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実は究極のセキュリティ?指先1つ内部データを全破壊できる外付けSSD「TEAMGROUP T-CREATE EXPERT P35S」
フィクションのスパイアイテムが現実に text by 日沼諭史
- 提供:
- TEAMGROUP
2026年4月28日 00:00
誰しも他人に見られたら困るデータを持っているものである。まだ世に出ていない仕事絡みの資料、関係者しかアクセスしてはいけないファイル、こっそりコレクションしている画像や動画などなど……。
こういったデータの保管先として絶対的な正解はおそらく今のところ存在しない。ローカルPCやNASはもちろん、クラウドストレージもセキュリティが突破されれば漏洩してしまうし、リスクを完璧に0にすることは難しい。
ただ、特定のシチュエーションに限れば、データ漏洩のリスクを極限まで小さくすることはできる。それを可能にするのが、今回紹介するTEAMGROUPのUSB接続の外付けSSD「T-CREATE EXPERT P35S」だ。
フィクションの世界であるような破壊機能付きのストレージが登場データ漏洩リスクを減らす「セキュアな運用」が可能な外付けSSD
データの漏洩という観点で見ると、USB接続の外付けSSDはある意味データ持ち出しに使ったらイケないデバイスの代表格ではないか、と思う人もいるかもしれない。しかし、T-CREATE EXPERT P35Sについてはそうとも言いにくい。なぜなら、物理的な自己破壊機能という、世界でもあまり例のないユニークな機能を備えているからだ。
見た目はなんとなく防犯ブザーのような雰囲気、サイズ感(90×40×18mm)で、約42gの軽量なプラスチック製。ポートはType-Cで、付属のUSBケーブルでPC(Windows、macOS)に接続すれば普通に外付けSSDとして使える。ラインアップは今回試した256GBと、512GB/1TB/2TBの全4種類だ。
なお、本製品は日本では業務用ストレージを主に扱う株式会社バイオスから販売される。まずは256GBモデルが5月中に少量販売され、以降、他の容量のモデルも順次販売が開始される予定とのことだ。
インターフェースは最大10Gbpsのデータ転送が可能なUSB 3.2 Gen2対応となっている。CrystalDiskMarkで速度計測したところシーケンシャルリード・ライトが1GB/s前後出ているので、高速な外付けストレージとして十二分に活躍してくれるだろう。
真ん中に見えるスイッチらしきものをひとまず無視すれば、ごくごく一般的な高速外付けSSDである。胸ポケットにも入れやすく、データの受け渡しに便利なこと間違いなし。しまっておくときもコンパクトなのでスペースをとらず、普段使いしやすいアイテムだ。
では、T-CREATE EXPERT P35Sの超特殊な「セキュリティ機能」を語る前に、まずは基本スペック面の特徴に触れておこう。
上のスペック表にもあるように、T-CREATE EXPERT P35Sは動作温度は0~70℃、保管時温度はマイナス40~80℃と幅広く、真冬の富士山頂であっても、酷暑の車内ダッシュボードであっても問題なくデータを保存しておけるスペックを誇る。これを応用して、人間が立ち入ることの難しい低温・高温環境の「保管庫」にしまっておくといった運用も可能なモデルだ。
データ漏洩は、デスク上に放置したり、鍵のかからない引き出しに入れておいたり、うかつに持ち出してしまったりするから発生するもの。使った後は必ず巨大冷凍庫やサウナのような高温環境に戻しておく、という人が立ち入りにくい環境に保管する運用ルールを徹底すれば、盗難によるデータ漏洩防止に一定程度効果を発揮するかもしれない。極端な例なので、現実的かどうかは置いておくことになるが……。
そして肝心のセキュリティ機能だが、ワンボタンで不可逆的なデータ破壊が行えるかなり尖った機能を備えている。通常のデータ消去では特殊なツールなどを用いることでデータが復元されてしまうこともあるが、T-CREATE EXPERT P35Sは記録されたデータを破壊するだけでなく、チップ自体を破壊する機能も備えており、「情報を完全に消去し、残留リスクを排除し、最高レベルのデータセキュリティを提供します」とされている。
フィクションの世界では定番アイテムと言えるが、現実にこうした機能を備えている製品はこれが初めてではないだろうか。
実際に「破壊」してみるとどうなるのか、内部データは完全に無に帰す?
