特集、その他

Raptor Lakeのための高エアフローモデル!長時間ゲームでも熱ダレしないゲーミングPC「STORM PG-4X80Z79」

ファン4基+240mm水冷でi7-13700K/GeForce RTX 4080の性能をフルに引き出す text by 坂本はじめ

 STORMの「PG-4X80Z79」は、4基のファンを搭載するミドルタワーケースの優れたエアフローとSTORMオリジナル水冷クーラーの採用によって、最新のハイエンドパーツをしっかり冷やして使える最新のゲーミングBTO PCだ。

 今回は、Core i7-13700KとGeForce RTX 4080を搭載する「PG-4X80Z79」のパフォーマンスをチェックするとともに、ケースのエアフローやCPUクーラーの冷却性能をチェックしてみた。熱いといわれるRaptor Lake-Sだが、性能を引き出すなら是非エアフロー性能にこだわったPCを選んでもらいたい。

Core i7-13700K/GeForce RTX 4080搭載の高性能ゲーミングBTO PC冷却性能にこだわった高エアフローモデル

 STORMの最新ゲーミングBTO PCである「PG-4X80Z79」は、Intelの16コア(8P+8E)/24スレッドCPU「Core i7-13700K」と、NVIDIAのハイエンドGPU「GeForce RTX 4080」という、最新かつハイエンドのCPUとGPUを搭載している。

STORM PG-4X80Z79。
4基のRGBファンを搭載するミドルタワーケース「Phanteks G360_04」を採用している。

 筐体に採用しているPhanteks製のミドルタワーケース「G360_04」は、200×465×455mm(幅×高さ×奥行)という比較的コンパクトなサイズながら、4基の冷却ファンによる優れたエアフローで内蔵パーツを効果的に冷却できるPCケースだ。STORMでは「Phanteks 4連ファンケース」としてエアフローの高さをアピールしている。

 このケースの優れたエアフローに加え、CPUの冷却に240mmラジエーターを採用するSTORMオリジナル水冷クーラーを用いることで、PG-4X80Z79は最新のハイエンドパーツをしっかり冷却できる冷却性を獲得している。

ケース左側面内部。ガラスパネル越しに内蔵パーツのビジュアルやLEDイルミネーションが楽しめる。
GeForce RTX 4080の補助電源は、ネイティブの「12VHPWR」ケーブルで配線されている。
フロントファンが供給するエアフローを阻害する要素は極力排除されている。
ケース右側面内部。スチール製のサイドパネルに覆われて見えない部分だが、ケーブルはしっかりまとめられている。

 PG-4X80Z79は、電源ユニットに80PLUS Gold認証を取得した1,200W電源を採用している。この電源ユニットはATX 3.0規格とPCIe 5.0に対応しており、ビデオカード向けの新型のコネクタ「12VHPWR」を備えている。12VHPWRにネイティブ対応した電源ユニットによって、変換アダプタを介さずに電力供給を受けるGeForce RTX 4080の様子は、新世代のゲーミングPCであることを実感する印象的なものだ。

 特徴的な12VHPWRの配線だけでなく、マザーボードや各種コンポーネントの配線はスマートにまとめられており、ケースのエアフローを阻害することがないのはもちろん、ビジュアル的にも美しく組み上げられている。

Raptor Lakeもしっかり冷える!数秒で空気が全部入れ替わる様子は必見スモークテストで換気能力とエアフローをチェック

 4基のファンを搭載するPhanteks G360_04を筐体に採用したPG-4X80Z79は、ケース内の空気を効率的に換気するエアフロー重視の冷却システムを構築している。その冷却システムがどの程度の換気能力やエアフローを実現しているのか、スモークテストで確かめてみよう。

 最初の動画は、ケース内に充満したスモークをどのくらいの時間でケース外に排出できるのかをテストしたものだ。PG-4X80Z79のファンが始動すると、ケース内のスモークは3秒ほどでほぼケース外へと排気されていることが分かる。スモークが停滞している場所も見られず、ケース内の空気がスムーズに換気されている様子が見てとれる。

