トピック

DSP版Windows 10はノートPCにもお得に使える、OSを乗り換えて窓辺ななみの卒業を祝おう!

Windows 10 への移行方法は2パターン短時間で作業が済むクリーンインストールと、可能な限り環境を引き継ぐアップグレード

  Windows 10 への移行方法だが、大きく分けて二つの方法がある。

 一つは新規に Windows 10 の環境を構築するクリーンインストール。もう一つは、 Windows 7 で使用していた環境を可能な限り引き継ぐアップグレードだ。今回は両方のパターンを紹介する。

 クリーンインストールは作業時間自体は短時間で済み、余計なファイルやデータの書き込みが最小限で済むメリットがあるが、インストール後に環境を1から設定し直す必要がある。

 アップグレードは作業時間は長くかかるものの、ユーザーアカウントなどの設定や、インストール済みのアプリケーションなどが可能な限り引き継がれるメリットがある。なお、 Windows 7 から Windows 10 へ引き継ぐことができない設定やアプリケーションなども多々ある点には注意が必要だ。また、32bitから64bitといった異なるbitのバージョンへのアップグレードはできない点にも注意してもらいたい。

Windows 10のインストール時間はわずか15分前後、心機一転ならクリーンインストール

クリーンインストールの場合、必要な機材などは最小で済む。

 まずはクリーンインストールの方法から紹介する。

 クリーンインストールの場合、まずはストレージの入れ替えからはじめる。今回は元々搭載されていたHDDから、SSDへの換装を行い、そこに新規に Windows 10 をインストールする。

 ノートPCへ Windows 10 をインストールする場合、必ず元々のHDDやSSDは残し、新規にドライブを購入し使用することをお勧めする。これは万が一新規インストールに失敗したり、不具合があった際に元の環境に戻す手段を残すためだ。元々のディスクが残っていれば、何かあった際に差し替えればPCを使用できる環境が残るので、安全だ。

 それではDell Latitude E6540でのケースを例とし、写真で換装手順を見ていこう。

●1 まずは本体を裏返す。
●2 バッテリーを外し、PCを完全に電源が落ちた状態にする。
●3 ストレージが固定されているネジ穴を確認。
●4 ネジを取り外す。
●5 HDDを本体から引き出す。
●6 ちなみに、搭載されていたのはSeagate ST500LM000(SSHD)だった。
●7 HDDが固定されているトレイを取り外す。
●8 HDDが固定されていたトレイをSSDに取り付ける。
●9 トレイの向きなどがわかりにくい製品もあるので、良く確認しよう。
●10 Dell Latitude E6540の場合、トレイ本体にも向きの記載があった。
●11 SSDをPC本体に搭載する。
●12 本体のネジを締め、SSDを固定する。
●13 バッテリーを装着し直し元に戻す。
●14 ストレージの換装作業はこれで完了。

 ストレージの換装作業が済んだら、次はOSの新規インストールを行う。

 Dell Latitude E6540には光学ドライブベイがあるのでここにDSP版 Windows 10 のディスクをセットし、電源を入れる。光学ドライブが無いノートPCの場合は、先述したインストール用のUSBメモリを使用してもらいたい。

 ブート可能なHDDやSSDが無い状態でOSのインストールディスクがある場合、自動でセットアップ画面が立ち上がる。立ち上がらない場合は数秒間インストールディスクからブートするか表示が出るので、電源投入後からエンターキーを繰り返し押しているとセットアップ画面に入れるはずだ。

 セットアップ画面が立ち上がっ後はウィザードに従いライセンスキーを入力したり、好みの項目を選んでいけばOSのインストールは完了する。特に難しい部分なども無く簡単だ。