ここからはT-CREATE EXPERT P35Sにおけるメインのセキュリティ機能「自己破壊機能」を詳しく見ていこう。写真を見て気になっていた方も多いだろう中央部のスイッチらしきもの。ここをスライドさせると、内部のチップを物理的に破壊し、データの読み取りを不可能にするのだ。
スイッチを最後までスライドさせれば、中に保存されていたデータを見ることはもうできない。このSSDが誰かの手に渡ろうとも復旧はできず、データ漏洩を根本的に防ぐことができるわけだ。
ただし、こんな目立つところにスイッチがあると、日常的に持ち運んだりしている間にうっかりスイッチをオンにしてしまいかねないのではないかと感じる人もいるだろう。
たしかにその通りだが、実際にスライドさせるにはかなりの力が必要で、しかも2段階でスライドさせる必要がある。意図的に「破壊するぞ!」と意気込まない限りはそもそもスイッチが動くこともないので、不意に全部スライドさせて破壊してしまう可能性はかなり低い。
というわけで、実際にスイッチをオンにして破壊してみることにした。しっかり本体を握って親指をスイッチに押し付け、「ぐぐっ」と力を入れないと1段階目でも動かない。気合を入れて数mm分動かすと奥に赤いインジケーターが見えるように。
しかし、ここからならまだ引き返せる。中のSSDは無事だし、スイッチを元の位置に戻すこともでき、PCにつないでデータを読み書きすることもできる。
続いては2段階目の「本番」だ。先ほどより強く「ぐぐぐっ」と親指に力を込めると、「バチン」という音とともにスイッチが最後までスライドした。あっけない。スイッチは元に戻すことはできず、中のデータはもう読み出せなくなっている、はずだ。
PCにつないでみると、エクスプローラーにドライブが現れない。「ディスクの管理」からT-CREATE EXPERT P35Sを確認してみると、「未割り当て」表示になっており、ドライブとしては認識されているようだ。ただし、「ディスクの初期化」を実行しようとすると、「データエラー」となって正常に終了しない。内部のチップが破壊されてしまっているためストレージとしては二度と使用することができず、不可逆的に破壊されている。
自己破壊機能の使いどころは?どのようなユーザーに向けたアイテムなのか改めて考える
物理的な自己破壊機能をもつT-CREATE EXPERT P35Sは、果たしてどのようなシーンで役立つのだろうか。大事なデータが無関係な他人に見られてしまう前に、ある意味「消してしまえる」デバイス、ということを考えると、以下のようなデータ保存用途が考えられそうだ。
・データの破棄が法的に定められたもの(個人情報保護法の対象となるデータなど)
・受け渡し後に確実に破棄する必要があるデータ
・後世に残したくないプライベートなデータ
個人情報や契約書など、不要になったデータや一定期間経過したデータを削除することが法律で定められている(もしくは法的に定めがなくても削除することができる)ものについては、T-CREATE EXPERT P35Sに普段から保存する運用をしておくと好都合かもしれない。
不要になった(削除していいタイミングになった)ら「バチン」するだけで簡単にデータを破棄できるし、通常なら専門業者に依頼しなければならない作業を自社で対応することで、場合によってはコスト削減に結びつく可能性がある。
また、廃棄すべき機材を専門業者が不正に流用してトラブルに発展するニュースを時々耳にすることも考えると、自社で廃棄対応できるのは安心・安全でもあるだろう。
会社間の重要データの受け渡しにも使えそうだ。通常のUSBメモリだと、受け渡し後にUSBメモリ内のデータを単純削除や簡易的なドライブ初期化などで消したつもりでも、実際には復元可能な形で残っていることが多い。
そこから意図せずデータ漏洩につながってしまう可能性はゼロではないが、T-CREATE EXPERT P35Sなら受け渡し完了後にスイッチオンで破壊すればOK。映画で見た「この録音は○秒後に爆発する」を再現するかのようだ。
もしくは万が一の紛失に備え、T-CREATE EXPERT P35Sのスイッチ周辺に、拾った人に向けたメッセージを貼り付けておくのもアリかもしれない。「拾った方はスイッチをオンにしてください」とか、逆転の発想で「スライドさせるとコピープロテクトが解除されます」みたいに書かれていれば、拾った人にスイッチを押してもらえて、自然に破壊してもらえるかもしれない。
個人利用の場合でも、たとえば家族に見られたくない大事な大事なデータをT-CREATE EXPERT P35Sにまとめて保存しておくのがおすすめ。もし見つかりそうになった瞬間には、すかさずスイッチをオンにして証拠を隠滅する、という使い方ができる。背に腹は代えられない。
嬉しい話ではないが、遺言書に「スイッチを押せ」と一筆加えておくといった使い方も考えられる。残った家族が本当に言う通りにしてくれるとは限らないが、「終活」の一環として実用的な面があるのも確かだ。確実性はともかく、少なくとも自分自身の精神的な安心にはつながる。
欲を言えば、遠隔地から破壊できる機能を実装できればなお良いアイテムになるのではないだろうか。 紛失した際は物理的にスイッチを押すことができなくなるので、最終手段としてリモートで破壊できる機能が追加されればより万全なデータ保護ストレージになる。技術的な面や安全性の面でのハードルもあるだろうが、そうしたモデルが出てくることも期待したい。
データ漏洩を防ぐ最終手段を備えたSSDデータを守るための方法を見直してみよう
どれだけPCが進化し、AIが発達しようとも、データ漏洩というセキュリティインシデントがなくなる気配はない。むしろコンピューター側が賢くなった分、相対的に人間のミスが目立ちやすくなっているように思う。直近ではAIコーディングツールのClaude Codeのソースコードが漏洩したことも話題になった。
データがいつ、どこから漏れるのか、予測のつかないところもある。が、T-CREATE EXPERT P35Sはそんななかでも人間のミスをカバーするデータ漏洩防止策として有効な手立ての1つであり、プライバシーを守る最終手段にもなりうる。使用後はデータ自体を完全に消す必要があるといった業務を行っているユーザーであれば、リスクをより小さくできるT-CREATE EXPERT P35Sは持っておいて損のないアイテムだ。



















