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ゲームもいけて普段使いも速い!外付けSSD「Crucial X6」はしかも割安!

最大4TBで軽量小型なUSB 3.2 Gen2接続SSD text by 坂本はじめ

 Crucialの外付けSSD「Crucial X6」は、本体重量がゴルフボールよりも軽い約40gと軽量な薄型筐体を採用しながらも、最大4TBの大容量と800MB/sの高速性を実現した外付けSSDだ。携帯性と大容量、そして速度を兼ね備えた外付けSSDは、これまでであれば内蔵ストレージが担っていた用途を代替できる可能性を秘めている。

 今回は、外付けSSDであるCrucial X6のスペックやパフォーマンスを紹介しつつ、ゲームインストール用SSDとして活用したさいのパフォーマンスや、写真や動画データの転送など、実際に筆者も使用している外付けSSDの活用例を紹介しよう。

携帯性・大容量・高速性を兼ね備えた外付けSSD「Crucial X6」

 Crucial X6は、インターフェイスにUSB 3.2 Gen 2(10Gbps)を採用した外付けSSD。500GBから4TBまでの記憶容量がラインナップされており、1TB以上のモデルは最大で800MB/sのシーケンシャルリード性能を実現している。

Crucial X6の4TBモデル。
Crucial X6(4TB)で実行したCrystalDiskMarkの結果。実測でも800MB/s以上のリード速度を実現していた。
本体のコネクタはUSB Type-Cで、インターフェイスはUSB 3.2 Gen 2(10Gbps)。
本体にはUSB Type-C to Cケーブルが付属している。
重量はケーブル込みでも60gを切っており、コンパクトかつ軽量という高い携帯性を実現している。
2.5インチSSDと並べたところ。Crucial X6が非常にコンパクトな製品であることが分かる。

 本体サイズは69×64×11mmで、本体重量は40g未満という薄型軽量を実現。SSD本体のコネクタはUSB Type-Cで、USB Type-C to Cケーブルが付属している。なお、USB Type-C to Aケーブルは付属していないので、Type-A端子を備えた機器と接続したい場合は別途購入する必要がある。

 価格も外付けSSDとしては安値で販売されており、記事執筆時点での安値店の販売価格は、1TBモデルが1万円~1万2千円前後、2TBが1万8千円~2万円前後、4TBが3万7千円~4万4千円前後となっている。

データの移動にとどまらない外付けSSDの活用方法実際の活用事例とそのパフォーマンス

 ひと昔前なら、ポータブルストレージは記憶容量や速度の制約が大きく、より高速で大容量を実現可能な内蔵ストレージを代替するのは難しいという印象があった。現在でも最大速度や容量の面で内蔵ストレージが優勢なことには変わりないが、最大で4TBの大容量と800MB/sの速度を実現したCrucial X6であれば、実用的には内蔵ストレージの役割を代替可能となっている。

 かくいう筆者も高速な外付けSSDの恩恵を大きく受けているユーザーの一人で、ゲーミングPCやPCパーツの検証を行うさいの重要な機材として外付けSSDを活用している。

 今回はGeForce RTX 4080やCore i9-13900Kを搭載したハイスペックなゲーミングPCを使って、Crucial X6のパフォーマンスを内蔵ストレージや外付けHDDとの比較を通して確認してみよう。

ゲームインストール用SSDとして十分に通用する速度のCrucial X6PCIe 4.0 x4接続のNVMe SSDとロード時間を比較

 外付けSSDの活用例として筆者がもっとも便利に感じているのが、ゲームのインストール用SSDとしての活用だ。

 以前はゲームをインストールした内蔵SSDを複数の環境で使いまわしていたのだが、着脱に手間がかかるうえ、分解やSSDの増設が行えないゲーミングノートやUMPCでは利用することができないという問題もあった。外付けSSDであればケーブルを抜き差しだけで着脱が可能で、なおかつ内蔵SSDを利用できないPCでも簡単に利用することができる。