【STORM PG-4X80Z79の換気性能テスト動画】

 次の動画は、4K解像度でサイバーパンク2077を実行中のPG-4X80Z79に対してスモークを供給し、ケース外から取り込まれた空気が辿る経路、すなわちエアフローを可視化してみた。

 フロントの冷却ファンが取り込んだ空気は、リアの排気ファンやトップの水冷クーラーに向かってだけでなく、ビデオカードのブラケット側にまで満遍なく供給されている。また、先の動画でも見られたようにスモークが停滞するような場所は見られず、ビデオカードなどから熱を奪った空気がスムーズにケース外へ排出されていることも伺える。

【STORM PG-4X80Z79のエアフロー性能テスト動画】

 スモークテストの結果から、ケースファンが稼働しているPG-4X80Z79の筐体内では空気が停滞するような場所はなく、常にフロントファンがケース外から取り込んだフレッシュな空気に置き換わり続けている様子が確認できた。

 この優れた換気能力と、ケース内に満遍なくフレッシュな空気を供給するエアフローがあるからこそ、発熱の大きなハイエンドパーツを搭載できるのだろう。

最新ハイエンドPCパーツ構成らしい性能を発揮する「PG-4X80Z79」ベンチマークとゲームで実力をチェック

 ここからは、いくつかのベンチマークテストと実際のゲームを使ってPG-4X80Z79のパフォーマンスを計測する。

 テストに使用したベンチマークテストは「CINEBENCH R23」、「Blender Benchmark」、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」で、ゲームについては「ウィッチャー3 ワイルドハント」、「Microsoft Flight Simulator」、「サイバーパンク2077」、「エーペックスレジェンズ」の4タイトルをテストした。

Core i7-13700Kの性能をしっかり発揮、「CINEBENCH R23」は良スコア

 CPUの3DCGレンダリング性能を計測する「CINEBENCH R23」では、Multi CoreとSingle Coreのスコアを計測した。

 PG-4X80Z79が搭載するCore i7-13700Kは、Multi Coreで「29,572」、Single Coreで「2,112」を記録した。これらはいずれも前世代のハイエンドCPUであるCore i9-12900Kを凌駕するもので、Core i7-13700Kのポテンシャルをかなり引き出せていると言えるスコアだ。

3Dクリエイター用途にもバッチリ、「Blender Benchmark」も高速で処理

 Blender Benchmarkでは、CPUのCore i7-13700Kと、GPUのGeForce RTX 4080でそれぞれテストを実行した。

Core i7-13700Kの実行結果。
GeForce RTX 4080の実行結果。

 Core i7-13700Kは前世代のハイエンドを凌ぐ優れた性能を備えたCPUだが、GeForce RTX 4080はそのCore i7-13700Kの20~25倍という圧倒的なレンダリング速度を実現している。

 この結果は、BlenderにおいてGPU性能が非常に重要になっていることと、PG-4X80Z79がクリエイティブアプリであるBlenderでも高いパフォーマンスを発揮できることを示すものだ。分類上ではゲーミングPCであるPG-4X80Z79だが、カスタマイズによってメインメモリを増量すれば、Blenderのようなクリエイティブアプリでも高いパフォーマンスを得ることができるだろう。

4Kでもかなりの快適さ、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」

 ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマークでは、描画品質を「最高品質」に設定して、フルHDと4K解像度でテストを実行した。

フルHD/最高品質でのテスト結果。スコアは「36,310」で、平均フレームレートは約259.0fps。
4K/最高品質でのテスト結果。スコアは「21,339」で、平均フレームレートは約143.8fps。

 PG-4X80Z79が記録したベンチマークスコアは、フルHDが「36,310」(259.0fps)で、4Kは「21,339」(143.8fps)だった。平均フレームレートは4Kでも100fpsを大きく上回っており、PG-4X80Z79が優れたゲーミング性能を備えていることが伺える結果だ。

新技術DLSS 3も利用可能、激重の「Microsoft Flight Simulator」も高フレームレートで遊べる!

