特集、その他

RGB LED×160個のタワー型ケース「CORSAIR iCUE 5000T RGB」、豪華なイルミネーションを楽しめる1台

CORSAIR製品と組み合わせて美しいPCの構築もtext by 坂本はじめ

 今回紹介するのは、CORSAIRの新作PCケース「iCUE 5000T RGB」。ビジュアルに優れた「5000D」や「5000X」シリーズの派生モデルで、ケースの両サイドに合計160個のRGB LEDを備えるバーライトを内蔵。標準で3基搭載されている120mmファン「LL120 RGB」と合わせれば、合計208個ものRGB LEDを備える豪華なイルミネーション機能が特徴のミドルタワーケースだ。

 今回はこのケースに、CORSAIRが提供する新機軸のLEDライティングパネル「iCUE LC100」をはじめとするCORSAIR iCUE対応製品を搭載。CORSAIR独自のLEDイルミネーションを存分に楽しめるPCを組み立ててみた。

 見た目だけでなく、Core i9-12900KとGeForce RTX 3090というハイエンドパーツを組み込んださいの冷却性もテストしているので、ビジュアルと性能の両立を目指したいユーザーはiCUE 5000T RGBの実力をぜひともチェックしてもらいたい。

豪華なライティング機能が魅力のミドルタワーケース

CORSAIR iCUE 5000T RGB((CC-9011230-WW)。

 CORSAIR iCUE 5000T RGBは、ケース側面の上下と前面側にLEDバーライトを搭載したミドルタワーケース。本体サイズは251×560×530mm(幅×高さ×奥行)で、搭載可能なマザーボードはE-ATX(幅277mm以下)、ATX、microATX、Mini-ITX。

 2021年に発売された「CORSAIR 5000D」や「CORSAIR iCUE 5000X」と基本的なシャーシ設計を共有しつつ、LEDバーライトを内蔵するなど外装デザインに大きく手が加えられており、既存モデルとは異なるLEDイルミネーションが楽しめる。

 CORSAIR iCUE 5000T RGBには、ブラックとホワイトのカラーバリエーションが用意されており、今回紹介するのはブラックモデル(CC-9011230-WW)だ。

前面。メッシュパネルを採用しており、標準搭載の120mmファン3基が見えている。
背面。三角形を組み合わせた形の通気口が設けられている。
左側面には、開口部の広いブラックスモーク仕様の強化ガラスパネルを採用。
右側面は金属パネルを採用しており、フロント側には通気口が設けられている。
両サイドパネルは背面のヒンジを軸に開閉する。
天板。通気口が設けられており、前面側にフロントパネルインターフェイスが配置されている。

フロントパネルインターフェイスにはUSB 3.2 Gen2 Type-CとUSB 3.2 Gen1 Type-A×4を搭載

CORSAIR iCUE 5000T RGBのフロントパネルインターフェイス。

 CORSAIR iCUE 5000T RGBのフロントパネルインターフェースは天板に配置されており、電源やリセットスイッチの他に、USB 3.2 Gen2 Type-C、USB 3.2 Gen1 Type-A(4基)、3.5mmジャック(4極)を備えている。

 フロントパネルインターフェイス用の内蔵コネクタは以下の通り。

USB 3.2 Gen2 Type-C(10Gbps)。
USB 3.2 Gen1 Type-A(5Gbps)、ピンヘッダ×2系統でUSB×4ポートが利用可能。
音声入出力。
電源スイッチ、電源LED、リセットスイッチ。

大型ラジエーターも搭載可能で美しく組める内装デザイン

 前述の通り、CORSAIR iCUE 5000T RGBのシャーシは既存モデルである「5000D」や「5000X」と設計を共有しており、フロントやトップ、マザーボードトレイにそれぞれ120mmファンを3基ずつ搭載できる。また、フロントとマザーボードトレイへの同時搭載こそ不可能なものの、各ファンステイには最大360mmラジエーターを搭載できる。

サイドパネルはドアのように開閉することが可能。
背面のヒンジ上部のねじを外すことで取り外すこともできる。
フロントパネルを外したところ。標準では3基の120mmファンが搭載されている。
フロントのファンステイは着脱が可能。120mmファン×3基、または140mmファン×2基を搭載できる。
トップパネルを外したところ。マグネット固定式のダストフィルターを装備している。
トップパネルのファンステイ。120mmファン×3基、140mmファン×2基を搭載できる。

 ガラスパネルを搭載している左側面側にはケーブルカバーが搭載されており、配線を悪目立ちさせずに美しく組み上げることができる。ケーブルカバーは着脱が可能で、カバーを取り外し、ボトム部分のシュラウドを交換すれば、マザーボードトレイ部分のファンステイを効果的に利用できる。

