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QD-OLED/360Hz/ウルトラワイドが生み出す圧倒的没入感! 色にじみも解消した「MPG 341CQR QD-OLED X36」

RGBストライプ配列×0.03ms応答の湾曲34型をテスト text by 芹澤 正芳

 MSIから現役最高峰と言えるスペックを詰め込んだウルトラワイドモニター「MPG 341CQR QD-OLED X36」が登場した。OLED(有機EL)と量子ドットの組み合わせ、360Hzのリフレッシュレート、没入感を増す湾曲仕様、色にじみのないRGBストライプのサブピクセル配列、ピーク1,300nitsの輝度、DisplayHDR True Black 500認証などなど、パフォーマンスにも画質にも妥協したくない人にはピッタリの1台となっている。

 2026年1月に製品の概要が発表され実機の登場が待たれていたが、4月下旬にいよいよ日本でも正式リリースとなった。高画質&ウルトラワイドが生み出す圧倒的没入感を実機で早速体感できたので、そのテストレポートをお届けする。

MSIのMPG 341CQR QD-OLED X36

最新世代のQD-OLEDでワンランク上の映像美に進化

 MSIのMPG 341CQR QD-OLED X36は、34型サイズで画面比率が21:9となるUWQHD(3,440×1,440ドット)解像度のウルトラワイドモニターだ。最大の特徴は、新開発の“第5世代”QD-OLEDパネルを採用していること。画素自体が発光するため黒の表現力が強みの“OLED”と、光の波長変換に優れ色の再現性を飛躍的に向上できる“量子ドット”を組み合わせた「QD-OLED」(量子ドット有機EL)は、そもそもハイクオリティのパネルだが、第5世代ではさらに強化されている。

最新世代のQD-OLEDパネルによる色の高い表現力と明暗が楽しめる

 また、ウルトラワイドということでパネルは湾曲仕様で、湾曲率はやや緩めの1800R(Rの数字が小さいほど湾曲率が高くなる)。無理なく画面が視野全体に収まるイメージで、YouTubeなどで21:9のコンテンツを見ると、まるでその場にいるような、非常に高い没入感を味わえる。湾曲のウルトラワイドの大型パネルならではの体験だが、第5世代QD-OLEDの威力もあってさらに上質なものに仕上がっているのが本機最大の魅力だ。

視野全体を画面でカバーしやすい湾曲パネル。高い没入感を得られる

 UWQHDの解像度ながら、リフレッシュレートは360Hzと非常に高く、応答速度も0.03ms(GTG)と最速クラス。ゲーミングモニターとしての基本性能も優秀だ。高解像度で360Hzを活かしきるには、当然360fps出るだけの性能を持ったゲーミングPCが必要とハードルは少々高いが、ウルトラワイドとなめらかな描画が重なると没入感はとてつもなくアップする。これも映像コンテンツと合わせて、実機でぜひ味わってほしいと思うほどだ。

 ディスプレイとビデオカードのフレームレートを同期させることで、テアリング(画面ズレ)を防ぐ可変リフレッシュレート(VRR)機能はNVIDIAのG-SYNC CompatibleとAMDのFreeSync Premium Proサポートする。NVIDIAアプリで設定できることを確認した。

リフレッシュレートは最大360Hzに対応

第5世代QD-OLEDパネルが持つ革新的な特徴

 前述のとおり、本機のQD-OLEDパネルは最新仕様の“第5世代”モデルだ。ここで改めて、このパネルの革新的な特徴を詳しく見ていこう。

 OLEDパネルでは、1つの画素(赤・緑・青)を構成するサブピクセルがデルタ形状など、特殊な形状になっているものが多い。これは青色の寿命が短いといった技術的な問題を解決するためだが、それによって色や文字のにじみが発生してしまうことがあった。

 その点第5世代QD-OLEDでは、一般的な「RGBストライプ配列」を採用し、このにじみを最小限に抑えているとのことだ。また、光吸収率を高める特殊なダークアーマーフィルムによって以前のQD-OLEDよりも40%黒が深くなり、明部とのコントラスト感はより高くなり、画面への映り込みを防ぐなど、没入感の向上に寄与する。また、耐傷性も2.5倍アップしているとのことだ。

