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マグネシウム筐体のプレミアム軽量ノートからWi-Fi 7対応モデルまで、一歩先の未来が垣間見えたMSIブース

最新PCパーツや異業種の超有名ブランドとのコラボも(COMPUTEX AKIBA出張所 / MSI編)

 PC/IT関連の見本市「COMPUTEX TAIPEI 2023」が、5月30日~6月2日(現地時間)の日程で台湾で開催されている。このレポートではMSIブースで目立った展示物を紹介しよう。

マグネシウムで薄型/軽量になるゲーミングノート、新型のPCパーツやモニターを展示

 今年のMSIブースでは、最新ノートPCを中心に展開。ゲーミングノートPCからビジネスノートPCまで、後述する台数限定モデルも含め、様々なモデルが並んでいた。特にマグネシウム筐体のモデルに今回は注力しており、先に発表会が行われたメルセデスAMGとのコラボレーションモデルや、16インチの軽量ビジネスノートなど、ラインナップの拡充が図られている。

 ノートPC以外の製品群も展示されており、大型ビデオカードを搭載するのに適したステイとファンを備える新型PCケースや49インチでQD-OLED搭載のウルトラワイドゲーミングモニター、扱いやすいサイズに再設計されたクーラーを採用するGeForce RTX 4070 Ti、12GB/sをうたうPCIe 5.0対応SSD、デザインも含め刷新された水冷CPUクーラーや、ウルトラハイエンドゲーミングPCなど、これから発売が予定されているモデルのデモも行われていたほか、次世代GPUクーラー向けの技術研究成果や試作機など、この先の製品を期待させてくれる展示も行われていた。

今回主役となっていたのはStealth 16 Mercedes-AMG Motorsport、特設コーナーを設けアピールされていた。
ミドルタワーサイズのPCケース「MPG GUNGNIR 300P」。高さ/奥行き/前後調整可能なビデオカード用ステイ、ビデオカードの縦置き時にエアフローを改善できる小型ファンなど、先進的な設計が目立っていた。
超大型の49インチ湾曲有機ELゲーミングモニター「Project 491C QD-OLED」は圧倒的な没入感を得られる
厚みだけでなくカード長さや高さも抑えられている「GeForce RTX 4070 Ti GAMING X SLIM 12G」
様々な面が刷新された新型水冷クーラーのMAG CORELIQUID E240 WHITE、ヘッド部分のマークがドラゴンではなくMSIなっているのも特徴。
12GB/sをうたうPCIe 5.0 SSD。ファン付きヒートシンクを備える「SPATIU M570 PRO PCIe 5.0 NVMe M.2 FROZR+」とファンレス大型ヒートシンク搭載の「SPATIU M570 PRO PCIe 5.0 NVMe M.2 FROZR」があり、2モデルともに容量ラインナップは1TB/2TB/4TB。
MSIのウルトラハイエンドデスクトップPC「MEG Trident X2 13th Desktop」は内部構造がわかるかたちで展示。同社のハイエンドパーツが組み込まれたモデルで、動作温度は10℃低く、動作音は5dB低く、ゲーム性能は8%アップと前モデルからの強化点がうたわれている。
一風変わった製品としてスマートEV充電器「EV AI」の展示も。電気自動車時代の到来を見据えた製品だ。

随所のこだわりが光る“ラグジュアリー”がコンセプトのメルセデスAMGコラボモデル

 今年のCOMPUTEX MSIブースでも特に大きくエリアが展開され、目玉展示となっていたのが「Stealth 16 Mercedes-AMG Motorsport」。

 モータースポーツブランド、メルセデスAMGとMSIとのコラボレーションモデルである「Stealth 16 Mercedes-AMG Motorsport」は、既存製品の「Stealth 16」シリーズをベースに、専用カスタマイズが施された限定モデル。マグネシウムアルミ合金製の筐体で、天板やディスプレイのベゼル下部にはMSIロゴと共にメルセデスAMGのロゴが刻印されている。

 このほかにも、キーボード右上の電源ボタンに施された「START ENGINE」の刻印、Webカメラ部分のパーツや背面のLED、底面のゴム足など様々な場所に配置されたチェッカーフラッグを意識したAMGロゴのパターンなど、こだわりのデザインとなっている。