 Microsoft Flight Simulatorでは、グラフィックプリセットを「ウルトラ」に設定したうえで、アンチエイリアスをDLSS(DLAA)に設定し、フルHDと4Kでフレームレートを計測した。また、DLSS 3による「フレーム生成」の効果についても確認してみた。

DLSS 3対応タイトルのひとつ「Microsoft Flight Simulator」。

 DLSS 3によるフレーム生成を行わない場合、平均フレームレートはフルHDが58.8fpsで、4Kは57.1fpsだった。それがフレーム生成を有効にすると、フルHDは114.5fps、4Kも99.1fpsへと大きく上昇している。

 DLSS 3のフレーム生成は、CPUのボトルネックによってフレームレートが頭打ちになる条件でもフレームレートを向上させられる可能性のある技術であり、それが利用できるGeForce RTX 4080を搭載するPG-4X80Z79にとって、魅力的な要素の一つであることは間違いないだろう。

次世代機向けアップデートで最新技術が導入された「ウィッチャー3 ワイルドハント」も快適

 2022年12月14日に配信された次世代機向けアップデートで、レイトレーシングとDLSS 3に対応した「ウィッチャー3 ワイルドハント」では、レイトレーシングを用いるグラフィックプリセット「RTウルトラ」をベースに、アンチエイリアスを「DLSS(自動)」に設定してフレームレートを計測した。また、このタイトルでもDLSS 3によるフレーム生成の効果をチェックしてみた。

次世代機向けアップデートでレイトレーシングとDLSS 3に対応した「ウィッチャー3 ワイルドハント」。

 さすがに次世代機向けアップデートだけあって、リアルタイムレイトレーシングを有効にすると最新のハイスペックPCであるPG-4X80Z79にとっても相当に高負荷となるが、DLSS 3による超解像とフレーム生成を活用すれば、フルHDで132.1fps、4Kでも106.2fpsという高フレームレートを実現できている。

レイトレーシング有りでもかなり滑らかな「サイバーパンク2077」

 サイバーパンク2077では、グラフィックプリセットを「レイトレーシング:ウルトラ」に設定して、フルHDと4Kでゲーム内ベンチマークモードを実行した。

GPU負荷の高いタイトルとして知られる「サイバーパンク2077」。

 PG-4X80Z79がベンチマークモードで記録した平均フレームレートは、フルHDが126.02fpsで、4Kは85.29fpsだった。どちらも60fps以上での動作が十分に狙える動作であり、ハイクオリティな映像でサイバーパンク2077を楽しめる。

 なお、サイバーパンク2077は将来、レイトレーシング品質の更なる向上やDLSS 3への対応を予定しているタイトルであり、それが公開された暁にはPG-4X80Z79はより優れたグラフィックを堪能することができるだろう。

「エーペックスレジェンズ」はフルHD/最高画質/270fpsがターゲットに

 エーペックスレジェンズでは、グラフィック設定を可能な限り高品質に設定した状態でフレームレートの計測を行った。テスト時の上限フレームレートは300fps。

エーペックスレジェンズ。

 PG-4X80Z79が記録した平均フレームレートは、フルHDが278.4fpsで、4Kは182.6fpsだった。グラフィック設定を最高品質にしているにも関わらず、余裕でハイフレームレートを記録できるPG-4X80Z79のゲーミング性能は、エーペックスレジェンズのようなFPSゲームにも適したものであると言える。

Core i7-13700Kの性能を引き出すSTORMオリジナル水冷クーラーベンチマークとゲーム中の動作クロック/温度をチェック

 PG-4X80Z79では、CPUであるCore i7-13700Kの冷却に240mmサイズのオールインワン水冷クーラーを採用している。

STORMオリジナル水冷クーラー。

 この水冷クーラーはその名の通りSTORMのオリジナルモデルで、水冷ヘッドにはCPU温度やポンプとファンスピードの表示機能が備わっている。ケースのサイドパネルに強化ガラスを採用するPG-4X80Z79なら、この表示機能からCPUやクーラーの動作状況を一目で把握できる。

240mmサイズのオールインワンモデルで、本体カラーはブラック。
水冷ヘッドにはCPU温度とファン/ポンプスピードの表示機能を搭載。CPUとクーラーの状態が一目で確認できる。
240mmサイズのラジエーター。2基の120mmファンを搭載している。
STORMのステッカーが貼られた120mmファン。回転数は最大約1,800rpmまでの範囲でPWM方式で制御されている。