●15 光学ドライブベイにインストール用のディスクをセットする。
●16 電源を入れるとインストールディスクのデータが読み込まれる。うまく読み込まれない場合はPCの電源直後からEnterキーを繰り返し押してみよう。
●17 セットアップの画面が立ち上がったら自分の利用環境にあった項目を選択し、次へ進む。
●18 「今すぐインストール」の項目を選ぶ。
●19 ライセンスキーが問われるので、DSP版 Windows 10 に同梱されているライセンスキーのナンバーを入力する。
●20 ライセンスの条項が表示されるので、確認し問題がなければ同意し「次へ」を選択する。
●21 インストールの種類を問われるので、下段の「カスタム」の方を選ぶ。
●22 インストールするドライブを選択する。パーティションなどの設定もできるが、特に何もしなくても問題は無い。
●23 ここからはほぼ自動でインストールが進む。
●24 インストールに必要なファイルがSSDにコピーされ、展開される。
●25 更新プログラムのインストールが行われる。
●26 作業が完了すると再起動が求められる。ここまで進めばインストールディスクは本体から取り出しても問題は無い。
●27 再起動後、 Windows が立ち上がる。
●28 一番初めの設定は言語。ここから基本的な部分の設定が続く。
●29 日本語変換ソフトを選択する。
●30 二つ目の日本語変換ソフトはこの時点ではスキップを選択してで問題ない。
●31 続いてネットワークの設定、手間にならないようであればこの時点で設定しておこう。
●32 ユーザーアカウントの作成。
●33 パスワードの設定、後から設定しなおすこともできる。
●34 履歴管理の設定、好みに合わせて設定しよう。
●35 デジタルアシスタント「Cortana」の使用の有無も設定できる。
●36 プライバシーの設定。
●37 最終的なセットアップが行われる。
●38 諸々環境設定が行われる。
●39 「もうすぐです」が表示されればセットアップはほぼ完了。
●40 Windows 10 が使用可能になる。

 今回の機材でクリーンインストールにかかった時間は約15分。PCのスペックが高ければもう少し早く済みそうだ。PCのスペックやネットワーク回線などの速度によっても時間は変わってくるが、おおむね10~30分くらいの間でセットアップは完了するだろう。 Windows 10 のクリーンインストールは思っている以上に早い。

 なお、インストールの最中に何度が再起動がかかるが、光学ドライブやUSBメモリがブート順で最優先にされていると、はじめのセットアップ画面に戻ってしまいループしてしまうことがある。その場合はインストールディスクやインストール用USBメモリをいったん取り外し、起動し直せばセットアップを続行できる。

時間はかかるものの、環境などを引き継げるアップグレード

手間はかかるが、これまで使っていた環境を移行しやすいアップグレード。
OSのデータを一度クローニングするので、SSD/HDD外付けケースも用意しよう。

  Windows 10 への移行に手間や時間はかかるものの、可能な限り今使用している環境を移植できるアップグレード。

 同じbit同士のOSでなければ行えなかったり、アプリケーションなどは引き継げないものがあったりと制限はあるが、ユーザーアカウントや設定などは引き継げるので、凝った環境を構築している場合や、アカウント自体をIDとして使用している環境などではこちらの方法で Windows 10 へ移行することがお勧めだ。

 なお、移行できないアプリケーションなどはもともと無かった扱いになってしまうので、移行前にアプリケーションの対応状況を調べたり、 Windows 10 対応版に事前に変えておくなど対策をとることも重要だ。

 アップグレードの場合、まずはHDDのデータを丸々SSDにクローンするところから始める。今回使用しているSSDのCruclai MX500は、クローニング機能を持ったアプリケーション「Acronis True Image for Crucial」が利用可能で、これを使用してSSD側にデータの複製をとろう。
 Acronis True Image for CrucialのダウンロードはCrucialのサポートページからリンクが張られているので、そこからダウンロードできる。操作が凄いわかりやすいアプリケーションだが、画像でクローニングを行う手順を紹介しておこう。

