く使うつもりであれば、microSDカードは容量256GB以上の製品をお勧めしたい。

 Nintendo Switch向けのmicroSDカードを選ぶ際には、今回のテスト結果を参考に選んでもらえれば幸いだ。

[制作協力:Samsung]