ケース左側面。ボトム側には電源ユニットなどを覆うシュラウドを備え、フロント側にはケーブルカバーを装備している。
ケーブルカバーは着脱可能。
シュラウドのフロント側は着脱可能で、交換用パーツが同梱されている。
ケーブルカバーを外して、シュラウドを交換すれば「マザーボードトレイ」部分のファンステイが利用できる。
ケース背面のファンステイ。120mmファンを1基搭載できる。
拡張スロット。水平配置の7スロットのほか、垂直配置の2スロットが用意されている。

 シンプルな構成でLEDイルミネーションを楽しむにせよ、ファンステイをフル活用して冷却重視で組むにせよ、美しく組み上げることができるように設計されているのがCORSAIR iCUE 5000T RGBの特徴だ。

ケース右側面の内装。マザーボードトレイ部分のファンステイや、LEDやファンを制御する「COMMANDER CORE XT」が見えている。
マザーボードトレイ部分のファンステイは着脱可能。搭載可能なファンは120mm×3基。
LEDやファンを制御できる「COMMANDER CORE XT」。
COMMANDER CORE XTの利用には、SATA電源とUSB 2.0ヘッダーの接続が必要。USB 2.0ヘッダーには分岐端子が用意されている。
RGB LEDハブ。COMMANDER CORE XTの3ピン端子からの信号をケース付属のLEDバーライトに分配している。
RGB LEDハブの利用には、SATA電源コネクタからの電源入力が必要。
着脱可能な2.5インチSSD用ストレージベイが3基用意されている。
ボトム部分には3.5/2.5インチベイが2基搭載。このストレージベイは丸ごと取り外すことができる。

配置の自由度が高いRGB LEDパネル「CORSAIR iCUE LC100」を使ってイルミネーションを豪華に

CORSAIR iCUE LC100。今回は2セットを使用する。

 今回はCORSAIR iCUE 5000T RGBを使って、CORSAIRのユーティリティ「iCUE」によるLEDイルミネーションに対応したパーツをふんだんに使って、CORSAIRならではのLEDイルミネーションを堪能できるPCを構築してみることにした。

 イルミネーションをより豪華にするため、今後国内でも発売が予定されているRGB LEDパネルの「iCUE LC100」を2セット使い、ケース内に配置してみた。

今回借用したのはiCUE LC100のスターターキットで、iCUE LC100のLEDパネル9枚と、制御用のLighting Node PROが同梱されている。
パネルは独立しており、パネル同士は電極を兼ねたコネクタを介してマグネットで接続されている。
9枚のパネルのうち1枚だけ、RGB LEDコネクタ(3ピン)と電源入力を備えたパネルが用意されており、信号や電力はこのパネルから供給される。
パネル同士を接続するコネクタは、ヒンジとして機能するので立体的な配置も可能。
LED制御用のLighting Node PRO。利用にはSATA電源コネクタによる電源入力とUSB接続が必要。
付属品のUSBケーブルとRGB LEDコネクタ延長ケーブル。

 iCUE LC100は、三角形状のRGB LEDパネル9枚を自由に組み合わせて、複雑な形状のLEDイルミネーションを構築できるユニークな製品だ。各パネルにはマグネットが組み込まれており、パネルとコネクタの接続や、パネルのケースへの取り付けはいずれもマグネットによって行う。

立体的にも設置できるため、パネル配置の自由度は高い。
ユニークなイルミネーションパーツとしてケース内を彩ることができる。
【CORSAIR iCUE LC100のイルミネーションテスト】

 iCUE LC100は標準で9枚のパネルを備えているが、追加キットを用いれば最大で18個までの接続が可能。ケース内のアクセントとして、ユニークなイルミネーションを追加できるアクセサリーだ。

黒+RGB LEDで色は統一、Core i9-12900KにGeForce RTX 3090のハイエンドPC

 今回PCを構築するにあたり、使用したパーツは以下の通りだ。カラーは黒で統一し、RGB LEDの美しさを活かしつつ、上位モデルのPCパーツを組み込み、見た目と性能を両立したPCを目指した。

 CPUには、Intelの「Alder Lake-S」最上位モデル「Core i9-12900K」を搭載。マザーボードはCPU性能を引き出すため16+1+1フェーズの強力なVRMを備えた「MSI MAG Z690 TOMAHAWK WIFI」、メモリは高輝度RGB LED搭載のDDR5-5200対応品「CORSAIR DOMINATOR PLATINUM RGB 32GB(16GB×2枚)」を2セット使用。