●1 まずはCrucialのサポートページからAcronis True Image for Crucialのダウンロードサイトにアクセスし、アプリケーションを手に入れる。
●2 PCにインストールして使用可能な状態にする。なお、Acronis True Image for CrucialはCrucialのSSDが接続されていない環境では動作しない。
●3 SSDを外付けケースに入れてUSB接続できるようにする。
●4 PC本体にSSDを接続する。
●5 Acronis True Image for Crucialを起動する。
●6 起動したらツールの項目を選択、その中のディスククローンの作成を選択。
●7 クローンモードの選択は自動を選ぶのが良いだろう。SSDの容量に合わせ最適な設定が選択される。
●8 続いてコピー元となるディスクを選択する。今回であればSeagateのドライブだ。
●9 コピー先のディスクを選択する。こちらはCrucialのSSDを選ぶ。
●10 ディスクの選択が完了したら実行ボタンを押す。
●11 以降は自動でディスクのクローニングが行われる。
●12 クローンの作成が正常に行われたらPCの電源を落とそう。

 今回の環境では、クローニングが完了するまで20分ほどかかった。データ量が増えれば増えるほど時間は長くなるので、作業時間はゆとりをもってみておこう。

 クローニングが完了したら、内蔵HDDとクローニング済みのSSDの換装を行う。この行程自体はクリーンインストールの時と同じだ。

●14 バッテリーを外し、PCを完全に電源が落ちた状態にする。
●15 ストレージを固定しているネジを取り外す。
●16 HDDを本体から引き出す。
●17 HDDが固定されているトレイを取り外す。
●18 HDDが固定されていたトレイをSSDに取り付ける。
●19 SSDをPC本体に搭載する。
●20 本体のネジを締め、SSDを固定する。
●21 バッテリーを装着し直し元に戻す。
●22 PCが正常に起動するか確認し、起動したらここまでの作業は完了。

 ここまでの作業が済んだら、OSのアップグレードに入る。 Windows 10 へのアップグレードの場合、ネットワークの回線があればインストールディスクなどを使わずにアップグレードできる。

 Windows 10のダウンロードサイトで公開されているMediaCreationToolを使い、ウィザードに従いいくつか選択肢を選ぶだけで作業は完了する。

●23 MediaCreationToolを起動する。
●24 「このPCを今すぐアップグレードする」を選択。
●25 Windows 10 のダウンロードが始まる。
●26 インストール用のファイルが作成される。
●27 準備が整うと不要なファイルが削除される。
●28 更新プログラムの確認も。
●29 PCの状態がチェックされる。
●30 問題が無ければアップグレードの準備が進む。
●31 ライセンス条項に問題が無ければ「同意する」を選択。
●32 更新プログラムの確認。
●33 Windows 10 インストールの最終確認が行われる。
●34 Windows 7 から Windows 10 の環境に移行される内容。ここで一度再起動が入る。
●35 再起動後、 Windows 10 のインストールが始まる。
●36 必要なファイルが読み込まれインストール開始。
●37 クリーンインストールと違い入力などが必要になる場面はほとんどない。
●38 最終的な更新プログラムの確認
●39 更新プログラムの処理が終わればあと一息。
●40 「もうすぐです」が表示されれば作業完了は目前。
●41 アップグレードの場合はプライバシーの設定のみ行う形となっている。
●42 これで Windows 10 の操作が可能に。
●43 最後にDSP版 Windows 10 のラインセンスキーを使い、ライセンス認証をおこなって作業は完了。
●44 Windows 10 へ移行できなかったソフトなどは、インストール完了後にダイアログで知らされる。ハードウェアに結びつきが強いユーティリティなどは移行が特に難しいようだ。

  Windows 10 へのアップグレード作業だが、今回の環境では1時間20本ほどかかった。ディスクのクローニングに20分、SSDへの換装に10分、OSインストールに80分と、作業時間としては短くない。ただ、その分インストール中に選択しなければならない項目が少なかったり、インストール後に即使える環境を構築できる点がアップグレードの魅力だ。