 外観だけでなく、ハードウェア仕様の面でもカスタマイズが施されており、ディスプレイは液晶パネルから有機ELパネルへと変更され、アスペクト比16:10の4K+解像度(3,840×2,400)ドットでDCI-P3カバー率100%の美しい表示が実現されている。

 CPUには第13世代のCore i9プロセッサを採用。展示機では14コア/20スレッドのCore i9-13900Hが搭載されていた。GPUはGeForce RTX 4000シリーズを搭載しており、最上位モデルでGeForce RTX 4070 Laptop GPU、中位モデルでGeForce RTX 4070 Laptop GPU、最廉価モデルでGeForce RTX 4060 Laptop GPUをそれぞれ採用。基本構成部分における違いはGPU以外共通となっているようだ。

 パッケージも豪華な仕様で、ノートPC本体だけでなくが多数のアクセサリーが付属。ゲーミングマウスとゲーミングマウスパッド、USB 3.2対応の128GB USBメモリ、クリーニングクロスにケーブルタイ、それらを収納できるポーチが用意されている。

 全世界で数量限定のモデルではあるものの、担当者によれば国内販売も予定されているとのこと。MSI、AMGファンとしては見逃せないモデルとなりそうだ。

製品発表会ではMSIロゴのレーシングマシンも披露されていた

次世代規格Wi-Fi 7対応でAMD CPU×NVIDIA GPUな“最先端”ゲーミングノートが登場予定

 MSIブースの中で初披露となっていたゲーミングノートPCの1つが、17.3インチノートの「Alpha 17 C7V」だ。

 このモデルでは、MSI Alphaシリーズとしては初のRyzen CPU+GeForce GPUという構成で、CPUにRyzen 9 7945HX、GPUにGeForce RTX 4070 Laptop GPUを採用している。

 無線LANに次世代規格「Wi-Fi 7」に対応するのも特徴で、現時点でMSI初のWi-Fi 7対応製品であるとのこと。展示機のWi-FiモジュールにはQualcomm製「FastConnect 7800」が採用されていた。

 日本国内での展開については、Wi-Fi 7規格そのもののの認可が降りていないため残念ながら未知数だが、ノートPCで数Gbpsの超高速ネットワーク接続が可能となる日もそう遠くないだろう。

 同社が“Smart TouchPad”と呼ぶ多機能タッチパッドを備えた、17インチゲーミングノートPC「Raider GE78 HX Smart Touchpad 13V」も目を引いていた製品。

 こちらは大型のタッチパッドを採用し、約半分ほどのエリアにファンクションボタンやテンキーパッドなどを表示できるのが特徴だ。

大画面なのに軽量設計の「Prestige 16 Studio / Evo」、環境に配慮したビジネスノートPC「Commercial 14 H」

 もう1つ、MSIの新たな挑戦と言える展示が、「マグネシウムボディで大型かつ軽量」がコンセプトの16インチノートPCの「Prestige 16 Studio」および「Prestige 16 Evo」だ。各モデルの違いはStudioがディスクリートGPU搭載、EvoではCPU内蔵GPUモデルとのこと。

 最大の特徴は16インチながら最大1.5kgという軽量設計で、ディスクリートGPUとしてGeForce RTX 4060 Laptop GPUを搭載するPrestige 16 Studioでも、1.5kgに重量を抑えている。筐体素材をマグネシウムアルミ合金とすることで、サイズに見合わぬ軽さを実現できているという。

 CPUには最新世代Core i7プロセッサを搭載し、ディスプレイはDCI-P3カバー率100%を謳う2,560×1,600ドット(16:10)IPSパネルを搭載。

 特筆すべき点として、USB PowerDeliveryのリビジョン3.1に対応したType-Cポートを備えており、Type-Cポートから最大140Wで充電が可能だという。消費電力の関係上、Prestige 16 Evoのみ対応となる可能性もありそうだが、エントリー向けゲーミングノートPC並の給電がType-Cケーブルで実現できるというのは驚きだ。

 技術的側面だけでなく、再生プラスチックを使ったビジネスノートPC「Commercial 14 H」など、社会問題をカバーした、今までにない製品も見受けられた。

 法人向けに展開予定の製品で、パームレスト部分などに再生プラスチックが使用されている。カーボンフットプリント(CFP)レポートが付属し、欧米の一部官公庁/政府機関など、組織全体で二酸化炭素排出量削減を目指しているといった場合のニーズをカバーできるという。

6/2更新 一部展示製品を追加しました。

[制作協力:MSI]