 GPUは現行最上位となるGeForce RTX 3090をオーバークロックさせた「MSI GeForce RTX 3090 GAMING X TRIO 24G」を採用。見た目では目立たないが、SSDはリード最大7.1GB/s、ライト最大5.8GB/sを発揮するハイパフォーマンスな「CORSAIR MP600 PRO LPX(1TB)」を選んだ。

 クーラーは水冷ヘッドに2.1型IPS液晶を備え、RGB LEDファンを搭載するイルミネーション効果と高い冷却性が得られる360mmラジエーターの「CORSAIR iCUE H150i ELITE LCD」を選んだ。電源ユニットは容量850Wの80PLUS GOLD認証電源の「CORSAIR RM850」。排気性能向上とイルミネーション効果を狙ってケース背面には120mmファンの「CORSAIR LL120 RGB」を一基追加している。

 今回使用しているマザーボードや電源であればCore i9-12900Kを電力リミット無制限で利用できる性能を持っているので、もちろん今回は電力リミット無制限にしている。

 なお、Alder Lake-Sのメモリコントローラの仕様上は、4枚挿しの際は構成によりDDR5-3600またはDDR4-4000動作対応とされており、4枚挿しでのDDR5-5200動作はシビアになるので、今回は安定動作が確認できたDDR4-4400で動作させている。

LEDバーライトとiCUE LC100のLEDイルミネーションが映えるハイエンドPCが完成

 CORSAIR iCUE 5000T RGBを使って実際に組み立てたPCが以下の写真だ。

 今回、写真を撮影する際は各パーツのLED制御を「スパイラルレインボー」でリンクさせているが、ユーティリティのiCUEでは他のプロファイルでリンクさせたり、パーツ毎に異なる発光パターンを個別設定することもできる。自分好みのイルミネーション設定を模索できるのは、高度なRGB LEDイルミネーション機能を備えたPCだからこそ楽しめるカスタマイズ要素だ。

 ケース両側面の上下とフロント側に配置されたLEDバーライトと、ケーブルカバーとボトムのシュラウドに配置したiCUE LC100が、LEDイルミネーションのアクセントとしてよく機能している。また、側面のスモークガラスパネルの絶妙な不透明度がRGB LEDの光を引き立てており、鮮やかで美しいイルミネーションを堪能できた。

ケース側面の上下とフロント側にLEDバーライトが配置されている。
iCUE LC100は、ケーブルカバー上と電源ユニットを覆うシュラウド上に配置した。
LEDバーライトは右側面にも配置されている。
スモークガラスパネルの絶妙な不透明度は、LEDイルミネーションを引き立てている。

ゲーム中の冷却能力はバッチリ、長時間使用でもブースト状態維持で性能ダウンも無し

 今回構築したこのPCで、ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマークを4K解像度・最高品質で約30分間ループ実行して、CPUとGPUの動作温度を測定してみた。テスト時の室温は約23℃で、ベンチマークテストはループ実行時のフレームレート上限を開放している。

 GeForce RTX 3090がほぼフルパワーで動作し続けるこの条件で、GPU温度は平均75.1℃、最大76.7℃だった。ほぼ一定のGPU温度に対して、CPU温度は平均45.5℃、最大58℃とある程度変化していることが伺えるが、推移グラフで見れば負荷に応じて変化しているだけで、ケース内温度の上昇に伴う右肩上がりの温度上昇はみられない。

 CPUとGPUはどちらもサーマルスロットリングが作動する温度リミットには到達しておらず、ブースト動作を維持するのに十分な冷却が実現できていた。ゲーミングPCとしては最上級の性能と発熱が生じるCore i9-12900KとGeForce RTX 3090をここまで冷やせるCORSAIR iCUE 5000T RGBは、ハイエンドPCの構築に高い適正を備えたケースであると言えよう。

CORSAIRならではのLEDイルミネーションを堪能できるケース見た目と性能を追求したいこだわり派にもおすすめ

 LEDバーライトと3基のRGB LEDファンを搭載したCORSAIR iCUE 5000T RGBは、標準状態の時点で豪華なLEDイルミネーションを備えたPCケースだ。今回のように、CORSAIR iCUEに対応した冷却パーツやiCUE LC100のようなアクセサリーを組み合わせれば、CORSAIRパーツならではの美しいLEDイルミネーションを堪能できる。

 最後に紹介したベンチマーク実行中の動作温度からも分かるように、ハイエンドパーツの冷却に十分な換気能力を実現できるケースでもあるので、ビジュアル面だけでなく性能面も追及したいこだわり派にもおすすめだ。

[制作協力:CORSAIR]