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究極の裏配線!特殊設計マザーで新時代を切り開くSTORMのゲーミングPC「新界」

新構造が生む特別なスッキリ感、ピラーレスケースの白モデル text by 坂本はじめ

STORM「新界 PZ-KFS47」

 STORMの新作ゲーミングPC「新界」は、世界に先駆けて「背面コネクタ」仕様のマザーボードを採用したゲーミングPC。白いカラーリングが美しい270度強化ガラスパネル搭載ケースに新しい構造を活用した裏配線という新機軸を採り入れた「新界」は、スマートで美しいビジュアルに組み上げられている。

 今回は、STORMが配線の新時代とうたう「新界」のビジュアルやパフォーマンスをチェックしてみよう。見た目も性能も優れたゲーミングPCを探しているユーザーには是非チェックしてもらいたい。

他では手に入らない背面コネクタマザー採用最小のケーブルで美しく組み上げられた新世代ゲーミングBTO PC「新界」

 STORMの「新界」は、一般向けにはまだ発売されていないMSIの背面コネクタ採用マザーボード「MSI B760M PROJECT ZERO」と、それに対応するPCケース「STORM ST-KYOKAI_WH」によって、“これまでにない裏配線”という新機軸を世界に先駆けて導入したゲーミングBTO PCだ。

 今回紹介するのはCore i7-13700FとGeForce RTX 4070を搭載したミドルレンジの「PZ-KFS47」。標準構成時の販売価格は税込289,980円。「新界」にはこのほか、Intelの最新世代CPUの最上位であるCore i9-14900Kに、最強GPUのGeForce RTX 4090を搭載したハイエンドモデルもラインナップされている。

 背面コネクタ採用マザーボードについては後ほど紹介するとして、まずはビジュアル重視で構築された新界を写真でチェックしてみよう。

左側面。強化ガラスパネルを搭載しており、内部に搭載されたパーツのビジュアルが楽しめる
右側面。金属パネルを搭載しており、通気口越しにケースファンのLEDイルミネーションが見える
正面。強化ガラスパネルを搭載しており、左側はケースのフレームが無いピラーレス仕様
背面。マザーボードのバックパネルインターフェイスや電源ユニットにアクセスできる

 ケースに設けられた270度強化ガラスパネルによって、内蔵されているマザーボードやビデオカードといった主要パーツのビジュアルやLEDイルミネーションが存分に楽しめる。

 マザーボードが背面コネクタを採用しているため、一般的な構成ではそれなりに目立つ存在である24ピンメイン電源ケーブルやUSBケーブルなどが見当たらない、非常にスッキリした印象の内装に組みあがっている。

270度強化ガラスパネルはピラーレスであるため、斜め前からでもケース内部が良く見える。24ピン電源ケーブルがこの位置からでも見えないので、かなりすっきりとした印象
RGB LEDを搭載するケースファンは軸部分にインフィニティミラーを搭載している
STORMオリジナルのオールインワン水冷「ST-AIO240_PLUS WH」を搭載。水冷ヘッドは液晶パネルを搭載しており、表示をカスタマイズ可能
電源スイッチやインターフェイスは本体左側面底部に配置。LEDスイッチを押すとケースファン搭載LEDのカラーや発光パターンを変更できる

 また、搭載パーツは白を基調としたカラーリングのものが積極的に採用されており、白いゲーミングPCとしての完成度も高い。新界の内装で唯一目立っている電源ケーブルと言えるビデオカードの補助電源については、STORMのこだわりによって白ケーブルが用いられており、内装の見映えを損なうことなく配線されていた。

新界では白いパーツを積極的に採用しており、GeForce RTX 4070を搭載するビデオカードもホワイトモデルである
ビデオカードの補助電源にはSTORMこだわりの白ケーブルが採用されており、内装のビジュアルとよく調和している
LEDのカラーは自由にユーザーが変更可能
挿し色的に好みの色を設定するのも美しい

裏面コネクタ採用マザー「MSI B760M PROJECT ZERO」を世界初採用「究極の裏配線」を実現!

 ここで改めて、新界が採用する裏面コネクタ採用マザーボード「MSI B760M PROJECT ZERO」と、それによって実現する「究極の裏配線」を紹介しよう。

 新界が搭載するMSI B760M PROJECT ZEROは、24ピン電源コネクタからUSBやフロントパネル用のヘッダー、ファンコネクタなど、ケーブルを接続する類のコネクタを基板裏面側に配置した、今までにない設計のマザーボードだ。

MSI B760M PROJECT ZERO
接続コネクタやヘッダピンは基板の裏面側に配置されている
通常のマザーボードには無い位置にコネクタがあるので、搭載可能なケースは限定される
コネクタ形状は通常のマザーボードと変わりないので、ケーブルはそのまま使用できる
CPU用電源部分。通常ならコネクタが配置されているが、基板表面側にはパターンがあるのみ
フロントパネルのインターフェイスなどのケーブルを接続する部分にもピンが無いのでスッキリ
24ピン電源ケーブルも表面に無いのはなかなかのインパクト

 背面コネクタとも呼ばれるMSI B760M PROJECT ZEROの基板裏に配置されたコネクタは、ケースの内装をスタイリッシュに魅せるためにケーブルをケースの配線スペースに隠す「裏配線」の究極形とも呼べる方法を実現するためのもので、マザーボードとの接続部まで「裏」に隠すことができる。