 また、最大4TBというCrucial X6の大きな記憶容量と、1TBあたり1万円を切る価格で販売されていることもある容量単価も魅力だ。1本あたり100GBを超えることも珍しくなくなった現代のゲームを複数インストールしておくには2TB以上の容量が欲しいところだが、Crucial X6なら十分な容量を比較的安価に入手できる。

ノートPCのような内蔵SSDがそのままでは使えない環境でも簡単に接続できるのが外付けSSDの魅力のひとつ。
最大4TBの大容量と容量単価が安いCrucial X6は、1本で100GBを超えることもあるゲームのインストール用途に高い適性を備えている。

 このように、多くのPCと簡単に接続できる汎用性の高さと、記憶容量と容量単価でゲーム用途に高い適正を備えているCrucial X6だが、もっとも気になるのはその速度についてだろう。ゲームインストール用のストレージは速度も重要であり、その速度がゲーム中で発生するロード時間に大きな影響を及ぼすことがある。いかに利便性と記憶容量に優れているとはいえ、あまりにもロード時間が遅いようでは実用性があるとは言い難い。

 そこで、PCIe 4.0 x4対応の内蔵NVMe SSD「Crucial P5 Plus」とCrucial X6にゲームをインストールした場合で、ゲームのロード時間がどれだけ変わるのか検証してみた。テストしたのはベンチマークソフトである「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」と、実ゲームである「エルデンリング」と「モンスターハンターライズ:サンブレイク」。

「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」、「エルデンリング」、「モンスターハンターライズ:サンブレイク」の3本のタイトルを利用してP5 Plus(PCIe 4.0 SSD)とX6(USB 3.2 Gen2 SSD)でロード時間を比較。

 5つのシーンのロード時間を合計した「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」のローディングタイムでは、Crucial P5 Plusの6.43秒に対して、Crucial X6は倍近い12.42秒のロード時間が発生している。合計値のためそれなりに差がつく結果とはなったが、長大なロード時間が生じているという訳ではなく、1シーンあたりの差は小さいので、実用上は十分なパフォーマンスだ。

 実ゲームであるエルデンリングでのファストトラベルや、モンスターハンターライズ:サンブレイクの探索出発時のロード時間では1秒未満の差しかついておらず、ロード時間の増加も1~2割程度にとどまっている。ロード時間的に内蔵SSDとそん色ないとまでは言えないものの、体感的に明らかに遅いというほどの差でもない。

 ゲームインストール用SSDとしてベストな性能ではないが、ハイスペックなゲーミングPCでも十分実用に耐えられるパフォーマンスは得られていると言って良いだろう。比較相手がPCIe 4.0×4接続の高速なP5 Plusと考えると、USB 3.2 Gen2接続でもこれだけの性能を出せているX6は優秀と見ることもできる。

外付けストレージはSSDを使えば一気に快適に、HDDから乗り換えようゲームのインストールフォルダやメディアファイルの転送速度を比較

 ひと昔前、大容量と携帯性を両立するデバイスと言えばポータブルHDDだったが、最大容量が4TBに達したCrucial X6は容量と携帯性の両面でポータブルHDDを凌駕する外付けストレージとなっている。そのことを確認すべく、USB 3.2 Gen 2対応の外付けケースに搭載した2.5インチHDD(1TB)とファイルの転送速度を比較してみよう。

Steamのゲームデータの書き戻しにかかる時間とデータ転送速度を外付けSSDと外付けHDDで比較してみた。

 まず計測したのは、外付けストレージにインストールしたSteamのゲームフォルダを内蔵SSD(Crucial P5 Plus)にコピーするのにかかった時間だ。

 Crucial X6はゲームインストール用SSDとして使用しているが、ゲーミングPC本体の検証を行う場合はPC内蔵ストレージでテストする必要があるため、外付けSSDから内蔵SSDへとゲームのインストールフォルダをコピーすることがある。こうしたシーンではデータ転送が高速なほど快適だ。

