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144Hz超えの“170Hz/フルHD”で勝利を狙え!PS5の120Hz表示にも対応するゲーミングモニター「MSI Optix MAG245R2」
“PCでもPS5でもガチプレイ”をハイコスパで支える高速IPSモデル text by 芹澤 正芳
2022年3月28日 00:00
WQHDや4Kの高精細な映像を楽しむためには27型や32型の迫力もよいと思うが、“画面全体を見やすい”という点を重視するなら24型が最適だ。画面と近くなるデスクの上では、27型以上になると首を動かさずに画面の隅々まで見渡すのは難しくなる。瞬時の状況把握が重要となるFPSやTPSをプレイする際には、画面全体を視野に入れやすい24型のほうが有利だ。
現在のゲーミングディスプレイに求められているのは、1秒間の描画コマ数を増やして敵の動きをとらえやすくする「高リフレッシュレート駆動」、残像感を軽減するための「速い応答速度」、PS5など最新コンシューマ機の「120Hz動作への対応」だろう。そのすべてを備えつつ、手頃な価格を実現しているのがMSIの「Optix MAG245R2」だ。早速、その実力を検証していこう。
手ごろな価格ながら“ゲーミング液晶”に必要な機能を満載
MSIのOptix MAG245R2は、23.8型サイズでフルHD解像度のコストを抑えたゲーミング液晶だ。DisplayPortのオーバークロック設定時で170Hz(1080p)の高リフレッシュレートを実現し、応答速度も1ms(MPRT)と高速だ。ちなみに、MPRTはMoving Picture Response Timeの略でディスプレイ上に表示させた映像を実際にカメラで撮影して残像を測定する方法で、GtGと表記されることが多い中間色から中間色が表示されるまでの応答速度表記よりも実際の感覚に近いと言われている。
また、パネルには色鮮やかで、視野角も広いIPSを採用。実際に映画撮影に用いられている色空間「DCI-P3」のカバー率81.62%、標準的な色空間「sRGB」のカバー率99.37%と色の再現度は高く、視野角も178度と非常に広い。IPSパネルは横から見ても色の変化が小さいのも特徴だ。ただ、HDRには対応していない。
ディスプレイとビデオカードのフレームレートを同期させることで、テアリング(画面ズレ)を防ぐ可変リフレッシュレート機能はAMDのFreeSync Premiumに対応する。NVIDIAのG-SYNC Compatibleへの対応はうたわれていないが、筆者が試す限り、問題なく動作してテアリングなども抑制できていた。
ゲームに役立つ映像補正機能としては、暗部を明るくする「ナイトビジョン」、映像の残像感を軽減するアンチモーションブラー機能(OSDでの機能名は“MPRT”)を搭載する。ナイトビジョンは、通常、強い、最も強いの3段階で調整できるほか、画面に合わせて自動調整する「A.I.」設定もある。
MSIのアンチモーションブラー機能は、フレーム間に目には見えない速度で黒色を挿入することで残像感を軽減する、いわゆる“黒挿入”などと呼ばれるものだ。残像感の低減効果はかなり高いが、目に見えないとはいえ黒色が挿入されるため、映像を見た感じは若干暗くなる。
なお、アンチモーションブラー機能は可変リフレッシュレート機能(FreeSyncやG-Sync)とは同時使用できないので、テアリング/スタッタリングと残像感、どちらを防ぐかは好みやゲームに合わせて決めるのがよいだろう。また、アンチモーションブラー機能はリフレッシュレートを85Hz以上に設定しないと有効にできないのでこちらも注意。
PS5の120Hz駆動もサポート、マルチプラットフォームで活躍
HDMI入力によるPS5の120Hz駆動にも対応している。PS5の「設定」→「スクリーンとビデオ」→「映像出力」にある「120Hz出力を有効にする」を「自動」に設定。加えて、「設定」→「セーブデータとゲーム/アプリ設定」→「ゲームプリセット」にある「パフォーマンス優先と画質優先」を「パフォーマンス優先」に設定することで、120Hz出力が有効になる。ただし、120Hz駆動にはゲーム側の対応も必要だ。
今回は対応タイトルの「フォートナイト」と「Call of Duty: Vanguard」をプレイしてみたが、どちらも問題なく120Hzモードを有効にできた。
アプリで手軽に設定やライティング調整が可能
ディスプレイに関する設定はディスプレイ背面のスティック(Naviキー)を押し込むことで呼び出せるOSDメニューで行なえるが、Windows上から操作できるアプリ「Gaming OSD」を使うのが便利だ。輝度やコントラストの調整をはじめ、ディスプレイ中央に照準を出す「スクリーンアシスタンス」、前述のナイトビジョンやアンチモーションブラー(MPRT)などの有効、無効も手軽に行なえる。
個人的にうれしいのは「リフレッシュレート」だ。これは、ディスプレイの指定位置にリフレッシュレートをリアルタイムに表示させるというもの。可変リフレッシュレート機能が正しく動作していれば、ゲームのフレームレートに合わせて変動するので確認に役立つ。
FPS、レーシング、RTS、RPGなどジャンルに合わせたプリセットを用意しており、それをワンクリックで切り換えられるのも便利だ。このほか、ディスプレイの背面にはLEDが搭載されているが、その発光色や発光パターンもGaming OSDで調整できる。なお、Gaming OSDは、PCとUSBケーブルで接続しないと使用できない。
高機能スタンドで抜群の調整しやすさ
コストを抑えたモデルではスタンドの調整機構がオミットされがちだが、本機はかなり充実している。高さを13cmの間で無段階調整可能で、チルト(下方向-5度、上方向+20度)、スイベル(左右45度)、ピボット(90度回転)にも対応。好みの向きや角度に調整しやすいのは、見る姿勢に合わせたディスプレイ側の置き方にがゲームのプレイアビリティに影響を与えるので、大きな強みと言ってよいだろう。安定性を考慮して土台部分はやや大きめだ。スタンドにはケーブルを通してまとめておける穴も空いている。
映像の入力はHDMI 1.4b×2、DisplayPort 1.2a×1を備えており、PCと家庭用ゲーム機を同時に接続したままで使うのに十分な数を確保。USB 2.0対応ハブ(2ポート)やヘッドホン出力も搭載している。電源は45WのACアダプタ。サイズは幅540mm×奥行き233.7mm×高さ385.8mm、重量は約5.7kgだ。
FPS/TPSにもゲーム機にも入門機にもナイスな1台
全体を視野に入れやすい24型のサイズに170Hz(1080p)の高リフレッシュレートはFPS/TPSで勝利を目指すのに最適だ。複数の入力端子を備え、PS5の120Hz動作にも対応、とPCとゲーム機の両方で競技志向の対戦プレイをしたい人にはとくに便利だろう。
解像度をフルHDに抑えたこともあり、実売価格は3万円台前半とIPSパネルのゲーミングディスプレイとして手頃な価格。高いリフレッシュレートを活かすために高フレームレートを出すセッティングのハードルもフルHDであれば比較的低い。ゲーミングディスプレイ入門機として導入する場合にも文句なしにオススメできる、充実した内容の1台だ。
[制作協力:MSI]