CINEBENCH R23 Multi Coreテスト中でもPコア5GHz以上/4コア4GHz以上を維持

 STORMオリジナル水冷クーラーは、CINEBENCH R23 Multi CoreにおいてCore i7-13700Kから高い性能を引き出せていたことから、十分な冷却性能を備えていることは伺えるのだが、実際にどの程度Core i7-13700Kを冷やせていたのか、ベンチマーク実行中のモニタリングデータを確認してみた。テスト時の室温は約25℃。

 最低実行時間10分で行ったCINEBENCH R23 Multi Coreテスト中、Core i7-13700KのCPU温度は最大100℃、平均でも99.3℃に達している。

 Core i7-13700Kの上限温度(TjMax)は100℃なので、100℃に達するとサーマルスロットリングが発動することになるのだが、Core i7-13700Kのテスト実行中の平均CPUクロックは、Pコアが5.16GHz、Eコアは4.06GHzとなっており、それぞれのベースクロックである3.4GHzと2.5GHzを大きく上回るブースト動作を維持している。

 推移グラフで見ても、Pコア5GHz/Eコア4GHzという高クロック動作をほぼほぼ維持できており、これがCINEBENCH R23 Multi Coreにおける優れたスコアの理由だ。

 ちなみに、推移グラフをよく見ると、CPUクロックは最初期の数分より若干低下していることが分かるだろう。これがサーマルスロットリングによるクロックの低下で、熱保護機能がCPUの安全を確保しつつ、最大限の性能を発揮できるように制御した結果が、終始Pコア5GHz/Eコア4GHzをキープするというCore i7-13700Kの動作であり、それを実現できたのはSTORMオリジナル水冷クーラーの冷却性能とCPUの発熱がそこでつり合ったからだ。

サイバーパンク2077プレイ中も常時5GHzオーバー、しっかり性能を発揮するSTORMの「PG-4X80Z79」

 STORMオリジナル水冷クーラーの優れた冷却性能によって、CPUに高負荷の掛かるCINEBENCH R23実行中でもCore i7-13700Kを高クロックに保てていたが、ゲーミングPCであるPG-4X80Z79にとっては、ゲーム実行中にCPUとGPUを冷やせることの方が重要だ。

 そこでゲーム実行中の冷却性を確かめるべく、CPUとGPUともに負荷の高い「サイバーパンク2077」を4K解像度で約30分間連続でプレイしてモニタリングデータを確認してみた。こちらもテスト時の室温は約25℃。

 計測の結果、CPU温度は最大85℃(平均75.3℃)で、GPU温度は最大64.6℃(62.9℃)となっており、この温度はそれぞれのリミット値である100℃と84℃を下回っている。つまり、サーマルスロットリングが生じないという訳だ。

 実際、CPUクロックはPコア=約5.3GHz、Eコア=約4.2GHz、GPUクロック=約2.9GHzで一貫しており、推移グラフをみても各クロックはほぼ一直線で描かれている。長時間のプレイでも安定したパフォーマンスでゲームを楽しむことができるだろう。

ミドルタワーケースでもしっかり冷えてハイエンドパーツの性能をしっかり発揮!ビジュアルも兼ね備えたハイスペックゲーミングPC「STORM PG-4X80Z79」

 ミドルタワーケースを採用するSTORMのPG-4X80Z79は、ハイエンドパーツを搭載した高性能ゲーミングPCとしては比較的小さいと言えるサイズ感だが、4連ファンを搭載するケースの「G360_04」や、Core i7-13700Kの性能を十分に引き出せるSTORMオリジナル水冷クーラーによって、優れた冷却性を備えたPCとして完成している。

 エアフローの良さはこのモデルの特筆すべき特徴で、長時間動作でも熱による性能低下を防ぎたいユーザーには好適なモデルだ。また、RGB LEDを搭載するケースファンや、STORMオリジナル水冷クーラーのCPU温度表示機能、そしてスマートな配線によって、ビジュアル的にもユニークな魅力のあるPCに仕上がっている。

 長時間動作でも確かな性能を発揮し、ビジュアルも兼ね備えたゲーミングPCを探しているなら、PG-4X80Z79はチェックすべき一台であると言えるだろう。

[制作協力:STORM]