60倍の電子顕微鏡での撮影。QD-OLEDで一般的なRGBストライプ配列は珍しい
新旧世代のQD-OLEDパネルの比較モデル図(公式ページより)。OLEDパネルに多いデルタ型配列だと起きやすい色にじみが、RGBストライプ配列だと大幅に抑制できるという。その効果で文字のエッジなどが以前のものよりもスムーズになる

 色域の広さはもちろん高水準で、デジタルフォトや印刷分野でのプロユースに求められる「Adobe RGB」のカバー率は97.8%、デジタルシネマ向けで高い色の表現力が求められる色空間「DCI-P3」は99.3%、標準的な色空間「sRGB」では100%に達する。“完全に近い黒”、および(OLEDとしては)高い輝度が求められる「DisplayHDR True Black 500」認証も取得。OSDメニューで輝度のピークを1,300nitsまで高められる。

 さらに本機では、MSI独自のEOTF Boost(Electro-Optical Transfer Function Boost)にも対応し、1,300nitsモードより画面全体をより明るくできる。製品カテゴリーとしては、いわゆる“ゲーミングモニター”に分類される本機だが、ゲーム用途に限らず、HDRコンテンツ全般を、極めて高いクオリティで存分に楽しめるスペックと機能が揃っている、というのがポイントと言ってよいだろう。

Gaming IntelligenceアプリのAI Menuでゲームごとの設定を作れる

 ゲーミングモニターらしい機能としては、定番のフレーム間に黒色を挿入してブレを軽減する「SLMB」(Supports Super Low Motion Blur)、暗部を明るくする「AIビジョン」、画面中央に照準を表示する「AIクロスヘア」、画面の中央を拡大する「Optixスコープ」を搭載する。これらの機能は、OSDメニューによる設定のほか、Windows向けの「Gaming Intelligence」アプリでも設定可能だ。

OSDメニューは背面のスティックで起動、操作が可能だ
シンプルで視認性が高く、レスポンスも良好なOSDメニュー。AIを活用したゲーム向け機能およびOLED用セルフケア機能は「AIナビゲーター」に集約されている
2台のPCで1組のマウス、キーボードを共有できるKVM機能も用意
AIケアセンターはモニターの前から人が離れると自動的に電源をオフ、戻るとオンにできる
AI光センサーは周囲の色を判別して、見やすい輝度と色温度に自動で調整する
QD-OLEDの焼き付きを防ぐ「MSI OLED CARE 3.0」。ピクセルシフトをはじめ多数の機能でパネルを保護する。搭載する機能は従来のQD-OLEDパネル搭載モデルと同等

 アプリの動作にはPCと付属のUSBケーブルで接続する必要はあるが、これによってゲームごとにモニター設定を作って保存できる「AI Menu」が利用できる。たとえば、「Apex Legendsを起動した場合、画質のプリセットをFPSに変更、AIクロスヘアを有効化する」といった設定を事前に用意しておけば、一括自動切り換えが可能だ。ゲームごとに設定を変えたい人にとっては便利だろう。

Windows上でモニターの設定を行える「Gaming Intelligence」
AI Menuでゲームごとの設定を作れる。ゲームが起動すると自動的に切り換わる仕組みだ
有効にするDisplayHDR規格の選択ができるほか、HDR有効時の輝度設定も可能。明暗の差を調整したいときなどに利用できる
ファームウェアのアップデート機能も備える
OSDメニューを操作するスティックの上下左右に割り当てる機能「ナビキー」もここで設定できる
本体背面の上部にあるLEDの設定も行える