 もっとも、一般的なPCケースは背面コネクタに対応できるようには作られていないため、MSI B760M PROJECT ZEROの背面コネクタを用いた裏配線を行うには、マザーボードのコネクタ配置に対応したPCケースが必須となる。2023年12月現在、ケース側の対応が必須となることもあってか、背面コネクタを採用したマザーボードはまだ市販されていない。

 STORMの新界が採用するケース「STORM ST-KYOKAI_WH」は、MSI B760M PROJECT ZEROの背面コネクタに対応した配線スペースを確保しており、これによって裏配線を活用したスタイリッシュなビジュアルを実現したという訳だ。

組みこまれたマザーボードを見ると接続ケーブルが極端に少ないことがわかる
新界の「裏配線」。STORMらしいスマートな配線も素晴らしいのだが、各ケーブルがマザーボードの背面コネクタにどのように接続されているのかも注目してもらいたい
マザーボードの背面コネクタに合う形でケースのシャーシに穴が設けられている
裏配線するのであれば、理にかなった形状なのがよくわかる
対応ケースとマザーボードを組み合わせることより美しいケーブリングが可能になる

 新界が実現した「裏配線」によるスタイリッシュなビジュアルは、MSIの配線コネクタ採用マザーボードと、それに対応したケースを用意したSTORMのコラボレーションがあってこそ実現したものであり、まさに「配線の新時代」と呼ぶに相応しい製品であると言える。

GeForce RTX 4070搭載でミドルレンジモデルでもかなりの高性能ゲーミングPCとしても高性能なSTORM「新界」

 ここからは、Core i7-13700FとGeForce RTX 4070を搭載した新界のミドルレンジモデル「PZ-KFS47」のパフォーマンスを確認してみよう。

 パフォーマンスの計測に用いるのはベンチマークテストとゲームで、使用したのは「Cinebench 2024」、「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」、「サイバーパンク2077」。

Cinebench 2024

 Cinebench 2024は、CPUとGPUの3DCGのレンダリング性能を計測できる定番ベンチマークテスト。今回は最低実行時間10分で各テストを実行してみた。

 PZ-KFS47のスコアは、GPUが「17,411」、CPU (Multi Core)が「1,466」、CPU (Single Core)が「116」。搭載しているGeForce RTX 4070やCore i7-13700Fのスペックから考えれば、十分に性能を引き出せていると言えるスコアだ。

ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON

 ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICONでは、グラフィック品質を「最高」に設定して序盤のミッション「多重ダム襲撃」をプレイした際のフレームレートを計測した。テスト時の上限フレームレートは120fps。

 PZ-KFS47は、フルHD/1080pとWQHD/1440pでほぼ上限に張り付く116.6fpsを記録し、4K/2160pでも75.3fpsという十分快適にプレイ可能な平均フレームレートを記録した。

ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICONでは、多重ダム襲撃をプレイしたさいのフレームレートを計測した

サイバーパンク2077

 サイバーパンク2077では、グラフィック品質を「レイトレーシング:ウルトラ」、DLSS 3のフレーム生成を「オン」にそれぞれ設定して、ベンチマークモードを実行した。

 PZ-KFS47は、フルHD/1080pで152.99fps、WQHD/1440pで120.23fps、4K/2160pでも73.35fpsを記録。DLSS 3のフレーム生成を有効にしての結果ではあるが、WQHD以下で120fps以上、4Kでも60fps以上を記録しているのは立派な結果だ。

サイバーパンク2077ではベンチマークモードで平均フレームレートを計測した

ビジュアル重視でも搭載パーツをしっかり冷却新界の冷却性能をテスト

 最後に、新界の冷却性能をテストしてみよう。

 今回は高負荷なゲームであるサイバーパンク2077を、4K/2160p(描画品質「レイトレーシング:ウルトラ」)で約30分間連続実行し、その間の動作温度などをモニタリングソフトの「HWiNFO64 Pro」で計測した。計測時の室温は約25℃。

 計測の結果、CPU温度は平均62.7℃(最高69℃)、GPU温度は平均65.2℃(最高67℃)を記録。それぞれの温度リミットは100℃と84℃なので、ともに60℃台という温度は十分な冷却が実現できている状態であると言える。

 実際、モニタリングデータを推移グラフ化したものをみると、CPUクロックやGPUクロックはほぼ一定となっており、常に高いパフォーマンスを発揮し続けていることが確認できる。

 また、モニタリングデータにおいて最初の5分が経過してから動作温度の変化もほとんどみられなくなっている。これは、ケース内の空気がしっかり換気されていることを示すもので、新界の冷却システムが優秀なものであることがみてとれる。

特別な裏配線によるスタイリッシュなビジュアルが魅力的の「STORM 新界」パフォーマンスと冷却性も兼ね備えた上質なゲーミングPC

 STORMの新界は、世界に先駆けて採用した「次世代型裏配線」と270度鏡面ガラスパネルケースによって、非常にスタイリッシュで美しいビジュアルを実現した白いゲーミングPCだ。今回テストしたミドルレンジモデルの「PZ-KFS47」でも、優れたゲーミング性能を実現しており、それを支える冷却性も実に優秀なものだった。

 新界はビジュアルを追求したPCでありながら、ビジュアル抜きでも優秀なゲーミングPCとして完成されている。新界にはミドルレンジのPZ-KFS47以外にも多くの製品がラインナップされているので、スタイリッシュな裏配線PCのビジュアルに魅力を感じたのであれば、ぜひともチェックしてみるべきだろう。