 ゲームデータは合計86.5GB、25,964ファイルの転送を行った結果、外付けHDDが10分55秒を要したのに対し、外付けSSDであるCrucial X6は半分以下の3分57秒で転送を完了した。この時の転送速度はHDDが約135.2MB/sで、Crucial X6は約2.8倍となる374.4MB/sを記録している。

 体感差もかなりあるので、大容量データを扱うユーザーほど外付けSSDの恩恵を受けやすい。

写真や動画データを内蔵ストレージ - 外付けストレージ間で移動した際に、外付けSSDと外付けHDDでどれだけ差があるのか確認してみた。

 続いて、エンコードや変換テストで使用する動画や写真などのメディアファイルを内蔵SSDにコピーした場合(読み出し)と、逆に内蔵SSDからコピーた場合(書き込み)の転送時間を計測した。

 記事を執筆する際の元素材として利用したり、レビュー製品を撮影したデータを保管したりと使用頻度はそこそこある用途だ。趣味で写真や動画を撮影しているユーザーもファイルの移動に外付けストレージを使うことは多いだろう。

 写真や動画など合計8.19GB、126個のメディアファイルを転送した結果、外付けHDDが読み書きともに約1分03秒だったのに対し、Crucial X6は読み出しで11秒、書き込みで13秒と圧倒した。外付けHDDの転送速度が133MB/s前後なのに対し、Crucial X6の転送速度は読み出しで約783.8MB/s、書き込みでも655.2MB/sに達している。

 毎回小さいファイルしか移動しなかったり、転送量が少ない場合は外付けHDDで不便に感じることは少ないだろうが、動画データなどを扱う場合は露骨に転送時間が変わってくるので、外付けSSDの導入をおすすめしたい。

 Crucial X6のデータ転送速度はポータブルHDDを圧倒しており、最大容量や携帯性の面でもポータブルHDDを凌駕するCrucial X6は、大容量ファイルの持ち運びにより適したストレージであると言える。確かに容量単価では依然としてポータブルHDDが有利な面も存在するが、この速度差には価格差以上の価値を見出すことができるだろう。

外付けSSDにはゲームファイルの他にも、ドライバやアプリのインストーラーなどを保存している。
最近はGPU用のドライバひとつで1GB近い容量に達するが、外付けSSDの速度なら一瞬で移動できる。

 なお、筆者の場合、このような高速性と大容量を両立した外付けSSDは、ゲームインストール用やメディアファイルの保管場所として活用するのと同時に、ドライバ、アプリのインストーラーなどを保存して、スムーズに検証環境のセットアップを行うためにも活用している。

 Crucial X6のような着脱が容易なUSB接続の外付けSSDは接続先のPCをすぐに変更できるので、検証環境の組立てやセットアップと並行して常設PCでドライバをダウンロードしたり、ゲームのアップデートを行うといった運用も簡単に行える。いまや筆者にとって外付けSSDはなくてはならない機材のひとつとなっている。

内蔵SSDの代わりに使える可能性を秘めた高速外付けSSDデータの持ち運びはもちろん、ストレージ増設の選択肢として一考の価値あり

 今回は筆者の活用例を交えながらCrucial X6のパフォーマンスを紹介した。流石に筆者と全く同じように活用するユーザーはそう多くないと思われるが、ゲームインストール用ストレージとして十分に通用する性能を備え、ポータブルHDDを携帯性と速度のみならず容量でも凌駕するに至ったCrucial X6は、様々な用途で活用できるストレージデバイスだ。

 10Gbps対応のUSB 3.2 Gen 2を備えたPCが大多数となっている現在、かつては内蔵SSDでなければ速度や容量面の要求を満たせなかった用途でも、外付けSSDが代替できる場面は増えつつある。データの持ち運びや補完といった用途はもちろん、ノートPCなど内蔵ストレージの増設が困難な環境での容量増設を考えているなら、外付けSSDを活用するという選択肢も検討してみてはいかがだろうか。内蔵SSDに遜色ないパフォーマンスを発揮してくれるシーンも多いはずだ。

[制作協力:Crucial]