 なお、Gaming Intelligenceの詳細については、下記の公式ブログでも詳しく解説されているので、併せて参照してみていただきたい。

新スタンドは奥行き短くても安定感バツグン

 スタンドはこれまでウルトラワイドモデルでよく使われているY字形のものから、奥行きが短くフラットな板状のものに変更された。設置しやすくなったのに加え、ベースが薄いため、スタンドを立てたキーボードをスッと上に置けるなど、使い勝手の面も上々のスマートさだ。それでいて激しくキーボードやマウスを操作しても揺れない安定性もある。スリム化と変わらない安定感を両立したこの変更は大いに歓迎したい。

Y字形からフラットなスタンドに変更。薄型、コンパクトな土台だが安定感は高い
高さは11cmの間で調整できる
チルトは-5度から+15度まで動かせる
左右30度のスイベルも可能。なお、パネルを完全な縦位置に回転することはできないが、±10度の範囲で角度を動かせる
スタンドの下部にはケーブルをまとめるためのホールを用意
パネル自体は薄型の仕上げ。そのため、全体にスリムな印象を受ける
付属のアダプターネジを使うことでVESAに対応。モニターアームの取り付けも可能だ

 映像入力は、HDMI 2.1×2、DisplayPort 2.1a×1、Type-C(DP Alt mode)を搭載。Type-Cは98WのUSB PD機能も備わっているので、ノートPCを充電しながら画面表示することも可能だ。USB 5Gbps対応ハブ(2ポート)やヘッドホン出力も搭載している。なお、HDMI入力はPS5の120Hz駆動、VRRに対応。家庭用ゲーム機も楽しめる。

 本体サイズは、約813mm×229mm×544mm(幅×奥行き×高さ、スタンド込み)、重量は約7.8kgだ。

背面の端子類。HDMI×2、DisplayPort×1、Type-C×1の4系統入力を備える。USBハブ機能も用意
付属品。映像ケーブルはDisplayPortとHDMIが付属し、Type-Cケーブルは含まれていない
リッチな仕様になる製品も多いMPGシリーズのモニターだが、本機はオリジナルアクセサリーポーチやMSIロゴ入りのDiplayPort/HDMI/USBケーブルが付属する特別仕様だ

映像美、没入感、なめらかな描画のすべてを備える1台

 第5世代QD-OLEDによって圧倒的な明暗の表現、ウルトラワイド&湾曲で視野全体が画面になる没入感、360Hzリフレッシュレートによるなめらかな描画。MPG 341CQR QD-OLED X36は、ゲームや映像コンテンツの世界観に浸りたい人にピッタリの1台だ。新スタンドの使い勝手もよく、あらゆる面がハイレベルにまとまったゲーミングモニターだ。

 本機が誇る映像美を、3,440×1,440ドット&リフレッシュレート360Hz、かつ最高画質(タイトルによってはレイトレーシングも含む)設定で活かしきるのはなかなか厳しいハードルではある。マルチフレーム生成技術も併用してフレームレートを稼ぎつつ、可能な限り高い画質を維持するのがポイントになるだろう。

 一方、リフレッシュレートの高さを競技系の対戦ゲームに活かす場合は、Windowsおよびゲームの表示解像度をフルHD/WQHDにしたり、強制的に画面比率を16:9や4:3に変更する機能を使ったりすれば、視線や首を大きく動かさずにゲーム画面全体を把握できる表示サイズに変更することも可能だ。設定の切り換え自体はGaming Intelligenceで簡単に管理できるので、コンテンツやプレイするゲームに応じて設定を切り換える使い方がよいだろう。

人気の新作「PRAGMATA」ゲームコードバンドルキャンペーンも開催

 MSIでは2026年4月末現在、本機も対象となるSteam版「PRAGMATA」ゲームコードプレゼントキャンペーンを実施中だ。期間中に、

・対象のショップでキャンペーン対象製品を購入
・各ショップのレビュー機能またはSNSにレビューを投稿
・MSIメンバーセンターで対象製品を登録

の3条件を満たし、購入を証明する書類とともにレビューのリンクを提出すると、ゲームコードが獲得できる。購入期間は5月31日まで、応募期間は6月14日または在庫終了まで。

レビューを投稿すると「PRAGMATA」のゲームコードがもらえるプレゼントキャンペーンが開催中